真・幻想創星録   作:青銅鏡(銀鏡)

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このところ投稿が遅れていますね。申し訳ありません。
五月中盤ごろから文化祭に使う映像をパワーポイントで単独制作しておりまして、つい最近完成、文化祭も無事終えました。
いやあ、序の序の部分のオープニング、四十五秒に合計半日以上の時間がかかるとは。
と言うわけで投稿速度を戻したいのですが、何せここ一ヶ月分程度サボったことになるのでどうなるやら・・・

長くなりました。
ゆっくりご覧下さい。


第八十三話 幻夜の子

「イーッハァ!」

 

 

幸夜の家族入り挨拶もそこそこに済ませ、幸夜も住人全員と馴染み始めた頃、そこそこ久しぶりに吸血鬼ハンターが来た。オルゴイと会ったあの時以来だろう。

ここ最近この館以外の吸血鬼制圧にご執心だったらしく、もうここを残して最後。というところまで来たらしい。オルゴイ魔王扱いかよ。

 

 

そして斥候なのかなんなのか分からないが五、六人が来たので幸夜に試しに任せた。

と言うわけで今に至る。

 

 

「シャアラアッ!」

 

 

誰も貸し出した迎撃武器にモーニングスターなんて混ぜてなかったと思うんだが。

 

そんな事は我関せずと言わんばかりに、モーニングスターはナイフになり、ナイフが伸び、ロングソードになりハンターの一人を斬った。

続けざま斬ったハンターの持っていた弓を奪い取り、弩に変えてハンター二人を貫いた。

風魔や幻夜と比較すれば未熟だが、己で武器を研究して修行した形跡が見える。

 

だがここまでやるなんて誰が思おうか。

昔の俺TUEEE無双していた屑の時の俺を思い出して恥ずかしいが、幸夜は似て異なる。そりゃそうだ。

幻夜に聞けばそんな息子知らない。の一言。そこは適当なやつじゃないので、現地に適応するために暴れまくっているのだろうか。

 

トドメと言わんばかりに壊夢二人分はある大斧を振り下ろし、残り全員を粉砕して地面を割いた。

幸夜は振り下ろした大斧の上に立ち、首を鳴らしながら口を吊り上げて俺を見た。

 

 

「どうだ?龍神サマ?」

 

 

「七十点」

 

 

「マジか」

 

幻夜から能力は聞いていたが、ほぼなんでもありなのでは無いだろうか。

図書室でパチュリーから神話本でも借りれば使えたりしてな。

ただ問題点はある。

 

 

「能力を活かしきれてない。手にしたものを武器に出来るなら風もいけるとしよう。・・・刀砕いて破片風で浮かばせといて触れたら武器増やす方が良く無いか?」

 

 

「は?」

 

 

「いや、だから」

 

 

俺は倒れているハンターの刀を左手に取り、風を右手で掴む。

右手から旋風が吹き荒れ、俺の周囲を巻き上げるようになる。

俺は続けて左手の刀を砕き、鉄粉を風に巻き込む。

鉄粉を摘み取り、鉄粉からロングソードを取り出して右で投擲、その間に適当な鉄粉を掴み取って左にバトルアックスを出して地面に叩きつける。

続けて槍、ショーテル、大鎌、三節棍、薙刀。

ある程度実演を終えたので鉄粉を集結させ、元の刀に戻す。

 

 

「はい」

 

 

「はい。で済まねえと思うんですけど」

 

 

「戯けが。お前このくらい出来ねえと俺の部下にエンカウントしたら死ぬぞ」

 

 

「地獄かよ」

 

 

「ちなみにお前と遊んでたフランドールはあらゆるものを破壊、その姉のレミリアは運命を操作、その親父は確実な運命から脱却するからお前負けるぞ」

 

 

「地獄かよ」

 

 

「そらお前より長く生きてるからな。・・・そりゃ、フランドールはお前よりも精神状態は幼いが、長く生きればその分アドバンテージは少なからずあるからな」

 

