沢田綱吉、逆行。   作:ちびっこ

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骸とも話したけど、やっぱりあいつも何にも掴んでなくて。人が多いところじゃなかったら、誰かわかったのになぁってオレは思ってたけど、骸はそれが狙いと考えてたみたいで、オレの顔を確認してきたのが一番可能性が高いって話になった。リボーンもそう考えてたみたいだし、多分間違いない。

 

それでもオレはちょっとは効果があるかなぁと一人でウロウロしたりしたんだけど、反応はなし。学校が始まってからもしばらくは続ける予定だけど。ヒバリさんにも軽く話して協力者になってもらった。風紀委員としてじゃないと、獄寺君と山本が怪しんで付いて来ちゃうんだよ。それじゃ囮の意味ないからね。いやまぁオレを危険な目には合わせたくない気持ちもわかるけど。ちょっとでも情報が欲しい。

 

オレ達がボンゴレボス候補ってのは、ボンゴレ内部と同盟だと有名な話らしい。まぁリボーンをつけちゃってるからね。そしてオレが筆頭候補っていうのも一部の人は知ってるみたい。それでも敵対しているところには流れていない。誰かが話してしまった可能性もあるけど、オレ達しか候補が居ないのもあってかなり情報制限されているらしい。それにどこかで漏らしちゃったら父さんのところが気付くと思う。そういう時のための組織だし。

 

……そうそう、そういう組織。

 

「ツナ、こいつはラル・ミルチっつーんだ。オレ1人じゃ手がまわんねぇから、助っ人を呼んだぞ」

「オレのことは気にするな。お前はいつも通りに過ごしてろ」

 

オレの護衛兼、視線を送った相手を探すために来たんだろうな。父さんの組織って構成員は多いけど、精鋭は少ないんだけどなぁ。まさかラルを送ってくるとは思わなかったよ。まぁ今回は娘のオレが可愛いっていうだけじゃないだろうけど。

 

「うん。わかった。ラル、よろしくね」

 

オレが手を出せば、フンっと言いながらも握り返してくれた。相変わらずツンデレだよな。

 

「ラルはどうするの?リボーンみたいにするの?」

「オレはオレのやり方をする」

 

ってことは、隠れてオレを見る感じかな。

 

「ツナ、いけるか?」

「大丈夫だよ」

「なんだ?」

 

オレ達の確認にラルは怪訝な顔をしていた。

 

「おめーの視線にツナは神経を使うだろうからな」

 

ムッとしたような反応をしたけど、ラルは何も言わなかった。ラルの腕はリボーンも知ってるからね。そういうウソをつくとは思えないだろうし。

 

「オレの場合、悪意があるかないかで判断するからさ。ラルはオレを守るために来てくれたんでしょ。リボーンが心配するようなことはないと思うよ」

「悪意か……。どれぐらい信用できるんだ?リボーン、お前は気付かなかったんだろ?」

「殺気はなかったからな。ツナも嫌な予感はしなかったんだ。あの場でどうこうする気はなかったんだろう」

 

2人が確認し合ってるのを見ながら、オレは別のことを考えていた。はやく呪いを解いてあげたいなぁって。オレが声をかけたら手伝ってくれそうな人は増えている。それでもまだ足りない。川平さんの話だとまだ猶予はあるけど、苦しんでるのは知ってるからさ。せめて呪いを解く方法があるって教えたいんだけど、復讐者がなぁ。アルコバレーノの行動を把握してると思うから、迂闊に伝えられないんだよ。川平さんの力で夢で伝えてもいいけど、誰も信用しないと思うし。まぁオレも居ればリボーンとアリアさんは信用してくれそうだけど。まだ条件が揃ってないから予知は見えないだろうし、みんながみんな信用してくれることはないよなぁ。

 

