魔法先生ネギま project in TOHO 作:水崎雨月
1年ぶりぐらい、ですね。
いや、1年前に書いたものを投稿してなかったのが一応残っているんですが。内容が全くと言っていいほど気に入らず。というか、すべてが気に入らないので全てを書き直そうとして納得いくものが全く書けず、もう気分転換(?)に動画作りしたりとかいろいろしてました。というか1年間動画しか作ってなかった。
とりあえず、納得いってないけど。一応できてるところを一気に更新します。続きは書けないかも……。先のことは頭にあるけど、そこに至るまでが書けず、書いても納得いかない……。
完結させないと。って思ってはいるんですが……。
午前6時。誰もいない魔帆良武闘大会の会場に足を踏み入れる魔理沙。
「……。ま、私が参加してもな。魔法みたいな攻撃手段しかないしな」
そうつぶやきながらステージの中心に立つ。
「やあやあ。待たせてしまて、すまないネ、マリサさん」
そこに突如として現れる
「昨日は助かたヨ。霊夢さんに大会のこと知らせてくれて」
「そんなことしか頼ませてなかったが、他にやることはないのか?」
「充分ヨ。マリサさんの仕事は、最終日。そこが一番忙しいネ」
「そうか。わかったぜ」
お互いに笑顔。まるで信頼しきったパートナーのようにも感じる。
「なぁ、私が参加したほうが良かったんじゃねーか?」
「マリサさんのは派手すぎるうえに観客を巻き込みかねないからネ。その点、霊夢さんの夢想封印は巻き込みの心配はいらないうえに、派手ネ」
「そう言われるとなにも言えないぜ」
「その代わりちょっと仕事をしてくれないカ?」
その言葉にうんざりするような表情をする魔理沙。
「また雑用か?」
「本命の前の任務というのは雑用なものヨ」
「はいはい。なにすりゃいい?」
「あいよ、やってくる。あ、そうだ。約束、忘れるなよ」
「もちろん。私がマリサさんに嘘ついたことないヨ」
午前8時。
龍宮神社に集まる出場者に、観客達。
「一千万一千万♪」
珍しく陽気な霊夢。もう優勝賞金は自分のものだ、と言わんばかりだ。
出場選手の集まる部屋に行くと、すでに他の参加者は集まっている。
「遅かったな」
「ちょっと多めに用意してたら遅くなったわ」
龍宮のところに行き、そう軽く挨拶をしていると、
「ようこそお集まりいただきました。30分後より第一試合を始めさせていただきます」
昨日と違うルールは、ステージが10メートル四方で、そこから出たり倒れたりしたら10カウントだということ。15分の時間制限で、15分たったら観客によるメール投票だという点。その違いだけ聞くとあとの説明を聞き流す霊夢。
試合が始まると、1戦目は小太郎VS魔法使いの少女。
小太郎が掌底で風を起こして少女を吹き飛ばすことで勝利。
第二試合。
ローブ姿の男? クウネルがカウンターの一撃を与えて軽々と勝利。
そして、第三試合。
選手引き換え室で呼び出されるのを待つ霊夢。
「えーと、博麗選手。会場へどうぞ」
朝倉が部屋の外から顔だけ部屋に入れて、霊夢に声をかける。
「ええ」
椅子に座って目を閉じていた霊夢は目を開けて立ち上がると、部屋を出る。
池の真ん中に設置されたステージへと向かう途中、楓も現れて横に並んで歩く。
「霊夢殿」
「なに?」
2人はお互いを見ずに正面を見て話す。
「手加減抜きお願いするでござるよ」
「ま、できたら、ね」
10メートル四方のステージで対峙する2人。
「それでは、第三試合。博麗選手VS長瀬選手。試合開始!」
MCの朝倉の宣言と同時に霊夢は楓の後ろに零時間移動で飛ぶ。
霊夢が零時間移動をできると知らない楓だが、目の前から消えたことで一瞬で後ろに回り込んだと判断。後ろに振り向きながらも腕であたりをつけて守ろうとする。
しかし、霊夢はその腕を避けながら楓の体に掌底を叩き込み、トラックに跳ねられたかのように楓の体が吹き飛んで、ステージと観客席の間の湖に沈む。
「……え?」
何が起こったのかわからず、朝倉は呆けた声を上げる。朝倉からすれば開始の合図をした瞬間、楓の体が吹き飛び、霊夢が楓のいたところに立っているのだから。
「な、何が起きたのかわかりませんが、長瀬選手がステージ外へと出たため、カウントを取ります。1、2」
