真・幻想創星録   作:青銅鏡(銀鏡)

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最近色々と妖の出てくるアニメを見ていますが・・・
ウチの四匹は破綻してますね。もうこれ生き物か怪しいですね。悪神ですけど。


ゆっくりご覧ください。


第四十二話 防衛戦

休暇を楽しんで早一ヶ月。本当に幻夜が居座り始めた。

 

 

「また来るって言ったけど、すぐ帰るとは言ってないしねー。あ、伊織ちゃん、そこの座布団借りていくねー」

 

 

私がやれやれと頭を振っていると、幽香殿が頭を下げる。

 

 

「ごめんなさいね、急に上がり込んで・・・」

 

 

「いや、元々私達の喧嘩にわざわざ加担してくれるんだ、多少の無理は受け入れよう」

 

 

「あ、このテーブルも借りるねー」

 

 

「まあ、少しは自重しろとは思うがな」

 

 

まあそもそも。

 

 

「今このタイミングで借りても意味が無いと思うが?」

 

 

「いや、そこは雰囲気をね?」

 

 

と言っていると、丁寧に引き戸を開け、靴を脱ぎ、猛ダッシュで走り、部屋の前の襖をそっと開けて文が現れた。

 

 

「お父さん!一大事です!」

 

 

「ん?・・・んんっ、どうした?」

 

 

「鬼が来ました!現在麓付近で白狼天狗が接敵中です!」

 

 

「分かった。聞いたな?」

 

 

「はーい。じゃあ文ちゃん、案内してくれる?」

 

 

「え!?そ、その、お客人様も!?」

 

 

「出るぞ?ついでに私も出る。幽香殿、申し訳ないがもうじき帰ってくる伊織殿と本陣からの援護を頼む」

 

 

「ええ。無理はしないで頂戴ね?」

 

 

「それは幻夜に頼む。行くぞ」

 

 

窓を開け、一気に飛び降り、滑空する。

 

 

「あの、風魔様、隣のお客人のお名前を伺っても・・・」

 

 

「幻夜。混沌の馬鹿たれだ。接敵するぞ、我が娘」

 

 

「え?・・・ッー!?」

 

 

やっと文が初めに呼び方を誤ったことに気がつき、顔を赤くしたまま滑空した。

既に麓では大乱戦。何名かは吹き飛ばされてはいるものの、私が天魔になる事に二番目に賛同したあの若い鴉天狗、鞍馬(くらま)の小僧とその悪友の白狼天狗、犬走(いぬばしり)の小僧に指揮され、個々で攻撃してくる鬼に対し、盾を構え壁となって迎撃。優勢だ。

 

 

「歯ぁ食い縛りやがれ!あとちょっと耐えりゃ天魔様の来襲よ!」

 

 

「左翼中央!一度下がって半円で囲め!」

 

 

「おー、やってるやってる。・・・出る?」

 

 

「好きにしろ」

 

 

「んじゃ・・・」

 

 

幻夜が愛用の槍を抜き、二つに分解して両手に構える。と同時に幻夜の顔半分が歪み、声が二重になる。

 

 

「「行くかぁ」」

 

跳躍。その跳躍は既に人型の跳躍ではなく、まるで四足の獣のように跳ぶ。

4足で着地した幻夜は、両腕に槍を凍らせて接着させており、そのまま腕を振り回した。

 

「久しぶりにテメエとこうして殺るなぁ?」

 

 

「ん、まあね、でも体半分借りるって、昔はやんなかったよね?」

 

 

「気が変わった!この方が面白いだろ?」

 

 

「まあね!」

 

 

まるで動きの速い熊が暴れるように鬼の軍団を薙ぎ倒す幻夜から一度離れ、鞍馬と犬走に声をかける。

 

 

「無事か鞍馬、犬走」

 

 

「へいよ!怪我人は点々と出てますが、基本無事ですぜ!」

 

 

「鞍馬貴様、もっと敬語を使えんのか・・・」

 

 

「ならテメエもだろ?テメエも白狼天狗のクセに俺に暴言かよ?」

 

 

「馬鹿に使う敬語はない」

 

 

「んだと!?」

 

 

いい意味での馬鹿二人組に苦笑し、肩を叩く。

 

 

「引き続き防衛は任せる、良いか?」

 

 

「りょーかい!聞いたなテメエら!天魔様のお頼み事だ!」

 

「御意。鞍馬、半分は頼む」

 

 

「頼みます。だろうがよ!了解!」

 

 

そのまま天狗達は一つの波のように鬼を襲い、じりじりと後退させ始めた。

そこまでは良かった。

 

 

「「全員姿勢低くッ!」」

 

