バレンタインが終わってすぐ、オレは朝からちび達がテレビを見て騒いでいたから声をかけた。
「ガハハハ、雪だもんね!」
「え!?今度の日曜日積もりそうなの!?」
ちび達と一緒にオレはやったーと喜んでいれば、リボーンと家綱にガキだなという視線を向けられた。この2人って案外相性いいのかもって思ったよ。
オレは獄寺君に会ってすぐに声をかけた。
「獄寺君っ、獄寺君っ」
「か、かわ……んんっ。どうしたんスか?」
「今度の日曜日はみんなと雪合戦だよ!」
「雪合戦?」
うん!とオレは頷く。すっげー荒れたけど、雪合戦はオレの中でかなり良い思い出の一つだし。オレ達があの時遊んだような平和な未来を作りたいって思えたからさ。絶対やりたいことだったんだ。
「楽しみだねっ、獄寺君!」
獄寺君もオレと一緒で楽しみなのか、何度も頷いてくれたよ。この調子でどんどんみんなを誘おうっと。
「……雪合戦?どうして僕がそんな低俗な遊びをしなければならないのです?」
日課のトレーニング中に会えたお兄さんと山本を誘えたのもあって、オレは上機嫌だったけど、骸の一言でテンションが下がった。いやオレも簡単に誘えるとは思ってなかったよ。でも低俗って酷くない?獄寺君に下で待っててって頼んで本当に良かったよ。
「ツナ、私は参加する」
「クローム!」
ありがとうとオレは抱きつく。骸と暮らしてるのに、ほんと良い子に育ったよ。
「……君、今失礼なこと考えました?」
「気のせいだって」
やれやれというように骸は息を吐いた後、まぁたまにはいいでしょうって言ってくれた。絶対クローム効果だよ。オレが誘うメンバーって、いろいろヤバイからね。
「しかし日曜日ですか。君、雲雀恭弥と会ってるのでしょう?」
そうだった!とオレは骸にお礼を慌てて言って、クロームに学校へ行こうって誘ったよ。また骸にため息を吐かれたけど、これはしょうがないよね。オレまたうっかりして忘れてたし。
まぁでも今のヒバリさんなら許してくれると思う。土曜日にズラしてもいいしね。誘えれば一番いいんだけどね。群れるの嫌いだからこればっかりは期待していない。
って思ってたんだけど……。
「いいよ」
「えええ!?」
「なに」
いやだって群れるんですよ?いいんです?ってオレは思わず確認してしまった。せっかくヒバリさんがいいって言ってくれたのにね。気分がかわったらどうしよう……。
「六道骸を咬み殺せるチャンスだからね。後、君とのバトルは前日にズラすよ」
……今回もオレが想像してるような雪合戦にならなさそう。京子ちゃん達を誘わなくて正解だったよ。でもヒバリさんも参加してくれるんだから、土曜日にバトルをズラすぐらい問題ない。オレは笑顔で頷いたんだ。
あ、イーピンにヒバリさんが来ること先に教えないと。わかってたら多分大丈夫だろうし。
雪合戦当日。オレは命の危機はあるけど来る?って家綱に声をかけ、何言ってんだみたいな視線を浴びてからやってきた。嘘じゃないのに……と思いながらも、変なことを言った自覚もあった。オレの誘い方が悪かったのもあって、家綱は留守番。だけどリボーンはやってきた。ラルに護衛を交代してもらったみたい。このメンバーが集まることはそうないし、いい機会だからだってさ。
ちび達とビアンキと一緒に学校へ向かってると、門のところで山本とお兄さんの姿が見えた。挨拶しつつ、他のみんなはまだかなって話す。どうせ待つなら雪合戦の準備でもしようってことになってグランドに向かった。獄寺君やクロームは違うだろうけど、骸やヒバリさんは好き勝手なタイミングで来そうだしね。
「えー!?」
オレはグランドについて思わず叫んだ。だって、なんか凄いんだもん。オレの中では何個か塹壕を作ればいいかなって思ってたのに、迷路みたいに入り組んでる。
「10代目ー!」
「ご、獄寺君!これ、どうなってるの!?」
「へへっ。実は跳ね馬のところをこき使いまして」
何してんの!?ディーノさん達人良すぎ!!
