真・幻想創星録   作:青銅鏡(銀鏡)

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そこそこ早めの連続投稿です。
またズルズルとネタを引きずり出していきます。ロクなネタ出ませんけど。


ゆっくりご覧ください。


第四十三話 乱入

 

 

「壊夢が・・・!?」

 

 

「あ゛!?あの馬鹿帰ってきたのか!?」

 

「は?頭おかしいんじゃないの?」

 

 

「ダメですねこりゃ、アイツ来たら負けです負け」

 

 

彼方此方で壊夢が来たとの連絡を受けた、又は知った彼らは、各々の言葉ではあるものの、おおよそ馬鹿が帰って来たと捉えた。

 

 

「壊夢という方がどのような方かは分かりませんが・・・現在進路上の海を割って何かが来ています!」

 

 

風魔は頭を抱え、舌打ちをした。

 

 

「全員を下げろ!死にたくなかったら山頂へ退避!幻夜!」

 

 

「ほいさ!」

 

 

「幽香殿の所まで戻るぞ。いいな?」

 

 

「はーい。流石に壊夢はねぇ・・・」

 

 

____________________

 

 

「てな訳で戻ったよー」

 

 

「悪いな。とんでもないことになった」

 

 

「とんでもないこと・・・ですか?」

 

 

「うん。山壊れるかもよ?」

 

「妥当だろう。・・・アイツが何をしたいか分かるか?」

 

 

幻夜と風魔は互いに首を横に振り、苦笑した。

 

 

「だな。全く、もう少し大人しく里帰りをしていれば良いものを・・・」

 

 

「そだね、連絡も無かったから、余計アレじゃない?マスターとか噴いてんじゃないの?」

 

 

「だろうな」

 

 

「で、ホントにどうすんの?このままだと山どころかここら一体消えるんだけど」

 

 

「仕方あるまい、主上を呼ぶか「その必要はねえぞ。あんなしょーもない喧嘩してる暇ねえ程やべえからな」・・・来たか」

 

 

伊織や幽香が顔を強張らせて声の主を探すが、何処にもいない。

 

 

「・・・良いから出て来てくれ。妻が落ち着かん」

 

 

風魔が手をヒラヒラと振ると、風魔の目の前に男が二人現れた。

 

 

「わりーわりー」

 

 

「久しぶりですね、風魔、幻夜、伊織殿、幽香殿」

 

 

「あっ!ラーメン屋の人ですよ!風魔!」

 

 

「お、覚えてくれてんのか?嬉しいねえ」

 

 

龍一と侵二だった。

 

 

「にしてもまあ、まさかお前らが嫁を持つとはねえ・・・「まだこっちはしてないよー」・・・そうだったな、じゃあ彼女か」

 

 

「主上、流石に今はやめときましょう、割と真面目に全部吹っ飛びます」

 

 

「いやまあそうだけどな。じゃあ風魔、条件提示」

 

 

侵二が世間話をしようとする龍一を諫め、龍一はやれやれと首を振り、手に紙を出した。

 

 

「心得た。・・・一応引き分けではあるが、貴公ら、まあ要するに鬼を入れる事を仕方なく許可。その代わり殺害は御法度だ。一人でも意図的に殺した場合、私が全員の首を即、落とす。居住区は指定しない。そちらは?」

 

 

「よし、じゃあ此方はお前らのとこにあるらしい酒を要求「それが目的だな」ご明察ゥ!・・・後は仲良くしようぜって事ぐらいか。元々酒狙いで攻めるというか、脅しに来ただけだしな「傍迷惑な」だまらっしゃい」

 

 

「伊織、何か問題はあるか?」

 

 

「えっとですね、鬼の所に河童も入れて下さい。あの子達もウチの住人になるんです」

 

 

そうか、そうだなと風魔は苦笑した。

 

 

「そこまで回らなかったな。助かる」

 

 

「もっと褒めて良いんですよ?」

 

 

「後でな。・・・さて、本題だ」

 

 