 

突如の幻夜の叫び、それに数瞬遅れての轟音と雷撃。しゃがむのが間に合わなかった天狗、それに留まらず鬼の数名が吹き飛ばされた。

それと同時に何者かに奇襲される鞍馬。

 

 

「鞍馬!上だ!」

 

 

「うおっ!?・・・悪いな犬走!」

 

 

鞍馬は回避に成功するが、鞍馬のいた場所には小さなクレーターが出来ていた。

 

 

「はあ・・・指揮者が二人でしたか。参ったな・・・」

 

 

クレーターの中心にいた人物はゆらりと立ち上がると、細剣を抜いた。

 

 

「作戦変更です。てな訳で作戦B行きましょう。光線」

 

 

「マズっ・・・」

 

 

侵二は口をパカリと開き、犬走へ光線を放つ。口から。

勿論口から出るなどと予想もしていなかった犬走は避けられず、一気に距離を詰めた私が犬走を突き飛ばし、私が焼かれることになった。

幸い犬走の耐久を考慮したのか光線の威力は低く、怪我の程度は軽く済み、再生を始めた。

 

 

「あらら、失敗です」

 

 

「いきなり現れてそれか。ボケナスが・・・」

 

 

侵二の口から煙が漏れ、侵二の呼吸と共に煙が吹き出し、さながら機械の冷却システムのように次の光線が装填される。

 

 

「天魔様・・・っ!?」

 

 

「良い。そのまま指揮を続けろ。何があってもだ。・・・幻夜」

 

 

「「ん?」」

 

 

「狩るぞ」

 

 

「「了解」」

 

 

一閃。弾かれるのは承知の上で侵二に横薙ぎの斬撃を叩き込む。

が、案の定10を超える翼で完全に防がれ、再び侵二の口が光る。今度は私に対応した破壊力だ。

 

 

「幻夜!」

 

 

「はいはい!」

 

 

しかし発射される直前に幻夜は私と侵二の足元に現れ、侵二の顎を下から蹴り上げる。と共に爆発。

 

 

「「行った!?」」

 

 

幻夜が姿勢を立て直し、私も一度下がって構えると、上を向いたままの侵二が正面に顔をギギギと戻した。

 

 

「イマノハ効きましタよ・・・下から蹴るとか反則ですヨ反則」

 

 

煙が晴れ、侵二の顔が露わになる。整っていた顔には傷一つなく、口から煙は出ているものの、所々黒い何かが揺らめいているだけで、大きな損傷はない。

 

 

「流石に幻夜と風魔は荷が重い・・・やはり本陣破壊一択ですかねえ!」

 

 

「止めろッ!」

 

 

侵二の翼が地面に突き刺さり、侵二自身は本陣へ細剣を向ける。

私は侵二の体制を崩そうと斬りかかるが、侵二の翼が網のように張り巡らされ、通らない。

 

 

「ではドカンと行きましょうッ!雷げ・・・おや?」

 

 

侵二が体制を崩し、ぐらりと斜めに傾く。そのまま雷撃は放たれ、山の頂上を僅かに掠めて雲を貫き、周囲一帯を閃光が包む。

 

 

「・・・オイオイオイ、嘘だろ?」

 

 

「あれが、饕餮・・・!?」

 

 

口を開き、化け物だと絶望している二人を置いて、当の侵二は首を傾げながら右脚をプラプラとさせている。

 

 

「・・・骨抜けてますね」

 

 

ふと隣を見ると、顔の半分を歪ませた幻夜がいた。

 

 

「・・・クソッ、間に合ったぞ幻夜」

 

 

「ありがと」

 

 

どうやら幻夜擬きが何かしたらしく、侵二の右足の骨が消えた。

 

 

「まあ再生しますけど。・・・これから発射前に骨抜かれるんでしょうね。・・・このまま戦っても間違いなく2対1で不利、どうしましょうか・・・」

 

 

帰って欲しいところだが、何か策でもあるのか、侵二は不敵に笑いながら翼を蟷螂のように擦り合わせる。

 

 

「・・・うわッ!?」

 

 

突然幻夜の位置に巨大な気配を感じ、身構える。しかし既に幻夜は何者かに襲われ、近くの木に叩きつけられていた。

何処からか聞こえてくる、この場に合わない鼻歌。ガチャガチャという金属音。

 

 

「よーっす、遊びに来たぜー」

 

 

主上(龍神)だった。

 

 

「貴様・・・」

 

 

「やめろよ、そんな怖い顔すんなって。・・・ま、遊びに来たんだけどさ、降伏しねえ?」

 

 

「するか」

 

 

私が吐き捨てると、主上は笑った。

 

