魔法先生ネギま project in TOHO 作:水崎雨月
「くくくくく。アハハハハ。バァカめ! 伝説の鬼神か知らぬが私の敵ではないわ!」
「すげぇぜ、エヴァンジェリン!」
魔理沙が鼻息荒くネギたちの近くに来て、そこにエヴァンジェリンもおりてくる。
「どーだ、ぼーや。私のこの圧倒的な力、しかと目に焼き付けたか? ん?」
「すごいよ、エヴァちゃん。やるじゃん! 最強とか自慢してただけあって見直しちゃった」
いや、まぁ、そりゃそうだろう。吸血鬼由来の強力な妖力に、オーラみたいに放出されちゃってる魔力。やばいだろ。
アスナの言葉を聞きながらそんなことを考え、ついでに、レミリアより強いんじゃね? と考えてしまう。
「す、すごかったです、エヴァンジェリンさん」
「そーかそーか、よしよし」
ネギの言葉に笑顔でめっちゃ喜ぶエヴァンジェリン
「でも、登校地獄の呪いは?」
「あ、そーよ。学園の外には出られないんじゃなかったの?」
ああ。そういうことか。
魔理沙は今の会話で大幅に理解する。
エヴァンジェリンは強力な吸血鬼だが、投稿地獄という変な呪いで学園に封印されてしまっているのだと。
「それですが、強力な呪いの妖精をだまし続けるため、今現在、複雑高度な儀式魔法の上、学園長自らが5秒に1回『
「今回の報酬として明日、私が京都観光を終えるまで、じじいにはハンコ地獄を続けてもらう」
いや、それ、儀式を変えてやれよ。どうにかして書類1枚で1日持つようにすればいいのに。どうにかならなかったのか?
魔理沙はそう考えて学園長をちょっとだけ心配する。
「この事件はそもそもじじぃの見通しの甘さが原因だ。この程度の苦労、当然だ! 投稿地獄の呪いと学園結界から逃れた今の私の力はほぼ全盛期と同等。反則気味の最強状態というわけさ」
いやー。強すぎだろ。
内心冷や汗をかく魔理沙。でも、戦ってみたい! とも思っている。
「ふふ。久々に全開でやれて気持ちよかったよ、ぼーや」
笑顔でハートマークがつきそうな甘い声で言うエヴァンジェリン。
「はぁ、はぁ」
霊夢が肩で息をする。服はボロボロでところどころ肌が見えており、一部、服の下に仕込んでおいた防御用の札も服の穴から若干見えている。
霊夢と対峙する月詠は息が切れておらず平然としているが、スカートもストッキングもビリビリとなっている。
「ふむ。どうやら決着がついたみたいだね」
光の柱が消えたことを見て萃香が言う。
「お嬢ちゃんたちの勝ちだ。どうする? お嬢ちゃんたち」
ひょうたんの中身を飲む萃香。
「こっちは助っ人なんでな。そっちが退くなら
銃をしまう仕草をする龍宮。霊夢もボロボロになっている札の剣をバラバラにする。
「そうですねー。お給料分は働きましたし。センパイと戦えへんかったのは残念ですけど。ウチも帰りますぅ~。刹那センパイによろしくお伝えください、封印術のお姉さん」
「いやよ。龍宮やってあげて」
「嫌いすぎだろ」
生き残りの妖怪たちも煙となっていき、
「ほななー、お嬢ちゃんたち」
「なかなか楽しめたぞ、大陸の拳法使い! さっきの坊ちゃん、嬢ちゃんたちにもよろしゅうな!」
「久しぶりに愉快やったわ。今度会ったときは酒でも飲もう」
それだけ言い残して完全に消えてしまう。
「私が付き合ってやるわよ。幻想郷に来たらね」
「私たちは未成年なのだがな」
「結構いい人たちだったアルね」
霊夢はふぅっと息を一度吐くとあたりを見る。すると、なぜかまだ萃香が残っていてひょうたんの中身を飲んでいる。
「さっさと帰りなさいよ」
「霊夢、今度と言わずに今飲もうよ」
「イヤ。疲れてるの。それに、さっきの巨人をキチンと封印されているか確認しないと」
「あれはリョウメンスクナノカミだね。霊夢ならまた封印解けても対処できるよ」
「イヤよ。めんどくさい」
霊夢は札を取り出すと萃香に投げる。
萃香はそれを避けると煙となり帰ろうとする。
「じゃあーねー、宴会の時に会おう」
完全に姿が消えたのを霊夢が確認すると、軽く空を飛ぶ。
「さっきの巨人のところに行きましょ。多分ネギ先生たちもまだそこにいると思うし」
霊夢だけが空を飛び、他2人は走ってネギのもとへと向かう。
「いいか、ぼーや。今回のことを私が暇なときにやっている日本のテレビゲームに例えるとだな、最初のほうのダンジョンとかで死にかけていたらなぜかラスボスが助けてくれたようなものだ」
「なんだその例えは」
「次はこんなことが起こっても私の力は期待できんぞ。そこんところは肝に命じておけよ」
