沢田綱吉、逆行。   作:ちびっこ

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すぐにディーノさんはイタリアに帰っちゃったけど、風呂場の修理代と直るまでの銭湯代と迷惑料をポンっと置いて行ってくれた。オレもあんな感じにサラッと出したい。ボンゴレのボスだったのに、貧乏性が抜けなくて恐る恐る使ってたから……。

 

まぁそんな感じでしばらくオレ達は銭湯通いなんだけど、女と男で別れるっていっても家綱はオレと一緒が嫌みたいで、母さんが家綱と一緒に通ってる。母さん達の護衛にはビアンキがついてくれた。家綱も料理さえしなければビアンキは大丈夫とわかったみたいだし。

 

だからオレはちび達やリボーンと一緒。みんなで女湯に入ればいいのに、リボーンだけは男湯に行っちゃうけどね。まぁでも呪いで赤ん坊になっただけだから、無理には言わなかったけど。

 

今日もいつものように帰っていたんだけど、家の前でマンガみたいに風呂敷を被った怪しい人がいた。……ハルだったよ。

 

「ちゃおっス。ハル、何してんだ?」

「この声はリボーンちゃん!」

 

どうやらオレの知らないところでリボーンとハルは出会っていたらしい。

 

「はひー!こんなにも子どもに好かれてる人、保育園の先生以外でハル初めて見ました……」

「って、それオレの事!?」

 

ハルの言葉にビックリしたけど、よく考えればオレはランボを抱っこしてるし、フゥ太はオレの腰に掴まってて、リボーンはオレの頭に乗ってるもんな。でもこれでもまだイーピンが来てないんだけど……。

 

「ハル、安心しました!家綱さんはリボーンちゃんを邪険にして心配だったんです!あなたがいれば、リボーンちゃんは大丈夫そうです!」

「えっと、ありがとう?」

「はい!では、ハルは帰ります!」

 

相変わらず、一度決めたら突っ走っちゃうんだよなーと思いながらハルの腕を掴む。

 

「はひ?」

「ちょっとここで待ってて。お願いだから」

「はい。いいですよー?」

 

ちび達を母さんに預けたオレは、すぐにハルのところへ戻る。リボーンはついてきちゃったけど、まぁいいか。

 

「ごめん、お待たせ」

「大丈夫です!あの、どうかしましたか?」

「もう夜も遅いし危ないから送ろうと思って。オレこう見えても強いから安心してよ」

「はひ……。あなたが女性で良かったですぅ。危うくハルの心は盗まれるところでした……」

 

ハルは変わんないなぁ。よくわかんないところもあるけど、明るくてオレの事ずっと好きでいてくれて。女になっても、好意的に見られるなんて思わなかったよ。

 

この後ちゃんとハルと自己紹介しあって、同じ年で女になったのに、また「ツナさん」って呼んでくれるからオレもつい嬉しくって、気付けば連絡先まで交換していた。

 

「相当ハルのこと気に入ったんだな」

「あはは。わかっちゃった?」

 

ハルを送った帰り道にリボーンに言われてオレは素直に認めた。

 

「リボーンありがとう。オレ、お前のおかげで毎日楽しいよ」

 

上機嫌だったオレは気付かなかった。リボーンがオレの頭の上で難しい顔をしてるなんて……。

 

 

 

 

次の日、いつものようにクロームを迎えに行ってると骸に声をかけられた。

 

「君にいいことを教えてあげましょう」

 

ん?とオレが首を傾げてると、骸がリボーンの顔をチラッと見てからオレを見たから背筋を伸ばす。

 

「今日、君のクラスにスモーキンボムという名の殺し屋が転入してきますよ」

「ええっ!?」

 

あぶねー。合図されなかったら、オレ顔に出てただろうし、骸にほんと?ほんと?って詰め寄ってたよ。

 

「精々気をつけることですね」

 

がっつり釘を刺されたオレは素直に頷いた。別にオレとしてはリボーンにならバレちゃってもいいかなって思うんだけど、なんかの弾みで呪いが解けなくなっちゃったら怖いし、骸にオレのことだからズルズルとバレていくだけじゃなく、元男だとわかればまた結婚出来ませんよと言われてしまえば隠すしかないというか……。オレももう女として生きる気になってるから、みんなに男として見られると困るし……。

 

