沢田綱吉、逆行。   作:ちびっこ

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久しぶりの学校だけど、オレはまずヒバリさんに報告へ行く。後回しなんて出来ないから。そう思ってたんだけど、いろんな人に捕まった。ヒバリさんが怖いって感じで。デジャブだよ……。

 

でも気持ちはわかる。ヒバリさんとディーノさんが戦ってる音がたまに聞こえるんだよ。他の風紀委員には聞けないし、オレに言いたくなるよね。まぁオレも答えられないんだけど。そもそもオレのせいだしね。

 

みんなにはなんとか誤魔化して、オレは屋上へと向かう。ひぃ、2人とも怪我でボロボロじゃん!

 

「シャマルー!って女しか診ないんだったー!」

 

ダメだー!と頭を抱える。オレが騒いでるのもあって、2人は手を止めた。

 

「お?ツナ、どうした?」

「なに、今いいところなんだけど」

 

……うん、黒川に何度か普通じゃないって言われるけど、この2人よりはマシだよね。怪我とかそっちを気にしようよ。

 

言ってもしょうがないし、昨日決まったことを伝える。並中でするからヒバリさんの機嫌が悪くなったけど、チェルベッロ機関に許可をもらいにくるように言ったことを伝えたら、少しは良くなった。オレみたいにチェルベッロも交渉する羽目になるんだろうなぁ。ヒバリさんなら修理は当然として、夏祭りの時のようにお金取りそう……。

 

約束通り伝えたからオレは退散する。オレもって言われたら嫌だし。日曜日だけで勘弁してください!

 

この後ふつーに授業を受けた。京子ちゃんに何か言われるかなって思ったけど、何もなかったよ。お兄さんが変だなーとは思ってるけど、オレが関係していることに気付いていないのかもしれない。前と違って、オレの欠席は風紀委員活動で、オレはお兄さんからボクシングの勧誘は受けてないしね。朝のジョギングでは会うけど、それぐらいだから。何よりパンツ一丁で走り回ってないし……。

 

京子ちゃんで思い出した。コロネロってお風呂一緒にはいってないよね?まさかそんな自殺行為してないよね?ラルがここに居るんだからほんとやめてよね!オレ、止めないよ!?

 

気にはなったけど、藪をつついて蛇は出さないよ。オレ、やっぱ成長した。前のオレなら絶対口にしてたから。

 

 

 

夜遅く、スーツに着替えたオレはこっそり家を出た。ちゃんとクロームには伝えてるから、母さんが気にしたら誤魔化してくれると思う。……少し悩んだけど、ランボを連れて。

 

「みんな!」

 

学校につくとみんなが居たから手を振る。ちょっと驚いたけど離れた場所にヒバリさんも居た。勝敗というより、他の守護者のことが気になってるのかな。だから当然なんだけど、ディーノさんも居た。でもこれが終わればまたバトルするんだって。……この2人っていつ寝てるんだろう。それも明日は日曜日なのにね。

 

「厳正なる協議の結果、今宵のリング争奪戦の対戦カードは決まりました。第1戦は晴れの守護者同士の対決です」

「ねぇねぇ、あれなぁに?」

 

オレの腕の中にいるランボはこの勝負に用意されたリングに興味津々だった。

 

「……わかってはいたんスけど、何もわかってねぇ」

 

獄寺君の言葉にハハハ……と苦笑いする。でもそうだよな、オレはランボになんも説明してないよ。

 

「ランボ、よく聞いて」

「んー?」

「ちびのお前には眠いだろうけど、ちゃんと見ててほしいんだ」

 

ジッとオレの顔を見ていたけど、ランボはすぐに横を向いちゃった。やれやれというような反応をみんなしてるけど、多分コイツはわかってる。お前はオレ達の背中を見て、どう感じるんだろうね。

 

お兄さんが特設リングに入っていったのを見て、なんか忘れてるなぁと思った。サングラスについては悩んだけど、渡すのをやめたんだよね。そりゃ渡した方がいいに決まってるんだけど、なんか違う気がしたから。前の時のお兄さんの覚悟を知っているから余計に。

 

「ツナ、どうしたんだ?」

「あ、思い出した」

 

山本に話しかけられて思い出したよ。大事な思い出だったのにね。円陣組んでなかったや。でも……。

 

「10代目?」

「……ううん。なんでもない。大丈夫だよ」

 

ちゃんとみんなわかってる。誰一人欠けない、欠けさせないって。

 

「晴のリング、ルッスーリアVS笹川了平。勝負開始!!」

 

