沢田綱吉、逆行。   作:ちびっこ

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リボーンが来てから数日、隣の部屋から家綱の悲鳴が何度も響き渡っていたけどオレには暴力を振るうことはなかった。……あいつ、女に優しいから。

 

想像していたスパルタ教育がないことにオレはちょっと寂しさを覚える。もちろんオレだって痛いのは嫌だけどさ。なんていうか身体にしみてんだよ。

 

そんな感じでオレと家綱で対応に差があるから、当然家綱は怒った。リボーンの主義に文句をいったからボコられていたけど。それでも納得出来るかって言ったら違うから、オレとの関係が更に悪化。

 

オレが困っていたのもあるし、多分骸のことを調べ終わったからのもあって、今日からしばらくの間はリボーンはオレにつくことになった。……これ、2人見ないといけないリボーンは大変じゃない?

 

「ランニングに行くだけだからついてこなくてもいいんだぞ?」

「問題ねぇぞ」

「じゃぁオレの頭に乗っていいよ。トレーニングにもなるし」

「サンキューな」

 

ピョンとオレの頭に乗ったのを確認して、オレは走り始めた。いつもの道を走りながら懐かしいなと思う。リボーンはオレの頭にはあんまり乗らなかったけど、今のオレの身体はちっこくて肩には無理だから仕方ないんだけどさ。

 

いつもみたいに了平兄さんにちょっと会話したり、毎日顔を合わせている人にも挨拶する。今日は途中で山本ともあった。

 

「……ツナ、おめー毎日これもやってんのか?」

「ん?そうだけど?」

 

やっぱりちょっと変かなと思いながら、日課の崖登りもする。今では慣れて朝のコースに組み込まれてるけど、小3ぐらいまでは登りきれなくて、放課後骸に何度も付き合ってもらったよ。流石に落ちたら危ないからね。そういや、ヒバリさんにバレた時は呆れられたっけ。

 

崖を登り切ると、ちょっと休憩。その間、リボーンがオレの腕を触っていた。

 

「この細腕のどこに力があるんだ?」

「あ、それはオレも変だと思ってるよ。なんでだろうね」

 

そういやヒバリさんもそこまで腕が太くないのに、力あるよな?まぁヒバリさんは身体の使い方がうまいってのも関係してるけど。

 

「リボーン、そろそろ行くよ?」

「ああ」

 

リボーンの体重分、ちょっといつもより時間がかかって家に着いた。了平兄さんや山本と話し込んじゃった時よりは早いから学校には間に合うけどね。

 

いつものようにシャワーを浴びて制服に着替える。オレが学ランなのは早々に質問されたから、リボーンはオレが風紀委員に所属しているのを知っている。骸のこともあったから、ヒバリさんとはまだ接触してないみたい。リボーンのことだから数日中の問題だと思う。

 

オレがシャワーを浴びてる間に家綱は起こされたみたいだ。今まではオレが担当だったけど、家綱の態度を見た次の日からリボーンがやってくれてるんだ。……ほんと、女子に甘いよな。助かってるからお礼にエスプレッソをいれてあげてる。オレ好みだぞって褒められたけど、前世で仕込んだのはリボーンだったから当然なんだけどね。

 

「母さん、いつも助かるよ」

「気にしなくていいわよー」

 

そうはいうけど、毎日4人分の弁当を作るのは大変だと思うんだけど……。クロームも料理が出来るようになったけど、やっぱ朝は忙しいからさ。今でも2人の分を母さんが作ってくれてるんだ。

 

「いってきまーす」

 

リボーンはどうするのかなって思ったけど、隠れる気配はないみたい。骸と直接会う気になったのかな。

 

オレの予想通り骸ん家についてもオレの足元でリボーンは堂々と立っていた。

 

「クローム、迎えにきたよー」

「うん……!」

 

ほんと、かわいいなぁ。もう何年もやってることなのに、嬉しそうにするんだもん。今でもオレがクロームの頭を撫でるのは仕方ないと思う。

 

「ちゃおっス」

「おや?ついにきたのですね」

 

リボーンの声に反応したのか、骸が奥から出てきた。

 

「おめーの情報がねぇからな。この目で見ることにしたんだ」

「ボンゴレも大したことはありませんね」

 

いや、お前が凄すぎるだけだから。いちいち煽んなよ。

 