霊夢は油断せず楓が沈んだ箇所の水面を見つめる。修学旅行にともにネギを助けに行ったが、実際に戦っているところを見たわけではない。だが、無事だったこと、相手の句族の子が負けたと言っていることから、少なくとも句族の子以上の実力はあると推定できる。今の一撃で決まるとは思っていない。
「3、4、5」
着々とカウントが進むが水泡すら見えない。
そこで違和感を覚えた。水泡がないということは、その下には誰もいないのではないか。霊夢がその結論に達した直後。
「まさか零時間移動とは、恐れ入ったでござる」
霊夢の後ろから声色が全く変わらない楓の称賛する声が聞こえた。
首を若干後ろに向けて楓が4人に分身して自分の後ろに並んでいるのを見て霊夢は驚愕。
4人の楓は霊夢を取り囲むように四方に移動。掌底を構える。
回避は無理と考えた霊夢は御札を取り出し周囲に結界を張る。
だが、
「忍」
楓が手を開いて結界に触れると、破壊音とともに結界が砕ける。
「はぁ!?」
全く予想できていなかった霊夢は驚きの声を上げる。そこに、4人の楓は疾走からの掌底を叩きつけ、四方へと散る。
疾走による加速された4方向からの同時攻撃、さらにすばやく離れるヒットアンドアウェイ。
直撃だった霊夢はその場で片膝をつく。
「……見誤ったわね」
句族の子供なんてものさしにもならない。
「悪かったわ」
立ち上がってそう告げる霊夢。
「外の世界の人前で使うものじゃないから使わなかったけど、使わせてもらう」
袖から取り出すのは紙の紐で束ねられた大入と書かれた札の束。
紙の紐を手で切り裂くと、御札の束を上へ投げる。御札はヒラヒラと空を舞い、楓はそれを警戒する。
霊夢は左手を開くと、空を舞う札の半分が霊夢の左手に集まり、刀の形へと巻き付いていく。
そして、右手を上に掲げると、ヒラヒラと舞う御札を乱雑に3枚掴む。
「ふむ。真名が言っていたものでござるな」
「余計な情報提供やめてくれない? 商売あがったりだわ」
「相手の情報を集めるのは戦いにおいて基本でござろう?」
「……それもそうね」
霊夢はその場で1回転しつつ、3人の楓に右手に持った御札を投げる。そして、
しかし、さきほども後ろに回り込まれたため、楓は見ずに回避。そして後ろに飛んで距離を取ろうとする。
「いやはや。なぜ拙者を本体だと」
「勘よ」
「理不尽すぎるでござるよ」
分身の楓3人が巨大な炎の玉のようなものを携えて霊夢に迫る。
「封魔陣」
赤と青、それぞれ結界が広がり、分身の楓を無理矢理弾かせて離れさせる。
そして、御札の刀を本体めがけて振るうが、楓も腕で防ぐ。
(木刀で殴られるような感覚。さすがに殴られ続けるのは勘弁でござるな)
結界で弾かれた分身がステージを蹴って霊夢に近づく。だが、空中を舞っていた大量の御札がすばやく飛びだして、その身に突き刺さり、分身の楓の姿が消失する。
「札を自在に操る術でござるか」
「そんな大層なもんじゃないわ」
ステージ端へと追い込まれる楓。すると、次は上へと行き、距離を取りに行く。
しかし、霊夢は好都合とばかりに自身の能力で空を飛ぶ。そして、空中では回避できまい、とばかりに大振りの渾身の一撃を与えようとする。
それを楓は、虚空を蹴って回避する。
「っ……。空中ジャンプ!?」
楓はさらに虚空を蹴って一気に霊夢に近づくと、すれ違いざまに一撃を入れてくる。
「……っつ。この」
御札の刀を振るうが間に合わず空振る。
霊夢は空を飛び、一度離れた楓に向かって飛ぶ。楓も虚空を蹴って霊夢に再び接近。
霊夢は楓の左の掌底を札の刀の持っていない右腕で受け止め、楓も霊夢の御札の刀の一振りを右腕で防ぐ。楓はそのまますれ違って再び距離を取ろうとするが、霊夢はそうはいかないとばかりに右手で楓の左腕を掴む。
「逃さないわよ」
霊夢は楓の基本戦法が分身と速度を用いたヒットアンドアウェイ戦法だと推測。速度でダメージを通常より増やし、反撃を許さぬよう一度離れる。
楓は虚空を蹴ってその速さで霊夢の腕を振り払おうとするが、虚空に足を乗せた瞬間。霊夢が足払いの蹴りでそれを外す。
そしてそのまま掴んでいる腕を引っ張って、ステージへと投げ落とす。
「くっ」
楓は投げ飛ばされながらもなんとか着地。しかし、上空の霊夢を見上げたとき、雨のように降り注ぐ大量の御札が目に映る。