「結構、面白そうだぜ。しっかり考えてるみてーだしな」
「ディーノさん!?と、ロマーリオさん」
すみませんとオレは頭を下げる。ディーノさんも楽しみにしてるからいいって言ってくれたけど……。オレがやりたいって言って来てくれたのに、手伝いもしなくて申し訳ないなぁってなる。
「ツナ、ディーノさんもそう言ってくれてるんだ。楽しもうぜ。笹川兄なんて、もう燃えちまってるのな」
山本の指をおうと、うおおお!とお兄さんは叫びながら塹壕へと向かっていた。それを見て獄寺君が一番最初にオレに入ってもらうつもりだったのにって追いかけちゃって。なんかそれを見てると、山本の言う通り楽しまなきゃって思った。ディーノさんも2人の姿をみて笑ってるしね。
「ほぅ。あれがバトルフィールドですか」
「って、骸!?」
普通に歩いてきたんだろうけど、気配消すなってビビるから。遅れてやってきたクロームの気配で気付いたよ。クロームに手を振りながらも、オレは心の中でつっこむ。バトルフィールドってなに!?ただの雪合戦だよ!?
「あそこで咬み殺せばいいんだね」
「あ、ヒバリさん」
ちょっと離れた位置に現れたヒバリさんだったけど、咬み殺す場所としてしか見てなかったよ。トンファー出してるし……。
2人の間で視線がバチっとなった気がした。そのまま2人は無言で迷路のような塹壕に入っていった。
「仲良いのな」
「……絶対違うだろ」
ディーノさんのツッコミにオレは何度も頷いた。
「えっと、クロームはオレと一緒に行く?骸はあんな感じだし」
「うん」
山本とディーノさんはどうするのかなーって思ったら、2人は竹刀とムチを出してやる気満々だった。あの、雪合戦……。
オレはいってらっしゃいと2人を見送ったよ。ルールとかいろいろ考えてたけど、もういいやって。オレ達はチーム組んで楽しもうっと。リボーンは高みの見物なのか、ちゃっかりよく見える位置でビアンキに抱かれてるし、オレはちび達とクロームでみんなが居るところへ向かった。
わけわかんない感じになってるけど、オレ達は雪合戦として楽しむ。迷ってるお兄さんに雪玉をぶつけたり、方向がバレたら全部拳で防がれたけど。どこからか降ってきた獄寺君のダイナマイトに悲鳴をあげたり、そん時は山本が助っ人登場って斬ってくれて危機は免れた。ディーノさんにもぶつけようと探していたら、ロマーリオさんとはぐれたらしく埋まってて掘り起こすことになったり。
最後にはみんな合流して、バトルしている骸とヒバリさんに雪玉を投げた。オレと部下がいる状態のディーノさんが示し合わせたタイミングだったからか、全部は当たらなかったけど2人に当たった。
バトルに夢中になってたのもあるだろうけど、当たると思わなかったオレはポカンってした後に爆笑。オレにつられたのか、みんなも笑い出す。
「……良い度胸だね。咬み殺す!」
「クフフフ。いいでしょう、まずは君達からです」
「みんな、逃げてーー!!」
オレ達は必死に2人から逃げたよ。最後にはあの2人以外みんな雪の上に転がっていた。なんとかオレは逃げ切ったけど体力切れ。ちび達とクロームも同じ。他のみんなはあの2人にやられた。普段仲悪いのに、息が合いすぎ。基本骸の幻術に対応出来る人はいないのに、そこにヒバリさんもやってくるんだよ。逃げ切れるわけがなかった。
「ぷっ」
「ツナ?」
「いやさ、またやりたいなって」
オレの言葉にみんな寝っ転がりながらも、笑って頷いてくれた。
沢田ツナ
新たな雪合戦の思い出をつくれた。
リボーン
各々の戦闘能力を把握しつつ、ツナが居ないとこの集まりは無理だなと思った。