 

「だよなあ・・・」

 

 

欠伸をしようとした主上に、鞍馬と犬走が同時に左右の上空から太刀を振りかざした。

 

 

「取っ・・・「あっぶね」!?」

 

 

「馬鹿な・・・!?」

 

 

しかし鞍馬と犬走の奇襲は失敗し、額に拳銃を突きつけられた。

 

 

「おいおい、血の気多いな」

 

 

主上はニヤリと笑うと、そのまま引き金を引いた。

 

 

「バーン」

 

 

ゆっくりと鞍馬と犬走の体が仰向けに倒れる。

 

 

「・・・空砲か」

 

 

「そそ。・・・いやだってさ」

 

 

主上は頭を掻いた。

 

 

「まさか鬼、第一陣全滅とか思わないじゃん?」

 

 

主上は溜息を吐くと、いつの間にか木に寄って眠っている侵二を叩き起こした。

 

 

「んあ?・・・引き上げですか?」

 

 

「あったりめーだろ、逃げるぞ」

 

 

「はいはい」

 

 

侵二は悪戯っぽく笑うと、口を開いた。

 

 

「ごめんなさいね、第1軍は元々調査隊。私が乱入したのは時間稼ぎですよ」

 

 

そう言って笑うと、主上と共に消えた。

 

 

____________________

 

 

「と言ったわけで一度退いた。また来るから備えろ」

 

 

「そうですか・・・怪我はないですか?」

 

 

「鞍馬と犬走が気絶した。後は白狼天狗14名、鴉天狗3名が軽傷。後そこで包帯巻いてる馬鹿が重傷。私は軽い火傷だ」

 

 

「いやいや、僕だけ本気で掴みに来たんだよ?そりゃこうなるって・・・イテテ、幽香、ありがと」

 

 

「そうですか・・・これからどうなさいますか?」

 

 

私は顎に手を当て、考えていると幻夜が手を挙げた。

 

 

「はーい。ちょっと思いついたんだけど、いい?」

 

 

____________________

 

 

前回の侵攻から2日後、雨が降ったこと以外は何もなかった。

再び鬼達は山を侵攻するが、その足が止まる。

 

 

「おい・・・こんなとこに池なんかあったか?」

 

 

鬼達の前に立ち塞がるのは池だった。底は濁っており、泥沼に近い。

鬼達は迂回しようとするが、他の道は崖ばかり。仕方なく渡ろうと、鬼の一人が足を踏み入れた。

 

 

「お客様ご案内ーッ!」

 

 

案の定何かが飛び出した。飛び出した幻夜は鬼の足を掴むと、そのまま引きずり込んだ。

 

 

「おい!大丈夫・・・うおっ!?」

 

 

慌てて駆け寄ろうとした鬼もまた、幻夜に引き込まれた。

 

 

「今だ!囲んで沈めてやれ!」

 

 

風魔の号令と共に、木の上に隠れていた鴉天狗達が風で鬼達を飛ばし始めた。

 

 

____________________

 

 

「沼に近い池を作れだと?」

 

 

「そそ、池。水中戦なら侵二にも負けない自信あるよ?」

 

 

「でも、そんなもの作っているとバレバレじゃないですか?」

 

 

「そうね・・・でも川じゃ大きさが足りないわね」

 

 

「そうなんだよ、そこで風魔なんだよね。・・・伊織ちゃんは風魔の能力知ってる?」

 

 

「えっと・・・災害を操るんでしたっけ?」

 

 

「あっ」

 

 

「幽香は分かったみたいだね。じゃあヒント。端的に言うと雨でもなんでも水が欲しいんだよね」

 

 

「あーっ!!」

 

 

「分かったっぽいね。じゃあ風魔・・・」

 

 

____________________

 

「まさか、自然現象に見せかけて雨を使うとはな」

 

 

「いや、マスターが俺は雨男だって言ってたから、これぐらいなら自然現象だと思うかなーって」

 

 

私が幻夜の奇才に呆れていると、本題がやって来た。

 

 

「ああ・・・罠でしたか・・・どうも鬼は強いですけど、集団では使いにくいですねえ・・・」

 

 

侵二が呆れながら二枚の羽を網のようにして鬼達を掬い上げ、そのまま私達に「出直して来ます」と言い残して消えた。

再び迎撃する事が出来た。

 

 

そんな時だった。

 

 

「風魔様ーッ!報告ですーッ!」

 

 

アレが来たのは。

 

 

 

次回へ続く

 

 





侵二の口から光線の案は、この前体調不良でゲロ吐いた時に閃きました。発想の元が汚い事が第一の欠点ですけどね。


次回もお楽しみに。
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