魔法先生ネギま project in TOHO 作:水崎雨月
「アリスは帰ったの?」
「ああ。外の世界の人形屋やら布とか綿とか売ってる店とかめぐってたらしいな」
「じゃあまた新しい人形ができそうね」
ずり落ちてきたカバンを持ち直す霊夢。
「ねぇ、周りなんか変じゃない?」
霊夢が周囲を見渡して言う。
登校はいつも2人で歩く。
しかし、周りの風景がいつも違う。
恐竜のようなぬいぐるみが走っていたり、ロボットのようなものもいる。
不審な周囲の光景に霊夢が訝しげに見ている。すると、目のまえに巨大な門のような建築物があることに気づく。
「な、あんなのあったか?」
「まるでパリの、なんとかって門みたいね」
「パリの、凱旋門か?」
「そう、それ」
魔理沙は近くにいた作業員のような恰好をした若い男に声をかける。
「なぁ、あんちゃん。あれなんだ?」
「なにって、学祭門だよ。もうすぐ学園祭だからね。木製だけどね」
「門でこんなの作るって、どれだけ規模でかいんだよ」
話をさらに聞いていると、全学園合同の学園祭で、中高の中間テストが終わってから本格的な準備期間。しかも部費も学祭で稼ぐサークルがあるとかで、とてつもない規模になっているらしい。
「いや、やばすぎるだろ」
学園祭の規模に驚きながらも2人が教室に入ると、なぜかクラスの三分の一が制服ではなく、別の服を着ていた。
「なにこれ」
「3-Aの出し物は『メイドカフェ』がいいのでは、となりまして」
メイド服を着た委員長がそんなことを言ってくる。
「確かお金稼げるんだっけ? それなら結構集客ありそうね」
霊夢が関心していると、ハルナが霊夢の肩に手を置く。
「さ、霊夢ちゃんも着替えようか」
「は?」
「ほらほら、一名様ご案内ー」
「え、いや、ちょっと」
そのまま裕奈が霊夢の腕をつかんで引っ張っていく。
そのまま同じメイド服を着せられる。
黒いスカートに白いエプロンを付けたメイド服。
頭にはホワイトブリムではなく、ドアキャップのような帽子をかぶる。
霊夢が着ているのは委員長と同じタイプ。唯一違うのは、頭にかぶっているのは柿崎と同じタイプだ。
「まぁ、ロングスカートでよかったわ。正直制服のスカートも短いのよね」
スカートのつまんでひらひらさせる霊夢。
「えー、短いほうがかわいいよー?」
まき絵が近づいてきてそんなことを言ってくる。
「言いたいことはわかるけど。正直制服のスカートももうちょい1,2センチぐらい長くてもいいと思うのよね」
「えー、そうかなー」
まき絵は自分のスカートをつまんでピラピラとする。
「ならスカート長くすりゃいいじゃねーか」
魔理沙がツッコミを入れたところで、
「おはようございます」
ちょうどネギが教室に入ってきたので、柿崎、朝倉、委員長、桜子、
「いらっしゃいませーー。ようこそ。3-Aメイドカフェ。『アルピオーニス』へ」
ネギを出迎えると、ネギは何事かと驚く。
「3-Aの出し物が『メイドカフェ』に決まりましたの」
「ウチの学校、お金儲けしていいからね。お小遣い稼ぐならこれだよ!」
そのまま練習としてネギがお客第一号として接客を始める。
ソファに座り、桜子と柿崎の接客を受けるネギ。なぜかホストのような感じとなっており、円がカクテル飲んでいいかな、と言い出したり、桜子が胸の谷間に指した栓抜きをネギに取らせようとメイドカフェとは思えない雰囲気となっていく。そして、
「ハイお会計です。7800円となります」
桜子の言葉にネギが真っ白となるが、さらに追い打ちがかかる。
「ネギ君、見て見て。まだいろいろ衣装用意してあるよー」
チャイナ服のような給仕服や大正娘のような衣装、バニーガールなど、いろいろな衣装を着たメンバーが現れ、
「1万2000円になります。払え」
見ただけで料金が発生。さらに真っ白となるネギを置いて、朝倉と祐奈が何か足りない、と思考し、
「よし。龍宮は巫女!!」
「何?」
「ミニスカシスター」
「え、うん」
「猫耳スクール水着」
「え、意味がよく……」
「ミ、ミニスカ猫耳ナース」
「ひぃぃ!? なんやソレ」
「んんーーー。よ、幼稚園」
「よっ」
「えーと、女王様」
「ぜ?」
袴が短い巫女服を着た龍宮に、ミニスカのシスター服を着た春日。さらに顔を真っ赤にしたミニスカでさらに猫耳猫しっぽを付けた和泉に、同じように猫耳と猫しっぽをつけてスクール水着を着て顔を真っ赤にした刹那。体操服を着た史伽に、赤ずきんの恰好をした風香。そして、ボンデージを着て、鞭を持った魔理沙が現れる。
やりすぎたか。と言い出しっぺの朝倉たちが真っ白になっていると、ネギがさらに2万4000、と追加で支払いを求められる。
「ふふ。二人とも甘いわね」
そこにさらにトラブルメイカーのハルナがしゃしゃり出てくる。
「このクラス、素材がいいのが多いんだから、味付けは薄味が基本」
そう言って着替える図書館組3人。普通にウェイトレスの恰好をしたのどかが前に出てきて、フツーにカワイイ、と高評価を得る。
「2万7000円」
「ピギィ」
そこに新田先生が教室に入ってきて、
「お前ら、朝っぱらから何をやっとるかー!」
「ひいい」
「新田先生、私たちはマジメに学園祭の出し物の討議を……」
「もう
「はうう」
「全員正座ー!」
「ぎゃーーー」
時間が変わって夜。
霊夢はだれもいない校舎の屋上に空から降り立つ。
服装は麻帆良の制服でも巫女服でもない、普通の洋服。修学旅行のときに着ていた赤いTシャツに白いズボンだ。
周囲を見る霊夢。しかし目当てのモノが見つからなかったのか、携帯を取り出して時間を確認する。
そこに、
「時間ぴったし。すごいネ、霊夢さん」
霊夢に声がかけられる。そちらを見ると、そこにいたのは、超鈴音。彼女は制服姿だ。
「……わざわざ呼びつけて、何の用?」
霊夢は携帯をポケットにしまう。放課後に帰宅するとき、下駄箱に入っていた手紙に、この時間にこの場所に来てほしい、と超の名前が書かれた手紙が入っていたのだ。
「霊夢さんにお願いがあるネ」
「お願い、ねぇ……。内容によるわ」
お互いがギリギリ手が届かない距離で対峙する。まるで、間合いを計るような雰囲気だ。
「霊夢さん。私の仲間になってくれないカ?」