真・幻想創星録   作:青銅鏡(銀鏡)

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なんとか戦闘シーンの立体感を出したくて自爆しました。



ゆっくりご覧下さい。


第五十九話 弾幕ごっこ①

期日一週間後、ちゃんと紫は俺の借りている家に書類を纏めて提出してきた。

 

「んじゃ、じっくり見せてもらうぞ・・・」

 

内容は要約する。

 

 

1枚目

妖怪と人間の世界を分割し、各々が望んで出入りする事が出来る。それぞれの地域ごとに指導者を設置。統括させる。

その時、各エリア毎に監視員を配置し、人と妖怪の監視を行う。

エリア区分

・人里

・魔法の森

・妖怪の山

「ボツ。これじゃ単なる何個かある王国だ。ただしエリアの分割はまあ良し。より細かくすれば分割法は活かせる。次」

 

 

2枚目

一切の争いを禁じ、争い、又はそれに近い行為を行った場合、監視員に処刑される。

 

 

「おい・・・完全に人間よりじゃねえか。しかもこれだと平和を強要してるからボツ。後監視員俺らだろ」

 

 

3枚目

争い等に禁止事項は無し、ただし、身分差はないものとする。

 

 

「手抜きか?・・・妖怪よりでボツ。・・・ってもう終わりか?おい、ふざけんなよ?」

 

紫は仕方なさそうにため息を吐き、最後の一枚を取り出して俺に押し付けた。

やけに分厚い。

 

 

「・・・新システム、弾幕ごっこ・・・?」

 

 

弾幕ごっこ(仮名)

理想郷内で争いが起きた場合に実行する対戦。全てはこの勝負で決定される。

この勝負では技の美しさ、優雅さで競う。

 

 

「・・・絵空事極まれりだな。恥ずかしくないか?」

 

 

「・・・恥ずかしいわよ」

 

「システムは採用な。一週間で纏めろと命令してこの出来は良い方だ」

 

 

続き。

又、弾幕ごっこに乗じない場合、相応の罰が施行される。

勝負方法は弾幕ごっこの範囲内では許可。ただし弾幕ごっこ中の殺害は禁止。

人間と妖怪の力量バランスを取るために、人間側に強力な存在を配置、以後人間側の象徴の一部とする。

 

・・・軽くにしては出来が良い。他にもぎっしりと書き込まれていたが、文句のつけるところは殆んどない。

 

 

「中々やるな・・・」

 

 

俺は紫に対しての評価を上げ、じゃあ、と立ち上がる。

 

 

「んじゃこれを目処に協力する。そこで、まずは弾幕ごっことやらを実演してくれ。的は俺で良い。・・・多分だが殺さないように軽く痛い弾幕で良いんだな?」

 

 

「・・・大雑把にすればそうね。じゃあ外に出ましょ」

 

 

瞬間俺は術を展開し、家ごと別空間に移転する。

 

 

「・・・あれ?ここ、外よね?」

 

 

「さあな。ま、対戦に不自由はねえだろ?・・・じゃ、説明してくれ」

 

 

まず紫に飛べと言われたので、飛ぶ。つまり空中戦になる訳だ。

 

「・・・じゃ、どうぞ」

 

 

紫が弾幕を放つ。一つ一つが楔形で綺麗だ。

俺は弾幕を緩やかに回避し、挑発の体制をとる。

 

 

「ま、面白いんだが・・・俺はそんなんじゃ当たらんぞ?」

 

 

「小手調べだもの・・・じゃ、本気で行くわよ?」

 

 

途端に弾丸並みの速度で波のように飛んでくる。ただしちゃんと回避可能な場所、弾幕にムラがある。回避不可弾幕は禁止って事か?

 

 

「ふーむ・・・ぶっ放してみるか」

 

 

俺も面白くなってきたので弾幕を放つ。出すときはこう・・・髪の毛を尖らせて飛ばすような感じだろうか。針形の弾幕が形成され、射出される。それを紫は能力で躱す。

 

 

つまりこうか。

俺は紫に接近しながら縦に回転し、指先から弾幕を放つ。紫は受けようとするが数発掠る。

紫は反撃と言わんばかりに追尾式の弾幕を放つ俺は引き下がるようにバックし、ロールと旋回を繰り返して弾幕をぶつけ、直撃弾を徐々に減らす。

 

 

「どうよ?俺も下手くそじゃねえだろ?」

 

 

「・・・くっ!」

 

 

再度加速して紫に急接近。しかし今度は紫の直前でバックし直して追尾式の弾幕を放つ。追尾式の弾幕は不規則な機動を描いて紫に襲いかかる。

同時に俺の後背の空間数カ所に大きめの弾幕を設置、そこから弾幕を撃ちまくる。

あらかた撃ったのち、俺は紫の目の前で捻りこむように上昇する。紫が防ぐように放った弾幕は下がると思っていたのだろうか、俺が下がっていた時に当たったであろう位置に放たれる。そして俺と先程紫の撃った追尾式弾幕がほぼ同時に紫に当たる。

 

そう言えば前世ではパイロットになりたいとかほざいてた時期もあったな。

・・・今では実現出来ないが、な。

鉄の塊に乗って、空を飛んでみたかったな・・・

 

 

思考を切り替えて紫に弾幕を指先から掃射する。

こう考えるとガンポッド辺りが欲しい。これで三段変形が出来れば完璧○クロスの○ルキリーだな。

 

 

「・・・何処でそんな技を覚えたのかしら」

 

 

