沢田綱吉、逆行。   作:ちびっこ

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夏休みの全校登校日の朝礼でヒバリさんから合同体育祭のことが発表された。

 

「うおおおお!!極限、燃える展開ではないか!!」

 

……うん、わかってたよ。お兄さんが知ればこうなるって。ヒバリさん、お兄さんの声で眉ひそめてるよ。でもなんだかんだで慣れてるから見なかった……というより、見ないことにするから問題ないけどね。体育祭ではお兄さんにも頑張ってもらわないといけないし。

 

これが発表されたことにより、オレは更に忙しくなる。今から憂鬱だ。いやちゃんとやるけどね?オレがお願いしたことだしさ。でもこれから風紀委員は当然だけど、他の委員会とも連携を取らなくちゃいけない。そのまとめ役がオレなんだよ……。まぁオレだけじゃないけど、大変なのは。

 

「スポーツ委員会、運営委員会、放送委員会の委員長は、今日の放課後、会議室に来るように。委員に所属している者も近々呼び出すだろうからそのつもりでいてね」

 

体育館に悲鳴が響き渡った。

 

「何か問題でもある?……うん、ないみたいだしよろしくね」

 

……ヒバリさん、それ脅しです。オレも協力してほしいから何も言わないけど。夏休みが消えた人達はご愁傷様。

 

こうして朝礼は終わったんだけど、オレが教室に戻るとみんなに囲まれた。他の風紀委員には聞けないからしょうがないんだけどね。でも詳細はまだ話せないんだよ。ごめん、ヒバリさんに口止めされてるんだと言って手を合わせて許してもらう。クラスメイトはそれでわかってくれたんだけど、他のクラスの人達もやってくる。キリがないなーと思ってたら、獄寺君と山本がオレのところへ来るまでに止めてくれた。

 

「ごめん、2人ともありがとう!助かったよ」

「当然のことをしたまでです!」

「気にすんなって」

 

やっぱ2人は頼りになるよ。オレが困ってたらすぐに助けてくれるんだもん。だから2人が困った時はオレが助けるんだ。

 

「オレ、2人と友達になれて良かった」

「おう!オレもだぜ!」

「……じ、自分もっス」

 

獄寺君は友達って言ったのが気になったのかな。オレの部下っていう気持ちが強いもんなー。

 

「ごめんね。今はまだ友達でいたいんだ」

「……10代目?」

 

なんでもないよって言おうとする前に、オレは山本にちょっと強めで頭を撫でられた。獄寺君が怒っていたけど……山本はもう完全に知っているんだ。薄々そうじゃないかなと思っていたけど、これではっきりしちゃった……。

 

「ツナ、謝んのはなしだぜ」

「……うん。ありがとう、山本」

 

オレは出来る限りの笑顔で山本にお礼を言ったんだ。すると、隣から不穏なオーラが流れてきた。ご、獄寺君!?

 

「……山本、死にやがれ」

「うわわわ!獄寺君、たんまっ!危ないし、オレ風紀委員だから見逃せないから!」

 

前と立場が違うから学校ではお願いだから大人しくしてー!

 

 

 

放課後、ヒバリさんに呼ばれた委員会の委員長がやってきた。オレはその人達に今回の合同体育祭について説明する。

 

「まず黒曜中との合同なので、普通の体育祭と違って種目は全員参加ではありません。出場の機会がない人は応援団や体育祭に飾る垂れ幕を作成してもらいます。こちらも勝敗に関係してくるので、体育祭には参加という形です」

 

二校同時で、それも勝負という形だからね。全員参加させれば1日で終わるのは無理だとすぐに想像できた。でも喜ぶ人は多いと思うんだよね。運動が得意じゃない人は他のところで協力できるから。全員参加だと迷惑かけるあの感じ……オレ、すっげー気持ちわかるもん。

 

「こちらの方で種目ごとに男女はもちろんですが……どの学年で何名選出するとかの調整はしました。なので、学年ごとで代表者の選出をお願いします」

 

オレがそういうとホッとしたような顔をした。学年だけでも決まっていれば、楽に聞こえるもんね。

 

「同じ人ばかり出ないように1人2種目までと制限しています」

 

これは普通の体育祭でもあることだから受け入れられた。

 

「棒倒しの総大将はそれしか出れませんけどね」

「それしかですか?」

「はい。でもそこは流してくれていいですよ。ヒバリさんがするらしいですから」

 

みんなが目を輝かせたけど、オレからすれば恐怖しかないからね。もしヒバリさんを落とせばどうなるかわからないもん。

 

「問題はこれです……。全種目で一度だけ。代わりの人が出れるのは……」

 

え?と驚いたような顔があがった。これも散々話し合ったんだよね。真剣勝負だからこういう形にするしかなかったんだよ……。

 

「その日、出場が決まっている人が風邪をひいて2人休んだとします。1人は代理で出場出来ます。これは誰でも代理可能です。誰でもなので総大将も一応可能です。もう2種目出ると決まってる人でも大丈夫です。当然男子がかわりに女子限定の競技に出ることは不可能ですけどね。そこで使うともう1人の方は交代できません。例えばリレーだとそのチームは勝負する前から失格です。最下位でもありません。0点です」

 

うわぁとスポーツ委員長が頭を抱えた。すぐ理解してくれて良かったよ。……これ、メンバー決めは結構大変だからね。オレ達もそう思ったから学年までは絞ったんだよ。まぁ一年と三年では違うからバランス調整のためもあったけど。でも山本とかなら三年といい勝負出来るから、スポーツ委員のためにやってあげたんだよ。