ここまでは良かったんだよ。オレも獄寺君を見ても顔に出さないようにしたし、家綱の机を蹴られてオレが睨まれても苦笑いだけで済ませたよ。でも骸の話を聞いたクロームがオレにべったり。山本も朝の獄寺君の態度に警戒しちゃって……。今の山本ってもしかしてマフィアとか気づいてるんじゃないかなって思う時がある。昔みたいに遊びみたいな雰囲気はないんだよ。

 

だから獄寺君とうまく接触出来なくて、どーしよーかなーと思ってたんだけど、家綱が授業に来なくて、よく見れば獄寺君も居なくて、これってオレの時みたいにケンカ売られてるんじゃ!?と思って先生に「オレが探してきます」と言って授業を抜けさせてもらった。クロームと山本もついてきたかったみたいだけど、何人も抜けれるわけもない。それにほとんど名ばかりだけど風紀委員のオレが動くといえば先生はオレだけで十分と判断するしね。

 

どこだったかなぁと思いながら歩いてると、ドンドンと聞こえてきて、オレは2階に居たけど家綱が校舎の壁に追い詰められてるのを見て飛び降りた。

 

「家綱!!」

「なっ」

 

爆発音で獄寺君の声なのか、家綱の声だったのかわからなかったけど、オレはなんとか家綱を掴んでその場から離れた。

 

「家綱!大丈夫!?」

「離せっ!お前がなんか居なくても……これぐらい……」

 

そう家綱が言ったタイミングで家綱の額が撃たれた。殺気がなくて反応出来なかったから、ちょっとビビったよ。

 

「復活!!死ぬ気で逃げ回る!!」

 

えっ逃げ回るなんだ……。オレの時はなんで消火活動だったのかなぁ……。よくわかんないけど、これで家綱は大丈夫。あとは獄寺君を止めるだけと思ったんだけど、次のダイナマイトがふってきた。うん、やっぱり家綱は問題なさそうだ。ってことは、少し前からオレの超直感が訴えてるのは……。

 

「獄寺君、もうやめるんだ!」

「果てろ!2倍ボム!」

 

オレは避けながら、獄寺君へ近づく。これ以上は危険だ!

 

「3倍ボム!!」

 

ポロッと落ちたダイナマイトを見て、オレは獄寺君の周りにあったダイナマイトの火を手で消していった。

 

「獄寺君、怪我はない!?」

「……は、はい」

 

よかったぁと安心したオレはホッと息を吐いた。……やっちゃったなぁ。

 

「オレ、あなたに一生ついていきます……」

「へ?」

 

ポツリと聞こえた声にオレは首をかしげる。なんか獄寺君っぽくないよね。前の時は土下座までして、ちょっと強引なイメージだったんだけど……、顔は真っ赤だし視線も合わないような……。

 

「んなこと言ってる場合か」

「ぐはっ」

「ご、獄寺君!?」

 

リボーンに蹴られて獄寺君が吹っ飛んじゃったよ!?せっかく獄寺君は怪我しなかったのに……。

 

「ツナ!」

「ひぃ!」

 

怒気を含んだリボーンの声にオレは反射的にビビった。けど、鉄拳制裁は来なくて……そのかわりグイグイと腕を引っ張られて慌ててリボーンについていったんだ。やっとリボーンの足が止まったと思ったら、場所は保健室だった。

 

「シャマル!」

「ん?おっ、リボーンとツーちゃんじゃねーか」

 

え、いつの間に……シャマルが保健室の先生になってたんだろう……。それもオレのアダ名まで知ってるし……。

 

「ツナ、シャマルに手を診せろ」

「あ、うん」

 

うわー、やっぱ素手ですることじゃなかったよなー。オレの両手が火傷で凄いことになってるよ。

 

「なっ!……よく我慢したな」

「見た目ほど痛くないというか……これぐらい大したことないかなー……なんて……ハハハ」

 

やべっ、シャマルとリボーンがなんか怒ってる……。でも全身の骨が粉々になったことがあるオレからすれば今回の怪我なんて可愛いもんだと思うんだけど……。いや、治療してくれるのは助かるんだけどね。

 

「ツナ、なんで獄寺のボムを手で消したんだ」

「まじか……。こうなったのは隼人のせいかよ……」

「その話は後だ。おめーなら、家綱にやったみたいに獄寺を引っ張って逃げれただろ」

 

そういえばなんでだろう。グローブをしてる感覚でやっちゃったのかなって思ったけど、リボーンの言う通り家綱の時はちゃんと出来てたよな?

