「GWにマフィアランドへ行くのでしょう。クロームも連れて行ってあげてください」
へ?ってなったけど、骸はオレの反応を無視して僕はヴェルデ博士のところへ行きますからって続けた。……相変わらずどこでその情報を知ったんだろ。オレまだ聞いてないんだけど。
まぁいっか。あそこはマフィアが経営しているけど、あんまりマフィアっぽくないところだしね。クロームは行ってもいいと思ったのかも。いやでもこいつのことだからこれも社会勉強とか言ってそう。
「あ、でもオレの記憶じゃスカルが攻めてきたような」
「その件はもう問題ありません」
うわっ……。オレも過保護かもって思う時あるけど、こいつも酷いよな。とにかくクロームを連れて行くことにオレも反対じゃないから、了解って返事をしたんだ。
家に帰ったオレはさっそくリボーンを探せば、家綱の部屋にいることがわかった。ちょっと悩んだけどノックする。
「家綱、ちょっといい?リボーンに用があるんだ。お前も聞いた方がいいかも?」
「……入れ」
渋々だったけど、許可をもらえたよ。仲良くはなってないけど、態度が軟化した気がするんだ。なんでかはしらないけど。
「ごめん、ありがとう。あのさ、今度のGWのことなんだけどクロームも連れて行っていい?」
ピクリと家綱が反応した。そういやフラれたけど、まだ好きなのかな。あれ?家綱も居るのになんであいつはクロームのこと頼んだんだろ。……やっぱあいつの考えわかんねぇ。
「いいぞ」
「サンキュ。って、やっぱマフィアランドに行くんだ」
「マフィアランド!?」
なんだそれというような家綱の反応が新鮮に感じる。オレも最初は意味わかんなかったし。リボーンが家綱にどうやってマフィアランドが出来たか説明してくれた。家綱は微妙な顔をしていたよ。それでもあそこは白のマフィアがお金を出しあって出来たところだからね。悪いマフィアはいないよ。
「ただの遊園地と思ったらいいよ。受付とかはオレがするから」
「……いや、やっぱなんでもねぇ」
家綱って割と危機回避能力が高いよな。絶対オレなら受付ってなに?とか聞くよ。
「まぁそっちは問題ないと思うんだけど……、ラルも連れて行くんだよね?」
「そうだぞ」
うわぁ……リボーンが悪い顔してる。今回騙されるの絶対ラルだ。
「ほどほどにしとけよ。オレやだよ、銃撃戦の中であの2人を止めるの」
「なんだそこまで知ってんのか」
「あーうん、まぁね。確かラルの教え子だったっけ?」
「ああ」
オレの中では傍迷惑な夫婦の印象が強い。結婚するまですっげー時間はかかったし、夫婦喧嘩もすごくて。まぁほとんどラルがテレて一方的に怒ってるだけだった。リボーンに言われてオレが何度か止めに行ったよ。毎回なんでオレが!?ってなったけど、建物とかの被害がすごいから行かなくちゃいけなくて……。そういう点を考えると、前のヒバリさんはちゃんとしてた。基本、アジトの中でだったから。いやまぁ骸が絡むと違ったけど。
「……マフィアランド行きたくねぇ」
オレ達の会話を聞いて呟いた家綱だったけど、リボーンとラルが行くって時点で強制参加は決定していた。まぁそっちに被害が行かないように頑張るから、普通に楽しんで。
「行き先はマフィアランドだと!?」
ラルの大声にオレは思わず耳を塞いだ。ってか、この反応からするとコロネロが今どこにいるかは知ってたんだね。
残念ながらもう船は出ているし、オレの護衛だろってリボーンに煽られたラルは真っ赤な顔をして怒鳴りながらも逃げようとはしなかった。リボーンにラルがイジられる未来しか見えない。それでいい雰囲気になったらうぜーとか言うんだろ。ラルが怒りたくなるのもわかるよ……。
船の中ではクロームと一緒にちび達と遊んで時間を過ごした。ちなみに今回獄寺君は居ない。バイトを入れてたみたいで泣く泣く諦めたみたい。そんなにお金厳しいのかなって思ってビアンキに相談したら、デート代を貯めてるんでしょうね、だって。ついに獄寺君に彼女が出来たんだ!?ってオレは喜んだんだけど、ビアンキに隼人には絶対言っちゃダメよって迫られた。だからまだ片思いなのかなって思ってオレは頷いた。オレがいうと変に遠慮とかしそうだしね。
