魔法先生ネギま project in TOHO   作:水崎雨月

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修学旅行

 3-A組教室。

「明日から修学旅行です。僕たち3年A組は、京都・奈良に行くのですが……。うっかり忘れていました。博麗さんと霧雨さんの班が決まっていません」

「修学旅行ってなんだ?」

 ネギの言葉にクラスの大半の人間が、確かに。という表情をしているところに、魔理沙が聞く。

「わかりやすく言うと、学校のみんなで行く旅行ですわ。目的としては別の地域の文化に触れるなど様々ありますが、最近はただ旅行をしているだけですわね」

 なぜかいいんちょが立ち上がり、演説をするかのように答える。

「ほほう。なるほどだぜ」

「それで、基本的には個人行動はあまり認められていなくて。同じ班で集団行動をしてもらわないといけないんです」

 ネギが申し訳なさそうに言う。

「私! 私の班に来てよー」

 佐々木まき絵が立ち上がって言うと、他の子たちもそれに便乗してうちの班に来て、と騒ぎ出す。

「私はどこでもいいぜ。霊夢は?」

 騒ぎの中、魔理沙がそう言って、霊夢は、少し考えこむ。

 霊夢からすれば、紫が恐れているという神楽坂明日菜について調べてみたい。

 しかし、紫は成長すれば(・・・・・)と言っていたので、今観察しても、紫が恐れている点がわからないのでは?

 それに、魔理沙がどこでもいい、と言ってしまった以上、自分だけ神楽坂明日菜と同じ班にっと言ったら何か理由を聞かれるのではないか。

 そう考えてしまう。

「はぁ。どこでもいいわ」

 仕方がなくそう答える。

 別の班になろうとも、見ることぐらいはできる。そう考えることにする。

「えーと、それでは、班長でジャンケンをして――」

「それじゃあつまらない! クラス全員で野球拳勝負にしようよ! 先に全裸になった人から脱落ね! 勝ち残った人2人の班に入るってことで!」

「いいね、やろうやろう」

「勝負勝負!」

「ダメです! ダメです! そんなのやっちゃダメです!」

 ネギが大慌てで止めるが、

「じゃあ、じゃーんけーん!」

 ネギの言葉は全く聞こえていないようで、クラスのほとんどがジャンケンを始めようとすると、

「3-A! 静かにせんか!! 周りのクラスに迷惑だぞ!」

 初老の男性が教室を思いっきり開けて注意してくる。

 初老の男性、学園広域生活指導員の新田先生は騒がしくしている教室を一瞥すると、

「何をそんなに騒いでいるのだ!」

「新田せんせー、転校生の修学旅行の班決めしているだけですよ。どこでもいいっていうから」

 誰が言ったのか、そう言うと、新田の声はさらに大きくなる。

「ならばなぜそんな騒がしいことになる。それならば班長だけでさっさとジャンケンをしなさい!」

「えー。それじゃあつまらないー」

「つまらないではない! 周りのクラスに迷惑だ。やるならば早くしなさい!」

 仕方がなく、ふつうに班長だけでジャンケンをする。

 結果、

「よろしくだぜ」

「よろしくネ」

「よろしくアルよ」

「んー」

 魔理沙は2班になり、

「よろしく」

「よろしくね! 霊夢ちゃん」

 霊夢は、4班となった。

 

 

 

 

 

 翌日

「ふわぁぁあぁぁ」

 大宮駅に到着した霊夢は大きなあくびをする。

「どうした、霊夢。楽しみで眠れなかったのか?」

「あんたじゃないんだから、そんなわけないでしょ」

「いや、私はちゃんと寝たぞ」

「その言い方だと私が寝てないみたいじゃない。ちゃんと寝たわよ」

 いつものように、魔理沙と霊夢が話をする。

「いやぁ。あの噂の新幹線に乗れるなんて、外の世界に来れてよかったぜ」

 外の世界の未知の乗り物に乗れることでわくわくしている魔理沙と、めんどくさそうにしている霊夢。

「霊夢はどこに行くんだ?」

「班行動のときにはUSJってところに行くみたいよ」

「なんだそれ」

「遊園地みたいなもの、かしら」

「おお。あの噂の。……ん? 修学、だよな」

「それ言ったけど。『大丈夫! USJだって学ぶところがあるよ』って佐々木が」

「何を学ぶんだ?」

「さぁ? 経営とか?」

 首をひねる2人のもとに人影が近づいてきて、

「お2人さん、一個いかガ?」

「よぉ、(ちゃお)。1個くれ」

 黒い髪の団子を白いシニヨンカバーで囲っている天才少女、超鈴音(ちゃおりんしぇん)が肉まんを1つ取り出して突き出してきた。

「120円ネ」

 魔理沙は120円を出して肉まんを1つもらうとすぐに一口食べる。

「うん。うまい!」

「霊夢さんもどうネ?」

「私はいいわ」

 手を軽く振って拒否をしめす。

「おいしいぜ?」

「朝食なら食べたでしょ。食べ過ぎたら太るわよ」

「動いてるから大丈夫だぜ」

 肉まんの中の肉だねの匂いが霊夢の鼻孔を刺激する。

「あっち行って食いなさい」

「いいじゃねーか」

 2人の言い合いを見て、(ちゃお)は軽く笑い、

「霊夢さんも相変わらずのようだネ」

 そう呟いて2人から離れていった。

「みなさーん。そろそろ時間です。集合してくださーい」

 ちょうどよいタイミングでネギの声がホームに響く。

「じゃ行きますか」

「待って待って」

 魔理沙は大慌てで持っている肉まんを口に放り込む。

 すると、大慌てで食べ過ぎたのか、のどに詰まったらしく、胸元をどんどんと叩く。

「なにしてのよ」

 霊夢はお茶のペットボトルを放り投げて渡すと先にネギたちのいる3-Aが集まっている場所に向かう。

「それでは京都行の3A、3D、3H、3J、3Sのみなさん。各クラスの班ごとに点呼をとってからホームに向かいましょう」

 源しずな先生がそう言い、3-Aの1班から新幹線の中に入っていく。

 

