とあるアニメの最終回が作者の心を刺し貫いたというかぶち抜いたので、そのダメージである事について考えが変わりました。
いい意味で刺し貫かれました、そして貫かれて苦しいです。
ゆっくりご覧ください。
「は・・・!?侵二らが侵略・・・!?」
幽夜があまりにもふざけた連絡に顔を歪めて叫ぶ。
月野はそれを制止し、幽夜に囁いた。
「・・・声が大きい。この前ゆうちゃん宛に手紙が来てたんだ。あの【報酬は言い値】って奴の。とりあえず座ろう」
「おう。・・・俺を雇う気だったのか。割とマジのメンバーが来るかもな・・・」
「と言うのは?」
幽夜は指を三本立てた。
「まあ知り合いなんだが、そのぶっ飛ばされやすさと異様な生存力で有名な【オメガ11】の鎌鼬。抜きん出て詐欺に優れた【公喑偽小】のぬらりひょん。酒癖の悪さ以外は強力な【酒乱】の牛鬼。ま、その辺だろうな。ぶっちゃけよっちゃんととよちゃん・・・依姫と豊姫でもめんどくせえんじゃねえかな。どーせ幻夜が管制室に突っ込むだろうから動けねえだろうしな。月だろ?フルで来るぜフルで。あの四人見ただろ?」
「・・・確かに。あの四人は、怖かった」
「たっちゃんでも怖がるレベルか・・・」
「・・・行くのか?」
「バカ言え何が悲しくて初恋の女の子の祖国攻めにゃならんのじゃ。キャンセルだキャンセル。そんな悲惨な話物語だけでいいんだよ」
「じゃあ関わらないのか?」
「・・・無理。多分何かしらの形でれいちゃんにバレる。オメガ11辺りが空気読まずに絶対にここまで来やがる」
「友人をオメガ11って呼ぶのはどうなんだ?」
「なんかダメなのか?」
「ああ、知らないのか・・・」
幽夜は月野からオメガ11の説明を軽く受け、微妙そうな顔をした。
「敵陣に着陸して帰ってくるとか、そいつ白兵戦のが強いんじゃねえの?」
「まあ、確かにそうだが。・・・しかし、良いのか?ほっといても問題はあると思うが」
「あるか?」
「俺か鈴仙がスパイだと疑われる可能性が高い」
バン!と幽夜は床を叩いた。
「ざけんな。それは許さん。・・・チッ、侵二の野郎、ここまで読めてんのか。少なくとも俺は見ないフリは出来ないと。・・・動かなきゃならんな」
「なら、行くのか?」
月野が残念そうに幽夜に尋ねる。しかし幽夜は首を横に振った。
「いや、多分それを侵二は心から深くは望んでない。望んでるっちゃ望んでるだろうが、多分向こうからすればもっと心から望んでるネタがあるだろうよ。・・・そう、俺が月側につくとか」
「まさか」
「俺は傭兵だぜ?金さえありゃ何処にだって参加する。サブに伝えてくれ、俺を雇わんか、とな。・・・事情は伝えるな、伝えりゃ間違いなく幻夜がどっかでデマ流して余計に混乱する。そうなりゃ蹂躪されるだろうからな」
「分かった、隊長に伝える。・・・ゆうちゃんは随分と優しいよな」
「そうか?」
ああ。と月野はほんの少しだけ表情筋を緩ませて頷く。
「下界は穢ればかりだと言われるが、どうも俺はゆうちゃん達が穢れているように見えない。・・・俺たちは体は綺麗だが、心が穢れている気がする」
「そう貶すもんじゃねえぜ。・・・俺からすりゃ、変人部隊の皆んなが綺麗だよ」
「ありがとう、ゆうちゃん」
「よせやい、照れるぜ」
ふと、幽夜は背後の目線に気がつき、ニヤリと笑いながら手を振る。
「よう、輝夜」
「久しぶり、幽夜」
輝夜は月野の隣に同じように縁側に座り込むと、幽夜に向いた。
「ねえ、幽夜。・・・軽い自分勝手、した事ある?」
「軽い自分勝手?」
そう。と輝夜は昼の空に白く浮かぶ月を見上げた。
「アレが欲しいって言って駄々をこねる、とか、人の言う事を聞かない、とか、とっても小さい事。した事ある?」
私はしたよ。と輝夜は微笑むように月野に笑った。
「ずっと守に、アレ買って、とか、抱っこ、とか。命に関わることじゃない事。・・・ある?」
幽夜は暫し顎に手を置き、唸り、無いな!と笑った。
「小さい事はねえな!クソ程勝手しまくったが、全部人生かかってたな。・・・で、それが?」
「じゃあ、好き勝手しない?」
「・・・待て待て、話の脈絡が読めんぞお転婆娘。何が言いた「好きに暴れればいいじゃない」・・・あ?」
だから、とつまらなそうに輝夜は月野の背中を何となくバシバシと叩く。
月野の痛いと言う痛覚のないくせにぬかす小さい嘘を無視しながら輝夜は続けた。