 

マジかぁ・・・と、呆れるように天を仰ぐ幸夜。

しかしその口は笑っていた。

 

 

「で、正直嫌なら送り返すけど、働く?」

 

 

「働きます。・・・まあその、フランと遊ぶのも面白かったので、とりあえず働いてみようと思います」

 

 

「よし。じゃ決定な」

 

 

俺は空間からナイフを取り出し、幸夜に手渡す。

幸夜はしげしげとそのナイフを眺め、目を細めた。

 

 

「なんだこれ、普通のナイフか?」

 

 

「十握剣の欠けた切っ先を八岐大蛇の血で磨いたナイフ」

 

 

幸夜が俺に投げ返した。

 

 

「んなもん渡すなよ!?」

 

 

「やる」

 

 

「えぇ・・・」

 

 

おずおずと幸夜が両手を差し出す。

俺はその上にそっとナイフを乗せた。

 

 

「大半の武器は使えば血を浴びるよな?」

 

 

「いやまあ、そうですけど」

 

 

「なら血を浴びせたこの武器が変化できねえ武器はねえよな?」

 

 

「なんでだよ」

 

 

俺は最近使い忘れていた新月で土を切って穴を掘り、ハンター五人全員を埋葬し、手を合わせながら答えた。

 

 

「いやお前、刀は人を殺すもので、斬れば血が流れる」

 

 

「そりゃ、当然でしょう」

 

 

「なら最初から血浴びせときゃ変わんねえだろ」

 

 

「それもそうか」

 

 

幸夜は納得したように俺のナイフをしまった。

ようやく厄介払い、もとい必要な人間に譲る事が出来て良かった。

俺は地面を平坦にしながら死んだハンター達の上に石を乗せた。

 

 

「・・・ところでさ、龍神様」

 

「あん?」

 

 

「その地面ならすのってどうするんだ?」

 

 

「魔法。パチュリーのいる図書室に本あるぞ」

 

 

「読んでいいんすか?」

 

 

「お前があそこで働くんならな。ちなみにお前の親父の著書だからな「は?」そんな顔するな。・・・そこの種取ってくれ」

 

 

俺はハンターを土に還し終わり、地面に幸夜から受け取った草木の種を植える。

幸夜は俺のやっている事が分からないのか、不思議そうに首をかしげながら開口した。

 

 

「・・・何してるんだ?」

 

 

「人を土に還して種を埋めてる。こうしときゃ十年、百年、千年もすれば木が生えて林が育ち、森が出来る。・・・まあそうだな、埋葬と葬儀も兼ねてだな」

 

 

「なんでそんな事を?」

 

 

「俺の自己満足に決まってんだろ?・・・まあその、いざ死ぬ時、誰にも葬儀されずに死ぬってのも悲しいからな。俺は」

 

 

「ふーん・・・」

 

 

「まあなんだ、神様にゃ色々あるんだよ。・・・そろそろ帰るぞ。後口調丁寧にするか雑にするか統一しろ。「どっちのが良いんですかね?」丁寧語は侵二と昔の部下を彷彿とさせるのでやめろ。雑でやれ雑で。後龍神様と呼ぶな」

 

 

「んじゃ先生で」

 

 

「なんでや」

 

 

幸夜とどうでも良いことを喋りながら紅魔館の門の前へと戻る。

門では美鈴が両腕を組んで立っており、視認すると笑顔で会釈してくれた。

 

 

「お疲れ様です。龍一さん、幸夜君」

 

 

「おつかれさん」

 

 

「お疲れ様です」

 

 

「妹様が幸夜君を呼んでましたよ。一緒に遊びたいそうです」

 

 

「了解。じゃあ・・・「行ってこい」了解。行ってきます」

 

 

幸夜は駆け出し、その場から居なくなった。

俺が幸夜の消えた先を眺めていると、真横から拳が飛んできた。

俺はそれを掌で受け止め、攻撃先を見やる。

 

 

「お手合わせを」

 