マフィアランドにつくと、オレはみんなと別れて受付へと向かう。
「って、クロームも遊んで来たらいいよ」
「ダメ。骸様がツナと一緒にいるようにって」
骸のことだからオレはコロネロと顔を合わせておきたいってわかってるはずだよな。少し考えて、一緒に行くことにした。何かあってもオレがクロームを守ればいいし。ラルもオレの護衛だからついてくるみたい。めっちゃそわそわしてるけど。いやまぁそれでも気付ける人は少数だよね。
受付で推薦状や紹介状を聞かれたけど、オレは持ってない。リボーンにも渡されなかったし。でもオレはここの裏コードを知ってるからそれを口にする。オレが言ったのはコロネロの面会コード。だから今回は普通に電車に乗れた。
「沢田ツナ、どこへ向かってる」
オレが変なところへ行こうとしてるからラルが出て来たよ。電車はオレ達しか乗ってないしね。それにしてもラルはここのことあんまり知らないんだなぁ。でもそうだよなぁ、遊園地とかラルは仕事でしか行かなさそう。父さんのとこにいるなら、なかなかそういう仕事はないだろうし。
いろいろオレが考えてる間に、電車はついて扉が開いてしまった。咄嗟にラルは武器をかまえたけど、目の前にいた人物を見て頬を染めた。
「オレに会いたい奴は誰……ラル?」
「コロネロ……」
えっと、オレ達は邪魔だよね?クロームとどうしよっかって目で会話する。どうする?ってコテンと首をかしげるクロームは今日もオレの癒しだよ。
「ちゃおっス」
「リボーン!?コラ!!」
……一瞬で空気が変わっちゃった。挨拶がてら2人で銃をぶっ放してるけど、ラルがプルプル震えてるよ。そろそろキレる気がする。
「やめんか!リボーン、沢田家綱の護衛はどうした!」
「その辺は抜かりねぇぞ。他の奴に頼んで来た。オレも久々に顔を合わせようと思ってな」
「本音は?」
「面白そうなんだもん」
オレが聞いたら、リボーンはぶりっ子しやがった。この後の展開を読めたオレはクロームと一緒に端へ移動し隠れる。……懐かしいなぁ、この発砲音の嵐。はぁ。
「キリがないから止めてくるよ。クロームはここで待ってて」
「ツナ、私がやる」
「え?」
クロームの方に視線を向けると、もう三叉槍をかまえていた。ハッと3人の方へ視線を移すと、地面に大量の花が咲いた。突然のことに3人の動きが止まる。
「やるな。一瞬だが錯覚しちまったぞ」
「ああ。なかなかの腕だぜ、コラ」
「悪くはない」
この3人から評価もらえるって凄いことだよ!オレはクロームを褒めようとしたんだけど、肝心のクロームが首を振った。
「骸様が言った通りだった……」
骸のやつ、何言ったんだよ……と思いながら、クロームになんて声をかけようかとオレは悩む。そういえば、前にも似たようなことがあった気がする……。
「クロームは……戦いたいの?」
「……一緒にいたい」
「そっか」
クロームは中学卒業すれば、オレ達はどっか行っちゃうってわかっちゃったんだ。小さい頃からオレ達の会話聞いてたもんな。でも戦いたいとは言わなかった。さっきの幻術も人を傷つけるようなものじゃなかったしね。2度目でいろいろ変わったと散々思って来たけど、一番変わったのはクロームだったかもしれない。悪いことじゃないけどね。それにオレ達もそういう風に見ていたから。
うーん……。オレ達と一緒いて、危ない目にあう可能性はクロームもわかってるよね。クロームは覚悟の上で言った。けど、オレは危ない目に合わせたくないし……。いやでも元はと言えば、オレが何も考えずクロームの前で話してたからだし……。
「ツナ」
「リボーン……」
うー、わかってる。今決めなきゃいかないことだって。そしてオレ次第なことも。クロームはもうどうしたいか伝えたし、骸もオレの判断に任せるってことだろ。
「……なら、一緒に行ってアジトでご飯作って待っててよ。クロームがいるなら骸は帰ってくるからさ。もちろんオレも」
いいのかなーと思いながらも口にした。でもクロームの顔を見て、オレは間違ってなかったと思った。
「うんっ!」
「わわっ」