「だーかーら、別にどっちにつく!じゃなくて良いんじゃないの?幽夜は幽夜で好きにすれば?一々佐々木に言わなくても良いんじゃない?私の知ってる前の守の隊長は唐突に突っ込んできて好き勝手やって帰るけど、幽夜はしないの?」
「押しかけ強盗みてえに言うんじゃねえよ!そう思えてきたじゃねえか!」
ああクッソ龍一の評価が酷えと幽夜は笑いながら、それでも何かを見出したように顔を上げた。
「俺はそんな事はしねえ。唐突に押しかけて好き勝手して金請求してやる。金が出せねえなられいちゃんを貰うって月に突っ込んでやる」
「あら、大胆」
「お前が焚きつける事言ったんだろ!」
輝夜がまるで初めて聞いたかのように口に手を置いてわざとらしく驚いたのに、幽夜は叫ぶように突っ込んだ。
それを月野は面白そうに見ながら、笑った。
「「・・・たっちゃん(守)が笑った!?」」
「だからなんでみんな驚くんだよ・・・」
「そら、お前が、なあ?」
「ねえ?」
「納得行かん・・・」
まあ気にすんな、と幽夜はニヤリと笑い、人差し指を立てた。
「あ、さっきの話。サブに伝えなくて良い。・・・俺単独で突貫する。お前らと俺は関わりがない、単なる仲間割れ。良いな?」
「・・・ちょっと隊長に似たな、ゆうちゃん」
「そりゃ、俺は近くにいる人の遺伝情報を写して本質を変えるからな。ずっとたっちゃんといれば、多分俺は笑わなくなるし、ずっと輝夜といれば、お転婆になる。・・・今回はそこそこ龍一といる事が多かったからな、少なからず反映はしてる」
「あ、じゃあ聞きたいんだけどさ、今旅に出てる妹紅が隊長さんと会って気づいたって言ってたんだけど・・・」
「最近、隊長さんの調子、悪くない?」
「・・・そうか?常日頃あの性格だぜ?あの人は」
「うーん・・・そうかな?なんというか、しんどそうと言うか、疲れてると言うか・・・永琳も気にしてるのよ。何か知らない?」
「・・・最近侵二等の戦闘能力が上がったことぐらいか?」
「それ関係あるの?」
「いやまあ」
「龍一の負のオーラの量で侵二等のスペック変わるからな」
どう言う意味?と輝夜は月野の背中にもたれながら首をかしげる。
「だから、龍一の持つ負の感情が増える程、侵二の等の妖力が増す。だから龍一の調子が悪いと、あいつ等の調子が上がる」
「・・・それ大問題じゃないの?」
「いや、
「そう?永琳がホント最近そればっか気にしてるのよね。あの人はほっとくと死にそうになるから・・・って、好きじゃないくせに不思議よね」
「龍一もそこは何も言わねえからなぁ。・・・まあ、何もないと思うぜ?そんな大した事もないだろ」
「第一何かあれば人に頼るだろ」
「そうよね。気のせいって永琳にも言っておくわ」
「おう。・・・でさぁ、いつから聞いてる?れいちゃん」
「はひっ!?」
縁側の角で僅かに揺れる兎の耳を見て、幽夜は仕方なさそうに笑う。
「ひょっとして突貫の話も聞いてた?」
「は、はい、全部・・・」
「ありゃ、隠す計画頓挫したわ、たっちゃん」
「そりゃ、あんなに叫べばバレるさ」
「あー・・・今の壊夢の遺伝子のせいってことに」
「ならないわね、現実は非情よ」
「ですよね畜生!たっちゃん、なんかフォローとか無い?」
「・・・すまん」
「一番傷つくなぁそれ!」
「おーい幽夜ー!話聞いてると思うが、いるか「テメエはタイミング読めえ!吹っ飛べェェ!!」エンゲージッ!?」
廊下を曲がった先から幽夜を呼ぶ影は、姿を見せる事なく幽夜に吹き飛ばされた。
「はーっ、はーっ、はーっ・・・失せろ、オメガ11」
「もう飛んでいってるわよ」
肩で息をする幽夜に輝夜が突っ込み、鈴仙はあたふたと周囲を見渡す。
「え、あのその、お友達吹っ飛ばしたんですか?「あんな奴友達じゃねえよ、仕事仲間だ仕事仲間」・・・何のお仕事ですか?傘屋じゃないですよね?」
「墓穴掘ってどうするのよ貴方」
「クソムーブだぞゆうちゃん」
「るっせえわボケ!・・・傭兵。頼まれた仕事引き受けて誰でもぶちのめしに行く方の仕事。今回頼まれたのは、月侵略作戦への参加」
「え!?」
「・・・キャンセルして迎え撃つけどな。「ええ!?」一年後だが、そんなクソみてえな事してたまるか」
「・・・分かった、あんまり無理して欲しくないけど、頑張ってね」
「ああすまんコレ一年後」
「一年!?」
次回へ続く
ありがとうございました。
とあるアニメはタイトルが蛇の名前ですね。
次回もお楽しみに。