投稿速度遅ッ!?
と言うわけでまた遅れました。本当にすみません。
この先も遅れます。
ゆっくりご覧下さい。
「行ってきまーすッ!」
幸夜はそう叫び、美鈴を騙し、レミリアとフランを撒いて、館の門を飛び越えて走り去っていった。
要は逃げた。フラグ回収が早えんだよ。しかも強えんだよ。
「アイツなんとなしに逃げやがった。やっぱ幻夜の息子だわ」
「流石に百日間一切合切の睡眠、食事、休憩を禁止しての鍛錬は誰でも逃げると思うが」
「俺を先生と仰ぐ上に幻夜の息子ならこの程度出来んと困る。・・・いやまあ五十日以上耐えたのは予想外だったけれども」
俺はオルゴイと向き合って座り、テーブルの中心に森へ向けて疾駆する幸夜を上空から見下ろす形で追尾している蝙蝠と視界を繋いだ水晶玉を乗せながら、右手でワインを飲んだ。マッズ。
「やっぱまっずいなコレ。毎回飲んでるけど」
「なら飲むな。・・・む、龍一。幸夜が倒れた」
「あー・・・?」
オルゴイに言われ水晶玉に目を向けると、空腹と眠気と疲労のせいか幸夜が森で倒れていた。
そらそうなるわな。
「どーすっかな」
「助けんのか?」
血の入ったグラスを片手に持ちながら水晶玉を覗くオルゴイが首を傾げた。
「いや、此処で誰かが幸夜を見つけて助ける・・・なんて展開があれば面白いなー・・・と思ってな」
「そうか。幸夜と同じような歳のか?」
「ん?まあな」
「女か?」
「お前何言ってんの?」
オルゴイに視線を向けるが、オルゴイは水晶玉を眺めたままこちらを見ない。
別に構わないのでワインを再度口に含む。やっぱりマズイ。
「金髪か?」
「お前ほんとに何言ってんの?それお前の趣味?」
「・・・金髪で色白、人形のような少女か?」
「お前それひょっとして紫の事言ってんじゃねえだろうな」
殴らねばならなくなって来たので銀弾を右手の拳銃に装填し、左拳を握りしめると、オルゴイは顔を顰めて水晶玉を指差した。
「はやるな馬鹿者、幸夜を見つける者の話だ」
「ああなんだ、紫じゃねえのか。良かったああいやなんでもねえ忘れろ。・・・そりゃまあそんな子だと面白くなりそうだな。まあねえよそんな大当たりみてえな事。そもそもあの森にいるのなんて魔獣か魔法使いかだろ?魔法使いに会うので当たりだと思うが、ハズレの魔獣に会うと思うぜ俺は」
「いや、もう拾われてるぞ」
「あ、マジ?さて、どんな魔獣かな・・・」
「魔獣に拾われた前提で話すな。因みに拾ったのはさっき特徴を言った者だ。慌てて担いで行ったぞ。魔法使いかもしれんな」
「大当たりじゃねえか」
女運は親父譲りらしい。
突然後ろから刺されて死ねばいいのに。
・・・そういや、ここ最近魔女狩りの話を聞いたな。
____________________
「ッ!?」
言いようのない殺気に襲われた気がして俺は目を開いた。
上は天井。見た事ない気がするが、空腹と眠気で思考が回らず、俺は横を向いた。
そこには幾多もの小さな人形、そして落ち着いた雰囲気を漂わせる部屋。
あ、ここ知らねえ家だわ。
一気に覚醒した俺は頭を上げ、身体を確認した。
怪我はなし、盗まれたものもない。
まあ盗まれる物なんて俺と先生以外が触ると祟られるナイフしか無いけどな。
俺を拾った人は敵意はなさそうなので、そのままベットの上で事のあらましを思い返していた。
俺は先生こと龍一さんに修行だと言われ、百日間一切合切の睡眠食事休憩を禁じられたまま修行に勤しんでいた。
で、命の危機を感じて逃げた。
ただなんか今もうちょい行けそうな気がして来た。帰ろうかな。
と思い立ち上がろうとして、力が入らない。
「・・・やっべ、動けねえ」
疾走した時に力が無くなったらしい。
と言うかあれだけの余力があったとすると、案外百日間一切合切休憩なしも行けたかもしれない。
とはいえ今現在空腹で動けず、どうするかぼんやりと考えていた。
部屋のドアが開いた。
「ただいま・・・あ!貴方やっと起きたのね!」
「・・・あー、俺を拾った人か?」
「そうよ。ビックリしたのよ?あんな深い森に人間がいるなんて・・・」
はい、と俺を拾ってくれたらしい人、金髪で色白の人形のような女の子は俺に水とスープを出してくれた。
