あ、メリークリスマス(遅刻)
イブと当日はモン○ンXXオールナイトやってました。リアル友人の非リア共と超特殊許可ザザミ誰が最速タイムでソロクリア出来るかな企画やってました。
勝ってやりましたよ、ギルドチャアクブレイブ太刀ブレイブヘビィの集う中、ストライカーランスで。
ゆっくりご覧下さい。
「あー行きたくねえ!」
侵二が奇声を発しながら貸家の引き戸を開け、頭を掻きながら外へと歩いて行く。
ここ最近侵二の調子がおかしい。言うまでもなく玉藻が原因なんだろうが、侵二も侵二でキャラ崩壊気味が強くて吹きそうになる。
今も行きたくねえと叫びながら向かっている。塾に行きたくないのに成績が落ちるから仕方なく行くような心境だろうか。それにしても笑いそうになる。
俺は侵二が夜な夜な茶を淹れる練習をしている理由に何度目か分からない程笑いそうになりながら、今日は暇なのでそっと後をつけた。
さも当然のように変装をしながら侵二は街中を歩く。
道行く人には明るく挨拶をし、道中なーんか見たことのある奴から菓子を買っていたが、屋敷の前で凶悪な面に変わった。こええよ。
「入るぞ」
はい不敬。クソ野郎もいいところである。引き戸を横に力任せに開き、引き戸をぴしゃりと閉め、ツカツカと玉藻の前に座った。
「お、おお!侵二殿!」
対する玉藻はあの野郎の何処がいいのか、嬉しそうに侵二を迎えた。
おそらく出身地が同じだからだろうが、侵二の対応が酷いあたり玉藻は侵二曰くのクソジジイの曽孫あたりだったのだろう。
「うるせ・・・ああ。言われた通りまた、な。別に旦那は構わんのか?」
「ああ。私は我儘を言わなかったから、この事は許して貰っている。・・・最近、旦那の調子も悪いしな」
「調子が悪い?病気か?」
「いや・・・昔から体が悪いらしい。最近更に増して・・・だな」
「さっさと見限ってやれ。・・・なんなら殺してやろうか?」
「それは出来ない!・・・あれでもいい奴なんだ。私は信じてる」
信じる、ね。おそらく侵二も同じ事を考えているはずだ。
くだらん。結局この世はアホなお人好しはいても、大抵は利害の一致が必要だ。俺がアイツらを配下に入れる代わりに、給料を与えるのと同じ。いくらお人好しでも、仕事をやっても給料をもらおうとしない奴はいまい。つまり信用するだけでは世界は回らない。
それでも信じるバカがいるなら俺もバカになって手伝うが。まあ多分旦那病死するけど。
「・・・俺はどうでもいいが、それで身を滅ぼすなよ。紫殿の式がいなくなる」
「わ、分かっている・・・」
チッ、と侵二は舌打ちをすると、服の裾から菓子を出した。まだ出してなかったのかよ。
「まあどうなろうが俺は気にしない。勝手に生きて勝手に死ね」
言ってることとやってる事が違う。暴言を吐きながら茶を淹れるな。
「・・・侵二殿は優しいな」
「あ?」
「言い方はどうにしろ、こうして私と正面から向き合って話してくれる。・・・昔から種族や、ほんの少し周りよりも綺麗なだけで敬われ、妬まれ、媚びへつらわれてきたのに、侵二殿はいつも厳しい口調で私を評価してくれる」
それが嬉しい。と玉藻は微笑んだ。
侵二が頭を抱えながら悶えていた。笑うわ。
「てめえみたいな九尾がいてたまるか・・・!!」
侵二が呪詛のように声を絞り出し、舌打ちをした。
やがて負のオーラが全て乗ったような溜息を吐くと、落ち着いた声で話した。
「・・・別に、九尾だからって偉いか?饕餮だから崇められて当然か?違うだろ?・・・俺は実力や才能が無いくせに人の上に立つ奴が反吐がでるほど嫌いだ。纏めるのが上手ければ良いさ。ただし自分にその才があると信じ込み、自分の力量不足を下の責任にする。自分以外を人として見ない。んなもんゴミだ。・・・だから俺は相手が上だろうが下だろうが、多少は外見の評価もするがそいつの中身しか関心はない。お前は俺が個人的に種族に借りがある故好ましく無いが、中身は悪くない」
お前はある点以外クソジジイに似ていないなと侵二は微笑んだ。
「・・・ありがとう。・・・ところでその、曽祖父と似ているのはどの辺りなんだ・・・?」
「クソ程お人好しなところさ。あのクソジジイ、口は悪いわ俺を煽るわ隙あらばどつき回してくるわのクソ野郎だったが、変なところは優しかった」
侵二が懐かしそうに言いながら、玉藻を指差しニッと笑う。
