魔法先生ネギま project in TOHO 作:水崎雨月
「よしっ。パトロール終了やっ」
PM4時。一度ネギと小太郎の仕事が終了する。
「ああ。君たちは19時まで休んでいてくれ」
「おつかれさまー」
「龍みー姉ちゃんは?」
「私と霊夢はまだ仕事だよ」
「あまり告白する人を撃たないでくださいねー」
「善処するわ」
龍宮と霊夢は一緒にその場を離れようとする。
「ああ、そうだ。ネギ先生」
途中止まってネギに言葉をかける龍宮。
「女のことであまり悩まないことだ。腕は鈍るし仕事にも障る。私からの忠告だ」
「べ、別に悩んでません」
龍宮の言葉を否定するネギだが、龍宮は笑いながらその場を離れる。
「そんなことないと思うけど?」
龍宮についていく霊夢がネギたちには聞こえないようにそう呟く。
「そうか?」
「守る者の重要性っていうのを真名は知るべきじゃないかしら」
「ほう。守る者、か。なるほど」
ま、女の私が言ったところで説得力ないけど。と霊夢はつぶやく。
「むっ。また出たな。行くぞ、霊夢」
「ええ」
「………。あぁ、わかった。だが、本当にやるのか? まぁ、そういうならやるけどよ。あぁ、わかったぜ」
魔理沙は電話を切る。そしてすぐ違う人物へと電話をかける。
「よう。今大丈夫か? 面白い話があるんだが」
初日夜。龍宮神社。
「1000万! 私は出るわよ、真名」
「そうだな。1000万なら私も出てみるか。なぁ? 楓」
「そうでござるなぁ。ばれない程度の力ならば……」
龍宮神社に訪れていた霊夢が賞金額に目がくらむ。しかも飛び入り参加OK。珍しくテンションが上がっている。そして近くにいる真名も楓、
「ええ!? 参加するんですか!?」
ネギがまさかの4人の参加表明に驚く。
「あのー?」
「あいあい」
「遊びの大会1千万ならボロイ儲けだ」
「こんな大会は滅多にないアルよ」
「適当にやって1千万とか。楽勝すぎるわ」
完全に優勝した気の龍宮と霊夢。
「こ、コタロー君。これはや、やばくない!?」
「フン。相手にとって不足ないわ。俺は負けん」
鳴滝姉妹に耳を引っ張られて遊ばれている小太郎はやる気を示しているが、
「負けんって。少し冷静になろーよ」
ネギだけは不安な表情。
「
「アホ! 俺かてあれから毎日修行は怠ってへんわ」
さらに、龍宮と勝負したら殺されるのでは、とネギは恐怖する。
「アホ! お前こそ冷静になれ! たつみー姉ちゃんは拳銃使いやろ。素手なら勝負はわからんわ!」
「で、でも勝てる気がしないっていうか。どう頑張っても僕とコタロー君、4位5位だよ」
「勝手に負けたことにするな!」
「私が眼中にないのがすごく気に食わないんだけど」
ネギと小太郎が自分のことを全く警戒していないことに不満を述べる霊夢。
さらに、
「ほほう。4位と5位か。なかなかの自信だな。私のことを忘れているんじゃないか? ん? ぼーや」
お人形のようなロリータファッションのエヴァンジェリンが現れてそう告げる。
「ま、マスター!?」
涙目で叫ぶネギ。
「約束は覚えているだろうな?」
大会で自分に負ける。もしくは自分と当たる前に負けたら学園祭3日目は大人姿のネギとのデート。
「ハイ! もちろん覚えております!」
敬礼しながら答えるネギ。明らかにまだ龍宮の影響が若干残っている。
そして、小太郎に無理だと小さな声で言うが、小太郎は魔力封じられていて10歳の少女と同じ身体能力だからいける、とネギに語る。
「聞こえているぞ? そこの犬」
10歳の少女と同じだとなめられた言動にエヴァが語る。
「見てくれだけで判断すると痛い目を見るぞ? なんならこの場でひき肉にしてやろうか?」
あまりの雰囲気に2人が怖がっていると、
「やあ、楽しそうだね。ネギ君が出るなら僕も出てみようかな」
白スーツ姿のタカミチが来てそんなことを言い出す。
「なんで貴様がこんなものに出るんだ」
しっしっ。っと追い払うような動作をしながらさっさと帰れとばかりにエヴァがタカミチに言う。
「いやー、ちょっと覗きに来ただけなんだけどね。ネギ君が小さいころにある程度力がついたら腕試ししようって約束したから」
さすがにタカミチと戦うのは嫌なネギは大慌てで修業途中だからまだ先でいい、となんとか回避しようとする。
「あれ? そうかい?」
すると、タカミチがいることに驚いていたアスナが、