文字通りの大量の御札がステージの足場を砕く威力で降り落ちてくる。紙にしては非常識な威力に観客も表情を青くする。
札が降り注ぐ起点には、霊夢が浮いていて、次から次へと御札を取り出して投げている。そこに、後ろに突如として現れる楓。霊夢の左腕を掴み後ろへと回す。
「避けてるとは思ったけど。全く気づけないわね」
完全に後ろで拘束されるが、霊夢は慌てずそう告げる。
「霊夢殿のほうが理不尽極まりないでござるが」
「私は普通よ。空が飛べる素敵な巫女さんよ」
「自分で言うでござるか」
足元のステージは御札があたったところが粉々となり、木っ端微塵となったステージに使われていた木材が水に浮いている。
「封魔陣」
赤と青の結界が霊夢を起点に互い違いに広がり、楓を弾き飛ばすことで拘束を解除。
「夢想封印!」
7色に輝く光球がいくつも霊夢より放たれ、楓に向かって飛ぶ。それは楓に当たると爆発したような衝撃を楓に与える。
「ぐっ」
あまりの威力に苦しみの声を上げる楓。避けきれずに何発かあたってしまい、まだ原型が残っているステージの端に降り立つ。
「うーむ。まいった。降参でござるよ」
「え?」
たしかにかなりのダメージが入ったが、楓の実力を考えればまだまだできるはずだと考えていた霊夢は驚きの声を上げる。
「ちょっと」
「これ以上続けても不毛は闘いになるだけでござるよ。大怪我しないうちにやめておいたほうが良かろう」
「あんたがそれでいいならいいけどさ。せっかくの一千万なのに」
「ふふ。拙者は別に金などいらぬでござるし。良い経験となった。礼を言うでござるよ」
楓はそう言うとステージから歩いて出ていってしまう。
「えーと、博麗選手の勝利です!」
朝倉がそう宣言すると、霊夢もステージから出ていく。
「ステージ修復のため、少々お待ちください」
木材等を持った屈強な男どもがステージへと走っていく横を歩く霊夢。
ステージへの橋を通り終えて、選手控えの席も通り過ぎようとするが、
「霊夢さん」
そこにネギが声をかけてくる。
「すごいです、長瀬さんに勝つなんて」
「すごくないわよ。楓のやつまだまだできたのに降参したんだから。こっちは不完全燃焼よ」
「でもすごいですね。自在に空飛んでましたし、あれどうやってたんですか?」
「あれは私の能力だから教えられないわよ」
「能力、ですか?」
「えぇ。固有のものだから教えたくても教えられない。ネギ先生なら、まず楓がやってた空中飛びのほうを覚えたほうがいいと思うわよ」
「いやいや、ネギはまず瞬動術覚えなあかんやろ。楓ねーちゃんが使ってたんはその発展系や」
「瞬動術って楓の使ってた高速移動?」
小太郎の言葉に気になったのか聞く霊夢。すると、刹那が説明をしてくれた。
「ええ。所謂縮地というものです。これは霊夢さんもご存知ですよね」
「仙人が使う移動術って認識ね」
「間違っていませんね。習熟すれば入りも抜きも気配のない、仙人のような縮地を使うことができます」
「魔力や気で擬似的な再現をしている感じかしらね……」
「ちなみに楓が空中でジャンプして霊夢さんと空中戦繰り広げましたが、あれは虚空瞬動と呼ばれる技に当たります。ちょっと上級者向けとなりますが、空の飛べる霊夢さんには必要ないかもしれませんね」
「そういうのがあるのね……」
霊夢はたしかに自分には必要がなさそうだと考えるとネギたちに別れを言って一度離れる。
「霊夢」
「あら、真名。次の試合は真名と古だったかしら。楓で疲れてるのに次はあなたか古かなんて、ほんと困るわ」
「ふふふ。悪いが私も一千万はほしい。手加減なんてしないぞ」
「銃使いのあなたが禁止されてるこの試合でどう勝つつもりなのか高みの見物でもしてるわね」
霊夢はそう言うと能力で体を浮かせる。
それを見て笑みを浮かべる龍宮。
「あぁ、上から眺めているといい」
普通に意図しない返しをされ、むっ、とする霊夢。
「ま、頑張んなさい」
「あぁ。ゆっくり休んでくれ。疲れ切ったお前とやるのはつまらないからな」
霊夢はそれには答えず空を飛ぶ。
一度物陰で視線を切ると、塔らしき建物の屋根に降り立つ。
「文字通り高みの見物でもしましょうか」
そう言って、もうほとんど修繕が終わっているステージを見下ろす。
アモアス面白いですね