真・幻想創星録   作:青銅鏡(銀鏡)

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皆様丁度いかお過ごしでしょうか。
私は絶賛馬鹿どもと通話しながら、鐘が鳴るタイミングでジャンプして、今年初めは宙にいたぜ!みたいなクッソくだらない事シリーズで、今年はどうしようかの相談をクソ真面目にしてます。

さてと前置きはここまでにしましょう。
こっからぶっ壊れていきます。
ブラウザバックボタンに手をかけて、作者に唾を吐きながらご覧ください。生卵は持たないでください。



第六十五話 What was it?

前に侵二が玉藻のところへと向かって早一ヶ月。

侵二も一ヶ月前に会って以来落ち着いたのか、紫が行くようになっていた。

 

 

「・・・残念だな、向こうはお前の事好きだと思ってたんだがな」

 

 

「・・・無理ですよ。私が妻を持つのは無理だと言ってるんです」

 

 

それに、向こうには旦那がいるでしょう?と侵二は微笑んだ。

 

 

「まあそうだけどよ・・・」

 

 

侵二とそんなくだらない話をしていだが、俺は会話をやめて外を見る。

既に日はどっぷりと暮れており、流石に紫も帰ってきてもおかしくない時間だ。

 

「・・・何かあったか?」

 

 

「まさか。紫殿に限ってそんな訳ないですよ」

 

 

・・・なら良いんだが、と俺が返し、侵二がそうですよと外を見た直後、尻に火がついたように立ち上がった。

 

 

「狐の血の匂いッ・・・!?」

 

 

「おい、どうした?」

 

 

「・・・主上、これが終われば私をぶっ殺してください」

 

 

侵二は蒼白な顔でそう言うと、戸を開けようとしたので俺が止めた。

 

 

「待て待て待て、どうした?」

 

 

「防音結界が破られていました。・・・紫殿と玉藻が危ない」

 

 

次の瞬間俺と侵二は座標移動で紫のいる位置に移動。

 

 

そこには

 

 

罵声と怒声を響かせる人間達と、

 

 

今すぐにでも殺されんと追い詰められている、至る所に軽傷の見られる玉藻と紫がいた。

 

 

「あ、あ・・・あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!貴様らァッ!!」

 

 

突然様子のおかしかった侵二が叫び、玉藻を襲おうとしていた人間を縦に引き千切り、その引き千切った肉片を他の奴らに叩きつけた。

罵声と怒声がさらに強まるが、既に十名は侵二に蹴散らされている。

引きちぎられ、頭を喰われ、腕の力で埋められ、脚で首を切り飛ばされ、翼で頭を刺し貫かれ、放り投げられた後に頭から喰われ、抵抗する間も無く月明かりに照らされ黒く光る鮮血を散らして死んでいった。おいまだ殺されかけただけで・・・ってダメだ。

 

 

「おい大丈夫か!」

 

 

俺は咄嗟に我に帰り、紫と玉藻に声をかける。やはり玉藻が擦りむいた以外ケガはなさそうだ。

 

 

「だ、大丈夫・・・いきなり襲って来たのよ」

 

 

「だろうな。侵二が急に発狂してアレだ。・・・何しろ結界を壊されたのに気がつかなかったらしい」

 

 

未だに侵二は暴走し、叫び続ける間に一斉に除霊の札を投げられ、刀で斬られ、槍で突かれ、矢で射られ満身創痍になるが、それでも動きを止めず、自分の血なのか返り血なのか分からない程濡れた侵二が暴れ狂う。

 

 

「まただ!また俺は・・・!また・・・!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!てめえああっ!!」

 

 

その辺りの妖怪が霞んで見えるような醜悪さと邪悪さを纏った侵二から数名が逃げようとするが、まるで動いたものは皆殺そうとせんばかりの僅かに金の残った黒い瞳をギラつかせながら襲いかかる侵二から逃げきれず、両腕を掴まれ背中に足を置かれ、そのまま腕を肩からもぎ取られ、同時に背骨を折られて死んだ。

 

 

「ハァ・・・ハァ・・・ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」

 

 

