炎真との距離が縮まった。オレが思ったような感じじゃないけど。……あの2人が悪いんだよ!ヒバリさんはまだわかるよ。あの人、昔っからそうだし。骸……お前、オレと炎真のために企画してくれたんじゃないの!?なんでそんなにも勝つ気満々なの!?ただの体育祭だよ!?もう2人で話し合ってよ!顔を合わせるとバトルになるのはわかってるけど……!オレと炎真がどんだけ2つの学校を行き来してると思ってるの!?少しでも自分の学校に有利なルールにしようとしないで!調整するオレ達が大変なんだから!
と、オレと炎真が2人に振り回される夏休みを送っている。その間を縫って、みんなと遊びに出かけたりするからまた忙しい。いや嬉しいし楽しいんだよ?ただ体育祭のことを思い出すと頭が痛いというか……。
「ツナ」
「ん?リボーン、なに?」
今日もあの2人のせいで疲れたーと休んでるとリボーンが声をかけてきた。
「明日海行くぞ。炎真も誘え」
「えっ、ちょっと!」
と、まぁオレが言っても何か企んだリボーンが止まるわけもない。仕方なくオレは炎真に連絡する。オレが炎真の連絡先を知ってるのは仲良くなったからじゃなく、連絡先を交換しないと合同体育祭の日までに間に合いそうになかったからだけど……。
『……もしもし?』
「あ!オレ、ツナ。あの良かったらだけど明日海に行かない?いやその、疲れを癒すにいいかなぁ……なんて……ハハハ」
自分で言ってて、海なんて行ったら余計疲れるじゃん!って思ったよ……。でもオレも炎真と少しでも仲良くなりたいし、なんとか来てもらおうと必死に言葉を考える。
「ええっと……」
『……いいよ』
「ほ、ほんと!?いいの!?」
やったーとオレは喜んだけど、リボーンから何も詳しいこと聞いてねぇ……。
「く、詳しく決めてすぐに連絡し直すね」
『わかった』
オレは炎真との電話を切った後、すぐに「リボーン!明日のことなんだけどー」って叫んだ。
オレ達はいつものメンバーと炎真で海にいた。黒川とお兄さんは居ないけど。黒川はいつも通りの理由でお兄さんは部活。代わりにっていうわけじゃないけどリボーンが何か言ったのか、家綱も居る。
「ビアンキは自分で大丈夫だと思うけど……、クローム、京子ちゃん、ハルはオレから離れちゃダメだからね」
「どうしてですか?ツナさん」
「みんな可愛いし、ビアンキは綺麗だけど……まぁナンパされると思うよ。特に1人になっちゃ、すぐにね」
前の時もそうだったしなーと思っていたら、クロームがオレの腕に抱きついた。怖がらせちゃったかな。
「クロームちゃん、ナイスです!」
「大丈夫よ。心配しなくてもみんな私が見ているわ」
ビアンキがそういうとみんなホッとしたような顔をした。いや、オレもビアンキがそう言ってくれるなら助かるんだけどさ。
「行こう、ツーちゃん」
「あ、うん……」
なんか違うような……と思いながらも、オレは男子との待ち合わせ場所へと向かった。
「みんなー!」
ブンブンと手をふると、獄寺君が思いっきり目をそらした。あれ?ビアンキには獄寺君は恥ずかしがり屋だからゴーグルつけてあげてって言ったから、ずっとつけてくれてるはずんだけど……。うん、やっぱりつけてるよね。
「獄寺君、大丈夫?体調悪いの?」
「い、いえ……」
「でも顔真っ赤だよ」
熱中症かなとオレは心配していたんだけど、リボーンは相変わらず男に厳しくてほっとけと言われた。もちろんそんなことは出来ないオレは下から獄寺君を覗き込んだんだけど……。
「ご、獄寺君!鼻血、鼻血出てるよ!?」
テッシュテッシュと慌ててカバンから取り出す。いやほんといろいろと持ってきてて良かったよ……。
「すみません……10代目……。オレ、しばらく頭冷やしてきます……」
ふらふらと歩いて行くからオレも付いて行こうと思ったけど、フゥ太に捕まってそれは叶わなかった。
「ツナ姉、しばらくすれば隼人兄は大丈夫だよ!」
「お前何か知ってんの?」
「まぁね。でもツナ姉は知らない方がいいと思うよ。隼人兄はまだ知られたくないみたいだから」
教えてくれてありがとうとオレはフゥ太の頭を撫でる。えへへと喜ぶ姿で誤魔化されそうになるけど、フゥ太はほんと昔っから周りをよく見てるよなー。
まぁこんな風にフゥ太を褒めてると、オレっちも!ってランボもやってくるんだけどね。撫でてやるけど、今度はフゥ太がもっとって言うんだよ。
オレがちび達に振り回されてると、家綱が炎真に絡もうとするのを山本が仲裁していた。ちょ、あいつ何やってんの!?
「家綱!」
「んだよ。こいつ、ボンゴレの傘下なんだろ。それも弱小」
家綱に教えたの、絶対リボーンだ!