クロームを抱きとめて、ぽんぽんと背中を叩く。クロームはずっと悩んでたんだろうなぁ。気付かなくてごめんね。リボーンには発破をかけてくれてありがとうと口パクし、成り行きを見守ってくれてた2人にもごめんってオレは視線を送った。
今度こそコロネロに自己紹介する。クロームが落ち着いたのはいいけど、恥ずかしくなったのか向こうへ行っちゃったけど。まぁオレの目の届く位置にはいるから、止めはしなかった。
「えっと、オレは沢田ツナ。一応次期ボンゴレボス筆頭」
「オレはコロネロだぜ、コラ!」
ジッとコロネロに見つめられ、居心地が悪いなぁなんて思う。いやだってさ、コロネロもリボーンと同じですぐに手や足が出るイメージが強くて……。ジッと我慢していたら、笑われた。
「典型的な見た目に騙されると痛い目にあうタイプだぜ」
これって褒められたんだよな?やっぱ顔のせいなのかな。オレが顔をペタペタ触っていると、リボーンとラルもコロネロの意見に賛同したのか深く頷かれた。
「それでオレに何の用だ、コラ!」
「なんだ?コロネロに会いたかったのか?」
「まぁね」
ラルから視線を感じたから、そういう気持ちはないよって慌てて弁解する。真っ赤な顔して銃を乱射されたから、ひぃと言いながらも避ける。コロネロが居るからすっげーラルが怒りっぽいよ。オレは何も言ってないっていうなら、撃つのをやめてってば。
「ちょ、ちょっとアルコバレーノに会ってみたかっただけなんだって!」
オレがそう叫ぶとラルがピタリと手を止めた。はぁと安心したように息を吐く。いやでも言っちゃダメだったかな。でもこれぐらい言わないと止まる気がしなかったんだよ。
「ツナ、お前は深入りするな。これはオレ達の問題だ」
「やだよ。この前言っただろ。オレは頑固って。これは絶対譲れない」
ジッとオレがリボーンを見つめると、はぁとため息を吐かれちゃった。
「相変わらず女に甘いな、コラ」
「うるせーぞ。お前も人のこと言えねぇだろ」
そう言ってリボーンはラルを見た。うわー2人とも顔真っ赤だ。そういや、ラルを庇ったからコロネロがアルコバレーノになっちゃったんだっけ。
「ツナ、行くぞ。もう目的は果たしたんだろ」
「え、あ、うん」
すっげー珍しい。うぜーとか言わなかったし、この空気を壊さなかったよ。まぁオレもあの2人には幸せになってほしいからクロームに声をかけて大人しく電車で帰ったよ。そのあとはみんなと合流して遊んだ。まぁちょっとしか時間はなかったけどね。
その日から時折ラルが動揺する気配を感じるから、コロネロと連絡でもしてるのかなーってわかって、オレはちょっと笑ってしまった。
六道凪(クローム)
出会い方やツナと骸の接し方で戦う気持ちは芽生えなかった。
でも2人が帰ってくる場所を守る覚悟はあった。
六道骸
クロームに教えながら、以前とまったく違う成長をしたことに気付いていた。
そのため超一流には通用しないと教え、戦士の素質はないとはっきり伝えていた。
下手に前に出て来られると邪魔だから。
あとはクロームが覚悟を見せれば、ツナは連れて行くだろうと思っていた。
沢田ツナ
自分のうっかりもあるが、クロームの意思を尊重した。
雲雀の言葉がなければ置いていった可能性もあった。
そしてもし今回も男だったら、クロームと結婚していた可能性もあった。
リボーン
ツナと約束したため、少しでも生存率をあげようとした。
コロネロとラルを接触させようとしたのは実はそれが理由。
ただツナもアルコバレーノの行く末を気にかけてしまったのは予想外。
コロネロの言う通り、女には甘い。自覚はある。
コロネロ
リボーンが絡んだとわかっているが、ラルと会えたことには感謝している。
会うと我慢できず、連絡先を交換した。
ラル・ミルチ
護衛中だぞとリボーンに言われた時、ツナにも同じようなことを言われたことを思い出した。
嫌なところを似たと本気で思った。
その後、コロネロから連絡が来てアワアワしている。
それでも仕事中なので超一流でなければ気付かないレベルの動揺。
もしツナが笑っていることに気づけば、ショットガンをぶっ放している。