オレ、ボンゴレ継ぎたくない……。
冗談だけど。家綱と約束したのもあるし。でも久しぶりに本気で思ったよ。性別が変わるだけで、こんなにわかんなくなるなんて思わなかった。前は男の立場だったからさ、望んでいることは考えればわかるんだ。でもすぐに気付かない。答えがわからないならまだ諦めもつくけど、考えればわかるからもどかしいんだ。
リボーン達は焦る必要ないって言うし、ビアンキは好きな人が出来れば自然と身につくっていうけどさ。オレのことだからスパルタじゃないと無理な気がする。
それなのに炎真がスパルタ教育受けちゃうし。炎真はいつかは覚えないといけないことだからって言ってくれたけどさ。絶対オレに気をつかってるよ。だってオレが炎真の立場だったらそう言うもん。
頭が混乱しているのもあって、身体を動かしたかったのに、今日はヒバリさんの都合でバトルがお休み。今までヒバリさんの都合で休みと言われたことがなかったからオレはショックで。
先週、グチっちゃったもんなぁ。いやだってさ、ヒバリさんぐらいなんだもん。オレがこんな戸惑ってることに聞き流してくれるの。知らないっていう一言で終わらせちゃうからね、あの人。他のみんなはなんでオレが戸惑ってるか不思議に感じると思うんだ。骸はわかってくれるだろうけど、あいつは聞きたくないだろうし。
ついにヒバリさんにも呆れられたんだー!ってマイナス思考に陥ったら、リボーンに外でも行って気分転換して来いって言われた。怒るついでに蹴ってくれてもいいんだよ?と思ったオレは多分重症。そしてうじうじしながらも体がリボーンの言葉で動くのも、多分重症。
オレってちょっとヤバいんじゃない?と明後日な方向に思考が行ったことで、ちょっと復活。せっかく休みになったんだし、ちび達をどっかに連れて行こうかな。元気なちび達はオレが誘ったら、喜んでついて来た。イーピンも増えてまた賑やかになったなぁ。
「……オレは休めという意味で言ったんだぞ」
「え?うん。わかってるって。ちび達と遊んでくるね」
オレの体がもうひとつあれば、もっとちび達と遊んでやれるのになぁと思いながらその日は過ごしたんだ。
次の日、学校に行くと先生に捕まった。必死な感じだったから、ヒバリさん関連かなと思ったら正解だった。すっげー機嫌悪いんだって。オレに懇願されても、どうすることもできないんだけどなーと思いながらもヒバリさんを探す。ふつーに応接室に居た。
「……ヒバリさん?」
「なに」
うわー、機嫌悪っ!じゃなくて、なんでそんなに怪我してんの?
骸かなって一瞬思ったけど、あいつはオレがヒバリさんと日曜日に会ってるのを知ってるから、昨日は見つからないようにしてるはず。それにあいつはヒバリさんが並盛を牛耳ってるのもあるから、ここまで怪我を負わせる前に切り上げる。煽りながらだけど。
でもヒバリさんがここまで傷を与えれる相手は限られてる。いったい誰だろう。尋ねれば、もっと機嫌悪くなりそうだから聞けないしなー。
まぁでも昨日会えなかった理由はわかった。ヒバリさんはオレを呆れたわけじゃないっぽい。良かったー。
「それで?」
「っと、すみません。ヒバリさんの機嫌が悪いから怖いって声があがってますよ」
「……誰、言ったの」
「ひみつです」
これはダメだなー。機嫌悪すぎ。今すぐにでも咬み殺しに行こうとしてるもん。普段ならもうちょっと寛容。
うーん、咬み殺しきれなかった。が、正解かな?逃げられたんだと思う。でも学校に来てるから、風紀を乱したとかそういう事件じゃない。
……ディーノさんぐらいだよな?こんなこと出来そうなのって。怪我はしてるけど、問題なさそうな程度だし。リボーンは昨日オレと居ただろ。ディーノさん、ヒバリさんに見つかっちゃったのかな。
「ヒバリさん。オレでいいなら、付き合いますよ?」
オレが仕込みトンファーを出せば、ヒバリさんは迅速だった。ちょっとでもムカつきをなくしたいんだろうね。オレはヒバリさんを追いかけ、屋上へと向かった。
ひぃひぃ言いながら、オレは避ける。また強くなってる気がするよ……。ほんと、この人天才。オレは2回目なのにもう追いつかれそうで怖い。
本当はもっと打ち合えたらいいんだけど、トンファーだと咄嗟の時に出来るのは防御ぐらいで。たまにオレからも仕掛けるけど、そのまま殴る感じになる。ヒバリさんのようにトンファーを使いきれないんだよ。
「た、たんま……」
ヒバリさんが止まってくれたので、オレは息を整える。こういう時、やっぱスタミナ落ちたなぁと実感する。後、ちょっと脆くなったかな。トンファー越しなのに、ヒバリさんの攻撃が痛いと感じる時がある。いやまぁそれでも何時間もヒバリさんと戦えているんだから、前のオレと比べれば天と地の差があるんだけどね。毎日走りこんでるだけあって、ちょっと休憩すればすぐに復活するし。
「……君、戦い方も男っぽいね」
「え?」
「そう感じた」
感じたってことはヒバリさんもよくわかってないのかな。まぁ女の人と戦う機会もそうないよな。それにトンファーは仮の武器だしわかりにくいはずだから。
「でもオレこれでずっとやってきてますし」
「君にあった戦い方は本当にそれなの?」
「……違う、気がする」
無意識に出た言葉だった。そういえば、オレ……ハイパー死ぬ気モードになった時間ってどれぐらいだった?骸と実験した時が最長だったかも。あれだって試すだけ試したら終わったよな。多分5分もなかった。骸を助けに行くときに使ったけど、そのたびに使ってて一瞬しかならなかった。敵という敵の前で、まだまともに戦ってない?
