沢田綱吉、逆行。   作:ちびっこ

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いつものようにクロームと一緒に通っていると、オレは靴箱で持田先輩からと果たし状を突きつけられた。

 

「……ツナ、無視しよう」

「うーん、一応行くよ」

 

なんで人通りの多いところでするかなーとオレは思いながら、体育館へと向かう。さっきのを見ていた人も付いてきているのもあるけど、持田先輩が集めたのか野次馬がいっぱい居てオレは溜息を吐いた。

 

「沢田ツナ!風紀委員という立場を利用し、女子生徒を甘い顔で騙し嗾すお前をオレが成敗してくれる!!」

 

あ、京子ちゃんや黒川もいる。おはようと声をかけていれば、持田先輩が周りに声をかけていた。

 

「見ろ!これが証拠だ!彼女達も騙された被害者だ!お前のような男のクズは神が許してもオレが許さん!」

 

持田先輩の言葉に一部の人達は「何言ってんだ?」みたいな反応する。見てみるとクラスメイトや同じ小学校出身の人達だった。オレが女と知ってるからだと思う。それでも2年や3年の人達は知らないから、敵意みたいなものも感じる。

 

「どうしよっかなぁ」

「私が言ってあげようか?」

 

黒川の言葉に笑って大丈夫と答える。オレが困ってるのは教えるのを躊躇しているからじゃない。別にオレは女ってことを隠してるわけじゃないし。オレが困ってるのはここまで話を大きくしたなら、お咎めなしっていう訳にはいかないから。オレがヒバリさんに怒られるよ。それに草壁さんみたいに本気でヒバリさんの考えに共感してについて行ってる人にも申し訳ない。オレのせいで風紀委員全体がナメられちゃうから。

 

オレがボコボコにすればヒバリさんは納得すると思う。持田先輩も勝負を仕掛ける気みたいで剣道着を着ているし。でもオレはそういうのは好きじゃない。だから昔やったみたいに持田先輩を坊主にするのはもっとない。

 

うーん……と悩んでるとオレが怖気付いたと思ったようで、持田先輩はさらに調子に乗った。

 

「賞品は笹川京子だ!」

 

リボーンじゃないけどカチーンときた。ちょっと痛い目にあってもらおう。持田先輩の発言に怒ってるみんなをオレはまぁまぁと宥める。オレの笑顔を見て黒川が「目が笑ってないわよ……」と呟いた。え?気のせいだって。

 

「あのー、オレ剣道やったことないんで普段使ってる武器がいいんですけど……」

 

あの重たそうな竹刀や防具をつけても動けると思うけど、筋を痛めそうで嫌だ。

 

「武器?」

「えっと、これなんですけど……」

 

そう言って、シュッと仕込みトンファーを出す。すると、その姿が誰かを連想するのか、今まで強気だった持田先輩達が怖気付いた。

 

「さ、沢田……その武器はどこで……」

「毎年ヒバリさんがくれるんですよ」

 

あの時だけとオレは思っていたけど、調べたのかオレの誕生日が近い日曜日に新しいのを毎年くれるんだ。それもオレの体格にあったものを。

 

「覚悟はいいですか?」

 

オレはあえてヒバリさんが言いそうな言葉をつかう。チラッと審判に目を向ければ、勝負開始の宣言をした。ヒバリさん、どんだけ怖がれてんの……。

 

ヒバリさんから見れば、トンファーの使い方はダメダメらしいけど、素人から見れば脅威だと思う。伊達に何年もトンファーを使ってないよ。

 

オレは簡単に持田先輩の竹刀を弾いて、トンファーを喉につきつける。

 

「ヒバリさん直伝のトンファー、味わいます?」

 

耳元でボソッと呟けば持田先輩は気絶した。ちょっとやりすぎちゃったかな?

 

これでも持田先輩は後輩たちに慕われてるみたいで、真っ青な顔をしながらもオロオロしていた。それを見てオレは笑って言った。

 

「もう怒ってないよ」

 

後はオレが女っていうことを教えたら終わりかなって思ってたんだけど、体育館の入り口の方からバキッ!ドコッ!っていう音がし始めた。……ほんと前の時は運が良かったよな。ヒバリさんが学校にいれば絶対気付くはずだもん。

 

「なに、この群れ」

 

オレの姿が見えたからか、ヒバリさんに説明しろって話しかけられた。

 

「うーん、正義感からの暴走ですかね?」

 

これ以上持田先輩が痛い目にあうのは可哀想と思って考えながら口にする。

 

「男のオレが女の子を誑し込んでると思ったみたいで……風紀の乱れだって怒ったんですよ」

「……君、いつから男になったの?」

 

さぁ?と首を傾げながらも話が逸れ始めてるしちょっとは機嫌が直ったかなと思う。でも確かにヒバリさんの言う通りなんで持田先輩は勘違いしたんだろ。そりゃ学ランを着てるのもあるだろうけど、ちゃんと見れば胸があるのはわかるはずだよね?

 

「そんな小さいかな?」

 

オレが服の上から胸の大きさを確かめていれば、ヒバリさんがトンファーを振るってきたから慌てて避ける。

 

「いきなり何するんですか!ヒバリさん!」

「今のは君が悪い」

 

ヒバリさんに断言されるだけじゃなく、女子達もウンウンと頷いていたからオレが悪いみたいだ。

 

「はぁ。君はもう行きなよ」

「え、でも……」

 

オレのせいでもあるし、後処理もするつもりだったんだけど、黒川と京子ちゃんに腕を掴まれた。

 

「ツナ、あんたはあっちで説教」

「うん。ツーちゃん、さっきのはダメだよ」

 

え?え?ってオレが疑問に思ってる間に引っ張られていく。無理矢理外すことも出来るけど、女の子にそんな手荒なことは出来ないし。ヒバリさんの目の前でオレが群れたのに見逃してくれたし、出て行った方がいいのかな。

 

その後、黒川と京子ちゃんに男子の前で確かめちゃダメと怒られた。男子がイヤらしい目で見るからって。でもさ、オレもそうだったけど男子って女子が何もしなくてもそういう目で見てると思うんだけど……。

 

それをいったら、尚更やっちゃダメってわかるでしょうが!って黒川に怒られた。

 

 

数日後、家に帰るとなぜかリボーンを抱いて機嫌が良さそうなビアンキが家に居た。




沢田ツナ
ツナの笑顔を見て、本気で怒らせてはいけない人種だと黒川達は思った。
ヒバリさんにトンファーを毎年もらうので、引き出しの中の1つがコレクションみたいになっている。

雲雀恭弥
いち早く反応していたが、ツナの行動に一瞬だけ固まっていた。ありえなさすぎて。

リボーン
ツナの実力が見れるし、面白そうだと楽しそうに観察していたが、ツナの行動にボルサリーノを深くかぶり直した。
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