真・幻想創星録   作:青銅鏡(銀鏡)

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さて、平和回です(強要)

やっとネタがちょろちょろと出てきました・・・

ゆっくりご覧下さい。




第二十一話 指名手配

・・・本日はお日柄も良く、素晴らしい日だと存じ上げます。小鳥は飛び、魚は跳ね、木々は揺れ、雲が動く、そして人が飛ぶ。

 

 

「壊夢!さっさとぶっ飛ばせ!」

 

 

「応!ぬえりゃあっ!!」

 

 

・・・訂正、本日はお日柄も良く、クソみたいな日々と存じ上げます。鳥たちは種に関わらず共に命懸けで飛び去り、魚は危機感のあまり水の流れを無視して飛び跳ね、木々どころか山と地面が揺れ、雲が霧散し吹き飛ばされる、そして人が吹っ飛ぶ。

 

 

・・・何故こうなったか、それは単純かつ長い話になる。

 

 

まず簡単に言うと・・・

 

 

「大和がなんぼのもんじゃい!こちとら向こうの悪神ぜよ!」

 

 

単に壊夢が喧嘩してると言うべきだろう。では、簡単に回想しよう。

 

何、数分前の事だ。

 

 

____________________

 

 

丁度彼等を配下にしてから日本に帰った後、俺たちは暫くする事もなく、様々な村を転々と渡り、一応四凶は渡来人のような扱いなので知識を広め、悠々と過ごしていた。そうして軽く一年、今もとある村で居候をする代わりに農作業の手伝いをしていた。

 

 

「マスター、今日の分の収穫もそろそろ冬用に備えるー?」

 

 

「・・・んー、備えるのも妥当なんだが、ここ最近の疫病で他の村から難民が来るかもしれんしな・・・とりあえず蔵で保留な、俺ちょっと客迎えるから」

 

 

「はーい」

 

 

軽く返事をした幻夜を横目に、何故かふんぞりかえった男が来たので壊夢に作業を切り上げさせて同行させる。予備として風魔も上空で待機させて男に近づく。

 

 

「お客さんなら向こうを通って頂けるか?出来れば手続き等もしてほし「貴様が向こうの地から帰った男か?」・・・話聞けや」

 

 

俺の営業スマイルを粉砕し、偉そうな奴は俺を馬鹿にしたような目で見る。

 

 

「確かに俺がそうだ。とりあえずそこに立つのやめてもらえるか?その辺耕したばっかなんだ「やはりそうか!なら、我々の下に下れ!」・・・テメエさては大和のモンだな」

 

 

この感覚は話を聞かない大和の馬鹿小僧とアホ小娘のものだ。さてはどっかの馬鹿が調子こいて戦力増やして権力上げようぜーとかほざいたに決まってる。

 

「いいから離れろって、種も植えたんだよ「我は大和の天照大御神様の使者!貴様、あの方に仕えられる事を光栄に思え!」・・・だからどけって「さあ急げ!あの方も待っておられ「じゃかあしい!!」ガハッ!?」・・・ホームラン」

 

 

結果行くとも言っていないのに連れて行こうとした使者は、

 

 

「大和がなんぼのもんじゃい!こちとら向こうの悪神ぜよ!」

 

 

本気の壊夢の回し蹴りを喰らって飛び去った。これにはライト兄弟もびっくり。人類最古の飛行はここだった。尚さっきの場面はここに繋がる。

 

 

さて、天照の誘いを文字通り蹴ったらどうなったか。

 

 

「・・・ねぇ、結構この村気に入ってたんだけど?」

 

 

「また旅路か・・・」

 

 

「まあ、今回は仕方ないですね・・・」

 

 

「・・・すまん」

 

 

「いいから逃げるぞお前ら。チンタラやってるとまた五人ぐらい蹴り飛ばす事になるぞ!」

 

 

神に逆らった反逆者として指名手配をくらい、村から逃げるどころか常に大和の阿呆どもを蹴り飛ばすハメになった。妹の国に指名手配くらうって何だよ。

 

 

「・・・いけね、食料ないぞ」

 

 

「どうします?ここらの動物は狩れるだけ狩りましたし・・・」

 

 

「・・・お?そろそろアレ?」

 

 

「仕方ねえな・・・」

 

 

よって、俺たちは常に村や町を転々とし、足りなくなった食料をその場辺りの妖怪から取るか村をこっそりと襲撃する盗賊集団と化した。しかし中には気前よく食料や物資を分けてくれる村もあった。そんな村には俺たちの持つ食料の作り方を教えた。そう、米だ。

 

 

まさか米を広める人間になるとは思っていなかった。いや人間じゃないか。道理で渡来人から教わったと教科書にあったわけだ。あながち間違いではない。

 

 

「そうそう、で、水一回抜いて、苗を強靭にして「来たぞ」・・・また水を入れてやるんだ。とりあえずまとめた書物渡しとくわ。悪いけど時間だ」

 

 

村に数日間の間だけ滞在し、米を広めてはやってくる大和の兵を迎撃、逃走、蹴り飛ばし、撃退する。

 

 

