最近、フゥ太が家綱と話しているのを見る。いつのまにか仲良くなったみたい。オレとはサッパリだけど。リボーンの話では進んでるみたいだから、その言葉を信じるけどね。
そういうこともあって、フゥ太にちょっとお願いした。家綱にリボーンの誕生日を教えてプレゼントを用意しておいた方がいいってうまく伝えてって。あいつ、毎年なんかするからさ。ボスになってめちゃくちゃ豪華な誕生日パーティとか開いてもらったけど、前の日で疲れてほとんど無意識にこなしてたからね。リボーンのスパルタのおかげで問題なかったらしいけど。
家綱はこれで多分大丈夫だと思うけど、問題はオレなんだよな。何あげよ。今までいろいろやったけど、なんか全部微妙な感じになったんだよな。いやまぁリボーンが無茶苦茶にするからだけど。
ってことで、オレはアドバイスが欲しくて黒川に聞いた。
「大人の男性ってプレゼントにどういうのを貰ったら嬉しいの?」
「相手は誰!?」
ガクガクとオレは揺さぶられながらも、リボーンと口にする。予想外だったらしく黒川の動きは止まった。
「あいつ小さいけど、精神年齢高いっつーか。普段からスーツでエスプレッソとか好きだし」
「……はぁ。そういうことね」
それならと黒川は買い物に付き合ってくれるって言ってくれたんだ。オレ達がそう話してると結局いつものメンバーが集まって、みんなで行くことになった。
「じゃ、ちょっとヒバリさんのところ行ってくる」
もう今日の放課後に行こうという話になったから、ヒバリさんに一応許可をもらってくる。別にオレはノルマないんだけど、それはそれ。休ませてって頼むんだから、直接言った方がいいよなーと応接室に向かったんだ。
「今日の放課後、誕生日プレゼント買いに行くんで休ませてくださいっ!」
「プレゼント?君の?」
ああ、そっか。ヒバリさんオレの誕生日知ってるもんな。毎年トンファーくれるし。ってか、家綱にはあげないと思ってるのかな……ヒバリさん……。家綱のことまた忘れかけてるのかも……。いやまぁ家綱はオレからもらってもあんまり嬉しくないだろうから、誕生日ケーキをオレが毎年作ってるんだけどね。母さんが忙しいとオレが料理したりするから、そういうのは大丈夫だから。
「リボーンのです。オレと1日違いなんですよ」
「あの赤ん坊ね」
リボーンのことは覚えてるみたいだし、強いってこと知ってるんだろうなぁ。最初に接触した時にリボーンが仕掛けたのかも。
「制服で行くとか言わないよね?」
「大丈夫です。ちゃんとわかってますって」
つまり許可はもらえたってことだ。
「あ、参考にしたいんですけど、ヒバリさんなら何が欲しいです?」
「君との時間」
……聞くんじゃなかった。トンファー構えないでください、ヒバリさん。
「……君、そろそろ武器用意出来ないの?」
「それ、オレも気になってるんですよね。頼んでみようかと思ったんですけど、オレの直感が意味ないって訴えるんですよねー」
本当にどうしようとオレも考えてる。レオンに作ってもらっても、死ぬ気の炎に強いグローブしか出来ない気がするんだ。あのグローブはオレ専用のアイテムだったから、オレが炎を灯しても大丈夫だったみたい。
ちなみにヒバリさんはオレの直感のことは知っている。オレが嫌な予感がするって呟いた後、大抵オレが何かに巻き込まれてるから。ヒバリさんといる時に一番ビビったのはヒバリさんとのバトル中に車が突っ込んで来たこと。その時あんまり信じてなかったヒバリさんを引っ張って移動させた瞬間、どーんって来たからね。そのあと物凄く胡散臭い目で見られたけど。
「そんなに特殊なの?」
「ヒバリさんならいいかな、言っても。オレ、炎を使うんですよね。両手からブワッて出る感じで」
……うん、久しぶりに胡散臭い目で見られたよ。まぁ骸のことを知ってるから否定されなかったけど。
「あっちの血筋なんです。専用の道具があれば、簡単に灯せるんですよね。正確にはなくても灯せるはずなんですけど……なんかサッパリで」
オレ昔どっかで使えたはずなんだよ。一度作ったらレオンは作れるみたいだから、確か新しいのもらったもん。あれってどこの戦いだっけ。多すぎてわけわかんなくなってるんだよなー。オレの前世、濃厚すぎ。……骸に聞けばいいじゃん。あいつなら覚えてるはず。いやでも一度幻覚で試した時、あいつ何も言わなかったよな。ってことは使えないってこと?