「独学と・・・風魔だな。あのアホ、元が飛行機乗りか何なのか知らんが、異様に上手くてな。アイツならお前をもう墜としてるんじゃねえかなあ」

 

 

「飛行機・・・?まあ、確かに風魔さんなら即やられてるわね。だから適当に手を抜く貴方に頼んだのよ」

 

 

「そりゃ確実だな。本気なんか出してたまるか」

 

 

俺は徐々に空中機動のコツを掴み、自由に動けるようになっていた。

今なら三段変形も出来る気がする。

 

 

俺は決着をつけるために紫に突進し、途中でワープゲートを開き、紫の目前に瞬間移動し、そのまま懐に潜り込んで顎に指を突きつける。

 

 

「動くな。ぶっ放して顎割っちまうぞ?」

 

紫は俺を見下ろす構図で睨んできたが、やがて諦めたのか手を挙げた。

 

 

「勝てると思ってたけど・・・やっぱり最強の龍神ね。負けよ」

 

 

「やっぱり龍神とはなんだクソ女。そんなたかが最強の龍神に負けてどーすんだよ。そんなんじゃ理想郷無理だぞ?」

 

 

「な・・・っ、うるさいわね!そもそもあんな変態飛行しながらの回避なんて出来ないわよ!」

 

 

「○野サーカスを変態飛行で括るんじゃねえよオラァン!?」

 

 

それはもう雨霰のように飛んでくるミサイルを躱す技。見て感動してどうしてもやりたくて、そして今出来た。

普通に嬉しいが、よく考えてみると飛ぶことがほとんど無かった。

こうして移動ではなく、何かをするために飛ぶのは案外気持ちが良い。

 

紫が地上に降りたので、俺も名残惜しいが地面に降り立つ。

 

「それはさておき・・・うん、なかなか良い。楽しかった」

 

 

「・・・どうしたの?いつもより口、悪くないけど・・・」

 

 

紫に見当違いな質問をされるが、今はそんな事どうでも良い。

楽しかった。それはもう、ちょっと泣きそうなくらい。

 

 

「採用。間違いなく採用。・・・俺もやりたくなった。もっと詳細まで突き詰めてくれ。必ずこれで通せるように俺たちも務める」

 

 

「そ、そこまで言うなら・・・頑張る、かな?」

 

 

翌日、俺は野郎共にこの案を伝えると、風魔を筆頭に賛成の声が上がった。

多少俺の我儘が押していた気はするが、目を瞑ってもらおう。

 

 

____________________

 

 

「で、私も紫殿と試せと」

 

 

「おう。一番最適なのがお前の気がしてな。断るか?」

 

 

「紫殿は?」

 

 

「お前相手だとやりやすいから賛成だと」

 

 

「・・・分かった。乗ろう。・・・刀は捨て置いてやってみるか」

 

 

風魔が賛同したので足元に空間を展開、ボッシュートになります。

 

 

「・・・いつ来てもつまらん不気味な空間だな」

 

 

「そうか?」

 

 

風魔に俺の空間が不気味だと指摘される。俺の空間は真っ白で、何もないだけなんだが。つまらんのは賛同する。

 

 

「・・・あ、風魔さん」

 

 

「さん付けはしなくても構わんぞ?・・・さて、話は聞いている、行くぞ」

 

 

風魔が跳躍し、風が吹く。それと共に風魔は浮き上がり、風魔の周りを紙でできた式神が飛び回り、風魔を囲む。

 

 

「紫、準備は?」

 

 

「出来てるわよ!」

 

 

「なら、始め!」

 

 

俺の合図と共に紫は弾幕を展開。昨日俺がやった自分以外に弾幕を射出する弾幕を展開し、より密度を増やしている。

やはり紫は学習能力と知力が高い。何の妖怪か分からないが、ぬらりひょん程度なら知恵比べで勝つのではないだろうか。尚参謀の侵二。

 

 

「疾ッ!」

 

 

風魔が歯切れの良い息を吐く、すると式神は編隊を組んで紫に襲いかかる。

紫の形成した弾幕に当たっては式神は砕け、まるで人参を厚く皮を剥きすぎたように式神は削れ、少なくなっていく。

一見弾幕は紫が優勢だが、風魔がいない。

 

 

「・・・ん?」

 

刹那俺の目の前を掠める何か。それは風魔が飛ばしていた式神で、紫に削られている集団とはまた別の集団が紫の横に迫っている。

中には風魔。

さながら紙で折った龍のような姿になりながら、風魔は式神と共に弾幕を避け、直撃弾を式神を盾にして防ぎ、紫に特攻する。

そして紫に激突する直前、風魔は左に傾いた。

 

 

「終わりだ」

 

 

紫から見て右真横を掠めながら飛び去る風魔。慌てて紫は風魔を目で追うがそれは悪手。

風魔の周囲と背後につきまとっていた式神が一斉に紫に襲いかかる。

それと同時に紫の弾幕を潜り抜けた数発の弾幕が同じく肉薄して自爆する。

そして式神が通過した後には落ちていく紫。ここまで一分未満。

 

 

「おい!気絶させてんじゃねえぞ!」

 

 

慌てて俺は紫の座標の高さ分一つ下の位置に転移し、紫を抱え上げる。

 

俺が紫を抱えたまま地上に降りると、霧散していく式神と共に降り立った風魔は頭を掻きながら苦笑した。

 

 

「いささかやり過ぎたな」

 

 

「当たり前だろがど阿呆」

 

次回へ続く




ありがとうございました。

次回もお楽しみに。
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