 

「うーん……。あ、わかった」

「なんだ?」

「獄寺君のことを大事に思ってる人がいるってわかってもらうには、避けるだけじゃ伝わらない気がして……。守ってみせないとって考えたみたいで、気づいたら身体が勝手に動いてた」

 

オレがそういうとリボーンには溜息を吐かれちゃうし、シャマルは天を仰いだ。あ、でももう怒ってはなさそうかな?

 

「わぁ、シャマルありがとう」

 

会話中にもシャマルは手を動かしてくれたみたいで、両手にはしっかりと包帯を巻いてくれていた。

 

「こらこら、どこへ行く気だ。ツーちゃんはこのままベッドだ」

「へ?」

「ツーちゃんが思ってるより怪我はひどい。熱も出るだろうよ。ったく、隼人の奴め……」

「オレそんな軟な身体はしてないから、大丈夫だと思うけど……」

「医者の言うことは聞け」

 

リボーンにも睨まれて、しぶしぶオレはベッドに寝転ぶ。これぐらいは大丈夫なのになぁと思っていたけど、身体は回復しようと思ったみたいでオレは気付けば眠っていた。

 

 

 

次に起きたらなぜか骸がベッドの近くの椅子に座って本を読んでいた。

 

「……なんでお前がここに?」

「感謝しなさい。病人の前でうるさくしていた彼らを追い出してあげたんですからね」

 

うわー、みんなに心配かけちゃったのか……。骸の話では獄寺君はずっと土下座して謝っていたらしいし、そんな時にクロームと山本が来てくれたみたいで、獄寺君の態度で許したみたいだけど最初はちょっと怒ってたらしい。で、クロームが来たからシャマルが暴走して幻術の餌食になった。……さっきから、うんうんと聞こえるのはシャマルの声だったんだ。絶対骸も追加でくらわせてるよ……。

 

それだけで終わればまだ良かったんだけど、京子ちゃんや黒川も来てくれて……京子ちゃんに聞いたのか、お兄さんまで来て……。骸はため息を吐きながらもそこからは話すまでもないでしょうと言ったから、オレは察した。……群れを見たヒバリさんまで来たって。

 

「助かったよ、骸」

 

クロームに聞いて骸がすぐ来てくれなかったら、みんな保健室でお世話になっていたよ。それも肝心の医者がクロームにやられちゃって寝込んでるし……。

 

「そう思うなら、怪我なんてしないことですね」

 

ほんとわかりにくいなぁ。感謝しろって言ったのに、オレが素直にお礼をすれば、怪我するなって言うんだから。

 

「雲雀恭弥から伝言です。本調子じゃないあなたと戦っても面白くないからしばらくはいい、ですって」

 

うわ……、骸に伝言を頼むぐらいだし、この人もわかりにくいけどすっげー心配してくれてるよ。こんなことになるなら死ぬ気になれば良かったなぁ。火を手で消すぐらいなら、たいして痛くないからって気にしなかったんだよね。

 

「そろそろ休みなさい。今日ぐらいは静かに寝させてあげますよ」

 

オレは骸の言葉に甘えて、ゆっくりと目を閉じた。




三浦ハル
同じ年齢なのに大人っぽくて「さん」付けで呼ぶことにした。
ハルが呼べば、嬉しそうに笑うので大人っぽいのに可愛いとメロメロ。
連絡交換しなければ後悔すると判断し、すぐさまGETした強者。

リボーン
ツナの言動に怪しんでいた。
が、そんなことより怪我をさせてしまったことに反省。
獄寺が喧嘩っ早いとわかっていたので、ツナが居ないところで家綱と獄寺をあわせたのに、意味がなかった。
ツナの観察眼の良さに怒りたくても怒れなくなった。

Dr.シャマル
ツナも隼人と同じタイプかと思ったら、話を聞けば隼人のためだった。
過去の自分の行動に頭が痛くなる。なんで隼人にちゃんと教えなかったのか、と。
今からでも教えなおすべきかと、うなされながら考え中。

沢田ツナ
怪我の基準がおかしい。
みんなに心配をかけたので、死ぬ気でさっさと治すことにした。

六道骸
ツナが怪我をしたと聞いて駆けつけた。
本当はぐちぐち嫌味(わかりにくい優しさ)でも言おうと思って来たのに、ツナの安眠を守る羽目になった。
山本や了平とは初対面だった。

獄寺隼人
……(言うまでもないので語りませんw)
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