魔法先生ネギま project in TOHO   作:水崎雨月

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初めての海

 そこから数日、ネギが古菲にカンフーを教えてもらい、エヴァンジェリンの弟子になったり、夕映に魔法使いのことがばれたりしたが、よくわからんうちに霊夢と魔理沙は飛行機に乗せられ、そして、

「海だーーー!」

 クラスの大半が砂浜を走り、海に飛び込む。

「………。霊夢」

「ええ。わかってるわよ」

 赤色で白い水玉のついたビキニ型の水着を着た霊夢に、白色で星のマークがついたワンピース型の水着を着た魔理沙。2人ともここに来る途中に運動部4人によって買わされたものだった。

「これが、海か!!!!!」

 魔理沙が大興奮で叫ぶ。

 幻想郷内に海はない。ゆえに、霊夢も魔理沙も海を見たことはない。聞いたことはあるが、あまりの広さに2人は圧倒される。

「確か、塩水、なんだよな」

 魔理沙は恐れ恐れ近づいていき、指先を海の水につけると、それをなめる。

「マジで塩水だ! すげぇ!」

 魔理沙はそういうと、水に飛び込む。そして古式泳法でばちゃばちゃと泳ぎまくる。

「霊夢もこいよー、わぷっ」

 霊夢に声をかけた直後、波に飲み込まれてその姿が水の中へと消える。

「……」

「ぶはっ。しょっぺ。楽しー!」

 魔理沙が水から勢いよく出てきて笑いながら言う。

 さすがに危なくて行きたくないわね。

 霊夢はそう考えてパラソルの下で寝転がろうと歩き出すが、それを、まき絵が腕をつかんで止める。

「へ?」

「霊夢ちゃんも遊ぼうよーー」

「ちょっ、いや、私は」

 強制的に海へと連れていかれる霊夢。

 その後、まき絵はネギのところに行くというので別れ、霊夢は潜って、水の中の風景を楽しむ。

 魚がいないわね。

 捕まえて焼こうかと考えていた霊夢はつまらなそうに泳ぐ。

 一度息継ぎで水面に上がると、砂浜がちょっと遠くに見える。

 そういえば、遠くまでは行かないように。って言われたわね。奥に行き過ぎると帰ってこれないって。まぁ、私なら飛べば帰れるからいいけど。

 先ほど大河内に注意されたことを思い出すが、別に気にせずに再び潜る。

 数分後、ガチで帰れなくなったので、海の上を飛ぶことで元の砂浜に戻るということをして、魔理沙がキレたのはまた別の問題。

 

 

 

 

 

 夕日が水平線に沈んでいく。それをコテージ群で見る魔理沙と霊夢。霊夢はなぜか水面に立っている。

「お前な。人に見られたらどうするんだよ」

「感知結界張ったから。見られたらマズイのが来たら潜るわよ」

「潜るなよ」

 霊夢と魔理沙はそんな話をしていると、ネギとカモ、のどかと夕映も現れた。

「あ、霊夢さん、魔理沙さん」

「よう。どうした? なんか今日、ネギ、やけに落ち込んでなかったか?」

「そうね。それはちょっと気になっていたわ」

 霊夢は振り向かずに夕日の方だけを見てつぶやく。

「実は、アスナさんと喧嘩を……」

「……ふーん」

「そりゃ災難だな。喧嘩の原因は?」

「それが、わからなくて……」

「「………」」

 霊夢、魔理沙が無言になる。

 この少年は、余計なことをして知らずに怒らせたな。

 2人の思考は一致した。

「まぁ、ここに会話の内容があるんだが」

 カモが紙の束を取り出す。

「そこでゆっくり話をしましょう」

 夕映の提案で屋根のあるところで4人でその文章を読む。

「……おい、ネギ。これはそりゃ怒るだろ」

「パイ〇ンってとこ?」

「ああ」

 魔理沙と霊夢が夕映とのどかが読んでいるところを後ろから見てつぶやく。

「うぅ。すみません」

 ネギが涙目になって謝る。

 すると、夕映が、アスナは無関係の人間なのだからというところで怒ったのでは、と教えてくれる。そして、

「ネギ先生。私たちも魔法使いになれないのでしょうか」

 と聞いてくる。

 ネギも驚き、危険に巻き込みたくない。と断ろうとするが、危険も承知で足を踏み入れる決意をした、と食い下がらない。

 さらに、仮契約をできないか、とも聞くと、ネギが真っ赤になる。

「「?」」

 仮契約のことを知らない霊夢と魔理沙は首をかしげる

 そこに朝倉が来て、のどかと夕映が仮契約(パクティオー)についての詳細を知らないことを看破し、夕映の耳元だけで仮契約(パクティオー)にはキスが必要だと説明する。

 のどかに知られないように夕映は焦りだすが、そこに木乃香と刹那が来て、パクテオーてキス以外にやり方ないんー? などと爆弾発言をしてしまう。

 魔理沙の全部説明しろ! の言葉で、朝倉が詳しく説明してくる。

 魔法使いの従者としての契約。仮契約(パクティオー)は魔法使いとキスをすることで契約が完了する。魔力の供給を受けたり、専用のアイテムが与えられることがある、など。

「へぇ。接吻一つでアイテムがもらえるの。面白いわね」

「せ、接吻か……」

 平然としている霊夢に対し、魔理沙は顔を真っ赤にしてつぶやく。

「しかし、仲間が一気にそろってきやがった。こいつぁ、なかなか戦略の立て甲斐があるぜ」

 カモがネギたちの戦闘スタイルから前衛後衛を考え出す。

「そういえば、霊夢の姐さんの戦闘スタイルは?」

「なんで教えないといけないのよ」

「霊夢は博麗の巫女だからな。妖怪退治に使う札や針を投げつけることもできる。最も得意なのは結界術や封印術だな。さらに、霊夢にかかればどんな封印も簡単に解除できるぜ」