「貴方、この辺りの人?それとも別の国の人?」
「・・・ああ。近くに住んでるし、生まれはこの辺なんだが、親が東の果ての国だからな」
「へえ・・・あ、スープ飲める?熱くない?」
「ああ、大丈夫・・・」
ゆっくりと湯気を立てるスープを口に入れる。
約八十日ぶりの食事に胃が暴走するが、吐き気もなく、そして何より美味しい。
「・・・美味いな。ありがとう」
「気にしなくていいわよ。そう言えば、貴方名前は?」
女の子が青い瞳を俺に向ける。
赤色の母さんや緑色の親父と違って青いんだな。
「幸夜」
「幸夜?」
「ああ。アンタ、いや、君は?」
「私?私はアリス・マーガトロイド」
「そうか、ありがとうな、アリス。青い目って綺麗だな」
「へ?」
「うん?・・・不思議なこと言ったか?」
「・・・あ、いや、なんでもないわよ?・・・と、ところで、貴方は人間?」
ちょっとだけ動きがせわしなくなったアリスは俺にそう聞いてきた。
これ回答間違えると死ぬ奴じゃないのか。多分人間ですって言えば死ぬと思うんだな俺は。
「妖怪だな」
それに人間です、なんて名乗りたくない。
「妖怪?・・・妖怪って、あの手が四本あったり、すごく大きかったり、目が一つしかなかったりするアレ?」
「どんな印象抱いてんの?」
俺の両親はしっかり人型だったんだが、もしかして俺がおかしいのか?いや、しかしオルゴイさんやレミリアやフランも人型だし、美鈴なんて完全な人型だ。
あくまで人型なのであって、人間型ではない。そんな事はあってたまるか。
「え?違うの?」
「んー・・・?あってるとは思うんだけど、俺の知り合いは全部人型なんだよな・・・」
「そんなに!?」
「ああ。親父は街で花屋開きながら過ごしてたから、バレてねえんじゃ」
「街!?街に行ったことあるの!?」
「うおっ!?ちょっ、なんだなんだ?そんな街に行ったのが珍しいか?」
アリスは身を乗り出し、俺を押し倒すように顔を寄せてきた。
あれこれ人間ですって言っても死ななかったパターンか。と言うかそんなに街に憧れるもんか?
「え、あ、ごめんなさい!」
アリスは俺から跳びのき、恥ずかしそうに両手の人差し指の腹を合わせ、口元に置いた。
「あのね?・・・私、街に行った事がない、ううん、この森から出た事がないの」
「・・・誰かに捕まえられてんのか?」
「・・・ううん、ちょっと、一人で行くのが怖くて」
「何かあったのか?」
聞けば昔、人形のように美しすぎて人間に石を投げられたらしい。
要は化け物扱い。弱者故の恐怖なのは分かるが、ならば触れなければ良いのに。
噂しなければ良いのに。
関わらなければ良いのに。
アリスはそれ以来恐ろしくて出られない。か。
やはり人間は屑のような種族であると認識する。
何故それを親父や先生は愛するのか分からない。
先生から話を聞けば、全て先生が神として与えたものは風化し無駄になったと言うのに。このナイフの元の刀で切られた奴が不憫でならない。
「・・・でも、でもね?優しい人もいたから、また街に行きたいなって・・・」
なのに、何故コイツも同じ轍を踏もうとするんだろうか。
俺がまだガキだからだろうか、人間を信じる事がなんの利益になる。そう思ってしまう。
「・・・なあ、そんなに人間が好きか?そんなに人間はいいか?」
「こ、幸夜・・・?」
嫌悪感で顔を顰め、アリスに怯えられる。
そんな時俺の腹が鳴った。空気読めや。
とは言え前述通り何も食べていなかったので、俺は何も言い返せず黙ることになった。
「・・・あ、先にご飯ね。ちょっと待ってて」
「・・・すまん」
その後持ってきてもらったリゾットを掻き込ませてもらい、話は後日という事で寝かされた。
自分でも恐ろしいほど深く眠った。
やっぱ後二十日休憩なしとか死んでたわ。
次回へ続く
ありがとうございました。
ここ最近割とクソ忙しい上に強烈な無気力感に苛まれ、危うく自殺を・・・計ってないですよ?やっだなあするわけないじゃないですかハハハ。
いつも通りの体調不良だとでも思ってやってください。
本当に作者が気狂いのど阿呆で申し訳ないです。
後、七夕でしたね。
皆様の願いが叶いますよう。
次回もお楽しみに。