真・幻想創星録   作:青銅鏡(銀鏡)

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この作品も一周年ですね。
しかも偶然とは恐ろしいですね、投稿丁度一年目になると平成最後ですよ。一年前の私は予見してたんですかねんなわけあるかい。
まあその、こんな一番初めよりちょいとだけ文章マシになった駄作でも良ければ新年号でもお世話になりたいと思います。
これからもよろしくお願いします。
そして原作が遠い。馬鹿かな?


第八十一話 上機嫌

「あれ、龍一機嫌いいね?」

 

 

「んー?そうか?」

 

 

フランドール・・・フランにそう言われ、口が緩んでいることに気がつく。

どうやら侵二にセンブリ茶を押し付けられたことを思い出してニヤついていたようだ。決して紫と仲直りしたからじゃない。違うからな。変な誤解すんなよ?

 

 

この一年でフランは俺を龍一と呼ぶようになり、レミリアも俺を龍一と呼ぶ。逆に龍一さんと呼ぶのはパチュリーや美鈴だけだ。痒い。

 

 

「うん!最近すっごく嬉しそうだよ!誰かと仲良くなったの?」

 

 

「・・・仲直りは、したな」

 

 

「良いなぁ、龍一はお友達がいっぱいいて。・・・私はまだ無理だもんね」

 

 

「そりゃそんなクッソ危ない能力を使いこなせませんじゃ済まんからな。びっくりしたぜ、初めて会って二日目に爆散させられたのは。しかもおっさんからは何も言わず右手バーン!・・・復活前提で話進んでるのは面白かったぜ?笑えねえけど」

 

 

「ごめんなさい」

 

 

頭を下げるフランの頭をくしゃりと撫で、謝るなよ、と笑ってやる。

 

 

「能力を使いこなせません、暴走します、なんてのはよくいるからな。侵二とか幻夜とか俺とか。ただあれなんだよな、俺は教えるのがド下手なんで、まともに教えられんし教える事でもないからな。・・・努力あるのみ、だな。練習台にはなってやるよ。友達出来たらいいな」

 

 

「うんっ!」

 

 

「まあそれは潜在的な狂気かなんかもありそうだが・・・「何か言った?」いんや何も。そういやレミリアは?」

 

 

「お父様とお買い物!あ!パチュリーが呼んでたよ!」

 

 

「お、そうか。サンキュ」

 

 

「私も行っていい?」

 

 

「いいと思うぜ。・・・ああそうか。あの本の解読か」

 

 

「あの本?」

 

 

「知り合い作の魔道書・・・っと!入るぞー!」

 

 

俺はフランと手を繋ぎ、瞬間移動魔法(点Pの問題)を詠唱。

点Pはパチュリー付近にあるものとし、そこに飛ぶ。

 

 

「わっ!?」

 

 

「おお、すまんすまん。・・・話してた本ってどれだ?」

 

 

「あ、えっと・・・これなんだけど、どの言語にも該当しないの。分かる?」

 

 

パチュリーから渡されたのはやはり幻夜作の魔道書。

字体はドイツ語。パチュリーが読めないわけがない、ならなぜ読めないか。

別にロックがかかってるわけじゃない。

 

 

アイツは絶望的に字が汚い。

普段は普通なのだが、走り書きやメモ程度で書いたものは俺や幽香しか読めない。しかも俺は自動翻訳能力を保有しているだけなので、事実幽香と本人しか読めない。それ程までに汚い、というか癖が強い。ミミズで例えるならミミズが浪花節のテンポでポップス歌いながら踊るバレエが適当だろう。

 

 

「これドイツ語だからな」

 

 

「何処が!?」

 

 

「ほら、ここが・・・」

 

 

「半分落書きじゃないの!」

 

 

「当たり前だろ!よく見ろ!この題名!翻訳すると、【ぼくのかんがえたさいきょーのまほう】アホかァ!!クッソ誰が書いたん幻夜ァ!!」

 

 

ペラリと一ページ目を捲る。

【おさるさんでもわかるてきせいしんだん】ナメてんのかコイツは。

平仮名のあたりナメてんな。

 

 

「チッ・・・左手を掌底を撃つ構えにし、右掌を正面に突き出す」

 

 

「龍一さん?」

 

 

「そのまま百分の一秒ごとに左手を手首ごと一回転させ・・・ん?」

 

 

あれコレ関節的に無理じゃね?

いや、出来るはず、手首の関節を外して回す。

 

 

「気持ち悪っ!?」

 

 

「んで回しながら【フレア】と詠唱。・・・【フレア】」

 

 

右掌から火球が放出され、一秒ほどで消える。

 

 

「詠唱後火球が出れば最高です。尚手首を回転させたバカは魔術師に向いてないのでやめましょう。マジシャンにでもなればどうでしょ悪かったな!!」

 

 

絶対コレ俺に向けて書いてるだろ。ああ目の前にピースしながら屈伸する奴の姿が見える!!