 答えずに離れようとする霊夢に対し、魔理沙が勝手に答える。

「ちょっと!」

「ほほう。なら後衛ってところか」

「いや、霊夢は体術もできるぜ。ほい!」

 突如、魔理沙が霊夢に向かって拳を振るう。

 霊夢は不意打ちで飛んできた拳を回避すると、その腕をつかんで背中に魔理沙を背負う形ををして、背負い投げの容量で魔理沙を投げつけて、海に落とす。

「なにするのよ」

「あの。博麗の巫女ってなんなんです?」

 水面に浮いてきた魔理沙の頭を右足で踏みつけて、ぐりぐりしている霊夢を見ながらネギが問う。

「ぶはっ。殺す気か!」

「私の知っている情報でよろしければ」

 刹那は博麗の巫女について語りだす。

「まず、ネギ先生。妖怪については、ご存知ですよね」

「はい。京都で戦った鬼たち、ですよね」

「ええ。広い定義で言うならば、ネギ先生にも身近な吸血鬼なども分類されますが……。彼らは一部の例外を除き、人間たちに認知されていなければ存在を維持できないんです」

「認知……。なるほど。つまり、忘れられた場合……」

「はい。ネギ先生の予想通り。その存在そのものが消えてしまいます。科学による研究で昔は妖怪の仕業とされていたものも科学的根拠によって存在が消えてしまう。そういった可能性もありました。それを恐れた妖怪の賢者とされる妖怪は、とある山奥に妖怪を集めて、結界を張ることで妖怪の楽園を作り出しました。これが、幻想郷、お2人の故郷です」

「つまり、お2人は妖怪、なのですか?」

「違うわよ!」

 夕映が控えに聞くと、霊夢はすぐさま大声で否定する。

 まさかの大声でみんなが驚きのあまり固まる。

「私はまっとうな人間よ」

「おい、霊夢。その言い方だと私は普通の人間じゃないみたいじゃないか」

「あんたはあっち側に片足入れ始めてるでしょ」

「いやいや。そこまで行ってねーよ」

 他を放って喧嘩を始める二人。

「あの2人は置いておいて。先ほども言いましたが、妖怪は人間に認知されていなければなりません。つまり、幻想郷は妖怪の楽園と言いましたが、妖怪を認知し、恐怖する人間がどうしても必要になります。いうならば、幻想郷内は妖怪と人間が共存して生きている特殊な土地ということになります」

「ついでに言うと、食物連鎖のような妖怪は人間を襲い恐怖させ、私たち人間は妖怪を退治する。という関係性も必要になるわ。だからお遊びで妖怪と人間は競い合ったりするわ」

「霊夢や私はその妖怪と競い合って疑似的な退治を行う、妖怪退治屋ってわけだ。むろん、幻想郷の決まりを守らない妖怪は本当に退治するけどな」

 霊夢と魔理沙が喧嘩を一時中断してそれだけ付け加える。

「そして、その結界を維持、管理する役割を持った幻想郷のバランサーが、博麗の巫女と呼ばれる存在です。これが、私が知っている情報のすべてです」

 話を終えると、まず霊夢が反応する。

「よくもまぁ、そこまで情報を探れたわね」

「霊夢さん、一つ警告しておきますが。幻想郷に入って妖怪を殺して楽しみたい、と考えている連中がごく一部ですがいるとのことで、その者たちもこの程度の情報はつかんでいます。霊夢さんが博麗の巫女だと知られれば、彼らが襲ってくる可能性があります」

「そんなもの。来たら逆にぶっ飛ばすわ」

「まぁ、霊夢さんならできるでしょうね……」

 その後、カモが霊夢が前衛も後衛もできるという考えでどんどん床に書いていくが、アスナがいないと前衛が足りなすぎる、ということに気づき、ネギに言い、ネギはすぐに謝りに行く。

 ネギとアスナはその後なんとか仲直りしたらしい。

 

 

 

 

 

 そして、地球のどこかでは。

「………魔理沙。なつかしいわね」

「おや。お知り合いですかな」

 メイド服を着た金髪の女性と、黒いスーツに黒い帽子をかぶった老紳士が歩いていた。

「ええ。昔ちょっとやりあったことがあるの。あれからどれくらい強くなったのか、興味深いわね」

「ほう。私もネギ君がどれほど使えるようになったのか、とても興味があります。私と同じですね」

「あんたと一緒にしないで、変態」

「変態ではないのですが……」

 奇妙な2人だ。横並びに一緒に歩いているのだが、老紳士よりもメイドの少女のほうが言葉に力がある。そう、メイドのほうが立場が上な雰囲気があるのだ。

「さぁ、日本に行きましょうか」

「ですな」

 

 

 

 

 

 

 

 幻想郷

『アリスちゃーーーん』

「神綺様。涙と鼻水で汚らしいです」

『あぁーーん。アリスちゃんが冷たいーー」

「もう。何の用ですか」

『夢子ちゃんと連絡が取れないの~』

「そんなの知らないわよ」

 そんな会話があったとかなかったとか。

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