そうこうしているうちに、島根から長野ぐらいまでの距離を逃走していた。歩いて。逃げる気が無いのがバレる。

 

 

「ねー、何処まで逃げるの?正直もう打って帰って攻めれば良くない?」

 

 

「・・・いや、それもありなんだが、折角だしこのままこの国巡ろうかと思ってな?」

 

 

そうは言ったものの、やはり特別な理由がないと妹の国を攻めたくない。と言ったわけで理由探してるのが本心である。クソ野郎とでもなんとでも言え。

 

 

「主上、この辺だと・・・向こう東に三キロ程が妥当ですね。それ以外に村はあまりありません、ど田舎ですね」

 

 

「だよなぁ・・・じゃあまず、そこに向かって恵んで貰えるか様子見るか・・・」

 

 

俺たちは逃走している奴らの割には堂々と侵二が発見した村に向かった。

 

 

「んー・・・この辺りなんですけどね」

 

 

「まさか前でよく見る軍隊がいるとこじゃないよね?」

 

 

「多分そこですね」

 

ふざけてんのか。生憎タイミングが悪かったらしく、大和が勧誘に来ているらしい。俺たちがすごすごと引き上げようとすると、何やら様子が変だった。

 

 

「・・・ん?ちょっとお前らストップ。早速盗賊の準備するな。勧誘に乗らんようだぞあの村・・・」

 

 

「まさか、このご時世あの国に従わないってのは滅ぶのと同じですよ?」

 

 

「いや、でも村の奴が湯のみ投げてるんだが・・・」

 

 

「・・・本当に投げてますね。滅ぶつもりでしょうか?」

 

 

「とりあえず見に行かんのか?運が良ければ儲けが出るかもしれんぞ?」

 

 

「さんせー」

 

 

「・・・まあ、行ってみるのもええんじゃないぜよか?」

 

 

「そうだな、とりあえず向かうか」

 

 

して、湯のみ投げ村(仮名)に近づくと、やはりよく見て蹴り飛ばす大和の兵に、住民が湯のみだけに留まらず、ちゃぶ台まで投げていた。

 

 

「帰れ!うちにはあんたらを信仰する奴らはいない!」

 

 

そう湯のみちゃぶ台投げ村(仮名)の村人達は叫んでいた。

 

 

「貴様ら・・・!我々に逆らうとどうなるか・・・」

 

 

「それ俺ら捕まえてから言えよ」

 

 

折角なので場を掻き乱そうと湯のみを投げられた奴の背後に着いた。恐る恐るこちらを振り向いた大和の兵は、俺を確認した途端、驚愕の表情に変わった。

 

 

「貴様・・・!?まさか指名手配中の・・・」

 

 

「左様。絶影で「妖怪蹴り男か・・・!?」ネーミングセンスクソかよ!お望みどおり蹴り飛ばしてやるよ!ブラジルまで飛んでいきやがれ!」

 

 

俺は左足を軸にして回転し、高速回転したまま右足で兵の腹を蹴った。男はくの字になりながら猛スピードで飛んで行った。・・・あれだとブラジルの東側の海に落ちそうだな。

 

 

「あーあ、これで通算482回目の撃退ですね。馬鹿なので一人ずつ来るので全く問題ないんですがねぇ、ここまで来るとスコア大会だと錯覚しますね」

 

 

「あ、あんたら・・・一体何者だ!?」

 

 

ちゃぶ台村(省略形)の爺様にたまげたような表情で見られる。・・・これは案外チャンスかもしれない。

 

 

「詳しいことを話したいんだが、いかんせんこっちも追われてる身でね。飯食ってないんだ。・・・悪いが恵んでくれんかね?」

 

 

____________________

 

 

「いやー申し訳ない。ウチも同じような事やって指名手配食らったんですわ」

 

「そうでしたか・・・ここは大和の神々が統括していない地・・・洩矢諏訪子(もりやすわこ)様が治められる地でしてな。それを彼らは度々要求するのです。今回は助かりました。ありがとうございます」

 

 

「いえ、あんまり気にすることないですよ。おかわり下さい」

 

 

気にする事は無いと、今回12杯目のおかわりをしながら侵二が微笑む。お前大食いかよ。爺様引きつってるだろ。

 

 

「・・・まあアイツが言う通り気にする事はないさ。こっちだって飯がなくて軽く困ってたしな」

 

 

「そうですか・・・ではお礼はここらで控えさせて頂きます。ところで、諏訪子様が是非貴方方にお会いしたいと仰っているのですが、お時間よろしいでしょうか?」

 

 

「いいんじゃない?どうせ暇だし。あ、僕もおかわりお願いしまーす」

 

 

「・・・そうだな。ではお願い申し上げる」

 

 

・・・大和の息のかかっていない神と会うのはこれで二度目か。まあ一度目の奴はここにいるのだが。

 

 

かたり、と八岐の剣が揺れた。分かってる、お前みたいに特殊な神の様子見ろってんだろ・・・

 

次回へ続く




ありがとうこざいました。

そろそろ暴れたいですよね(急患)

次回もお楽しみに。
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