魔法先生ネギま project in TOHO 作:水崎雨月
「あんた何してんのよ」
「ふえええええん」
夜の教室で霊夢がさよを呆れた目で見ている。さよは涙目になっている。
悪霊として新聞に載ったことについて、昼間に言おうとしたが昼間は姿を見えなかったためこの時間になってしまった。
「ん?」
すると何やら騒がしい声が聞こえてくると、なんと変な銃のようなものを持った3-Aのクラスメイト達が教室に入ってきた。
「なにあれ……?」
「あれ、霊夢ちゃん? やる気満々だねー」
銃を持った5人のうちの1人のまき絵が霊夢に気づいて声をかけてくる。
「やる気満々って何のことよ」
「あれ、聞いてないの? 私たち、幽霊『相坂さよ』除霊討伐隊だよ」
聞いてないわね。
さよはまき絵の言葉を聞いてガクガクと震える。
「ひいい」
「
「またあいつか……」
霊夢は呆れたようにつぶやく。そして、
「てか、帰んなさい。別に無理して除霊する必要ないわよ」
「え、なんで?」
「悪霊じゃないからよ。悪霊になる気配もないし」
「霊夢ちゃん、見えてるの?」
「ええ。今ここに―――」
と、霊夢がさよを指さす。
「総員、除霊銃準備開始ー!」
直後、祐奈が声を上げ、銃を構える。他4人も霊夢が指をさしたところを標準に構える。
「ちょっ、待ちなさい、あんたた―――」
「照射!」
祐奈の言葉と同時に全員が引き金を引く。するとレーザーのようなものが照射される。
「うわああ、何か出た」
「あのタヌキ、なんてもん作ってるのよ」
「ひいいいい」
どうやらレーザーを回避できたらしいさよ。しかし、恐怖のあまり力み過ぎてしまったのか、教室中の机や椅子が宙に浮きだす。
「ぽ、ポルターガイスト!?」
「キタコレ、マジの心霊現象! 激写!」
机と椅子が教室中と飛び回る怪現象を目にキャーキャー叫ぶクラスメイトたち。
「さよ! 今すぐ能力を抑えなさい!」
霊夢が涙目のさよに向かって近づきながら叫ぶが、さよ自身もどうすれば収まるのかわかっていないようでアワアワと慌てている。
霊夢が近づいたのを見て、狙いの幽霊がそこにいると断定した裕奈が銃を構える。
「そこだー! 除霊銃照射開―――」
「させるか」
霊夢は自身の武器である針を取り出すと、裕奈の銃めがけて投げる。針は見事、レーザー照射の穴に吸い込まれる。
すると、引き金を引いてもレーザーが照射されることはなくなった。
「あ、あれ?」
「精密機械って余計なものがあるだけでも動かなくなるのよね」
「うそぉ!」
「むむむ、こうなったら、予定を変更して」
その光景を見てたカモがそう呟き、
「先生! 先生!」
その声に続いて龍宮と刹那が教室内に入ってくる。
「うむ。仕事料は弾んでもらうぞ」
「いいのかなー、みんなの前で」
完全に仕事着の2人に対し、霊夢は怪訝な顔をする。
「そこだ!」
龍宮が小さな針を何発も同時に放つ。それはさよのすぐ横を通って壁に突き刺さる。
「ひぃぃ」
「逃がさん!」
龍宮が銃を構えてさよのいる方へ突っ込もうとするが、そこに、
「待ちなさい、真名」
霊夢がお祓い棒を構えて龍宮の動きを抑える。
「霊夢、邪魔をするのか?」
「そりゃするわよ。どう見ても悪霊じゃないし。なる気配もないもの」
「なるほど。しかし、君にとってその幽霊、守る必要のあるものなのか?」
「………そういわれてみればそうね」
龍宮から視線を外し、さよのほうを見ながらつぶやく霊夢。
その言葉を聞いたさよは震え上がるが、
「まぁ、でも。60年一人だったらしい可哀想な子を、問答無用で強制成仏させてやるほど、私は鬼畜じゃないわよ」
「そうか。残念だ」
龍宮の雰囲気が変わったことを感じて霊夢はお祓い棒を強く握る。
……強いわね。
「霊夢さん、申し訳ないですが、我々も依頼された身」
刹那も刀を構える。居合の構えでいつでも抜けるようにしている。
「いいわよ、2人ともまとめてかか―――」
「あの、相坂さん。あなたが出ていた目的は何ですか?」
霊夢はのどかのそんな声が聞こえてきて言葉を止める。
そうか、のどかの読心術の本ならさよが友達がほしいって思ってることがわかるはず。これで解決ね。無駄な戦いする必要なさそうね。正直、龍宮と刹那2人まとめて相手はつらそうだし。
