閉じる瞳   作:ACRO

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pixivに投稿していたものをこちらにも投稿して行きます。プロローグと言いながら舞台説明のようなものなので早くストーリーを〜という方は1話はからどうぞ〜


プロローグ

20xx年 ×月○日

 

 

ーーーなんでこんな事になったんだろう

 

 ズルズルと椅子を引く音が部屋に響く

 

ただ穏やかに過ごせられればそれで良かったのに

 

 椅子を引いていた少女が椅子に乗る

 

こんな思いをするのはもう嫌だ…

 

 少女は梁に縄を通した後、輪を作る

 

それならもういっそ…

 

 その輪に頭を入れ、右足が振りかぶられる

 

 

  

   死んだ方がいい

 

 

 

 振りかぶられた足は椅子を蹴り倒さんと振りぬかれるーーー

 

 

 

 

これはいくつもの分岐の先の一つ、報われなかった結末の一つ

「艦娘」と呼ばれる少女達の戦いの記録の一つである

人知れることなく消されていった一人の悲しい艦娘の…

 

 

 

19xx年 ×年 ○日

 

 

ごくありふれた一夫婦の間に子供が出来た

もちろん夫婦は喜んだ

しかしその笑顔はすぐに曇ることとなる

生まれてきた子供の左目が、無色で仄かに光っていたのである

その異形の見た目に夫婦は怯えた、近い将来この子は

心なき人たちにより傷つけられるのではと…

その後の夫婦の行動は早かった、母親は相談所に行き

これからの方針を決め、父親はマメに育休を取るようになった

そのおかげもあり子供はすくすくと育ち、家庭は幸せに満ちて

あの時の不安などどこかに消え去ったようだった

 

そして子供が少女となり、小学校へ入学ことになった

夫婦も少女も笑顔で新たな一歩を踏み出すーーーが、再びその

笑顔は曇ることとなる

 

これまでは夫婦の手がすぐに届いたため差別されることのなかった

少女だが学校という閉鎖された環境は異物である少女を拒んだ

最初は仲間はずれに、次にからかい、そして本格的なイジメへ

発展するのにそう時間はかからなかった

 

それにより明るかった少女は家に籠るようになり、母親はそのケアに

勤しんだ。だが不幸はこれで終わらない。

少女が高学年になる頃、突如として遠洋から人類を滅ぼさんとする

軍艦を模した怪物、深海棲海と呼ばれるモノにより

世界はパニックに陥る

またその影響により経済が悪化し、不運にも少女の父親の会社が

倒産してしまう。その結果家庭は荒れに荒れた。

優しかった母親は育児の疲れも重なり精神を病み、

父親はショックにより酒びたりになってしまう

幾度もの両親の喧嘩、暴力、暴言、それらにより少女は

左目に消えぬやけどの跡と心の傷を負ってしまう

 

 

200x年 x年 ○日

 

 

不幸のさなか少女に救いの手が差し伸べられる

少女が高校生になる頃、人類を襲った深海棲海への

対策として「艦娘システム」が開発される

これは現代兵器を無効化する深海棲海に対し

過去に散って行った軍艦達の魂と一部を利用し

対抗するというものであった

最初は信用されていなかったものの

実際に日本近海をしていた深海棲海を撤退させた

ことにより信用を獲得、その技術はすぐに

開発、拡散された

しかしこのシステムにはひとつだけ問題点があった

ごく一部の適性のあるものにしか使用できなかったのである

そのため全世界で国民に適性調査を行ったのである

幸運にも少女はその適性があったのである

「重巡洋艦 古鷹」それが彼女に与えられた新しい名前だった……

 

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