「どうだPlaymaker!俺のデュエルはお気に召したかな?
俺は墓地に送られた剛鬼達の効果発動!自身以外の剛鬼カードを手札に加える!」
この効果あるから剛鬼強いんだよねー……
手札が全然減らないし、ブンブンデッキも回るからね
グレイトオーガの効果でPlaymakerのモンスターの攻撃力が下がってしまう
更にGo鬼塚が魔法とモンスターを駆使し、グレイト・オーガの攻撃力を5700までアップさせた
この攻撃をまともに食らえばワンショットキルの成立か
「罠発動!サイバース・シャッター発動!モンスターの攻撃力の変化を無効にしてカードを1枚ドローする!」
……?
『いかがなされましたか、きな粉太郎様?』
「あ、ちょっとPlaymakerの罠の発動タイミングが変だったから気になっただけだよ」
今イグニスが喚いているみたいにツイストコブラの効果の発動時に使っていたら、ダメージは減らせたはずだ
このタイミングで罠を使うのは何かしらの理由があるって事かな?あの効果で攻撃してもライフは100残るだけだしなぁ……
『リンクヴレインズ外部からの干渉を確認、プログラムを解析……解析完了
きな粉太郎様、リンクヴレインズ外部からの干渉を確認しました
どうやらこのログアウト妨害プログラムの一部に抜け穴を作ったようです』
「……?」
『抜け穴を作り、そこからログアウトできるようになる、という事です』
「おお!」
ごめんねわらび、噛み砕いた説明させちゃって……
だってコンピューターとかインターネットとかよくわかんないし
デュエルボードに乗るPlaymakerとGo鬼塚の前に黒い穴が出現する、あれが抜け穴ってやつかな?
……その抜け穴から逃げるかと思いきや、なぜか華麗に避けるPlaymaker……なんでぇ!?
『ちょちょ!何スルーしてるんだよ!?』
「デュエルを受けた以上、逃げることは出来ない!」
あー、確かにこの状況で逃げるのはプライドが許さないよねぇ……
だってこれ完全に負けそうになったから逃げました!って見えるもんねぇ……
うわぁ、イグニスが滅茶苦茶Playmakerに文句言ってる……
「俺がデュエルを続けるのに3つの理由がある
1つ、奴は自分のあらゆる技術とタクティクスを使い観客や敵である俺を楽しませようとしている」
『お前を楽しませる?わざわざ自分のピンチを演出して?非業率すぎる!』
「どんな時でも、どんな相手でも、自らのスタイルを貫き通す……そのデュエルこそが奴の信念だ
奴は本当のプライドを持つ一流のデュエリストだという証だ」
『本気か?あいつのデュエルが一流だなんて』
たしかにGo鬼塚の手加減のようなものはまだ容認できないけど、でもデュエルの腕も、それを魅せる技術が高いのも確かだ
……あー!手加減無しで僕ともデュエルしてくれないかなー!
「2つ、奴にはこのデュエルに勝とうという執念がある」
『楽しませることと勝つ事は矛盾している』
「そう、だがその矛盾が融合する時、決して合理性から導きだせない境地が見えてくる……奴はそれを見ている
3つ!その結果俺は奴のデュエルを最後まで受けて立ちたくなった、奴を、奴以上のデュエルで倒す!それがデュエリストとしての俺の流儀だ!」
『理解不能!理解不能!』
そしてPlaymakerはターンを進める
ドラコネットを召喚し、効果でデッキからモンスターを特殊召喚してPlaymakerのフィールドには3体のモンスターが並んでいた
……うーん、やっぱりモンスターゾーンと罠・魔法が3つづつってつらくない?
ペンデュラムなんて使ったら実質使える罠・魔法ゾーン1つしかないよ……?
Go鬼塚がグレイト・オーガの効果を発動させたけど……リンクモンスターにすれば問題ないんだよなぁ、だってリンクモンスターには守備力が存在しないわけだし
Playmakerがリンクスパイダーをリンク召喚し、効果でモンスターを呼び出したことによりフィールドには4体のモンスターが勢ぞろいしている
Go鬼塚は通常モンスターであるビットロンを馬鹿にし、イグニスは負ける負けるって言ってるけど……
サイバースデッキで4体もモンスターがいるんだったらどんだけのことできると思ってるのだろうか……
『進行方向に巨大なデータストームを確認、ルートの変更を推奨します』
「うん、わかった」
わらびの誘導に従いまたルートを変更して……ってちょっとまって!何あの台風!?あれがデータストームなの!?
