『アンチゲーマー』と『正義の味方』のヒーローアカデミア 作:消しゴムくん
僕の名前は
世間の人達から見たらまぁ、普通の高校生だ。
あの時までは…ね。
父親はサラリーマンで、母親は学校教師。
いわゆる共働きの夫婦だ。
その為家で一人寂しくいることも少なくなかった。
その上、病弱で小さい頃から入退院を繰り返していた。
だから学校にあまりなじめず、友達は少なかった。
そんな僕の心を癒してくれるものがあった。
それはゲームだった
元々はゲーム好きの父親の影響で始めたものだったけど、やっていくうちにどんどんのめり込んでいって、しまいには自分が独学でゲームを作ってしまうほど無我夢中になれた。
それと並んで僕は特撮やアニメが大好きだった。
その中でも一番好きなのが『仮面ライダーエグゼイド』だった。
医者やゲームクリエイターがライダーとして、悪に立ち向かい患者の運命を変えるその姿
僕は見た瞬間すぐ虜になり、毎週日曜日がいつも待ち遠しくなった。
そんな特撮やアニメ、ゲームにハマっている時の僕を見てクラスメートや周りの人はこう思ったらしい。「この時だけは、人が変わったかのようにイキイキしている」と。
それほど僕はゲームやアニメに助けられたのだ
ところがある日…
僕はいつものように家でゲーム製作をしていた。
「ちょっと頭が痛いな…」
僕は頭痛を訴え、薬を飲んだ後少し横になることにした。
ちょっと横になれば良くなるだろう。
だけど、そこから僕が二度と目覚めることはなかった…。
気が付いたら、僕は病室で自分の体を見下ろしていた。
どうやら僕は死んだみたいだ。
死因はよくわからないけど、僕の飲んだ薬に対しての過剰なアレルギー反応によるものではないかと診断された。
あまりにも突然すぎて僕はただ戸惑うしかなかった。せめて親孝行したかったな…まだこれからって時だったのに…
こうして色んな思いを残したまま天国に行ってしまう…
筈だった。
僕は目を覚ました。
そこは知らない天井の、部屋の布団で寝ていた。
しかも、明らかに体が縮んでいた。ざっと0~1歳児ぐらいの体格になっているんじゃないか?
僕は首が動く範囲で部屋を見渡してみた。
そこにはテレビでオールマイトがインタビューに答えている映像が流れていた。
もしかしてここは『僕のヒーローアカデミア』の世界なのか?
そう思い僕は考え始めた。
僕のヒーローアカデミア。
それは、エグゼイドと並んで僕の好きな漫画・アニメのひとつだった。
毎週両親に少年ジャンプ買ってもらっていたぐらいだし。
だとすると、僕にも何かしらの“個性”があるということなのか?
因みに、ここで言う“個性”というのは特別な能力のことだ。
今のところ特に体の変化とかは感じないけど…
そう思ったその時、僕の体の上に気配を感じた。
見るとそこに一頭身のピンクの丸いボディーに鶏冠みたいな頭、ゴーグルをかけたような目をした生き物が立っていた。…ってこいつは…
(マイティ…だよね?)
(へぇ~ボクの名前はマイティって言うんだ!カッコいい名前だね!気に入ったよ!!)
(まさか…お前が話しかけているのか?)
(そうだよ!ボクが直接黎斗の脳にテレパシーで伝えてるんだ。)
(そうなのか…って、何で僕の名前を知ってるの?)
(それはね、黎斗が目覚めるちょっと前に君の頭の中をのぞかせてもらったんだ!本当は死んじゃってるんでしょ?なのにこうしてこの世界に生まれ変わるなんて、よくわかんないよね運命って。)
(え?じゃあ、マイティは何で僕がこの世界で生まれ変わったのかわからないの?)
(うん。何で君がこの世界にいるのかも、この世界が何なのかも何もわからない。ボクが覚えているのはボク自身がバグスターということと、君の相棒ってことだけ。)
相棒ねぇ…そこに関しては問題は無いけど、正直この世界でやっていけるかどうか不安だ。
僕がいた世界では友達も少なかったし、性格もある意味ヤバかったし…大丈夫かなぁ。
(何思い悩んだ顔してるの?こんな事はまず有り得ないんだからラッキーって思わないと!前世で出来なかった事を今この世界でやっちゃおうよ!ね!)
…そうだよね。今僕は確かにこの世界で生きている。何でかはわからないげど、もしかしたら神様がもうちょっと生かしてやるというつもりなのかもしれない。
これからはまず、親孝行をちゃんとする。
そして何年かかるかはわからないけど、あの神や社長が成しえなかった究極のゲーム作りそして世界一のゲーム会社を作る。世界中の人達に明るく楽しく笑ってくれるゲームを提供する。そのためにも人類の平和と自由を守るヒーローになる。
それが生まれ変わった僕のやることだ。
(…わかった。じゃあ、これから一生よろしくね!マイティ!)
(うん!ボクからもよろしくね!あ、ねぇねぇこれから黎斗の事パパって呼んでもいい?)
(え?何で?)
(だって君がボクの生みの親なんだもん。パパって呼んでいいでしょ?正直、呼び捨てだと赤の他人の感じがして気分が悪くなるし、悲しくなるから嫌。最初はどう呼んだらいいのかわからなかったから名前で言ったけど…ね、いいでしょ~)
(うん!もちろんいいよ!)
(やった~!!パパ大~好き~!!)
マイティが僕に頬擦りしてきた。あぁ~ものすごくムニムニしてて気持ちいい~、癒される~。
そうやってムニムニを堪能していると、足音が近付いてきた。
(あっ、誰か来た!)
そう言った直後にマイティの体にノイズが走り、オレンジの粒子状になって十郎に一体化した。
(って、僕ゲーム病にならない!?大丈夫なの?)
(ボクは良性のバグスターだからゲーム病にはならないし、パパには抗体があるから大丈夫だよ!)
そうなんだ…そう理解した後、一人の女性がやってきた。
「あら…?私ったらテレビを消していなかったのね。いけないいけない、気を付けなくっちゃ。」
どうやら、この世界での僕の母親らしい。見た目は長い濡れ羽色の髪に鋭い切れ目、色白な肌にスリムな体型をしている。魔女のような怪しい印象があるけど、おっとりしていて優しい気が利く人みたいだ。なんだか安心した。
「あら、眠くなってきたの?じゃあ、ねんねしましょうね。」
そう言って、母は僕を寝かし付け始めた。段々と眠気が深くなってきた…。
こうして僕は再び、暗く深い眠りの海についた。
これからどんなことがあるかはわからないけど…それでも僕は最高のヒーロー、そして究極のゲームと世界一のゲーム会社を創る為の新たなる戦いが今!始まる!