 

 1班、鳴滝史伽、鳴滝風香の鳴滝姉妹に、釘宮円、柿崎美砂、椎名桜子のチアリーダー部3人の班。

 風香が違う新幹線の車両に乗ろうとする。

「あー。風香さん。3-Aはこっちですよ」

「この双子と一緒だとうるさそー」

「いいじゃん、楽しくて」

「ネギ君、一昨日(おととい)の誕生会楽しかったねー」

「えーっ。先生と遊んだですかー?」

 椎名の言葉に史伽が、ずるーい。と京都と書かれた旗を持ちながら言う。

「はい。またカラオケ連れてってください」

 

 

 次に新幹線に乗ったのは2班。

 2班、古菲(くーふぇい)超鈴音(ちゃおりんしぇん)、葉加瀬里美、長瀬楓、春日美空、四葉五月、そして霧雨魔理沙の班。

 四葉は他の班の人に肉まんを3個頼まれたので、360円だと行って肉まんを入れているケースを開いている。

 春日がその光景を見てつぶやく。

「どこでも肉まん売っているのね」

「あいあい」

「春日さんも食べますかー?」

「慌てて食べる必要なかったぜ……」

楓が肉まんを食べているのを見てぼやく魔理沙。

「ネギ坊主、引率大変アルね。これ喰うとよろしアルよ。力出るネ」

「えっと。ど、どもクーフェイさん。僕おにぎり食べたので」

 

 

 次は3班。

「ささ、ネギ先生こちらへどうぞ。グリーン車を貸し切ってありますので、そちらでおゆるりとおくつろぎを」

 ネギの体を引っ張ってグリーン車に連れて行こうとするいいんちょ、雪広あやかに、那波千鶴、村上夏美、朝倉和美、そして音楽を聴いて、興味なさげにしている長谷川千雨の班。

「またあやかったら……」

「はいはーい。いいんちょ、昼間っから犯罪行為には走らないようにねー」

「あ、あの。いいんちょさん。僕、まだ仕事がー」

 

 

 次は4班。

 佐々木まき絵に、明石裕奈、和泉亜子、大河内アキラの運動部4人に、まだ誰も知らないが巫女という共通点を持った、龍宮真名と博麗霊夢の班。

 和泉が具合が悪そうに入ってきて、後ろから大河内が背中をさすっている。

「乗る前から酔うなんて……。弱いんだから」

「大丈夫なのか?」

「ちゃうねん。肉まんが美味しくて食べ過ぎた」

「お水買っとく?」

「あの肉まんって中毒性でもあるの?」

 祐奈が水を買う前に、霊夢がお茶のペットボトルを取り出して和泉に渡す。

「ネギ君。自由行動日、私たちと一緒に遊び行かない?」

「いえ、あの」

 佐々木はネギの手をつかんで顔を近づける。

「佐々木さんぬけが……いえ、ネギ先生は忙しいのですわよ」

 なぜかそれを先に座席のところに行ったはずのいいんちょが止める。

 

 

 その次は5班。

 図書館島探検部の4人、宮崎のどか、早乙女ハルナ、綾瀬夕映、近衛このか、そしてこのかの親友の神楽坂明日菜の班。

「ほら、チャンス。自由行動日一緒にどうですかって!」

「で、でもー」

「先生は頼み込めばイヤとは言わないと思うのですが」

 仲良し3人組のうち2人はのどかになんとかネギを誘うように言うが、のどかはネギに迷惑をかけたくないのか、あまり乗り気ではない様子。

「ネギ、大丈夫だった? ご飯、ちゃんと食べれたの?」

「ハイ! おにぎりありがとうございます」

 おいしかったです。と付け加えてネギが言うと、なぜかまだいたいいんちょが反応する。

 しかし、誰も気づかずに、

「ほかほか。良かったー」

 このかは自分の作ったおにぎりの感想に笑顔になる。

 5班が座席に向かっている最中、

 引率だけで大変そうだと、ネギが考えていると、1班がまだ来ていないことに気づく。

「ん? 今ので5班? 1班足りないぞ?」

「ネギ先生」

 そこに6班の桜咲刹那が声をかけてくる。後ろには、ザジ・レイニーデイもいて、なぜか手に小鳥を乗せている。

「私が6班の班長だったのですが……。エヴァンジェリンさん、他2名が欠席したので6班はザジさんと私の2人になりました。どうすればいいでしょうか?」

「え、あっ。そうですか。困ったな」

 吸血鬼で学園に実質封印されてしまっているエヴァンジェリンはやはり修学旅行に来れないことをネギは理解する。

「わかりました。他の班に入れてもらいますね」

 そう言って後ろを振り向くと、そこにはちょうど明日菜と、いいんちょ、そしてこのかがいたので、

「じゃあ、アスナさんは桜咲さんを。いいんちょさんはザジさんをお願いできますか?」

「はいはい」

「構いませんわ。ネギ先生」

 その言葉にこのかが反応し、

「あ、せっちゃん。一緒の班やなぁ」

 笑顔で言うが、刹那は少し困った顔をすると、軽く会釈をして無視するかのようにこのかから離れて行ってしまう。

「あっ……」

 それをこのかは、手を軽く伸ばすだけで止めることはできなかった。

 

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