あれはたしかに危ないなぁ……というかGo鬼塚もPlaymakerも全力で突っ込んでるけど大丈夫なのかなぁ……?
Go鬼塚はルート変更してデータストームの進路から外れたけど、なぜかPlaymakerはデータストームに突っ込んでいってしまった
「ファッ!?わ、わらび!あれ大丈夫なの!?」
『……データストームはいわば過剰なデータマテリアルの渦です、何等かの拍子にそのアバターが破損しそのデータが流れ込めば、ダメージが現実にフィードバックしPlaymakerもただでは済まないはずです』
データストームの中はここからじゃわからない
え、これ本当に大丈夫なの?死んだりしないよね?
『Playmakerのスキルの発動を確認、スキル名【ストームアクセス】
自分のライフが1000以下の場合、データストームからランダムにリンクモンスターをEXデッキへ加える』
「何それすごい……というかPlaymakerはスキルを発動させるためにデータストームの中に入ってたんだ」
『その見解で間違いないでしょう』
データストームから出て来たPlaymakerはサイバースデッキ特有の連続リンク召喚でデコード・トーカーにリンク・バンパーに加えハニーボットとかなり強力な布陣だ、しかもサイバース・アナイレーションをデコード・トーカーに装備している
「これは、Playmakerの勝ちだねぇ」
『……?それはどうしてでしょうか?』
……あ、そうだこの世界ってサイバース族はイグニス達が作ったものだから普通の人間はサイバースなんて知らないんだった
「ハニーボットはリンク状態のモンスターは破壊されない、グレイトオーガもリンク先のモンスターを破壊することで自身は破壊されないけど、リンク・バンパーはリンク先のモンスターに自分フィールドにいるリンクモンスターの数だけ攻撃できるようにできる
デコード・トーカーの攻撃権は3回、グレイトオーガの破壊耐性は2回
そしてサイバース・アナイレーションは破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与える」
『……なるほど、デコード・トーカーの攻撃権がグレイトオーガの破壊耐性回数を上回っている以上、グレイトオーガは破壊される
そしてサイバース・アナイレーションの効果でGo鬼塚はグレイトオーガの攻撃力分のダメージを受けて負ける』
「そういうことだよ」
Playmakerすごいなぁ……僕だってこんな戦術思いつかないよ
僕もこの世界にはないカードを持ってるからって油断してたら足元救われちゃうな
ましてや僕はサイバーテロリストの新人ハノイ、負けてられないな!
そうこうしているうちにGo鬼塚のライフが0になり、Playmakerの勝利でスピードデュエルは終わる
Go鬼塚はどこかのビルの屋上のような所へ降りる
「……はっはっはっは!俺の負けだぁ!」
そう笑ったGo鬼塚の顔は、とても晴れやかだった
「ただいま、了見君」
『ただいま戻りました了見様、お渡ししたデータに不備はございませんでしたか?』
Go鬼塚が負けたことによりログアウト妨害プログラムが解除されて、僕達は無事にリンクヴレインズからログアウトできた
鴻上博士が眠っているカプセルのある部屋へと入り、了見君に任務完了報告をする
「ああ、サイバースのカード情報やPlaymakerのスキルの詳細情報……これらはハノイの戦力を大幅に増強してくれるだろう」
『了見様、Go鬼塚が使用したログアウト妨害プログラムについての解析情報、並びにPlaymakerの支援者が製作したと思われる妨害プログラムの抜け穴情報も追加でお渡しします
それとお手数をかけて申し訳ありませんが、妨害プログラム並びにプログラムの抜け穴の詳細情報の完全な解析が終了した場合、こちらに情報の提示をお願いします』
「んぇ?なんで?」
いきなりのわらびの提案に僕ははてなマークを飛ばす
別にいらなくない?
『いえ、今後私達がハノイの騎士として活動する中で様々な妨害行為を受けると予想します
もしかしたら今回のGo鬼塚のようにログアウト妨害プログラムを使ってくる可能性もあります、なので私がプログラムを学習、解析パターンさえわかってしまえば今後の私達の活動がやりやすくなります』
わ、わらびー!そこまで考えてくれてたなんて……!いや、僕が楽観的に考えすぎてただけかぁ……
というかデュエルサポートAIってすごいな、こんなことまでしてくれるなんて
ちらりと了見君の方を見るとなぜか訝し気にわらびを見ていた
「……?了見君?」
僕の声に了見君はわらびから視線を外し、僕の方を見る
先ほどの訝し気な視線なんて嘘だったみたいだ……僕の見間違いだったのかな?