魔理沙のツッコミを無視してエヴァンジェリンは次は助けてやらんぞ、と説明している。
が、ネギは小さな声で返事をして、腕の石化と疲労がたまっているのが原因なのか、顔色が悪い。
エヴァンジェリンはさすがにそれを心配して大丈夫か声をかけると、突如ネギがエヴァンジェリンの名前を叫んで走り出し、エヴァンジェリンに抱き着く。
まさかの行動にエヴァンジェリンも驚くが、次の瞬間、白髪の少年が近くに現れて魔法を放とうとしたのが見える。
「
「バカっ! どけ!」
エヴァンジェリンはネギを弾き飛ばす。その瞬間、床から石の槍が何本も飛び出し、一本がエヴァンジェリンのお腹に直撃、貫通する。
「がっ、ぐっ。貴様!」
「エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。
「ふっ」
口から血を吐き、苦しそうなエヴァンジェリン。だが、その身体が一瞬にして何匹もの蝙蝠となり、白髪の少年の後ろに蝙蝠が集まってエヴァンジェリンの姿が出来上がる。
「その通り! 『不死の魔法使い』さ」
魔力がこもった一撃が、足場ごと、白髪の少年を削り取る。
「なるほど。相手が
体が真っ二つになっている白髪の少年はそう呟くと、完全な液体となって消えてしまう。
「幻影……逃げたのか」
その光景を見て魔理沙がつぶやく。
「え、エヴァちゃん。今のって」
「ふむ。今のガキも人間ではないな。動きに人工的なものを感じた。どこの手のものかはわからんがな。まぁ、安心しろ。修学旅行中は私がついてる」
服に大きな穴が開き、へそが見えてしまうが全く気にせず口元の血を手で拭う。
「じゃなくて今、岩がグサーって、血がドバーッて」
「ん? ああ、吸血鬼、特に真祖はただの剣や銃では指南。映画とかであるだろ。再生は疲れるしメンドイからキライなんだが……」
大慌てのアスナに対して冷静なエヴァンジェリン。
無事だった後継を見てネギが安心するが、地面に倒れこんでしまう。
「ど、どどどうしたぼーや!」
「ネギ先生!?」
「ネギ、ちょちょちょっと」
「ネギ!?」
「兄貴、やべぇ。右半身が石化を…」
全員ネギに駆け寄ると、ちょうど木乃香と刹那、楓に夕映に小太郎が来て、遅れて龍宮と古菲と霊夢も到着する。
「危険な状態です。ネギ先生の魔法抵抗力が高すぎるため、石化の進行速度が非常に遅いのです」
茶々丸がネギの診察を始める。
「このままでは首部分まで石化した時点で呼吸ができず、窒息してしまいます」
最悪のパターンが伝えられ、全員慌てだす。
「ど、どうにかできないの!? エヴァちゃん」
「わ。私は治癒系は苦手なんだよ、不死身だから」
「そうだ! 幻想郷に行けば永琳なら治せるだろ」
「アホなこと言わないで。ここから幻想郷には時間がかかりすぎる。紫のスキマ移動がないと間に合わないわよ」
魔理沙は霊夢の零時間移動ならば、と考えるが、霊夢自身は無意識で使っているので意識的に使うことができない。
「昼に着くっていう応援部隊なら治せるだろうが、間に合わねぇ」
そこに、
「お嬢様」
「うん」
刹那が木乃香の名を言うと、木乃香がアスナに近づいて、
「あんな、アスナ。ウチ、ネギ君とチューしてもええ?」
「な、何言ってるのよ、このか。こんな時に」
「あわわ。ちゃうちゃう。あの、ほら、ぱ、パクテオーとかいうやつや」
ぱくておー?
霊夢と魔理沙は話がわからず頭に? が浮かぶ。
「みんな、ウチ、せっちゃんにいろいろ聞きました。ありがとう」
古菲、龍宮、夕映、楓、エヴァンジェリン、霊夢、魔理沙のほうを見て言う木乃香。
「今日はこんなにクラスのみんなに助けてもらって、ウチにはこれくらいしかできひんから」
ネギを抱きかかえる木乃香。
木乃香の力を引き出すことで、シネマ村で刹那を治したようにネギを治そうとする。
木乃香とネギの唇が触れる。
するとシネマ村のように魔力の光が輝き、ネギの石化が治ってネギが目覚める。
「うっ。このかさん? よかった、無事だったんですね」
全員が目覚めたことを喜び、日が昇ってから応援部隊がみんなの石化を治すことで、この事件は解決。
その後、一休みしていたところ、刹那が鵜族とのハーフだとばれたことで消えようとしたのをネギが止めていたところ、
旅館に飛ばしたみんなの身代わりの式神が大暴れしていると情報が来て、全員大慌てで帰ることに。
「ホラ、刹那。身代わりはお前の専門だろ」
「せっちゃんはよー」
「刹那さん。僕たち黙ってますから」
「仕方ないですね、ありがとう、ネギ先生」
涙をぬぐって言う刹那。そして全員慌てて旅館に帰還する。