やっぱオレって抜けてる。
明日は恒例になってしまったヒバリさんと手合わせの日。……違った。手合わせはオレもなんか楽しくなってきたから、そんな風に思わなくていいんだよ。身体に染み付いた癖だよねぇ。ヒバリさん、前の時怖かったもんなぁ。
そりゃまだヒバリさんがオレを咬み殺せそうにないのもあるけど、ちょっと取っつきやすいんだよ。理不尽の塊じゃない。理不尽だけど。
って、また思考がズレた。ええっと、毎週日曜日に当たり前のように会ってるから先週気付かなかったんだよね。明日、ヒバリさんの誕生日だから手合わせ出来ないんじゃない?確かヒバリさん家は名家だったから。家も大きいし、間違いないはず。
ちょっとアバウトなのは、前の時にオレはあえて調べなかったから。リボーンや父さんは知っていたと思うけど、そういうのオレは気にしなかったから。なにか家のことで問題があれば、ヒバリさんが言うって。まぁ問題があってもヒバリさんは死んでもオレには言わない気がするけど。誕生日だってオレが聞いたわけじゃないしね。確かハルが聞きまわってて知ったんだよ。ヒバリさんが隠してるわけじゃないからオレも知ってただけ。
んー、まぁいっか。ダメならオレん家に電話するだろうし。ヒバリさんのことだから、調べればわかるはず。最悪草壁さんが待ち合わせ場所に居るよね。
なんて思ってた時期……瞬間がオレにもありました。
「ええええ!?」
「なに」
普通に待ち合わせ場所に居たよ、この人。
「今日、誕生日ですよね!?いいんですか、ここに居て……」
もちろんオレはヒバリさんがまだ幼いといっても、家族そろってお誕生日会しているイメージはないです。だからにらまないでくださいね。オレがそういう意味で言ったんじゃないとなんとなく察したのか、ヒバリさんは問題ないよと軽い感じで言った。
ヒバリさんがそういうなら、オレは気にしなくなった。ヒバリさんが決めたことだからね。
「それより、僕の誕生日どこで知ったの?」
「いっ!?ええっと、む、骸から……」
骸、ごめん。今度おごる。オレが心の中で骸にチョコを捧げていると、ヒバリさんが溜息を吐いた。……うん、これってばれてるよね。オレがウソついたの。じゃないと、骸にイラついて機嫌悪くなってるはずだから。
ははは……っと目をそらして笑って誤魔化していると、ヒバリさんが睨んだ気がした。ひぃ!と殴られないように、トンファーをかまえる。
けど、いつまでたっても衝撃はこなかった。
「ヒバリさん……?」
どこか機嫌の悪そうなヒバリさんに恐る恐る声をかける。いや、機嫌が悪いのはオレのせいってわかってるけどね。
「よくわからない、君って」
「ええっと?」
オレにもわかるように説明してくれないかなーと心の中でお願いする。オレの直感では勝手に誕生日を調べあげたことじゃないって訴えてるからさ。その思いが通じたのか、ヒバリさんは口を開いた。
「強いのに、どうして草食動物のフリするの」
「フリじゃないですよ。オレは根っからのビビリだし、鈍くさいし、……悪いところをあげればキリがありません。そりゃケンカはちょっとできるようになったけど、やりたいとは思わないし……。それでもヒバリさんがオレが強いって思うなら……譲れないことがあるからです」
オレは恥ずかしくなって思わず頬をかく。だって、教えてくれたのはヒバリさんだもん。前のヒバリさんだけど、ヒバリさんにはかわらない。オレがまた迷ったら、ヒバリさんは同じことをする。だって、ヒバリさんには譲れない誇りを持ってるから。……あまりにもオレが情けなくて失望しちゃったら教えてくれないかもしれないけどね。でもなんだかんだいってヒバリさんは手を伸ばしてくれる気がするんだ。
「……やっぱり、君はよくわからない」
うーん、オレの伝え方が悪かったのかな。結構がんばったつもりだったんだけどなー。あの時、ヒバリさんはどうしてくれったっけ?
「あ、そうだ!」
「なに」
「オレを見てください!」
……ん?なんか違う気がする。
ヒバリさんが言ったときは、かっこいい感じだったのに。オレが言ったら、全然かっこよくない感じになった。
「……君が考えなしってことはわかった」
あああ、やっぱりそんな感じになったー!
「ちょ、ちょっと待ってください。リベンジさせてください」
「もういいよ」
「オレが嫌なんですって!」
「知らない」
この後すぐにヒバリさんがオレが鬱陶しいと思ったみたいで、トンファーを振るわれた。そのままの流れでいつもの手合わせが始まってしまって、結局オレのリベンジは叶わなかった。
雲雀恭弥
幼少期時代からツナは天然を炸裂していたので、慣れた。
雲雀は慣れたくなかった。
沢田ツナ
憧れであるヒバリに習ったが、失敗。
ちなみにプロポーズ紛いの言葉を口にしているが、前と違ってヒバリと性別が違うことをこの時すっぽり抜けている。
抜けてはいるが、ちゃんと自分が女子と自覚しているためおかしいとは感じた。
六道骸
どこからか電波を受信し、ツナにカマをかけた結果、チョコを奢らせることに成功する。
雲雀はウソと気付いていたため、本当は奢る必要はなかったのに奢らせたため、ツナからお前の方が理不尽!と言われる。