侵二の顔の左半分から金属質の音が鳴り響き、そこから蛆のように闇夜の中でも一際黒いと感じられるような、そんな何かが這い出し、侵二の顔でグズグズと蠢いている。同様に腹部、右手、左足からも同じように何かが這い出し、外へ出たいと言わんばかりに暴れている。

それと同時に侵二は両手を地面につき、獣のように吠えた。

 

 

それは既に生き物の鳴き声とは言えず、まるで金属と金属が擦れ合うような甲高い音で、黒板に爪を立てるような不快感を伴う音を響かせた。

 

 

侵二はそのまま暴虐の限りを尽くし、周囲を黒と血と肉片で染め、二足歩行に戻り、一人荒い息を吐きながら這い出た何かを両手で抑えようとしていた。しかし蛆のようなものは腕をすり抜け、何匹かが地面へと落ち、奇声をあげながら動かなくなった。

 

 

「し、侵二殿「見るな!!」え・・・」

 

 

玉藻が声をかけようとするが、侵二は叫んで遮った。しかし既に遅く、玉藻や俺、紫は侵二を直視した。

何かに喰い千切られたようなギザギザが侵二の左半分の顔に浮き上がり、同様に手や足にも噛み傷のようなものが浮かび上がっていた。

更に顔は陶器を割られたように所々にヒビが入り、金色だった目は血の色に染まり、そこから赤い涙を流していた。

まるで誰かの皮を被っていたのが剥がれたように、侵二の顔や体は歪んでいた。

 

 

「侵二、さん・・・!?」

 

 

紫が信じられないような叫び声を絞り出す。侵二はそれには答えずに、俺達を見て震えていた。

 

 

「や、メ、ろ。ミ、る、な。コ、ナ、いで、クレ・・・」

 

 

侵二はまるで何かに怯えるように俺達から後ずさると、そのままブツブツと何かを呟き始め、同時にパラパラと顔からカケラが落ちていった。

 

 

「ああ見られた見られたミラレタどうしたらイイワカラナイまただまた守れなかったまただ同じことばかりコトバカリ何故だなぜだなぜだこわい見るなやめろ来ないでくれやめろやめろやめろそうだこれが俺だいつもまもれないくせに変なチカラダケ手に入れてツカイキレナクテツメが甘くてどうしようもなくてだから玉藻の曾祖父さんを殺したんだ俺はああどうしようどうしようどうしようさむい寒いサムイまだ見てるやめろ見るな離れろこないでくれかかわっちゃいけなかったンダ俺がカカワルトみんな死ヌもうイヤだ死にたい死にたい兄さんは頑張っただろやすませてくれリッカいやまだだまだ殺してナイアイツを殺してないだったらころさないとでも今はこわいやめろミルナたすけてくれほうっておいてくれころしたくないもうめのまえでシンデホシクナイ」

 

 

「侵二!!」

 

バチコンと強烈な音が響くと侵二の顔から再度金属質の音が鳴り響き、侵二の動きが止まった。

正確にはヒビだらけで信じられない表情をしながら、頬を叩いた玉藻を殴った相手に対して攻撃しようとする自身の翼から守っている侵二だった。

 

 

「な、んだよ・・・来るなよ・・・だから関わりたくないって言ったのによ・・・」

 

 

侵二がその場に崩れ落ち、力が抜けたように顔や手足で蠢いていた何かも消えた。そしてソレが止めていたのか、侵二の怪我から血が流れ始めた。

 

 

「だから関わりたくなかったんだ。九尾相手ならこうなるって分かってた、でも言わなきゃならんことがあったんだ。でもやっぱり俺なんかが関わらなければ良かった。見ぬふりをすべきだった・・・」

 

 

侵二は首を横に振ると、俺に頭を下げ、抜けますと無表情な顔のまま言い、立ち去ろうとした。

咄嗟に侵二の目の前に近づいて顎に掌底、仰け反った腹に肘打ち二発、落ちてきた頭を掴んで膝に三発当てて顔を割り、再度仰け反った時に右足を掴み、そのまま投げ捨てて仰向けになったところで脇腹を踏み付ける。と同時に俺の右腕が飛ぶ。