 

「凄い!今まで見た魔法と全く違う・・・!!」

 

 

「お前さんマジで言ってる?」

 

 

聞けば今までは長い詠唱を必要とするものが多かったらしい。

つまり幻夜のような短縮された詠唱は見た事がないのだと。

尚フランはつまらなかったのか俺の肩車に乗って寝ている。

そらそうなるわ。

俺はフランを降ろし、近くの椅子で眠らせる。

 

 

「・・・ほーん。じゃあ続き読むぞ。・・・さて、そもそも長い詠唱を必要としないこの魔法ですが、自分が何をしたいかを考えるのが最も大切です・・・らしい事書いてんじゃねえよ。続き。・・・表現して名前をつけること。必殺技を考えるように純粋な気持ちでやってみましょう。簡易的な術式はのちのページに記載してあります」

 

 

ある程度ページをめくると、それらしい立派な術式が描かれていた。

最初からコレ描けや。どくそ丁寧に描きやがって。

 

「・・・!?互いに打ち消し合わないように術式が組み込まれ、最短経路で詠唱できるようになってるのね!」

 

 

「ほう」

 

 

まるでこの人が全て作ったみたい・・・!というパチュリーの感嘆の呻き声を聞き、俺は眉を顰めた。

俺もこんな術式は知らん。見たこともない。

故にあのバカを呼ぶ。

 

 

「おい、幻夜」

 

「ファッ!?」

 

 

「へ!?」

 

 

空間を貫通させて直接幻夜に問い詰める。

幻夜は奇声をあげて飛び上がり、パチュリーは信じられないものを見たような声をあげた。

 

 

「幻夜」

 

 

「え!?何!?」

 

 

「お前これ作ったな?」

 

 

「・・・あー、魔法作るのに書き換えたよ、法則。料理するのに魔法あると便利じゃん?塩胡椒少々のその少々を的確に入れてくれる魔法とかさ」

 

 

「料理一つのために世界の法則書き換えてんじゃねえよ。・・・あとでその魔法教えろ」

 

 

「はーい。もうしませーん。・・・また今度ね」

 

 

「それだけ。またな」

 

 

「はーい」

 

 

俺が空間を閉ざし、再度魔道書に目を通そうとするが、あわあわと口を開いているパチュリーが目に入る。

 

 

「い、今、ど、どうやって」

 

 

「んあ?・・・ああ、空間開いた奴な。・・・っとな、■▲■■■▲■▲▲で、▲▲■■■▲と後百二十八の術式を同時詠唱すると出来る。・・・ダメだ説明できん」

 

 

しまった、いつも通り肝心の説明部位が生物の発する事のできない言語に翻訳された。翻訳後は金属の筒の中で叫ぶような音になった。

この言語は言語とも言えない。まるで世界が俺以外に使わせないようにしているように感じる。なにせ俺もどんな発音をしているか分かっていない。幻夜より酷い。

 

 

「まあ・・・魔法っちゃ魔法だな。俺にしか使えない魔法だが」

 

 

「そうなの・・・わざわざありがとう。自分でどんな魔法が良いか考えてみるわ」

 

 

「おう。また何かあれば言ってくれ」

 

 

「あ、じゃあ一つ良いかしら」

 

 

「おうよ」

 

 

「龍一さんの使える最も得意な魔法を見せて欲しいの」

 

 

「ほいほい。・・・じゃあこれかな。【反射式独立砲撃】」

 

 

俺の頭の上に同時に三つの流線型のドローン砲と六枚の四角い小さな鏡が現れる。

ドローン砲はそれぞれ俺の意思で別々の動きをしながら鏡に向けて砲撃。

鏡も同様に動き回り、角度をずらしてドローン砲のレーザー砲を跳ね返す。そして跳ね返された先で再度鏡で跳ね返す。再びドローン砲が砲撃し、弾数が増える。

しばらくすると俺の周りを囲むようにレーザーが不規則に飛び回り、一つの防壁が出来上がる。そのまま試しにリンゴを召喚して飛び込ませるが、瞬く間に塵に変わった。

 

 

「これが俺の得意技。こうなれば俺の意思一つで攻撃と防御を切り替えられる。今このままだとこの円の中に入ろうとすると焼き切られる。攻撃は跳弾云々も可能になる。・・・問題は今ある九個の浮いてる奴をそれぞれ自分で動かさないといけない事だな。結構疲れる」

 

 

「待って。・・・これを全部?貴方が?」

 

 

「全部」

 

 

疲れるのは仕方ない。

視界も義眼を経由しているので右は景色一つ、左に景色九つとアンバランスな故頭が痛くなる。

この手に詳しい永琳曰く、最低でも一般の人間一人でするには厳しいが、慣れた人間だと出来るらしい。よって俺以外もできる。しかし誰もやろうとしない。なんでさ。

「・・・ここまで極めてるのはどうしてなの?」

 

 

「そうだな」

 

 

何故ここまで極めたか。

そんなもの他の分野でも色々と言われそうだが、答えは一つ。

 

「龍神様になりたいから?」

 

 

「・・・どう言う意味なの?」

 

 

龍神様は貴方でしょ?とパチュリーに聞かれる。

 

「・・・その、な。俺自身が龍神とは何か分かってないんだ。どこまで強ければ龍神として名乗れば良いか分からない。無論誰も教えてくれないから、とりあえず万人が辿り着けない場所に行こうとしてる・・・んだと思う」

 

 

実際、俺には分からない。

龍神様ならきっとなんでも出来る。そう思ってなんでも出来るように。

でも足りない。まだ出来ない。しかもそこに私情が入る。

やっぱり龍神向いてないよ俺。(安定のリピート)

 

「・・・少なくとも、私は龍一さんは十分凄い人に見えるわよ。神様である点を除いても、その努力精神は凄いんじゃないの?」

 

 

「・・・!おう、そうか。うん、そうか。すまん、用事できた、抜ける」

 

 

俺はまた後で、と自分の空間に入った。

 

「・・・ふふっ」

 

なんでだ、いきなり何を俺は笑ってるんだ。

あ、そうか。褒められたからか。

 

 

そっか、そうか。そうか・・・

褒められたかったのか。

うん、馬鹿かな?うん、まあ、いいか。

 

 

 

 

 

 

・・・龍神さまでも、滅茶苦茶悪くはない、かな?

 




この龍神ちょろい。
はい、龍一君褒められることに慣れてません。
多分紫さん辺りから褒められたら嬉しくて死ぬんじゃないですかね。
ただし一時的な逃避でしかないと気がつくのはいつなのやら。
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