あれ?でもXANXUSや9代目は武器持ってるよな。ってことはやっぱり頼んだら作ってもらえるの?いやでもそれならオレの超直感が引っかからないはず。
「はぁ。君がちゃんと考えてるのはわかった」
「あ、すみません」
ヒバリさんをそっちのけでウンウンと悩んでたよ、オレ。これも前だったら絶対出来なかったよな。トンファー飛んでくるから。
「しばらくはトンファーで乗り切りますよ」
「その腕で?」
「……ですよね」
普通の人なら問題ないけど、ある一定のところまで行くとオレのトンファーの使い方なら歯が立たなくなるよ。最悪、川平さんからリングもらってトンファーに灯そうかと思ってたけど……リングの無駄遣いな気がする。川平さんも頑張ってくれたんだけど、大空のリングはあんまりなかったんだよ。なんとかAランクが一個あったけど、オレが本気で灯せば終わるって超直感が訴えてきたんだ。そっと指から外したよ、そん時。
「ヒバリさん、ちょっとオレを咬み殺してくれます?」
「……どこでそういう発想になったかは知らないけど、無抵抗の君を咬み殺しても僕は面白くない」
「オレも言ってて、なんか違うと思いました」
オレ達は2人揃ってため息を吐いた。オレの頭の悪さにうんざりして。
放課後一度家に帰って着替えたオレ達は、リボーンへのプレゼントをあーでもないこーでもないと言いながら探した。実はこっそりリボーンがついてきていたと気付いていたオレは微妙な気持ちになったけど。本人がそれでいいならいいやと思ってそのまま続けたけどね。結局、ハルがリボーンの服を作ってみたいってことでスーツとパジャマを作ることになった。みんなで割り勘して生地を買った。ちょっと男子の方が大目に出したけど。女子が作ることになったから。黒川も乗りかかった船ってことで、子ども嫌いだけど最後まで付き合ってくれることになった。
だからなのか、そのままオレ達女子はパジャマパーティーに。リボーンの服を作るからってのもあるんだけど、多分やりたかっただけ。オレ達はまた一旦帰って、京子ちゃんの家に集合した。そん時にオレはビアンキに頼んで服の型を借りてきた。前に作っていたの知ってたからね。
ハルと京子ちゃんが得意でオレ達は2人に指示のもと喋りながら縫う。オレもあんまり出来ない方だと思っていたけど、クロームが一番苦手だった。家庭科の授業で習ってるからできるけど、家ではやってなかったらしい。骸はダメになったら新しいの買いそうだもんな。ちょっと意外と盛り上がった。クロームは女の子!って感じだからね。
本人が気にしてないのと、そういうところがギャップでいいって感じの盛り上がりだったからオレも止めはしなかった。まぁみんないい子だから、そう言う流れにならないってわかってるんだけどね。つい昔のオレが悪い方でからかわれたから敏感になっちゃうんだ。黒川に過保護って囁かれたよ……。オレもちょっとそう思ってたからうなだれるしかなかった……。
女子同士の会話はコロコロ変わって、オレがなんで黒川は下の呼び名じゃないのかという話にもなった。ハルがずっと不思議だったみたいで。黒川の話だと幼稚園の頃にオレが寝ぼけながらも「黒川は黒川だから」って言ったらしい。それでもう黒川は諦めたらしくて……。オレが全然覚えてないってまた顔に出てたみたいでみんなでまた盛り上がった。
恋愛話にもなったけど、これにはオレが一番サッパリで。クロームもサッパリだったけど、今のところ興味がないみたいという意味で。オレは興味があるのにわからないという一番残念な感じだったんだ。
で、なんでか知らないけど、オレは獄寺君とヒバリさんと骸のことをどう思ってるか聞かれた。獄寺君とヒバリさんは友達と先輩って即答できた。両方とも良いって言葉がつくね。ただ骸だけはなんて答えたらいいかわからなくて……。オレが言い淀んでるとクローム以外のみんなはオレの答えを期待した感じで待ってるし……。仕方なく悩んで悩んで出した答えが、「共犯者」で。オレとしては結構納得する答えで、よく出てきたなぁと心底頑張ったって思ってたんだけど、みんなから微妙な顔をされた。まぁ共犯者って良い意味じゃないしね。
それはそこで話が終わったんだけど、恋愛話は終わらなくて……。みんないろんな理想があるんだなーって素直に感心した。オレも結婚はしたいと思ってるけど想像がつかなくて。前の時は京子ちゃんの顔が浮かんだのにね。自分がドレスを着ているところは想像出来るから、女として生きているのは間違いないと思うんだけど……相手がいない。
オレがそう言えば、憧れてる人とかいないのって聞かれたけど、オレにとっての憧れはヒバリさんで。でも絶対憧れの意味が違うと思うんだ。結局焦る必要はないって黒川に慰められた。いやでも少しは焦った方がいい気がする。オレこのままズルズル行っちゃって、同じ繰り返しをしそうで怖い。リボーンはそういうのうぜーと思うタイプだから、今度ビアンキに相談しよ……。良い提案してくれると思う。やりすぎる気もしなくもないけど。今の状態よりはマシなはず。
ビアンキに要相談とオレが頭にメモしている間に、話はコロコロと変わる。これが結構楽しい。女子がおしゃべり好きになる理由が今になってよくわかったよ。……遅いっての。オレってなんでいつも後から気付くかなーと思いながら、その日は更けていった。
リボーンの誕生日、当日みんな一緒にプレゼントを渡した。ふつーに。オレの中で激震が走ったよ、ほんと。多分みんなで用意してるのを知っていたからだと思うけど。そのかわりかはわからないけど、家綱でリボーンは遊んでいた。「だから僕、言ったのに」というフゥ太のスネた声でオレは察した。
雲雀恭弥
今年もツナへトンファーを贈った。
はやく本気のツナと戦いたい。
リボーン
女子であるツナが一生懸命考えてくれていたので、引っ掻き回さなかった。
沢田ツナ
後日ちゃんと忘れずに骸に聞いた。
「君は危機的状況でもなく、死ぬ気の境地になれるのですか?」と呆れながら言われて項垂れた。
普段の状況で超直感が反応するわけがなかった。
またボンゴレに頼んで作ってもらった場合、前と違いしっくりこないとどこかで察していたから意味がないと訴えていた。
誕生日も普通にみんなから祝われた。
ただ学校につくと机の上にトンファーの入った箱があったのはちょっとビビった。