「なんでおめーは並中じゃねぇんだ?」

「僕には僕の都合がありますから」

「あーもう。ほら、骸。お前の弁当」

「ありがとうございます」

 

こういうことにはちゃんと礼をいうのに……。

 

「おめーの都合ってなんだ?」

「なぜ僕がアルコバレーノに話さないといけないのです?」

「骸!!」

「はいはい。わかりましたよ。僕はもう行きます」

 

煽るだけ煽ってオレに丸投げかよ……。まぁこれ以上続くよりはいいけどさ。

 

「あ、骸」

「なんです?」

「お前の気持ちもわかるから家に来いとは言わないけどさ。たまに母さんには顔を見せてあげて。心配すると思うから」

 

お前なら偶然道端で会うってこともできるだろ?って言えば、仕方ありませんねと骸は返事をしてくれた。これでちょっとは悪い奴じゃないってわかってくれればいいけど。

 

「相変わらず君は甘ちゃんですね」

「ゔ」

 

オレがここで言った意味全部気付かれてるよ……。骸はやれやれと肩をすくめた後、学校に向かっていった。と思ってたんだけど、振り返ってあいつは言った。

 

「君の兄が僕のクロームに失礼なことをしたのは知っていますからね」

「家綱、逃げてーー!」

 

思わず叫んだオレは絶対悪くないよ。あいつわざとこのタイミングで言っただろ!?と骸が行ってしまってからオレは頭を抱えた。

 

「……ツナ。私、気にしない。あの人と血が繋がってても私、ツナのことは好き」

 

ハハハ……。嬉しいけど、それ家綱が聞いたら泣くと思うよ……。

 

朝からいろいろあったけど、学校では特に問題なく過ごせた。リボーンは木の上から観察していたみたいだけど。

 

放課後は見回り。相変わらずノルマもないし、その日の気分でフラフラと歩くだけだけど。今日は野球部の練習があるから学校にしようかな。もちろんクロームを家に送ってからだけど。

 

オレが歩いてると、他の風紀委員と違うタイプって噂が流れたみたいで、ちょっとしたこととか話してくれる。特に破損の報告が多い。気付いたのはいいけど、自分がやったわけじゃないのに咬み殺されるから言えなかった人が多かったみたい。最近では町の人にも声をかけられる。

 

先生に至っては休みの相談とか。例えば家族の結婚式に出たいっていう理由で。ヒバリさんも鬼じゃないんだから、普通に説明すれば休めると思うんだけどね。

 

2、3度オレが間に入ったところで、ヒバリさんからケイタイを支給された。昼寝中に連絡しそうで怖いんだけど……と思いながらも、ちゃんとした理由があるからか今のところヒバリさんが怒ったことはない。

 

リボーンはそんなオレを観察していたけど、姿を見せることはなかった。

 

チラチラ野球の練習を見ながらも、5時半を過ぎたので見回りを終える。後は『今日は何もありませんでした』とメールで報告するだけ。返事はないけど、いつものことだから大丈夫。

 

「ツーちゃん!」

 

聞こえてきた声に振り返る。オレの予想通り京子ちゃんが居た。そういえば今日は委員会で残るって言ってたっけ。

 

「結構長かったんだね」

「うん。ツーちゃんも終わったなら一緒に帰ろ?」

 

そうだね、危ないから家まで送るよって返事をしたところで、持田先輩の姿が目に入った。……あの人、京子ちゃんと一緒に帰りたかったんじゃ……。

 

「ツーちゃん、行こうよ!」

 

オレと帰ることに嬉しそうにしている京子ちゃんを見れば、どっちを優先するかは決まっていた。まぁいっかとオレはそれを見なかったことにした。




沢田ツナ
頼まれたら断れない性格から、一応風紀委員活動をしている。
基本笑ってヒバリさんに報告しておくねと言われるから親しまれ、ツナに嘘をついて報告した人からは恐れられている。
なぜかすぐバレて今回は見逃すけど次はヒバリさんに話すからねとガッツリと釘を刺されたから。

六道凪
家綱のことは嫌い。
大好きなツナと骸を悪く話すから。

六道骸
煽ってはいるが、骸からすれば随分甘い対応。
昔の自分はもっとやった。
家綱にはちゃんと報復した。もちろん気づかれないように。
ただツナにはバレてちょっと怒られた。
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