この言葉の後すぐに照明がついて、リングが光る。オレは前の時と同じようにリボーンに借りた。獄寺君と山本がサングラスをお兄さんに渡そうとしたけど、チェルベッロのルールに阻まれる。

 

「……ランボ、ごめん。自分で立って」

 

誰かがオレを呼んだかもしれないけど、反応できなかった。お兄さんにサングラスを渡さないって決めたのはオレだ。……でも後悔ばかりだ。

 

「沢田!!!」

「っはい!」

「極限に問題ない!!!」

 

グッと両手を握りしめ、歯も食いしばる。お兄さんは照明のせいで何も見えてない。見えてないけど、オレがどんな顔をしているかなんてお見通しだったんだ。

 

「よく言ったぜ。了平!それでこそオレの弟子だ、コラ!」

「あら?美しい恋情?友情それとも師匠愛かしら。んまぁ、なんでもでもいいわ。強がりはよしなさい、あなたのパンチは通用しないんだから」

 

ルッスーリアに言われても、お兄さんは諦める気配はなかった。

 

「この右拳は圧倒的不利をはね返すためにある!!」

 

うおおおというお兄さんの掛け声の後、お兄さんは極限太陽(マキシマムキャノン )を放ったんだ。

 

パリンという音と共に、照明が割れる。お兄さんの宣言通りに不利な状況は終わった。

 

「沢田、お前は勝つ必要はないと言ったな」

 

ヴァリアーがざわっとしたけど、オレはお兄さんの言葉に頷いた。

 

「オレもその意見に賛成だ。負けて得るものもある。だがな、沢田がオレを選んだことに後悔だけはさせん!だから……オレはこの勝負勝つ!!」

 

お兄さんの覚悟に応えるかのように、右拳が光り始める。

 

極限(マキシマム )!!太陽(キャノン )!!!」

 

一撃でルッスーリアのメタル・ニーが砕けた。リボーンに呼ばれて、自分が泣いてることに気付いた。ハンカチを用意してくれてたけど、また断ってオレは袖で勢いよく拭って、口を開いたんだ。

 

「ありがとう、お兄さん!」

「おう!」

 

オレに向かって右拳をあげるお兄さんの姿はカッコよくて……。オレはもっとちゃんとしないといけないなぁって思ったよ。リングを受け取ってくれたみんなに悪いや。そりゃオレは優柔不断だからこれかも迷うだろうけど、これだけは迷っちゃいけないことだった。

 

「ツーナっ」

 

ガシッと山本に肩を組まれて、あわわとよろけつつも笑った。そうだよね、山本が一番お兄さんの気持ちわかるよね。

 

獄寺君が山本に怒ってるのをまぁまぁとなだめつつ、お兄さんがいるリングに視線を向ける。もうルッスーリアにお兄さんのパンチを防ぐことは出来ない。だけど、ルッスーリアは簡単には負けを認めない。……ううん、負けれないんだ。

 

どんっという音とともに、ルッスーリアが倒れる。ゴーラ・モスカに攻撃されて。

 

「弱者は消す。これがヴァリアーが常に最強部隊である所以の1つだ」

 

わかっていた、オレはこの結末がわかっていた。けど、やっぱりオレは認めれないよ。でも今はまだ口に出せない。……言っても、届かない。たとえオレがルッスーリアを庇ったとしても、今しか守れない。それじゃ意味がないんだ。

 

「……わからせ、なきゃ」

「10代目?」

「あ、いや、ごめん。なんでもないよ」

 

獄寺君に慌てて大丈夫と伝えてる間に、チェルベッロから明日は雷の守護者同士の対決と発表された。獄寺君達はオレの足にしがみついてるランボに視線を向けた。明日ってわかっていたけど、わかっていたけど、どーしよー!

 

オレがああああと頭を抱えてると、特設リングが壊れてヴァリアーが行っちゃった。

 

なんだか悩んでばっかりいるなぁとため息を吐いていたら、後ろから殺気がしてしゃがむ。こんなことする人って、あの人しか居ないよね……。

 

「何しやがる、ヒバリ!!」

「明日、わかってるよね?」

「……そうでした」

 

いや、忘れてなかったよ!?ちゃんと覚えていたから!と思いながら振り返ったけど、ヒバリさんはもうオレに背を向けて歩いていた。ディーノさんが慌てて追いかけていったからこの後バトルするんだろうね。

 

「10代目、ご無事ですか!?」

「あ、うん。それは大丈夫」

 

さすがです!って感じで獄寺君が感動しているけど、苦笑いするしかない。

 

「ふむ?極限、なんだったのだ?」

「あ、お兄さん、今日はありがとうございました!」

「おう!それで、ヒバリはなんだったんだ?」

 