 

「導入ヘタクソの不器用さんかよ」

 

 

俺は美鈴の拳を手から離し、足払いをかける。

美鈴は前に跳躍し、そのまま俺に膝蹴りをかけた。

俺はそれを避け、反撃をかけようとして顔を掴まれた。

 

 

「ッ!!破ッ!!」

 

 

そのまま腹に顔を掴んでいない方の掌底を当てられ、気か何かをぶち込まれる。

 

 

「ブッ!」

 

 

背骨を通って足先まで痺れるように痛むが、俺は両手で掌底を出した方の腕を掴んでやり、そのまま両足で美鈴の腹を蹴る。顔から手が離れる。

ただし美鈴に当てられた気が足にもきていたらしく、あまり効果は見られなかった。

もし美鈴が壊夢だったと思うとゾッとする。美鈴も流石のダメージだが、チョップで地球割る奴には叶うまい。実際弟子らしいからな。

 

 

口から溢れる血を飲み込み、俺はまだ掴んでいる美鈴の腕を二の腕と手首を抑え、肘関節を逆に曲げる。

最早関節もクソもない硬さの壊夢、関節が逆に曲がる侵二と幻夜と違い、美鈴にはダメージが入った。

当然の事なのだが、やはり驚く俺は異常だ。

 

 

「ッー!?」

 

 

「更に手首!からの人差し指、薬指、親指ィ!」

 

 

ポキポキとスティックの菓子を割るように関節と逆に折り曲げる。

美鈴の顔も激痛で歪み、手に力が入らなくなる。

まあ折れてない中指と小指だけでは何も掴めまい。

 

美鈴は俺から距離を取るように後ろに飛び退いた。

ここで掴みに来ない辺り壊夢より優しい。アイツなら突っ込んで来て俺の頸椎と背骨ぐらい折ってから下がる。

俺もそれに備えていたので猫が毛を逆立てるような前屈姿勢になり、右手にベクトル操作能力を流し込む。

背後に下がった美鈴が悪手だと悟る時既に遅し。

 

 

「腕が折れた程度で下がるな。っても俺らと一緒にすんのも失礼か。奥義【反転衝破】、最早二発目は不要。俺の勝ちだ」

 

 

地面を強烈に踏み抜き、美鈴の軸を歪ませる。そのまま拳を美鈴の腹に押し当て、一気にベクトル操作で衝撃を美鈴の背に向けて打ち出す。続けざまベクトル操作で衝撃を手前に戻す。一フレーム毎にベクトルの向きは百八十度反転し、俺の放つ拳骨は一発だけだが何度も殴られたような痛みが美鈴に当てられる。

同じ場所を正確に何度も殴られるのだ、多分痛いだろう。壊夢にゃ効かんが。

 

 

「カッ、ハ・・・!?」

 

 

美鈴はたたらを踏み、吐血しながら俺と目を合わせる。

効いているが倒れない。だがやはり余力はないようだ。

 

 

「・・・っ!!」

 

 

「いや、そう強敵を見たようにならんでくれ。・・・俺は美鈴や壊夢みたいに格闘技を極めた訳じゃない。強いて言うなら他人より高いスペックで暴れてるだけなんだよ。・・・正直俺が美鈴と同じ身体能力だったらボコボコなんだが」

 

 

「・・・釈然としませんね」

 

 

「やめろよ。マジで俺なんも出来ないからな。・・・お疲れ様」

 

 

「ありがとうございました」

 

二階あたりで絶叫する幸夜の声を聞き流しながら、俺は美鈴に手を振って屋敷の中へと戻った。

 

 

「ちょっ、先生、いつ休みあるんですかここ?」

 

 

「お前これから修業のためにしばらく飯抜き睡眠禁止だからな」

 

 

「・・・え゛」

 

次回へ続く





ありがとうございました。
そもそもパワーポイントで映像を作るのがおかしいんですが、何しろ設備がありませんでしたからね。

次回もお楽しみに。
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