「俺は個人的に狐を好かんが、周りから見ればしっかりした良い奴だ。さぞクソジジイも誇らしいだろうよ」
「ありがとう。そう言われたのは初めてだ・・・」
「・・・やめろ、次に何言えば良いか分からんだろ」
「あ、その、すまない・・・」
「・・・謝んなよ」
沈黙。なんだこいつら。なんだこいつら(二回目)。
そのまま侵二がイライラと頭を掻きながら話題を考え、玉藻は恥ずかしそうに顔を俯かせている。
・・・今まで見た限り、二人の相性は良さそうだ。
侵二は一線を引きたがっているようには見える。多分異性なのを意識し始めたことに嫌気がさし、離れようとしているのだろうが、玉藻がショックを受けるのを分かっているので離れられない・・・といった感じか。余程疲れているようだ、未だに俺に気がついていない。
「そ、そうだ!こ、この前貰った菓子、美味しかったぞ!」
「お、そ、そうか。なら良かった・・・」
なんだこいつら(三回目)。
「う、うむ!あの菓子はどこの物なんだ?」
「ああ、あれか・・・今回のもだが、知り合いの傘屋の試作品らしい」
そう言って侵二は一枚の紙を取り出した。
「この店だ」
「傘屋、・・・幽夜?」
また吹きそうになった。見たことあるとは思ったがどう考えてもアメーバだ。
好きにしろと言ったが何してんのアイツ?しかも試作品と称して菓子作るのか。宿主並みにハイスペックかよ。しかも傘屋かよ。
「ああ。目つきとガラは最悪の男だが、仕事は素晴らしいと言われてるらしいな。贔屓にしてやってくれ」
目つきとガラは最悪。目つきとガラは最悪。
つよい(語彙力欠損)。
「・・・ん?しかし、前聞いたのは幻夜殿というお名前だった筈だが、別の人か?」
「別人っちゃ別人だな・・・まあ双子みたいなものだな。顔は目が開いてるか開いてないかの差。幻夜は薄目だ。幽夜は髪を全部後ろで纏めているのと、目が紅いこと程度だな」
「・・・変わった見た目の方だな」
「俺の前で言うか?」
「確かに侵二殿は綺麗な目をしているな」
「人がこの色なら気にしないのだが・・・俺は自分のこの色が大嫌いだ。俺もアイツらに近いと思うとイライラする」
侵二が金は嫌いだと吐き捨てる。多分麒麟の色が金に近いこともあるのだろう。侵二は黒が好きだと言う。
「・・・髪も黒なら良かったんだがな」
「?髪は黒だぞ?」
「・・・ああそうか、勘違いしてたな」
侵二はそう微笑みながら視線を落とす。
最近、いや初めから分かっていたものの、侵二の闇が深過ぎる。
風魔はゆっくり触れてやれと言うが、次第に暗黒面が増している気がする。
特に増すのが妹を主にした家族の話。麒麟に殺されたとは聞いたが、それにしては底が見えないほど悪意に染まっている。
俺は読もうと思えば心を読める。だが侵二は読まずとも俺並みに馬鹿に長生きすればわかる。
アレは何かに憑かれているように、まるで自分を殺しているような顔で笑う。
・・・最も、今玉藻の前でつまらない話をしている時は、一切そのそぶりは見えない。
おそらくこの時だけ忘れられているのだろう。口では嫌だの好かんだの言っているが、落ち着けているのだろう。ツンが殺意を含むツンデレかな?
「・・・髪の話はやめだ。まあ・・・お前の髪は綺麗だと思うぞ」
「・・・あ、ありがとう」
「だからやめろって・・・」
なんだこいつら(四回目)。
侵二も侵二で自爆するなら言わなければ良いのに自爆し続ける。
これが永琳に綺麗な人ですねと本心込みの冗談をかましていた奴だとは俺は思えない。
そして玉藻も初々し過ぎる。婚約したばっかの夫婦かこいつらは。
と言うか侵二が弱過ぎる。いつもの皮肉と冗談全開の食えないやつはどこへ行った。
そもそも俺の周りが最近おかしい。
紫は突然付き合ってくれるかと聞いてくるわ、侵二は弱くなるわ、アメーバは傘屋開くわ・・・
転機でも来ているのだろうか。まったくもって理解し難い。
・・・とは言え俺も紫に好感を抱いてないのかと聞かれると何とも言えない。
俺も人の事言えんなと笑いながら、俺は最後まで気がつかない侵二の観察を続けた。
帰り道に即バレた。
だがこの時、侵二は最大のミスを犯した。
次回へ続く
期末は赤点なし、首の皮一枚つながりました。
赤点だったら非リア共とそんなことやらないですけどね。
次回もお楽しみに。