 

「すみません。怪我もですよね……?」

「はい。怪我人が毎年出る棒倒しは、最後にしましたけど……。あ、その競技だけは総大将以外は出れなくなっても失格にはなりません。代理は使ってなければ1人だけ可能です」

「……あの」

 

放送委員長が手をあげたので、どうぞとオレは話を促す。

 

「このルール、うまく使えば1人3種目出ることを計算して選出も出来ませんか?」

「誰も病気や怪我がないという前提になりますが、可能です」

 

ますますスポーツ委員が頭を抱えた。

 

「ああでもそこは普通にベストメンバーで考えてくれて大丈夫ですよ。そのカードを切るところを決めるのはヒバリさんが担当してくれますから」

 

責任重大なところをヒバリさんがやってくれるって感動してるけど違うからね。あの人、本気だから譲らなかっただけだから。ちなみに骸もね。まじなんなの、あの人達!

 

「並中開催なのもあってスポーツ委員の負担が多いので、実行委員の方でも協力してあげてください。オレも手伝いますので最後に振り分けしましょう」

 

大方予想していたみたいで、実行委員長の方は頷いてくれた。そういう時のためにある委員だしね。

 

「風紀委員からのお願いです。当日、一部の教室と体育館は黒曜中生徒のために解放します。風紀委員はトラブルが起きないように見回りをしますが、用がない限り近づかないようにそちらでも注意を促してください。恐らく人数の関係でグラウンドの方が割かれるでしょうから」

 

グラウンドもいつもの倍の人数だからね。生徒達だけならまだいいけど、保護者も来れるから。1人の生徒に対して2人までって制限したけど。参加証がなければ入れない仕組みで、門のところにも風紀委員が立つ予定。

 

ちなみに炎真のところはお父さんとまみちゃんが来る。お母さんはいいの?って聞けば、まみちゃんがもう行く気満々だったみたいで現ボスであるお父さんは外せないからそうなったんだって。

 

「あ、そうだ。オレちょっと忙しいんで、競技を決める時にオレが出席出来るかわからないんで、もし居なければそっちで相談して決めてください。2種目出るのはいいんですけど、棒倒しはなしで」

「ええっ。女子もあれ出れるんですか!?」

「ヒバリさんがオレを出せるように抜け道を作ってます。棒倒しが一番点数が高いですからね。でもそれは怪我人や病人が続出した時ぐらいの保険で。そこで使えるかもわかりませんし。最初からオレを棒倒しに出すくらいなら、女子限定の競技に出て2種目分の点数を稼いだ方が得なんですよね。運の要素が絡む借り物競走とかは抜きますが、個人種目ならオレが一位取ります。……取らないと咬み殺されます」

 

あはは……と遠い目をする。ヒバリさんの中で個人種目ならオレは一位を取ると決まってるだろうからね。競技に集中出来るようにオレは見回りはないけど。まぁ本部にいるけどね。

 

「ただ個人種目よりリレーの方が点数が高いですし、そっちにオレを選ぶのもアリです。本当にここはみんなと相談しないとわからないんで、オレも出たいと思ってるんですけどね」

 

ヒバリさんもオレを出席させたいと考えてると思うんだよね。オレ結構重要なポジションらしいから。

 

「オレの出場種目はこれで置いといて。代表メンバーがかなり重要だと理解はしてもらえたと思います」

 

みんな頷いたからオレは話を進める。

 

「この情報が黒曜中に漏れると対策を取られるので、前日に選出した内容の書類を交換するまでは絶対にバレないようにしてください。もしバレたとわかれば、選考し直しだけじゃなく、ヒバリさんがキレます。徹底してください」

 

みんな真っ青になった。放送委員が今日呼ばれた意味を理解してもらえてよかったよ。練習するのはいいけど、持ち出し禁止にしないと本当に怖いから。

 

「会議中、基本生徒達はメモはなし。自分の出る競技だけ覚えればいいですし、もし忘れれば委員かオレに聞けばいいでしょう。プログラムや注意事項とかは別で渡しますし。前日……黒曜中に渡した後ですが、ちゃんとみんなの手にも配られますから」

 

とりあえず大事なところを話したので、オレはゆっくりと息を吐いてから残りの細かい注意事項などの説明をし始めた。

 




山本武
ツナが嘆きながらでも納得したのでリボーンから話を聞いた。
最初は子どもの遊びとして真剣に受けとらなかったが、リボーンの殺気を肌で感じて信じた。
中途半端な覚悟なら今のうちに引けと言われ尚更燃えた。
そのため獄寺からは野球バカと呼ばれていない。

リボーン
ツナがまた泣かないようにと裏で動いている。

獄寺隼人
ツナが知らないところで、近々リボーンに試される。

雲雀恭弥
リボーンに試されることもなくファミリーにカウントされている。本人はまだ認めていない。
体育祭で勝つために真剣。
どこでカードを切るべきか本気で悩んでる。
わざわざ自分が代わりに出なくても一位を取りそうな候補はいる。が、自分が出れない女子限定の競技になると一位を取れそうなのはツナしか浮かんでいない。
でも棒倒しの勝敗の点数を考えるとツナを出して確実にとりたい気持ちもある。もちろんヒバリも落ちる気はないが、下を支える草食動物もかなり重要なので実力を知るツナを入れたい。
怪我や病気でカードを切らない前提。切ることになれば、咬み殺す。

沢田ツナ
実はかなり重要なポジションにいる。
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