魔法先生ネギま project in TOHO   作:水崎雨月

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修学旅行4日目~5日目

 4日目。昼間の露天風呂。

 4班は昼間っから露天風呂に入っている。

「いよいよ明日で修学旅行も終わりだねー」

「ものすごく長かったような、短かったような。さすがに四日目ともなるとみんなだらけモードやな」

 慣れていない人ごみや萃香との戦闘で疲れ切った霊夢は口まで湯船につかり目を閉じている。

 口から息を吐き、ぶくぶく泡も出している。

「何が一番良かった?」

「んー、やっぱり二日目のネギ君争奪戦かなー」

「うん。面白かった」

「私は儲かったからよかったわ」

「ええー、ダメダメ」

 亜子の質問にまき絵が答え、アキラが同意して、霊夢は口だけ湯から少し出して答えるとすぐにまた潜る。ところが、裕奈だけ否定して、

「負けたし正座の痛みしか覚えてないよ!」

 そう言って身体を洗っていた龍宮のほうへ振り向き、

「それよりUSJだよ、ねぇ! 龍宮さん」

「ん? あ、あぁ。そうだな」

 いきなり話を振られて困惑しながら答える。と、龍宮が何か気配を感じ取る。

 桶の下に隠してあった銃を取り出そうとするが、パシャっと写真が撮られる音が鳴る。

 そして、草むらの中から朝倉が出てくる。

「コラ―。何やってんのよ、朝倉」

「いや、ホラ。記念写真……班別の」

「盗撮やん」

「こりゃ高値で売れる」

「売るなー!」

 朝倉が逃げ出す。

 霊夢は相変わらず口まで湯船につかって口から泡を吐いている。

 

 

 

 そして2班では、夜いなかった古菲(くーふぇい)(ちゃお)とハカセが尋問していた。

「昨夜はどこ行ってたネ。さ、吐くヨロシ」

 口に肉まんを詰められ喋れない古菲。

フォレハヒヘナハアフネ(それはいえないあるね)

「仕方がないデスね。では、ニューマシーンの実験体に―」

 ハカセが変なマシンを取り出す。手足と顔の付いたせいろの機械。

 それがどんどん古菲の口に突っ込んでいく。

「しゃべるまで肉まんをほおばってもらいますよぉー」

 その光景を見ながら魔理沙が肉まんを食べる。

「むむっ。いいね、くーちゃん。こっち向いて」

 声が聞こえ全員がそっちを向くと、いつの間にか部屋に入ってきた朝倉が写真を撮った。

「もがっ」

 古菲は急いで口の中の肉まんを飲み込むと部屋から逃げた朝倉を追いかけた。

 そこにお風呂あがりの霊夢が部屋にやってきて、

「魔理沙、ちょっと付き合いなさい」

「どっか行くのか?」

「ええ」

 

 

 

 

 

 エヴァンジェリンがネギたちを巻き込んで京都観光しているとき、

 昨夜の闘いの場所、湖のど真ん中。リョウメンスクナノカミの封印の場所に霊夢と魔理沙が来ている。

「昨日の夜、お前が残って封印したんだろ?」

「そうだけど。あれ、簡易的にやったやつだから、念のためキチンとしておこうかと」

 札が大量に飛んで札同士を線で結べば魔法陣のような形になるように浮いている。

「魔理沙、いったん封印を解除するから、もしもの時はよろしく。すぐに封印するけど」

「あいよ」

 目を閉じて集中する霊夢。

「解除、封印」

 解除の言葉と同時に一瞬、リョウメンスクナノカミの姿が現れるが、続けていった封印の言葉と同時にその姿が消える。

「うん。これで問題ないわ」

「一瞬で終わったな」

「準備しておけばこんなものすぐに封印できるわ」

 旅館に帰ろうとする霊夢と魔理沙、そこに木乃香の父、近衛詠春が近づいてきた。

「スクナの再封印、ありがとうございました」

「おう、長さんか」

「キチンと封印したから、このかの力を使っても復活は一苦労するわよ」

「ありがとうございます。さすがは博麗の巫女ですね。我々が封印するよりも強固な封印です。これならもう二度と封印が解けることはないでしょう」

「じゃ、私たちは帰るわね」

 空を飛ぶ霊夢と魔理沙。

「お待ちを。これからネギ君たちと会う予定です。よろしければご一緒にどうです? ネギ君のお父さんの別荘に行くのですが」

「お。面白そーじゃねーか。霊夢、行こうぜ」

「………わかったわ。いきましょ」

 一人で帰ってもいいのだが、仕方なく霊夢も詠春についていく。

 関西呪術協会の本部から少し離れたところで詠春と魔理沙と霊夢が待っていると、ネギだけでなく、アスナ、このか、刹那、朝浦、エヴァンジェリンに茶々丸。そして図書館3人ののどか、夕映、ハルナが一緒に歩いてやってくる。