龍一の目つきが鋭くなり、ニヤリと笑った。

 

 

「ああ、現在進行形で帰国中の化け物をどうするかだな?侵二!」

 

 

畏まりましたと、侵二が紙を開いた。

 

 

「こちら、今回の妖怪の山のそちらの兵力総合図と、此方のメンバー確認の為の名簿となります」

 

 

「貴様いつの間にそんな物を!?」

 

 

侵二はにこりと笑い、悪どい笑みを浮かべた。

 

 

「企業秘密です。どうやって作ったかも黙秘権を行使します」

 

侵二が地図を指差し、説明を始める。

 

 

「先ずは様子見・・・と言いたいですが、別にここはげえむとやらの世界ではありませんので、初めから全力で潰します「壊夢からすると無双ゲー確定だな」「違いないな」・・・では一軍から。天狗総兵力480名、鬼、過半数の230名総出撃。二軍、鬼120名、その中に副大将の伊吹萃香(いぶきすいか)、星熊勇儀(ほしくまゆうぎ)、それと私、主上、幻夜、幽香殿。三軍、風魔、伊織殿、此方の総大将、茜殿。これで行きます」

 

 

一つ質問よろしいですか、と、伊織が手を挙げる。

 

 

「風魔から聞いてるんですけど・・・ここまでする程、その、壊夢さんとやらはやっぱり危険なんですか?」

 

 

風魔は苦笑し、真顔で答えた。

 

 

「ああ、危険だ。細かく言ってなかったな。アイツがその気なら山なんぞ拳圧ですっ飛ぶ。・・・まあその点で言うと、私だって片手で集落一つを滅ぼせるし、幻夜なら山一つを氷山に変えられるし、侵二なら山一つの住人全部を喰ってしまうな」

 

 

「あ、もうそれ頂きました」

 

 

侵二がにこりと微笑み、伊織が固まる。

 

「まさかお前、コイツの結婚予定の相手の住んでいた山から逃げた奴が居なかったとの連絡があったが、まさか・・・!?」

 

 

「ああ、なんか入れるか入れないか喧嘩してましたねそんな事で。関係なく全部胃の中ですね。ご馳走様でした」

 

 

近くにいた野郎共以外、つまり幽香と伊織が戦慄し、微かに震える。

 

 

「落ち着け伊織。・・・で、何人喰った」

 

 

「大丈夫、幽香。僕がいるから・・・で、何人?」

 

 

「そうですねえ・・・270ぐらいですかねえ」

 

 

侵二が微笑み、伊織と幽香に軽く声をかける。

 

 

「安心して下さい、もう暫くはこんなに食べませんから」

 

 

侵二のその声が聞こえたのか、聞こえなかったのかは分からない、そもそも関係ないのかもしれないが、突如地鳴りが響いた。

 

 

「来たぞ馬鹿野郎が・・・!!」

 

 

「ちょっと、今のなんですか!?」

 

 

「壊夢が上陸した音だ」

 

 

「大き過ぎますよ!!そもそもここ海から離れた山ですよ!?と言うか何で壊夢さんとやらが来たのが分かったんですか!?」

 

 

「壊夢が海を渡る」

 

 

龍一が葉巻を咥えて左手が光線銃になっていそうな男の様なポーズを取り、片足をテーブルに乗せて地平線の方を向いた。

 

 

「渡るとどうなるんですか?」

 

 

「知らんのか」

 

 

龍一は振り向き、やけに余裕そうな顔で冷や汗を流しながら口を開いた。

 

 

「海が割れる」

 

 

誰だってこう思う。左手が銃の男だってここにいたら流石に思うだろう。

おかしいだろと。流石に葉巻きぐらいは落とす。

 

 

「海・・・割るんですか?」

 

「んー、多分歩く度にちょっと力入れた足踏みの風圧で水が逃げるんじゃねーかな」

 

 