「あ、あの高畑先生が出るなら私も出ます!」
なぜか参加するとか言い出す。
現在の参加表明は、龍宮、楓、古、霊夢、エヴァ、タカミチ、アスナ、そしてネギと小太郎。
まさかの人たちの参加にネギが出場を取りやめようかと言い出す。
その表明に小太郎がネギになんで強いやつと戦うのに燃えないんだー、と説教まがいをしだす。
「ああ、ひとつ言い忘れていたコトがあったネ」
そこに、
「この大会が形骸化する前、25年前の最後の大会の優勝者は、学園にフラリと現れた異国の少年。ナギスプリングフィールドと名乗る、当時10歳の少年だった」
それだけ言い残し、
「そ、そうだったんですか?」
ネギは父親を振るから知るエヴァとタカミチに向かって問うと、タカミチが答えてくれる
「そういえば、そんな話を聞いたような……」
父親の背中を追いかけたいネギは、その言葉で目の色が変わる。
「小太郎君。僕出るよ!」
そう宣言して小太郎が喜ぶ。
まほら武道予選ルール。
20人1組でバトルロワイヤル形式。勝ち残った2人が明日の決勝トーナメントに参加できる。
グループはAからHの8グループ。計16人が決勝トーナメント
20人が揃ったところから勝負が始まる。
霊夢はA組をくじ引きで引いた。
「さっさと終わらせましょ」
A組の戦闘スペースに入ると、霊夢がちょうど20人目だったのかすぐに戦闘開始が合図される。
「へへへ。悪いな、お嬢ちゃん。お兄さんが優しく失格にしてやるからな」
直後、霊夢に一番近くにいた金髪のツンツン頭の見た目不良の男が手を伸ばしてくる。
霊夢は冷めた目でその手を避ける。そしてすれ違いざまに右手を男の手を伸ばしている肩を触れる。
男の耳にゴキッ、という音が聞こえ、男の顔が歪む。そして、断末魔のような痛々しい悲鳴を上げる。
「あ、あぁ、てめえ!」
だらりと垂れた腕と逆の手で拳を握って殴ろうとするが、霊夢は軽々と寸前で躱すと、掌底をがら空きの胴体に叩きつける。
それだけで男の体はトラックに跳ねられたかのように吹き飛ばされる。
「……次」
今の光景を見て、二人同時ならば、と襲いかかる2人の男。一人の拳を受け止めながら反対側から来た男を見ずに後ろを蹴って一撃で倒す。同じようにトラックに跳ねられたかのようにステージ外へと吹き飛んでいった。
そして、間髪入れずにもう一人の腕を掴むとまるでハンマー投げのように横に回転。一回転すると手を離す。遠心力によって、男は宙を浮き、なすすべなく重力によって落下した。
「次」
一番近くにいた体格が霊夢の2倍はあるであろう、不運な大男は、瞬きした一瞬で霊夢の姿を見失うと、次の瞬間、掌底のアッパーが男の顎を打ち上げ、意識を刈り取られる。
「次」
ただただ淡々と、足元の小石を蹴飛ばす程度にしか考えず、作業のように男たちを
無表情で自身の体格以上の男を軽々と舞い上がらせるその姿に恐怖した男どもが10人前後、自らステージを降りて逃げる。
逃げなかった男どもも霊夢に襲いかかると1秒もかからず地面に倒される。
つまらなそうに、ただただ石ころを蹴飛ばす作業をのように男たちを伸していく霊夢。残りは霊夢を入れて3人に。
「次」
「烈空掌!」
道着姿の男が離れたところで掌底を掬い上げるように振り上げる。すると、気弾が放たれ、霊夢に向かって一直線に飛んでくる。
霊夢はそれをつまらなそうに横に一歩ずれるだけで避ける。
「やるじゃねーか! だが、これで終わりだぜ」
道着の男の両手が薄く輝く。気を両手にためていることがよくわかる。
「
だが、その気を放つことを霊夢は許さない。
気がつけば5メートルは離れていたであろう距離を詰めていて、霊夢のドロップキックが道着の男の顔面に叩きつけられる。
そのままステージ外へと飛ばされる道着の男。死んでいるのではないか、と不安になるが、痙攣していることからどうやら生きてはいるようである。ちなみに、霊夢が手加減してくれたのか、骨等は折れておらず、気絶から復帰した途端、すぐに動けるようになる。しかし、霊夢への恐怖心は植え付けられてしまった。
これでA組は残り2人となったため予選終了。霊夢と、次の標的となるはずだった運の良い男は本戦への出場を獲得した。
「一千万は、私の物よ」
すべての予選が終了、明日の本戦。霊夢の相手は、第三試合、長瀬楓となった。
「楓か……。ちょっと苦労しそうね」
「霊夢殿でござるか、大変でござるな」