「やあ、皆さん。休めましたか?」

「どうもー、長さん。あれ? 博麗さん? 霧雨さん? どうしてここに」

「偶然」

「だぜ」

 ネギの問いかけに2人ともまともに答えない。

「この奥です。3階建ての狭い建物ですよ」

 吸っていたたばこを娘の木乃香にとられる詠春。

「スクナの再封印、完了しました。さすがは博麗の巫女です。我々がやるよりも強固な封印がされましたので万全です」

 詠春はエヴァンジェリンに言う。

「うむ。ご苦労、近衛詠春、博麗霊夢。面倒を押し付けて悪いな」

「いえ、こちらこそ」

「あとで迷惑料でも貰おうかしら」

 霊夢は冗談のように言うが、本気でもらえないかと考えながら言う。

「長さん。小太郎君は?」

 ネギが詠春に、一連の事件で戦った同世代の狗族の子を心配して聞く。

「それほど重くはならないでしょうが、それなりの処罰があると思います。天ヶ崎千草についても、まあ、そのあたりは私たちにお任せください」

「そっか」

 ちょっと残念そうにつぶやくネギ。

「それより問題はあの白髪のガキか」

「現在調査中です。今のところ、彼が自ら名乗った名が『フェイト・アーウェルンクス』であることと、一か月前にイスタンブールの魔法協会から日本へ研修として派遣されたということしか。おそらく偽名でしょう」

「ふん」

 魔理沙はそれを聞いて、次は絶対に勝つ。と内心決意する。

 少し歩いて家に到着する。草木が茂っているが、見たところ秘密の隠れ家のような家。

 中に入ると、きれいに掃除がされており、壁の一面が本棚になって古書のようなものが大量におかれている。

「彼が最後に訪れた時のまま保存しています」

 中にある本をみんなが見たり調べたりする。

「どうですか、ネギ君」

 頃合いを見て詠春がネギに話しかける。

「は、はい! 見たいものや調べたいものがたくさんあって、時間がもっとあれば」

「ハハハ。またいつでもきていいですよ。鍵をお渡ししましょう」

「あの、長さん。父さんのことを聞いていいですか」

 父とのつながりがないネギは少しでも父のことが知りたく聞くと、

「ふむ。そうですね。このか、刹那君こっちへ。明日菜君も。あなた達にもいろいろ話しておいたほうがいいでしょう」

 木乃香と刹那、アスナ、エヴァンジェリンと茶々丸が3階の一番奥の部屋に集まる。

「私も聞かせてくれ」

 そこに魔理沙もやってくる。

 魔理沙を特に咎めることはせず、詠春はネギたちに机に置かれている写真を見せる。

「この写真は、サウザンドマスターの戦友たち」

 写真には右からタバコを吸った白スーツのおじさん。刀を持った若い詠春、その前に小さな子供のような白髪の少年。白髪の少年の横にはネギそっくりの青年。そして、その左隣には本を持った若い男。そして、写真中央の奥に剣を肩にかついだ色黒の長身の男。そして、本を持った若い男の隣には、眠そうな目をした紫髪の少女が映っている。

「20年前の写真です」

 全員がネギの父親のイケメン具合に、ネギも将来こうなるのか、などと話していると、アスナはなぜか写真の一人に何か既視感を覚える。

 アスナはわけがわからず自分の頬をつねっている。

「おい、これ、パチュリーじゃねーか!」

 写真を見た魔理沙が写真の一番左にいる眠そうな目をした少女を指さして言う。

「おや、パチュリーのことをご存知ですか」

「なんでここに」

 詠春に詰め寄って問いかける魔理沙。

「その写真に写っているのは、サウザンドマスターの戦友です。つまり、パチュリーも私たちの戦友です」

「ま、マジか」

 まさかの驚愕の真実に魔理沙は驚く。

「私は、かつての大戦(おおいくさ)でまだ少年だったナギと共に戦った戦友でした。そして、20年前に平和が戻ったとき、彼はすでに数々の活躍から英雄、サウザンドマスターと呼ばれていたのです」

 ほうほう。すげーな。

 魔理沙は説明を聞きながら声には出さずに聞く。

「天ヶ崎千草の両親もその戦で命を落としています。彼女の西洋魔術師への恨みと今回の行動もそれが原因かもしれません。

 以来、彼と私は無二の友であったと思います。しかし、彼は10年前に突然姿を消す。彼の最後の足取り、彼がどうなったのかを知るものはいません。ただし、公式の記録では1993年、死亡――。それ以上のことは私にも、すいません、ネギ君」

「い、いえ。そんなありがとうございます」

 3階から吹き抜けとなっているところを眺めるネギ。

「結局手がかりなしか。残念だったな、兄貴」

「ううん。そんなことないよ、カモ君。父さんの部屋を見れただけでも来た甲斐があったよ」

「そうか?」

 詠春が何か巻いてある紙をネギに渡す。すると、そこに朝倉がやってきて記念写真を撮ってないから撮るよ、と言い出し、1階の部分で、霊夢と魔理沙以外のメンバー全員の写真を撮る。

 そして翌日の京都駅。

「ハーイ。皆さん、この後私たちは午前中のうちに麻帆良学園に到着。そのあとは学園駅にて解散。各自、帰宅となりまーす。みなさーん、修学旅行楽しかったですかー」

 しずな先生の言葉にみんなが、はーい、などと大盛り上がりで返事をする。

 そして、ネギに〆の一言をお願いすると、地面に置いてあったリュックに引っかかり、転んでしまう。

 そして、新幹線の中ではほとんどの生徒が眠ってしまい静かになっていた。

 魔理沙も同じように寝て、霊夢は大入と札を書いて時間をつぶしていた。

「これが、紫の言っていた渦なのかしらね」

 つぶやきながら札を作る霊夢。

「ならば、渦はどんどん大きくなる。次は、何が起きるのかしら」

 高速で景色が流れる窓の外を見る。

 修学旅行編、完結

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