そういや骸がヴェルデと接触する予定って言ってたけど、どうやるんだろ。予定ってことは見つけてはいるんだろうけど、ヴェルデも変わり者だもんな。ちょっと今回のせいで予定がズレちゃったから、春休みにするみたいだけど。骸は冬休みに入ってすぐ動けばよかったみたいなこと言ってたけど、クロームが寂しくならないように年末年始ぐらいは……って考えてたことを知ってるオレからすれば、お前のせいじゃないんだからって言いたくなる。口にすれば、呆れた感じで何言ってるのですかとか言うから言わないけど。

 

「ツナ、聞いてんのか」

「うぇ!?あ、うん。死ぬ気になれるから、オレは後回しにしてくれていいよ。ラルの邪魔にはならないようにするから」

 

話半分に聞いていたから、ラルに本当に大丈夫かっていう目で見られちゃったよ……。ごめんごめん、大丈夫だって。怪しい奴がいればそっちを優先してね。

 

「あ、骸にはあんま刺激しないでね。まぁあいつのことだから、ラルが来ていることも知ってるだろうけど、あいつは根っからのマフィア嫌いだからさ」

 

あれ、オレなんか言い方悪かったのかな。ラルが骸を警戒しちゃってるよね?

 

「骸がどこで情報を掴んだとか気にするだけ無駄だぞ。オレはもうあいつはそういう奴だと思ってる」

「ハハハ……」

 

オレも笑って誤魔化すしかなかった。非道なことはしてないだろうけど、ギリギリアウトなことはしてそうだからね。オレも助かってる手前、あんま強く言えないし……。いやでもあれでマシになったんだよ。昔は……、うん。思い出すのはやめよう。

 

ラルにやっぱり大丈夫かというような視線を向けらながら、新しい生活がスタートした。

 

 

オレの中で一番の家庭教師はリボーンだけど、ラルも家庭教師の一人で。見られてると思うと、自然と背筋が伸びる。かっこ悪いところを見せたくないなぁってね。そう思ってもやることは変わらないんだけど。日課のトレーニングをやって、ちび達と遊んだり、同級生と遊びに行ったり、一人でフラフラ歩いて囮になったり、ヒバリさんと毎週恒例のバトルをしたりってね。

 

予想はちょっとしてたけど、ヒバリさんはやっぱり凄かった。すぐにラルの視線に気付いたんだよ。まじあの人、どこ目指してんの?これ以上ハイスペックになってどうするの?ヒバリさんの将来が怖い。

 

そしてもう1人ラルに気付いた人が居た。ヒバリさんほど気づくのは早くはなかったけど、「ツナの知り合いか?」ってふつーに聞かれたんだよ。生まれながらの殺し屋って怖いね。去年の今頃は普通の野球少年だったのに。

 

獄寺君、対抗意識持たなくていいんだよ。ゆっくりでいいから。そうはいかないって?うん、知ってた。それでもそう思うんだよ。オレの周りがおかしくなってきてるから。お兄さんも最近体の引き締まり具合が凄くなってきてるんだよ。元守護者で変わらないのはランボぐらいだよ。……10年後はオレの知らない感じになってたけど。

 

「オレの周り怖い」

「みんな、おめーに追いつこうとしてんだ。諦めろ」

 

家綱を護衛中のリボーンにちょっとグチったらそんなことを言われた。

 

オレは2回目だからー!って声を大にして言いたくなった。骸に言われたのもあるけど、オレがそう叫んでも意味ない気がしたから。

 

みんなが普通じゃなくなってきているとオレはガクリと肩を落とした。

 




ラル・ミルチ
家光に言われてやってきた。
表向きはリボーンに依頼された形。
ツナの周りに驚いたけど、鍛えたいとも思った。
怪しい奴は姿を見せないが、家光に将来は安泰かもしれないと良い報告が出来そう。
ただ男ばかりなのもあって、伝えにくい。

六道骸
相変わらず裏でコソコソ動いている。
ヴェルデが作った装置が欲しいけど、接触したい一番の理由は別。
そうでなければ、ツナに報告していない。

沢田ツナ
元守護者達の成長が凄まじくて引き気味。
原因は自分だった。
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