そう考えて、お祓い棒を下ろそうとする霊夢。だが、
「あ、悪霊ですー!やっぱりこの人悪霊ですぅー!」
のどかは焦った声を出して本を思いっきり閉じる。
「宮崎!? なんでそうなるのよ!」
まさかの反応にさすがの霊夢も叫ぶ。
「宮崎さんの読心術は本物です。霊夢さんより宮崎さんのほうが信用できます」
あー、もう。あの子何してるのよ。
「そうなるわよね……」
呆れたようにぼやく霊夢。
「宮崎! もう一度確認しなさ――」
ここまで言って霊夢はしゃがむ。そこに、刹那の刀による一閃が来てギリギリで回避する。
「刹那!」
「峰打ちですのでご安心を」
「どこも安心できないわよ」
しゃがんだ状態で刹那の足を蹴り飛ばして足払いをして転ばせる霊夢。
その隙に龍宮がさよに向かって走り出す。
「待ちなさい」
さよは教室外に逃げていき、龍宮がそれを追いかける。さらに霊夢もそのあとを追い、起き上がった刹那がそれをさらに追いかける。
「ふっ。ずいぶんと隠密性の高い霊体だな。だが、我が魔眼からは逃れられん」
銃をさよに向かって撃つ龍宮、それを偶然にも当たらず逃げているさよ。
「待てって言ってんでしょうが!」
龍宮のすぐ上空に零時間移動をする霊夢。そして、そのまま蹴飛ばそうとするが、龍宮はわかっていたかのように回避する。
「ふっ」
龍宮は霊夢に向かって銃を向ける。
「悪いな、霊夢」
「くそ」
銃撃を回避しきれず銃弾が肩に当たり吹き飛ばされる。
「すまない、霊夢さん。悪霊退散奥義」
撃たれて床を転がる霊夢の横を刹那が通り抜ける。
「斬魔剣」
霊的な物を斬ることができる神鳴流の奥義を刹那は使用するが、さよは再び避ける。
「みぎゃあああああ」
刹那はさらに追撃をしようと振りかぶる。そこに、
「待てって言ってんでしょうが!」
刹那の影から出てきた霊夢が手刀で日本刀を持っている右手の手のひらを叩いて刀を手放させる。
「なっ」
刀が床に落ちる音が廊下に鳴り響く。
「悪いわね、刹那」
右手を掌底に構えて、一撃で意識を飛ばそうと霊力を込める。しかし、その手首を刹那が掴み、そのまま手を引っ張ることで動きを阻害する。そして、
次に手を放して霊夢の肩を掴んで引き込むと足を絡める。そのままジャンプして空中で前方回転をする。
「神鳴流
「付き合うつもりはないわよ」
零時間移動によって霊夢の姿が消える。刹那は投げをキャンセルして着地する。
「真名!」
「ふっ、霊夢!」
壁に寄りかかり、もう逃げられないさよと銃を向ける龍宮の前に現れる霊夢。射線を体でさえぎるが、
龍宮は気にせず撃つ。
「すまないが、こちらも仕事なものでね」
霊夢は力なく、前から床に倒れこむ。
「さて、そろそろ終わりにしよう。成仏しな」
さよに銃を向ける龍宮。しかし、その銃が下から振られたお祓い棒によって弾かれて、龍宮の手から離れる。
「ほう。急所じゃないにしても確実に撃ち抜いたはずだが」
無傷の霊夢が立ち上がり、お祓い棒を逆手に持って、さよを守るように構える。
霊夢は制服の上着に手を入れると、そこから紙を一枚取り出す。
「防御用のお札よ」
「なるほど。装備に救われたか。ならば、その防御ごと撃ち抜くことにしよう」
構える龍宮。次の瞬間、両手にハンドガンが握られている。
「ま、まってくださーい」
杖にまたがったネギと朝倉がやってきて、さよの近くに着地する。
「ネギ先生……」
「お願いです、龍宮さん。この人は悪い幽霊じゃないんです」
「しかし、ネギ先生」
「さっきからそう言ってんでしょうが」
「友達が欲しかっただけなんだよね、さよちゃん」
朝倉とネギは自分たちで良ければ、と友達になってほしいと伝えると、涙目でさよの姿が消える。
「おーい、どうなったの?」
アスナとこのかもやってきて、
「無事成仏したようですね」
とネギが言ってなぜか感動のシーンにしているが、すぐそこに頭を何度も下げて謝っているさよがいて、
「いや、まだいるけど」
「成仏ってネギ先生、イギリス人じゃ?」
「……ナニコレ」
霊夢は困惑しながらも気にしないことにしてその場を離れた。