「ああそうだ、アルサ、わらび、今時間は取れるか?」
「え?別に大丈夫だけど?」
『スケジュールに問題はありません』
「ああ、紹介したい人がいてな……入ってきてくれ」
その了見君の言葉を共に1人の青年が部屋に入ってきた
了見君と同じくらいの年齢で、白髪で………あの、なんで僕の事睨んでるの?
「紹介しよう、彼は我々ハノイの騎士の仲間で名前は「初めまして新庄アルサさん、私の名前はスペクターです」……」
了見君の言葉を遮るようにスペクター君は僕に声をかける
……ってスペクターってどう考えてもハンドルネームだよね?本名は教えてくれないの……?
「えっと、初めまして、了見君に拾われてハノイの騎士に入った新庄アルサです」
『私は鴻上博士によって作られたデュエルサポートAI【プロトタイプ】固有名:わらびです
失礼ですがスペクター様、スペクターという名前はリンクヴレインズでの活動名と推測させていただきます、貴方様の本名もお教え願えますか?』
わらびの言葉にスペクター君は不愉快そうに顔を歪める
視線の先に映るのは、僕とわらび
「了見様が仲間に引き入れたとはいえ、私は貴女達を信用していません
ましてやそこのAIは普通のAIとは違う……まるでイグニスのようだ」
……そうなの?
ここは僕のいた世界より文明が発達してるからこのぐらいが普通って思ってたんだけど……
わらびは確かに色々と自分からやってくれるけど、それがこの世界の普通じゃないの?
了見君の方に顔を向けると、なんとも言えないような顔を……あ、これわらびが普通じゃないやつだ
『……確かに私は普通のAIとは違います
しかし私はハノイの騎士に害することはありませんし、私の使えるべき主人はアルサ様です
アルサ様に危害を加えない限りは、私も貴方方に危害を加えません』
ばちりとスペクター君とわらびの間に火花が散った……!
……これどうしよう?
というかスペクター君が警戒するのは当たり前の事なんだよねぇ……
あっちからしたら、経歴が一切ない怪しい女がいきなり組織に入ってきたって感じだもんね
だから警戒されるのは仕方のない事なんだよね
「それで私が信用するとでも?」
『私は貴方に信用していただこうなど考えていません』
「おやおや貴女は私と同じハノイの騎士ではありませんか」
『仲間意識を持っていない貴方に言われたくはございません』
僕が考えている間にも口論は続く……え、これどうしよう?
いつまでたってもわらびとスペクター君の口論は続く
ちらりと了見君の方に視線を向け……あ、黙って首を振られた
了見君の力でもこの戦いを収めるのは無理か……無理かぁ……
僕と了見君は2人揃ってため息を吐いた
……そして僕達は気が付かなかった、僕とわらびを警戒していたスペクター君も、了見君でさえも
わらびはスペクター君の言った「まるでイグニスのようだ」という言葉を……否定しなかったということを
新庄アルサ(アバター名:きな粉太郎)
Playmakerのデュエルのレベルが高すぎてびっくりした
正直デュエルしたいなーと思ってる、リボルバーに怒られるから言わないけど
わらびとスペクターの相性が悪すぎてびっくりした(二度目)
スペクターに警戒されてるのは仕方ないと思ってる
デュエルサポートAI【プロトタイプ】(名前:わらび)
ログアウト妨害プログラム、その抜け穴プログラム、非常に興味深いです
これからこういった知識をどんどん学習して近い将来とんでもないことになる、予定
「まるでイグニスのようだ」という言葉を否定しなかったが、その意味とは……?
嫌いな人
鴻上博士
スペクター←new!
鴻上了見(アバター名:リボルバー)
ストームアクセスってなんやそのスキル!?
思いのほかすごいスキルでびっくりしてる、そしてわらびと一緒にスキルの共同開発を開始する
スペクター、警戒する気持ちもわかるが落ち着け
不明(アバター名:スペクター)
わらびもアルサもリボルバーが連れてきたとはいえ信用していない
そして口論をきっかけにわらびとは犬猿の中に
アルサ?わらびとの口論で普通に忘れてた
鬼塚豪(アバター名:Go鬼塚)
藤木遊作(アバター名:Playmaker)
闇のイグニス(名前:Ai)
やっぱり最後まで気が付かなかった