「いいよ。今度は僕が付き合ってあげる」
ヒバリさんの言葉に、オレは戸惑った。いや、言ってる意味はわかるよ。オレにハイパー死ぬ気モードになれって言ってるんだ。しばらく沈黙が流れたけど、オレは頭を下げた。よろしくお願いしますという意味で。強いオレと戦いたい気持ちもあるだろうけど、オレのためな気がしたから。
ボッと額に炎を灯す。ヒバリさんには悪いけど、オレはトンファーを地面に置く。手から炎が出ないけど、今のオレの状態なら素手がいい。
ヒバリさんと手を合わせていると、オレの超直感が教えてくれる。リボーンの教えは間違っちゃいない。本当の死ぬ気は体がぶっ壊れようと食らいつく覚悟だ。でもオレの今の体ではそう何度も耐えれないし長く戦えない。今はヒバリさんがリングの力を使ってないから問題ないけど、もし使うようになればもっとはっきりする。オレは多分ヒバリさんに簡単に負ける。前の戦い方のままなら。……答えはわかっていたんだ。
ガンッとヒバリさんにトンファーで殴られた。けど、殴られた瞬間に死ぬ気をコントロールし、防御力を高めたオレにダメージがあるわけがない。ヒバリさんはリングの力を使ってないしね。一瞬、驚いたヒバリさんにオレは殴り返した。
「す、すみません。大丈夫ですか……?」
「……問題ないよ」
いやでも絶対入ったよ、今の。ヒバリさんは認めないとは思うけど……。だからオレが考えを整理したいってことで休憩にした。本当に考えたかったし。
「オレってやっぱバカだなー」
ほんとバカ。骸を助けに行った時にもう死ぬ気の炎が思い通りにコントロール出来るって気付いていたのに。あの時にそう思ったんだよ。全盛期の時と同レベルか上ってことじゃん。脆くなったとかスタミナが減ったとか、全部なんとかなるよ。さっきみたいに防御力あげれるだろうし、無駄な消費だって減らせるよ。それに今のオレはまだ発展途上中。
「ヒバリさん、ありがとうございます!!」
なんかスッキリしたオレはまたヒバリさんに頭を下げた。ヒバリさんのストレス発散に付き合っていたはずなのに、結局オレが得しちゃったよ。
「少しはマシな顔になったようだね」
ヒバリさん……!とオレは顔をあげて感動した視線を送ろうとしたけど、ヒバリさんはもう屋上から去っていた。
「えー……」
でもヒバリさんらしくてオレは笑った。ヒバリさんは借りを返しただけなんだろうね。あと、先週のオレがあまりにも情けなかったのもあるんだろうけど。
こういうところがオレのヒーローなんだよなーと思いながら、オレは教室に向かった。
沢田ツナ
応用出来ないオレがダメダメなだけで、リボーンの教えは間違ってなかったんだ!と全てスッキリした。
男だろうが女だろうが、リボーンの教えは絶対だった。
それがグラついたから、嘆く時間も長かった。
ディーノ
ツナの話から雲雀が戦闘狂とわかっていたが、話が通じないのは聞いてないと思った人。
個性的と表現したツナの器のデカさに素直に感心した。
雲雀からなんとか勝ち逃げした。
でも本来の目的だった話を聞いてもらえなかったので、また行くことになる。
雲雀恭弥
ディーノの武器を見て軟弱と口にすれば、柔軟性があると言われた。
それなら女のツナの方が柔軟性がないとおかしいと感じた人。
ツナは雲雀の想像の斜め上の回答を出したが、マシな顔になったので良し。
ディーノの言い分は全て無視したが、雲雀なりにちゃんとツナを女扱いしている。