起き上がった侵二の顔は再生していた。

 

 

「残念、退会宣言から一ヶ月は抜けられんぞ」

 

 

「・・・何故ですか」

 

 

見れば分かったでしょう?と侵二が泣きそうな声を出しながら覇気のない、怯えしか見えない目で俺を睨む。

 

 

「私はこんな奴なんです。自分勝手なクソ野郎です。玉藻殿に近づくだけ近づいて、言うことも言えずにダラダラと過ごして怖くなって逃げて、そしてこのザマですよ、そう、あのクソジジイ・・・いや、師匠の時もそうだった・・・!あの時も私がもっとしっかりしていれば師匠は死なずに済んだんです!」

 

 

もう嫌なんですと侵二が涙を流す。

 

 

「私の大事な人をこれ以上傷付けたくないんです、殺されたくないんです。もう大事な人は作りたくないんです・・・!」

 

 

侵二が涙を流しながら絞り出すように叫び、下を向いた。

そんな侵二の頭を掴んだ奴がいた。

玉藻だった。

 

 

「侵二殿・・・」

 

 

「・・・やめろ、見ないでくれ。俺の事も忘れてくれ、もうお前の家系に迷惑をかけたくない「いい加減にしろ!」な・・・?」

 

 

「私は迷惑など受けていない!むしろ感謝することばかりだ!お前だけの物差しで勝手に考えるな!」

 

 

「嘘をつけ・・・」

 

 

「嘘ではない!・・・一人だった私に飽きずに話をしてくれた!褒められたことしかなかった私をちゃんと評価してくれた!私はお前の前で心の底から笑う事が出来た!側にいてくれるだけで暖かかった!」

 

 

「そんな事、誰だってできる・・・!」

 

 

「出来ない!出来るわけがない!だって私がお前の前で笑いたいと思ったから!お前の目の前で本当に笑いたいと思えたから!・・・お前の事が大好きになったから!」

 

 

「玉藻・・・?」

 

 

「私はお前が好きだ!今の旦那なんてもう目じゃない!笑ってくれて、馬鹿にしてくれて、威張らないでくれて、結局今も助けてくれて!・・・そんなお前が大好きなんだ!一目見た時から好きだ!」

 

 

玉藻は言い切ったように大きく息を吸うと、天を貫きそうな声で叫んだ。

 

 

「私は!お前が!大好きだ!」

 

 

言い切り、荒い息を吐く玉藻に、侵二は聞いた。

 

 

「こんな奴でもか?」

 

 

「そうだ」

 

 

「突然奇声をあげて人間を八つ裂きにする奴がか?」

 

 

「愛嬌だろう」

 

 

「ひどい愛嬌だな。・・・ってんなわけ無いだろ」

 

 

侵二は笑った。

 

 

「・・・血生臭いだろう?特に髪が」

 

 

「気にしない」

 

 

「気にしろ。お前・・・バカだろ」

 

 

侵二は涙をボロボロと流しながら微笑むと、抱えるようにしていた玉藻に頭をもたれさせた。

 

 

「バカ、本当にバカだ。・・・あのクソジジイもそう、俺のどこがいいのやら・・・」

 

 

侵二は目を一度閉じ、再び開くといつも通りの金色に戻っていた。

その透き通った目で侵二は俺を見据えた。

 

 

「主上」

 

 

「あ?」

 

 

「退会届、キャンセルしていいですか?」

 

 

「・・・手数料で今月の給料抜き。後右腕の弁償で死ぬまで退会禁止な」

 

 

「・・・御意。後給料抜きは訴訟も辞さないです」

 

 

次回へ続く




はい。ご覧の通りこんな奴がいます。
こんなもん東方じゃねえよというか元から何書いてんだテメエ生卵投げるぞという方、生卵を下ろして引き返して下さい。何を言っても甘んじて受けるので卵は投げないでください。どうしてもここに行き着くんです。

それでもいいよと言う方は、生卵を出来れば下ろしてください。笑いながら投げないでください。
次回もお楽しみに。
そして良いお年をお迎えください。
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