真・幻想創星録   作:青銅鏡(銀鏡)

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先日、念願のドクターペッ○ーを飲むことが出来ました。


ゆっくりご覧下さい。


第五十一話 久しぶり

 

 

「久しぶりね!隊長さん!」

 

 

「・・・ほんとにな。まーさか生きてるとは思わなかったろ?」

 

 

「ううん!佐々木さんはどーせ生き残ってるっすよ。とか言ってたよ!」

 

 

「あんにゃろぶん殴ってやる」

 

 

私は困惑していた。龍一は何かを思い出したように目の前の少女・・・蓬莱山輝夜(ほうらいさんかぐや)と言うらしい・・・に話しかけている。

それも昔のことを話すように。

 

「知り合い・・・なの?」

 

 

「うん?・・・ま、知り合いってとこだな。お前よりは人脈広い自信あるぜ。あ、輝夜、左にいる男が侵二、今の部下だ。前にいるのが紫。まあ・・・なんだ、ついてきてる知り合いだな」

 

 

龍一は私を指差すと、で、と輝夜に向いた。

 

 

「あのアホ達とは会ってんのか?」

 

 

「佐々木さんと名桐さんとは良く会ってたけど・・・あ、二人結婚したよ!「そうか。そりゃ良かった」高澤さんと浅野さんは会ってないけど・・・結婚式には呼ばれたから、結婚してたよ!「祝わねえとな」あとは・・・岸田さんは食堂やってて、類土君と高木君はそこのお手伝いさんで、澤田さんは機械いじってるんだって。みんな元気だよ!」

 

 

「いやお前、元気って・・・武田は?名前ねえじゃねえか」

 

 

輝夜は武田と言う名前を聞くと、顔を暗くした。

 

 

「・・・分かんない。ここに来る一年くらい前から全然」

 

 

「そうか・・・あのアホ、連絡無しか・・・」

 

 

死んでんじゃねえのか・・・と龍一は小さく呟いた。

 

 

「ま、それは良いんだ・・・なんで降りてきてんだ?穢らわしいから月に行ったんだろ?何も降りてこなくても・・・」

 

 

はたと龍一が手を止め、輝夜を睨んだ。

 

 

「・・・まさかお前、武田探すために蓬莱の薬飲んだんじゃねえだろうな・・・!?」

 

 

「・・・うん」

 

 

「ど阿呆ォ!・・・だからあんな全自動卵割り機の叡智の足元にも及ばないゴミ捨てろって言ったのによ・・・!チクショ、何番飲んだ!?」

 

 

「・・・一番」

 

 

「そこはましなの飲んだんだな!」

 

 

「ちょっと、さっきからなんの話?蓬莱の薬って何?」

 

 

龍一は私を見ると、少し落ち着いたように、それでも忌々しげに吐き捨てた。

 

「飲むと永久の命を授かり、老いることも、死ぬこともない薬。・・・俺と永琳が誤って開発して捨てたはずなんだが、上のお偉いさんが回収したらしい。この世に三本。それぞれ番号が振ってるんだが、問題がある。一番はプロトタイプ、特に身体に異常もなく、よく出来てるんだが、月の民が嫌う穢れを発してしまうゴミだ。で、二番。解毒薬。ただしこれだけを服用すると不老不死になる。この時解毒成分が変に反応して体と髪の色が白く、目が赤くなる。穢れも出る。最後の三番、巻き糞の一番下並みのゴミ。飲むと身体能力が鬼並みに上がるが五感が弱体化する。特に味覚と痛覚に異常が発生し、味が分からなくなる。痛みを感じなくなる。そして穢れを発する・・・って言う世界最大のゴミだ。あんなもんさっさと土の中に入れりゃ良かったんだ」

 

 

龍一は頭をガリガリと掻くと、二番と三番は?と輝夜に聞いた。

 

 

「・・・二番はまだあるよ。けど三番が・・・」

 

 

「行方不明ってかクソッタレ!あんなアニメと映画のギャップが強すぎるコック兼パイロットの主人公になるような薬要らねえんだよ!」

 

 

侵二さんが混乱している私に近づくと、耳打ちをしてくれた。

 

 

「主上が言っているのは一万年程前、月読命の統治していた都市での出来事です。・・・今は地上にはなく、月にあるらしいのですがね。この世のあらゆる穢れを嫌うような所ですよ」

 

 

すると彼女は月からやって来たのだろうか・・・?

 

「んで?プロトタイプ飲んだお前はどうしてここに来たんだ?」

 

 

「飲んだのが分かって、よく分からない人たちに捕まりそうになって、佐々木さんがこれで降りて逃げろ、隊長が運よく見つけてくれれば助かる・・・って」

 

 

「人頼りかあんのコンニャク回避隊長は!・・・クソが、話聞いてまさかと思ったんだよ!」

 

 

龍一は床を殴りながら舌打ちし、話を変えるぞと言った。

 

 

「まあ守ってやるのは確定事項として・・・どうやって求婚者を退けるかだな・・・今もあれだろ?結婚したいのは兄貴だろ?」

 

 

「そ、それは・・・そう、だけど・・・」

 

 