「傘下じゃないから!同盟だから!弱小とかそんなの関係ないよ!それと……ボンゴレを継ぐと決めてもないのに、そういう態度はダメだよ!」
「うるせー。継げばいいんだろ、継げば」
「本気で言ってるのか?」
家綱が腰を抜かした。自分でもこれはまずいと思った。……オレ、結構怒ってる。
「……ごめん。でもいい加減な気持ちで口にすることじゃないよ」
極力家綱を見ないように視線をそらす。オレが後ろを向くのは違う気がしたから。何も言えずにただ離れていく家綱の足音を聞いてると、やっちゃったなぁと後悔が押し寄せる。そんなオレに気付いたのか、山本が「ツナ、任せとけって」と言って家綱を追いかけてくれた。こういうところ、ほんと山本には頭があがらないや。
「僕達のために怒ってくれて……ありがとう」
炎真がそう言ってちび達の相手をし始めたのを見て、オレは後悔していた気持ちが少し軽くなったんだ。
ちび達を選んだのは知り合いがオレしか居ないからというのもあるんだろうけど、炎真はちび達の相手がうまいってすぐわかった。
「まみ……妹が居るからね」
「あ、そっか」
どんな子だろう。オレ会ったことないんだよなぁ。
「やっぱり可愛い?」
「わがままだけど」
炎真とこんな話が出来るなんて思ってなかったから、オレすっげー嬉しい。
「今度の体育祭で会えると思うよ」
「え!?紹介してくれるの!?」
「……次期ボス候補を見たいはずだろうから」
そっちなんだ……とオレはちょっとショックを受ける。友達だからって言ってほしかったなぁ。いやでも、諦めないよ、オレ。
「妹いいよね。みんな男だし、オレも欲しいや」
イーピンはまだ来ないのかなぁとオレが思ってると、炎真は軽く息を吐いてから言った。
「そんないいものじゃないよ。さっきも言ったけどわがままだよ」
「でも炎真、可愛い?ってオレが聞いたら否定しなかったじゃん」
しばらく考えた後、炎真はそうだねって、今度は声を出して笑ったんだ。
久しぶりに炎真がちゃんと笑ったところを見たから、オレも声を出して笑う。オレが急に笑い出したから、炎真は驚いちゃったみたいだけど、また笑った。
もっと話したいなぁと思ったんだけど、炎真と2人で来てるわけじゃない。いつの間にか復活した獄寺君がオレのところへ来て、向こうで泳ぎましょうと必死に声をかけてきた。少し寂しかったのかなって思ったオレは獄寺君に付き合うことにした。
そのままなんでか知らないけど、少し機嫌が戻った家綱と一緒に戻ってきた山本と4人で勝負することになった。いや獄寺君がケンカを売ったからなんだけどね。戻ってきた山本が声をかけたから、せっかくオレと2人っきりになったんだぞって。相変わらず獄寺君はオレを慕ってくれてるみたいで……。ちなみに家綱はリボーンに言われて強制参加。
その勝負だったんだけど、オレは昔っから泳ぐのは苦手だし、女だから不利じゃない?って思ってたんだ。結果は……山本の次で2位だった。獄寺君はすげーオレを褒めてくれたんだけど、家綱と一緒に女のツナに負けて情けねぇぞとリボーンにボコられてた。オレからすれば、家綱が泳げるだけ凄いと思うんだけど……。獄寺君はまだ調子悪かったんじゃないのかな?
その流れで他の泳ぎ方でも勝負することになって、オレが基準みたいでオレより下の人達はリボーンに罰ゲームをくらっていた。といっても、泳ぐのは得意じゃないから獄寺君にも負けるようになったけどね。家綱は……うん。もちろんオレも最初は止めたんだよ?でもオレが止めた分は後でねっちょりらしい……。リボーンのねっちょりは本当にねっちょりだから……止めるのやめたよ。
炎真も巻き込もうとしたところで、オレはもう疲れたと言って勝負は終わらせてもらった。本当はまだまだ大丈夫だったけど、リボーンが仕方ねぇなと許してくれてよかった。……あの目、オレがウソついたの絶対気付いてたし。
オレが男子達と遊んでいたのもあって、午後からは女の子に捕まった。オレの身体は一つしかないから……って何度か思ったよ。
結局、ほぼ1日一緒に居たのに、炎真君とはちょっとしか話せなかった。
沢田ツナ
2度目で、鍛えてハイスペックだけど泳ぐのは苦手。
泳ぐぐらいなら空を飛ぶ。
それでも女子の中ではかなりヤバイ。
山本武
順調に鍛えられ、強くなってる人。
山本とたまに朝のランニングで出会う了平もそのことに気付き、負けてられん!とツナが知らない間に少しパワーアップしている。
獄寺隼人
リボーンの言う通りで、鍛え直すべきだと本気で考え中。
ツナの朝のコースも付いていくのが精一杯なのもあって。
一応ある人物の顔も浮かんでいるが、まずは自分1人で出来るところから。
ツナの手を見たことで、無意識に危ないことはしなくなった。
リボーン
骸が選んだ代表なので炎真のことを調べて、シモンファミリーの次期ボスだと知った。
ツナと家綱が同盟ファミリーをどう扱うか見ようとした。
……家綱が予想通りの行動でため息が出た。
そしてツナがランキングで怒らせたら怖い1位に入る理由がわかった。
普段からは感じられないが、ボスの風格がツナにはあった。
家綱が腰を抜かすのは当然だと思ったので、これについては怒らなかった。