そういやお兄さんは知らなかったっけ。毎週オレがヒバリさんと会ってること。軽くその説明をして、上の空の状態でくるなっていう意味ですよって教えたんだ。オレが次から次へと悩むから、喝をいれたんだろうね。

 

「ハハッ、ヒバリらしいぜ」

「うん。優しいよね、ああ見えて」

 

オレらがこんな会話してたら咬み殺されそうだけど……。うん、ちょっとブルっときたよ。怖い怖い。

 

「こういうところでポイントをかせーでるんだな」

「ポイントですか?」

「ああ。フゥ太のランキングでツナの憧れランキング1位はヒバリだぞ」

「あ、うん。そうなんだ。……って、リボーン、なんでバラしちゃうのー!?」

 

わー!って言いながら、ランボを抱えてダッシュして家へと逃げる。超恥ずかしいじゃん!!

 

 

 

湯船に顔までつかってブクブクと息を吐く。思いっきり逃げちゃったけど、別に逃げなくて良かったじゃん。逃げた方が気まずいよね、どう考えても。

 

「ぶはぁっ。もぉ、リボーンのバカ」

 

まぁリボーンもオレがランボのことで思い悩んでるから、一瞬忘れさせようとしたんだと思う。オレってドツボにハマるタイプなのに、時間がもうないし。……いやでもやっぱアレはないよ。フゥ太もそう思ったんだよ、みんな勘違いしちゃうじゃんか。ちゃんと訂正しとかなきゃ、ヒバリさんに怒られる……。

 

風呂から出たら、ケイタイの着信履歴が獄寺君で埋まっていた。山本とお兄さんは特に触れることもなく、また明日という内容のメールがきていた。うーん、すごい差。とにかく獄寺君に電話だなぁと思っていたら、かかってきた。

 

「ごめん、獄寺君。お風呂入っていたんだ」

 

ごふっ、っていう声が聞こえた。オレが出たことにびっくりしたのかな?

 

「えっと、さっきのことは変な勘違いしないでね。オレ、ヒバリさんの心の強さに憧れてるだけだから……」

『だ、大丈夫ス。リボーンさんから聞きました』

「そうなの!?良かったー!」

 

オレが女だからちゃんとフォローしてくれてたんだ。それならなんであんなに電話を?って疑問に思ったけど、オレの言葉で聞きたかったのかな。それとも何か用事?

 

『その、10代目』

「うん?なに、獄寺君」

『10代目がどの選択をしても、オレ……達は支持しますよ』

「……うん、ありがとうね。獄寺君」

 

この後、ちょっと話をして電話を切った。オレにこれを伝えるために電話してくれたんだなぁ。獄寺君の優しさに感動したよ。みんな、成長するの早いよね。リボーンはオレに追いつこうとするからって言ったけど、もう追い抜かされた気がする。オレが勝てるのって後何があるんだろ。2回目なのに。

 

やっぱオレはダメツナだよなぁと思いながら、飲み物が欲しくなってリビングへと向かう。明かりがついているしリボーンかな。

 

「……大人ランボ」

「お久しぶりです。若きボンゴレ」

 

そういえば、雷戦の前に話した気がする。すっかり忘れていたよ。でもオレは前と違って女だから、風呂の時間が長いと思うんだ。それなのに会ったってことは、父さんの仕業かな。まぁ父さんはイタリアに居るから、父さんに言われてラルがしたんだろうけど。

 

ランボが椅子に座ってるから、オレも座ることにした。これぐらい離れてたら、苦手意識ないかも。前に会った時はオレが転びそうだったのもあって近かったもんね。

 

「……何か聞いてる?」

「メモが置いてましたよ、これと一緒に」

 

20年後のランボの角を大人ランボが持っていた。オレがどう判断するかわからないけど、手は打ったんだろうね。

 

「あのさ、大人ランボ」

「いいですよ」

「へ?」

「子どものオレの代わりに戦ってほしいんですよね?」

 

まさか大人ランボからそう言われると思ってなかったオレは息をのんだ。




沢田ツナ
風紀委員に入ったことで、怪しさはあっても雲雀さん関係とスルーされている。
ランボの試合の件で頭を悩ませ中。

笹川了平
年長組ということもあるが、元々お兄ちゃん体質。
ツナのために負けられなかった。

雲雀恭弥
群れることになるが、試合はみる。
ツナに引っ張られてどこまで強くなったか興味津々だから。

大人ランボ
ツナを驚かせる天才かもしれない。




作者
しれっと更新する。
割とそんな感じの性格(ぇ
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