「なら全員薙ぎ払うぞ。適当に持ってこれないもん持ってこいでも言え。なんなら混沌の髪の毛引っこ抜いて来いとか、饕餮の歯を抜いて来いとか、檮杌の爪持ってこいでも良いんだぞ?後、ク・・・紫は前に出るなよ?」

 

 

「どうしてよ!?」

 

 

「そりゃお前、お前みたいな奴がいたら困るだろ」

 

 

私は龍一の言いように流石に怒りを覚え、掴みかかろうとした。

 

 

「は!?何を「だってお前、お前が隣にでもいたら求婚者の数が数倍になるだろうが。綺麗なくせしやがってそこも考えられねえのか?」・・・は、何、言ってんの・・・?」

 

 

私が突然の龍一の発言に思考が追いつかず、顔が熱くなっていると、龍一がこれ言っちゃダメなんだったなと呟いていた。

 

 

「いや、すまんすまん。これダメなんだったな」

 

 

「そうですよ。全く・・・」

 

 

侵二さんにごめんなさいねと言われるが、そんな事を考えていられる暇がない。

龍一はある一部を除けばおそらく優しく、しかも顔も良い。

そンな奴に嫌っているとはいえ、言われると顔くらいは熱くなる。

私は咄嗟に目を逸らし、気がつかれないようにする。

 

 

「・・・なしてコイツは目逸らすん?」

 

 

「どこ弁ですかそれ・・・女の子には秘密くらい沢山あるんですよ」

 

 

「そんなもんか・・・分かんね」

 

 

「重症ですね・・・」

 

 

全くだ。

と私が思っていると、龍一はブツブツと何かを言い始めた。

 

 

「求婚者門前払いとして・・・月のをどうするかだよな・・・待てよ、確かこれどっかで聞いた事ある物語に・・・ああかぐや姫か、なら来るやつも分かるし、月からも間違いなく来る・・・クソが、対空機銃でもパクってくれば良かった」

 

 

龍一は何かを言うと、巨大な黒い何かを取り出した。

 

 

「対物兵器なんぞこれしかねえぞ・・・使うのも万単位で久しぶりだな・・・」

 

 

「あ、それ、佐々木さんが練習してた奴!」

 

 

「マ?あの近距離バカがライフルの練習か・・・ん?近距離バカのライフル、か・・・ん、まあ良いか。ところでさ」

 

 

龍一が庭を指差す。

 

「あっこで遊んでる女の子誰?」

 

 

視線の先には黒髪の4歳くらいの子がいた。侵二さんは幻夜のゾーンですねと何やら言っている。

 

 

「私、妹なんていないよ?」

 

 

「だよな。一応幻夜呼ぶ?」

 

 

龍一はこちらに気がついた女の子においでと言いながら侵二に向いた。

 

 

「・・・ま、そんな頼りにしなくても良いんじゃないですかね?主上について来てますし」

 

 

「だな、こんにちは」

 

 

「こんにちは!」

 

 

女の子は綺麗な笑顔を見せてくれながら、私達に挨拶をしてくれた。

 

 

「何かここのお姉さんにご用?」

 

 

「んーと、父さまと来た!」

 

 

「って事はあれか?知り合いか求婚者か?・・・あ、そうだ、お父さんの上の名前は?」

 

 

「ふじわら!」

 

 

「おう求婚者の娘だ。お父さんは?」

 

 

「あっち!」

 

 

そう言って彼女が指差した先では、いつの間にか喧騒が起きていた。

誰かが妹紅と叫んでいるが、この子の名前なのだろうか。

 

 

「ねえ、向こうで妹紅って聞こえるけど、あなたの事?」

 

私は女の子に聞くと、女の子はこくりと頷いた。

 

 

「うん!」

 

 

「左様か。まああの様子だと上がってくるし、待つか」

 

 

龍一は胡座を組み直すと、侵二さんの背中に背中をもたれかけた。

 

 

「わりー、ちょっと枕しろ」

 

 

「枕するって動詞、初めて聞きましたよ」

 

 

「うっせ、他にもたれるのがねえだろうが」

 

 

「まあ私も疲れてますし、同じくもたれますよ」

 

 

「どーぞどーぞ」

 

 

そのまま龍一と侵二さんは背中合わせのまま息を吐いた。

 

 

「・・・二人共、疲れてるの?」

 

 

私がそう聞くと、侵二さんが答えた。

 

 

「いやまあ、変な妖怪退治受けまして、疲れたんですよね・・・影鰐でしたっけ?」

 

 

「そうそう。影鰐。アイツ影しかないからすーぐ逃げるんだよな」

 

 

まあ捕まえて俺が食べたけどさ、不味かったぜ。と龍一がカラカラと笑った。

 

 

影鰐はそこそこ名の通ってはいる妖怪だった。それを疲れただけで仕留めたと言うことだろうか。

表情には出さなかったが私は困惑していた。

私は二人の実力を推し量ってはいるが、本当に目にする事はしていない。

 

 

この時の私は、後日目の当たりにする事は予想していなかった。

 

 

次回へ続く





で、○クターペッパーの味なんですけど・・・

杏仁豆腐か薬のシロップみたいな味でした。
飲めなくないですし、凄く美味しくもないです。
正直美味しいならもっと美味しいで、不味いならクッソ不味いぐらいが良かったんですけどね。


次回もお楽しみに。
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