魔法先生ネギま project in TOHO 作:水崎雨月
思いつかなかったら8巻の内容に飛びます(旧作の魔界組について調べているのですが、いまいちよくわからず……)
幻想郷。紅魔館、地下図書館。
そこの主、パチュリー・ノーレッジはソファーにだらけて座り、一枚のカードを親指と人差し指で挟んで上下へパタパタと揺らしながらカードの絵柄をボーっとみている。
カードには、パチュリーの絵が描いてある。右手で本の上を掴み、片手だけで開いた本を向けている絵。その本には白紙が広がっている。
次にパチュリーはテーブルの上においてある写真を一瞥する。そこにあるのは、かつての仲間たちと撮った集合写真。
「パチュリー様」
突如、パチュリー以外いない空間のはずのこの部屋で、パチュリーを後ろから声をかける人物。
「また時間を止めたの? 咲夜」
この声掛けになれてしまったパチュリーはそうつぶやいて後ろを見る。そこにいたのは、この館で唯一の人間、十六夜咲夜。
「紅茶のおかわりはいかがでしょうか」
パチュリーは机の上のティーカップを見る。冷めてしまった紅茶が若干残っている。
「そうね、お願いするわ。もったいないからそのまま入れていいわよ」
「はい」
なれた手付きでティーポットからカップに入れる咲夜。
昨夜が紅茶を入れているときも、パチュリーはさっきと同じようにカードをパタパタと動かす。
そして、咲夜は紅茶を入れながらそのカードが気になるようで、チラチラと視線を向ける。
「………。このカードはね」
パチュリーは一度も咲夜を見ずに、気にしているだろうという推測から勝手に答えだす。咲夜は考えていたことがバレたと動揺して紅茶をこぼしそうになるが、なんとか一滴も落とすことなく入れ終わり、テーブルに置く。
「魔法使いの契約の証、アーティファクトカード、私専用の魔道具のようなものよ」
「魔道具、ですか」
「そうよ。私の昔の仲間との契約した証。ま、全然使えないアーティファクトだけど」
カードに記載されたアーティファクト名は、『Hoc esus』。
パチュリーは使いづらい専用のアーティファクトの効果を思い出して苦虫を噛み潰したような顔をする。
最後に使ったのはいつかしら。確か、幻想郷に来る前、レミィと喧嘩したときかしら。
そんなことを考えながらパチュリーは裏面を見る。魔法陣と、契約主の名前、ナギの名前が書かれている。
「そういえば、パチュリー様」
思い出したかのように声をかける咲夜。
「スキマ宅急便から魔理沙が撮った写真が届きまして」
「そういえば外の世界に行ってるんだったわね」
「これなんですが」
写真の束をパチュリーに渡す咲夜。
そこに写っているのは美しい風景、そして楽しそうに笑う魔理沙や知らない娘たち。
「京都ね。懐かしいわ」
旧友の1人の出身地であり、かつて行ったことのある風景を思い出して呟く。そして、
「あら」
写真をめくっていくと、懐かしい初老の男の姿が写っている。
「詠春じゃない。年取ったわね」
「お知り合いですか?」
「私の旧友の一人よ。私の知る限り世界最強の剣士ね」
咲夜は優しそうな御仁にしか見えないのに、とギャップに驚く。
そして、次の写真を見た瞬間、
「!?」
パチュリーの目が見開き、明らかに動揺し始める。
「……ア、アス、ナ?」
写真に写っているのは、笑顔のアスナとこのか、そしてこのかにむりやりフレーム内に収まるように引っ張られている刹那。
三人の写る写真を見て固まるパチュリー。
「パチュリー様?」
明らかに様子がおかしくなったパチュリーを咲夜が心配して声をかける。
「……大きく……なったわね」
数年前、魔法界
港で海に向かって、コンクリートのような足場に座って本を読むパチュリー。波の音をBGMにページをめくる。
そこに近づく一人の小さな影。
すぐそこに来て、パチュリーはその存在に気づく。顔を上げるとそこにいるのは無表情でパチュリーを見る少女。
「あら、アスナ。どうしたの?」
「ナギが、いない」
「はぁ? あいつどこ行ったのよ……。まぁいいわ。ナギは私がここにいるのは知ってるはずだし、私と待つ?」
アスナはパチュリーの隣に座る。
それを見て、再び本に視線を戻す。
この子、私には懐いてないから、2人きりはやめてほしいのに……。
パチュリーはそんなことを考えながら本を読み、そして、数ページ読んだところで退屈そうにしてたアスナが声をかけてくる。
「パチュリーって、ずっと本読んでる」
「ん? そうね」
「そんなに本って面白いの?」
「ええ。面白いわよ。それに、知識は力となるしね」
「知識は力?」
首を傾げるアスナ。
それを見て、パチュリーは表情が出てればかわいい仕草なのに、と思いながら疑問に答える。
「そうよ。力って聞くと腕っぷしだと思うでしょうけど、私みたいな魔法使いには腕っぷしはそこまで必要ではないの。だって、ナギと違って殴り合うことはしないもの。そうなると、魔法使いの力とは、魔法の習得数や熟練度になる。それはつまり、知識なのよ。だって、覚えていないと魔法なんて使えないもの」
「んー、パチュリーの言うことはわかる気がする」
「今はそれでいいわよ。できればアスナからナギにいい加減あんちょこ見ないで呪文唱えろって言ってほしいくらいだし」
頭に手をポンっと置くパチュリー
「うん。わかった」
「パチュリー様!」
昨夜の声で昔を思い出していたパチュリーは現世へと引き戻される。
「どうされたのですか? その写真を見てからぼーっとされましたが」
「だ、大丈夫よ。昔を思い出していただけ」
写真を改めて見る。
そこに写るアスナの姿。笑顔で写る姿に、
タカミチが頑張ったのね。
かつての頼りなかった少年を思い浮かべて思う。そして、
「でも、これはどういう因果関係なのかしら。霊夢と魔理沙が行った場所に、偶然にもあの子がいるなんて」
写真を更に見れば、エヴァンジェリンの姿に、ネギの姿。
「エヴァに、ナギの息子……。偶然にしてはできすぎている。これは調べる必要がありそうね」
アーティファクト名は翻訳サイトでラテン語変換でやったのですが、カタカナの読み方がわかりません。読み方がわかる場所なんかないでしょうか。ローマ字読みだとのことですがわからず。