魔法先生ネギま project in TOHO 作:水崎雨月
今まで(自分では)張ったつもりの伏線を少しずつ回収していく章になる予定です。
××××年××月××日 地球のどこか
一人の少女が懐中時計を手に見つめている。
静寂な月と星の輝きしかないこの場所に響き渡るのは時計の時を刻む音のみ。
「ミルクの様に濃厚な魔力ね」
その静寂を打ち破る女性の声。
一人の女性が少女の後ろから突如として声をかけた。しかし、少女は後ろから突如話しかけられたにしては慌てずに、最初から声がかけられることがわかっていたかのように返事をする。
「そうネ。これでカシオペアは起動するヨ」
女性は少女の隣に立つ。
女性は、脇の部分が離れている赤と白の服、巫女服のようなものを着ていて、頭には大きなリボン。それで髪を一つに束ねている。見た目からして20代といったところだろうか。
「本当に行くの?」
女性の問いかけに少女は笑みを浮かべる。
「もちろん。これは私の悲願ヨ。もしかして止めるつもりかナ?」
「止めても行くんでしょ? ならそんな無駄なことはしないわよ」
いじわるを言うような笑みをする少女にため息をつきながら答える女性。
「おーい、私も連れて行ってくれよ」
そこに、黒髪に白と赤のメッシュが混在した頭に、小さな二本の角を持っている、赤色の瞳の少女が走ってきて、懐中時計を持つ少女に抱きつく。
「ちょっと正邪。何言ってるのよ」
女性が正邪と抱きついた少女の名を言うと、
「そうだよ、正邪。正邪は私と一緒にいるの!」
新たな少女の声が正邪の服の中から聞こえてくる。
正邪の服装は、矢印がいくつも連なったような装飾がなされているワンピースのようなもので、腰には上下逆さになったリボンを付けている。足元は素足にサンダル履き、右腕にのみブレスレットを付けてた。
服が一部膨らみ、もぞもぞって膨らんだ箇所が動くと、それがどんどん上へと登っていき、襟元から、小さな赤い着物を着た少女が現れた。
正邪は、へいへい、と言うと、
「わがままなお姫様ですなー」
嫌そうな感じでいうが、声色はそんな感じには聞こえなかった。
「針妙丸。あなた、どうしてそんなところにいるのよ」
女性が小さな少女の名前を言う。
「正邪が勝手に行かないように監視してたの」
「心配性な姫様ですねー」
ニヒヒ。と笑いながら言う正邪。
「正邪さん、私一人で大丈夫ヨ」
「それに、この子だけ行くって決まったでしょ? わがまま言うんじゃないの」
「天邪鬼の私は行くなと言われれば行きたくなるもんでねー」
「ダメよ」
「はいはい。わかってるよ」
針妙丸が正邪の頭の上まで登る。
「そうダ。向こうで魔理沙さんと霊夢さんを誘いたいんだけど、何か良い手はないかナ?」
「そう、ね。魔理沙は科学の魅力を見せてあげればいいんじゃない? あの子好奇心旺盛だったし」
「なるほどなるほど。霊夢さんは?」
「
「なるほど。じゃあ嘘をつかずに仲間に引き入れてやるネ」
少女がゆっくりと歩きだす。
それを3人は動かずに背中を見る。
「そういえば、名前はそれで本当にいいの? もっとわかりやすいようにしたら? スプリングフィールドだから、
「いや、このままでいいヨ」
「そう」
十分離れたと認識した少女は、手に持っている懐中時計を操作する。すると、上空に巨大な魔法陣が何層にもわたってできる。
「さて、帰ってきたときは泣きっ面か、笑顔か」
「もちろん、笑顔で帰ってくるヨ」
「じゃあ、泣きっ面で帰ってくる方に賭けようかしら」
女性がニヤニヤしながら言うと、少女は女性を見て頷く。そして、魔法陣が強く輝きだし、少女の姿が消えた。
それを確認した正邪と女性は後ろを向き、歩き出す。もうこの場には用がないというかのように。
しかし、すぐに再び魔法陣が浮かび、若干背が伸びた少女が帰ってきた。
「さて、泣きっ面か笑顔か、数年たっても覚えてるわよね?」
女性が振り向きながら問うと、
「もちろんヨ」
そう言う少女の表情は、…………。