新しいクラスに馴染んできて、ふとオレは気付いた。リボーンが来て、もう一年たってるじゃん。せっかくだしと思ったオレは、土曜日に出かけようって誘った。もちろんラルにもちゃんと声をかけたよ。オレとリボーンが出かけるなら家綱の護衛はラルに任せなきゃいけないしね。
「久しぶりだね」
「まぁな」
特に行きたいところはないからフラフラと歩きながらリボーンと話す。前はどこに居たの!?っていうぐらい一緒に居たけど、同性のラルの方がオレの護衛に向いてるのもあって、リボーンと2人っきりっていうのは本当に久しぶりだ。
「そういや、お前の目から見てオレはどうなの?」
オレはリボーンとなら会話がなくても気にはならないけど、ちょっと聞きたかったんだよねと思って言ってみた。
「……オレに相談したいことがあるんじゃなかったのか?」
「あはは。やっぱ悩んでること気付くよね」
でも今回はその話をしたいから誘ったんじゃないよって教える。リボーンはそれがオレの本心なのか確認するためにオレの目をみた。
「そうか」
「うん。あ、別にお前を信頼してないとかそういうのじゃないよ。骸にはまぁ相談というか愚痴みたいな感じで話してはいるけど……。それはあんま意味がないっていうか……」
うーん、なんて言ったらいいかなと考えながらも口を開く。
「オレってさ、すっげー頑固なんだよ。骸と話してるけど、結局自分が考え抜いて出した答えじゃないと嫌なんだ。決めるのにすげー時間もかかるだろうし、情けないことも言うけど、ちゃんと答えを出すつもり。だからあまりにも遅いと思ったら、お前が声をかけて」
多分お前がみてられないって思ったら、オレはすぐ答えを出すよって言葉を続けて、つい笑ってしまった。尻を叩かれて一番効果があるのはやっぱりリボーンなんだなーって。
「おめーが何に悩んでるかオレはしらねぇぞ」
「あ、そっか。んーでもお前なら気付くよ、絶対」
今オレが悩んでることと結びつくかはわかんないけど、その時が迫ったらオレに何か言うよ。だってリボーンだよ。
「オレは一流だからな」
そうそうとオレは何度も頷く。
「おめーが何か隠してることも。その秘密でオレを信頼しているのもオレはわかってるぞ」
「ハハハ……」
さすがリボーンだよ。ほとんどバレてるじゃん。……どうしよーー!
「暴くつもりはねーけどな」
「え?そうなの?」
「ああ」
なんでだろうってまた顔に出てたみたいでリボーンは口を開いた。
「おめーの性格もわかってる。自分1人の問題なら、オレに相談してんだろ」
「……うん。そうだね」
ああ、やばいなぁ。前より一緒にいる時間も少ないし、話してる量だってびっくりするぐらい少ないのに、お前がちゃんとオレを見てくれるってわかってすっげー嬉しい。
「ツナ、オレはそんな顔をさせるために言ったんじゃねぇぞ」
「うん。ごめん」
リボーンにハンカチを渡されたけど、大丈夫と言って服の裾で勢いよく拭く。オレの男っぽい行動に呆れてリボーンはため息ついちゃったけど、オレが笑って顔をあげるとあいつは満足そうな顔をしたんだ。
まだ家に帰るのも早いのもあって、公園で何か飲もうっていう話になった。どっかの店に入ってもいいけど、オレ達の話って微妙な内容になることも多いからね。家が使えないとなると公園のベンチとかの方が無難なんだ。盗み聞きとかしにくいからね。ずっとオレ達の近くにいればすぐ気付くから。
オレはコーラで、リボーンはエスプレッソをお持ち帰りする。女に払わせるわけにはいかないってリボーンが奢ってくれたことには驚いたけど。母さんには奢ってもらうのにね。いやまぁ母さんがリボーンをただの赤ん坊だと思ってるのもあるんだけど。
リボーンとベンチに座って、オレはゴクゴクとコーラを飲む。すっげー平和。まぁ中学卒業すればそんなことも言ってられないぐらい忙しくなるんだろうなぁ。オレこの体で何徹まで出来るんだろうね。ある一定まで行くとハイになって元気になるんだけど、そこまでこの体もつかなぁ。普段から死ぬ気になるわけにはいかないし。今のうちに試しておこうかなぁ。
「何考えてんだ」
「いやさ、今のうちに限界を知っとくべきかなって。リボーンは何徹までいけると思う?」
「……体にわりぃからやめろ」
ええっ!?ってオレは驚いた。お前、三徹時にオレが寝そうになったら何度も蹴って起こしたくせに!?
「おめーは女だからな。無理すると子どもが出来なくなるぞ」
「あ、それはダメだね」
そういうのも影響するのかーってオレはまた一つ勉強になった。
「子どもで思い出した。お前に頼みたいことがあったよ」
「なんだ?」
「まだまだ先のことだけど……オレに子どもが出来てさ、ある程度大きくなったらお前に家庭教師してほしいんだ」
前の時もそのつもりだったんだよ。……出来なかったけど。
ハハハ……と心の中で苦笑いしながらも変だなって思った。リボーンから返事がないや。
「リボーン?」
「……ツナ、お前は骸からどこまでアルコバレーノのことを聞いてんだ?」
「どこまでって……」
今ここで全部って答えてもいいのかなって、オレが躊躇している間にリボーンは何でもねぇと呟いた。あれ?これ言った方が良かったよな?オレが口を開こうとする前に、リボーンが先に開いた。
「いいぞ。おめーに子どもが出来たら、立派なマフィアのボスになるためにビシビシしごいてやる」
「え?ほんと?」
「ああ」
「絶対?約束できる?」
「……ああ。約束すっぞ」
ニッと笑った姿が、嘘じゃないと思ったオレはやったと喜んだ。けど、男だったら大変な目にあう気がすることに気付いた。だからオレはすぐ家綱みたいに理不尽なことはやめてよって言った。けどあいつはさぁなって言うんだよ。産まれる子が女の子でありますようにと心の中で呟いたよ。いやでも今の段階でもマフィアのボスなら男の方がいいよなって思うことが多いから、男の子の方がいいよな?
うわっ、すっげー悩む……。どっちも経験してるからこそ悩む。いやまぁ選べるわけじゃないんだけどさ。
「肝心なことを忘れてんぞ。1人で子どもは出来ねぇぞ」
ああ……とオレは頭を抱える。結局そこに行き着くんだーって。
いやでも今日はリボーンと約束出来たし十分だよね。
沢田ツナ
リボーンと未来の約束が出来て満足。
大事なところをすっ飛ばして進んだ。
リボーン
最初はウソだった。が、ツナの目を見てウソは通じないと気付いた。
約束してしまった手前、生きるしかねーかと思った。
アルコバレーノのこともどこまで知ってるんだか……と約束後にまた思ったが、ツナが知っても知らなくても一緒だと思い、聞くのはやめた。