閉じる瞳   作:ACRO

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本格的に始まる1話になります、1話当たりの文章量が基本短めになるかと...加古鷹流行れ


1話

「ここが鎮守府…」

 

一人の少女がトランクケースを片手に

門の前で佇んでいた

その門のプレートには海軍鎮守府と書かれている

 

「これからここで…頑張らなきゃ」

 

そうつぶやくと少女は正面の建物へと歩みを進めた

中へ入ると右手側に受け付けがあったのでそこへ行き

 

「すみません、艦娘候補の件で来ました。

 提督の執務室に行きたいんですが…」

 

「ああ、あなたが…話は聞いております。

 どうぞこちらへ」

 

「ありがとうございます」

 

そのまま受け付け員の案内に従い執務室へ着く

 

「では私は受け付けへ戻りますので」

 

「あ、ありがとうございました!」

 

「いえいえ、頑張ってくださいね」

 

「はい…!」

 

受け付け員の背中を見送ったあと小さく

深呼吸をしてからノックをする

 

「艦娘候補生の古鷹です、失礼します!」

 

事前に聞かされていた声掛けを終えたあと数呼吸後

 

「入ってきてくれ」

 

と、若い男性の声が返ってくる

すこしホッとし息を吐いた後、気を引き締め部屋へ入る

中に入ると声の通りの爽やかながら厳格そうな男性が座っていた

 

「この様な所まで来てくれて感謝する

 何分規則の厳しい案件でね」

 

「い、いえ!感謝なんてとんでもないです!

 私の方こそ感謝してもしきれないくらいで…」

 

「……ご家庭のことは同情するよ。とはいえこれからは君も戦場に立つ人間だ、

 あまり私情に流されないように。ここで生きていく上ではな」

 

「…ありがとう、ございます」

 

「さて、暗い話はここまでだ。まずは鎮守府にようこそ、歓迎しよう、大いにな。

 私のことは提督と呼んでくれ、指令と呼ぶ者もいるがね。

 君には今後人類の敵たる深海棲海と戦えるようになってもらう。

 そのためにこれから君を艦娘の一人「古鷹型重巡洋艦一番艦 古鷹」

 にする強化手術を行い、その後は訓練の毎日だ。

 本当に構わないんだね?」

 

「はい、構いません。あんなところで死んだように暮らすぐらいなら

 人の役に立つ仕事をしたいです」

 

「…その考え方には異を唱えたくはあるが、分かった。

 決めるのは君の想いだからな。それでは読んでもらう書類が

 山ほどある、読むスペースの確保と案内も兼ねて君の寮の部屋に行こう」

 

「分かりました、あ、いえ、了解しました!」

 

「ははは、好きな方で構わないよ、正式に軍人ではないのだから…」

 

提督はそう言うとどこか悲しげに苦笑した

まるで痛々しい、哀れなモノでも見たかのように…

 

そんなやりとりをした後、私は提督に文字どうり山のような

書類を半分渡され自室(にこれからなるであろう)の前まで案内された

何個かの部屋を通る時に声が聞こえたので既に来ている人もいるみたい

 

「さあ、ここだ。おーい加古、入るぞ―」

 

「はぁーい、開いてますよぉー…」

 

提督が声をかけたあと間延びした声が返ってきた

そっか、ここでは二人部屋なんだ、ずっと一人部屋だったから

緊張する…私なんかが同室で大丈夫かな。嫌がられないといいんだけど…

そんな自己嫌悪を待ってはくれずドアが開かれる

提督は堂々と、私はおずおずと入っていく

 

「調子はどうだ?少しでもおかしなところがあれば言ってくれよ」

 

「まーったく問題なしです、平気平気~」

 

部屋のベットには色んなところを短くしたセーラー服のような服を着ていて

短めの髪を後ろでまとめた活発そうな少女が座っていた

ネジのような独特なヘヤピンをしていてつい目がそちらにいく

 

「それで提督、こちらさんは?」

 

「今日から同室になる古鷹だ、加古とは姉妹艦になるな。

 古鷹、自己紹介を」

 

「は、はい。ど、どうも、艦娘になりました古鷹、です。

 その、よろしく…」

 

明るく挨拶しようと思うもアガってしまってたどたどしい挨拶になってしまう

やっぱり私はダメダメだ…

うつむいて少し涙目になっていると加古さんは立ち上がると

私の前まで歩いてくると私の両手を握り

 

「どうも、これから同室の加古です。よろしく!

これから不安かもだけど頑張っていこうねっ!」

 

笑顔でそういってくれた

急に手を握られたのとその眩しい笑顔に少したじろいだものの

珍しく優しくされて私は安心感と喜びを噛みしめていた

 

「っ…!あり、がとう…頑張ろうね!」

 

「にっひひ~」

 

加古さんと笑いあっていると

 

「ゴホン!そろそろいいかね?」

 

「「あっ」」

 

二人して提督の存在を忘れていた

うう、恥ずかしい…

 

「それじゃあまずはこの書類を読んでくれ

 その後心変わりしないのであれば執務室に来るように。

 君を含めて多くの命を預かる仕事だ、しっかりと考えるように。」

 

「了解です」

 

「では以上だ、ここの生活については加古に聞くといい

 無論分からないことがあれば聞きに来てくれ」

 

「はい!」

 

「それでは失礼するよ」

 

提督は執務室へ帰って行った

色々不安はあるけど、なんとかなる…かな

でもまずは

 

「この書類をなんとかしないと、ね」

 

「それね~、ものすごーく大変だけど、頑張れ~」

 

「ははは…」

 

山積みの書類を前に苦笑いするしかなかった

 

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