誰だって震える。ターバンのガキが聖帝の足にナイフを刺す位置がズレるほど戦慄する。刺された場所がいつもと違った方の聖帝様だって戦慄する。隣でピラミッドの頂上を支えてた人も驚く。お師さんも驚いて蘇生する。

 

 

「いやそんなまさか・・・」

 

 

「それを軽い感覚でやるから凄いんだよねー」

 

 

もうこうなると頭を撃たれて失った、顔が人に近い水の上を歩く鹿も怯える事は間違いなく、光線を口から三度撃って虫を焼いて崩れ落ちた生物も撃つ前に自決し、天空に浮いていた石で浮かぶ城だって落ちる。メガネかけた大佐が目をやられる前に落ちる。

 

 

「そ、そんな化け物が、来るんですか・・・?」

 

 

「そろそろ来てんじゃねーの?」

 

 

再び地鳴り。幽香と伊織は飛び跳ねて驚く。

 

 

「こ、今度は!?」

 

 

「アレは・・・飛んだ音ですね」

 

 

「なんだ・・・飛んだだけですか・・・ん?」

 

 

伊織が安心の溜息を吐くが、ダメなことに気がつく。

 

 

「壊夢さん飛べるんですか!?」

 

 

「そりゃ飛べますよ。海割れるなら飛べるでしょう」

 

 

絶対に怒りで湖を割った石像様には真似して欲しくないことをしながら、とうとう壊夢が三度目の地鳴りを起こした。

 

 

「ちゃ、着陸、ですか?」

 

 

「いや、クシャミだ「クシャミ!?」・・・冗談だ、降りて来たな」

 

 

「準備は終わってますよ。そろそろ来るでしょうね」

 

 

全員が息を呑む中、先程よりは弱いが、連続して地鳴りが響く。龍一が張り詰めていた空気を破った。

 

 

「・・・走って来てね?」

 

 

「来てるな」

 

 

「全速力で来てますね」

 

 

「めっちゃ走ってるね」

 

 

「「「「・・・・」」」」

 

 

「ヤバくね?」

 

 

「マズイですね」

 

 

「ダメだな」

 

「絶対危ないよね」

 

 

「「「「・・・・」」」」

 

 

「伊織、天狗は全員だったな」

 

 

「はい」

 

 

「侵二、鬼は230だったな?」

 

 

「そうですね」

 

 

「「「「・・・」」」」

 

 

「伏せろおっ!!」

 

 

龍一の絶叫が響き、その場の六人は伏せる。

直後の轟音と風圧。

 

 

「な、なんなんですかこれ・・・!」

 

 

「この風圧、本当に生き物なの・・・!?」

 

 

突風、それにより屋敷は軋み、天狗や鬼の絶叫が響き渡る。

 

 

そして突風が収まった頃には、一軍として出ていた天狗と鬼は、

 

 

全滅。

突風によりそこいらの木々に引っかけられ、そのまま気絶。

 

 

「お、終わったんですか・・・!?」

 

 

「何よ、今の・・・!?」

 

 

侵二が飛び散った紙を整えながら、溜息を吐き、龍一が腰を叩きながら立ち上がった。

 

 

「主上、アレは間違いなく」

 

 

「ヘッドバンキング、まあ何もないところに対しての頭突きだな。それによって頭の先の空間に真空のエリアが発生し、一気に物が吸い込まれ、後ろから来る頭突きの風圧で全部が吹っ飛ぶ。「頭突き!?」「生き物が出していい頭突きじゃないわよ!?」予想通りの感想だが、やっぱ頭振ってアレとかふざけてんのかね」

 

 

壊夢が頭を上げたであろう直線上には、木、岩、崖、天狗、鬼・・・

 

 

何も無く、誰もいなかった。

 

 

 

次回へ続く

 

 





頭突きの時に振り下ろす頭が速すぎるため、空間が歪んで真空が出来る・・・
壊夢はよくゲームとかである真空波を頭で作ってるんですね。
頭の使い方が違いますよ。頭が。
で、書いてから。
何故頭突きに拘ってるんですかね?


次回もお楽しみに。
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