●拠点造り
大規模な地下空洞を発見したことで、一同はフォース
地下ゆえに屋外や宇宙空間と比べて広さや移動に補正が掛るが、今のところ三人とあって問題は無い。
逆に訓練状況などを隠匿することもできるので、現時点では中々の好物件だろう。秘密特訓から始まって自分のイメージに合わない装備も試したりできるのだから。
「三人だけで使うの勿体ないわね」
「その辺はフレンドでも呼べば直ぐだよ。それに招待客以外にも、NPCバイヤーを出入りさせることもできるんだ」
「バイヤー? 商売でもやるのか?」
ミツオはうんうんと頷きながらショップリストを立ち上げた。
「判り易い範囲でドロップ品や設計図を売ったり、ミッションで手に入れた小物を置けるよ。他にも手作りのパーツをドロップ品扱いの消耗品として置く事も出来る」
「あーなるほど。ザクの設計図やマシンガンなんか持ってても仕方ないしね」
ミツオがシュツルムファストやマシンガンを並べて適当な値段を付ける。
MS-06Fや06Rの設計図も並んだが、こちらは少々お高い。そして一部の品目にタイマーが付いているのが不思議だった。
「ん? 自作パーツやプログラムに補充期間があるのはどういうことだ?」
「そりゃ現品は手元にあるままだからね。常に存在するなら無限に購入できちゃうし、こっちは大儲けすることもできるよ」
自作パーツ等はログイン時に元に戻る仕様上、数時間に一つしか置けないらしい。
プログラムの方は消ええるもののアップの際にコピーしておいたり、パターンのアレンジを変えれば幾らでも作れるので数日に一つというレベルの物もある。
「そんなに凄い商売なんて出来たらバランス壊れるわよね。でもファンネルのパターン・プログラムとかは確かに欲しいかも」
試しに商品を増やして行く目的で、ファンネルで後ろを狙うパターンに四方からパターン、あるいはシールド・ファンネルとして使う為の物等を並べていくのだが……。
何故か途中で、アレンジを幾つか並べたら止まってしまった。
「あれ、これ以上増やせないの?」
「ウチのフォース規模じゃここまでだよ。メンバーを増やすのは無理にしても、せめて友好団体でも造らないと」
そう言いながら拠点を手に入れるミッションで登録した、探索仲間のフォースをフレンド枠から友好団体にレベル変更してみる。
すると商品枠と時間が微妙に変化して、フォース規模こそ変わらぬもののバイヤーが若干強化された様に見えた。
「せっかくだしラビアン・ローゼスも登録しちゃいましょうよ。そうえばクリスってあの時のティターンズと連絡取って無いの?」
「アドレスくらいは交換してるが……待て、勝手に俺の名前で招待するなっ」
「バイヤーに関してはこのくらいにしとこうよ。本格的に何を売るかも決まって無いしね」
そんなこんなで色々弄ってみるが、バイヤーに関してはその辺で打ち止めだった。
気分を変えて周囲を確認するが、真っ暗な中にネストの明かりだけが薄暗く周囲を照らしている。
「練習区画があるのは良いな。据え物斬りくらいはできそうだ」
「できれば飛行目標相手の訓練や、相手もエアリーズくらいは欲しいけどね」
「その為には結構規模を大きくしないと駄目だよ? 仮メンバーで人数を水増しするにしても、フォースpとか資材とか必要になって来るんだ」
デフォルトで設定されているネスト前の広場は練習場を兼ねたそこそこの広さで、61式戦車やジムを相手に戦うには十分なレベルだった。
だが逆に言えばそのレベルだ。機動目標を狙うには狭過ぎるし、NPCもトリアーエズやセイバーフィッシュくらいでしかない。
「水増し? ああ、気の合う奴らの中で一匹オオカミや傭兵スタイルの連中を呼ぶのか」
「そうだね。あとは
以前の三人がそうであったように、別に拠点を必要としていないフォースは沢山ある。
もちろん条件の合う場所が無いとかもあるが、誰もが拠点管理をしたい訳でもないのだ。
拠点があれば助かるが、管理まではしたくないというメンバーならば条件次第で協力してくれるだろう。
「じゃあさ、何をしたら拠点を大きくできるの? その辺サッパリ知らないのよね」
「まあ俺らも必要無いと思って居たクチだからな」
「んーと、ちょっと待ってね」
そう言いながらミツオは一般的なリストを並べた後で、その中にオススメと思われるモノにマーカーを付け始めた。
「簡単な所で、自分達で公示するか他所のフォースに頼んでしまう。次に大会スコアを稼いで上位フォースに認定される」
「あそっかー。目の前に有るんだもんね、工事しちゃえばいいんだ」
現在の状況は空洞の一区画を割り当てられただけだ。
近隣にある他のフォースの拠点までは拡張工事が出来る。もちろん拡げ過ぎると隠匿性が無くなるので、迂闊にやると地下である意味が無くなってしまうが。
「工事専門のフォースまであるのか。しかも材料アリとナシで代金が違うとか……なかなか本格的だな」
そして工事系フォースの拠点に張られている動画は実に独特だった。
見積書があるのは当たり前。イエローカラーのアッグガイやジュアッグがピラミッドを造ったり、山に穴をあけてトンネルを造ったりしている。
「拠点のサイズよりも僕らにはこれが一番重要だと思うんだけど……。どういうイメージの拠点にするかどうかが大きいと思う。見なよここ」
「ここのフォースは戦闘も凄かったけど、拠点まで
「販売装備は当然ジオン系で固めてるとしても、ジオン兵と行進パターンだと? 良くやる」
ミツオが次に立ち上げた動画は以前に戦った近藤一家の拠点動画だった。
森の隠し拠点といった場所へケルゲレンらしきザンジバル級巡洋艦に網を掛けて隠されており、野晒しで野戦修理されている機体やパーツが食われている機体までデザインされている。
販売して居るパーツやプログラムも独特で、何故かザビ・ユーゲント御断りと制服発注コーナーに書かれているのが笑えるところだった。
「僕らの装備を全部売ると手の内バレるし、不要なドロップ品だからって何でもかんでも置くと面白身も無くなる」
「そう言われてみるとプログラムやパーツは判り易い方かしらね」
「出せないモノがハッキリしてるからな。俺だと阿頼耶識までは良いとしてもMSタイ捨流を置く訳にもいかん。ミツオのマルチロックにしても同様だな」
フォースの強さに繋がるモノは出さなければ良い。
EⅢシステムは当然の事、瞬時にバランスを戻すMSタイ捨流や無数のミサイルで敵だけを狙うマルチロック。
そういったモノは戦闘の要ゆえに販売する事が出来ない。売るとしても思いつく者が限られる阿頼耶識やスーパーモードなど前提OSくらいなものだ。
「しかし統一性のあるイメージか」
一方でどんな拠点にするか、どんなフォースにして行くかというのは簡単に決まるモノではない。
かといって延ばし延ばしにして全ての物を販売したり、あちこちのフォースと提携し続けると言うのは面白さに掛けると言う物だ。
「僕からは……うーん、そうだね。せっかくの地下拠点だし、それにからめたネタが良いかな? ラクロアでもいいけど」
「そういうことなら……。ここってリーブラが落っこちてできた穴ってイメージだったわよね? ガンダムXかターンA系ってのはどうかな? それなら設計図売っててもおかしくないし」
とはいえこういうのは、確固たるイメージがなければ雰囲気や来歴に流されるものである。
特にソレが自分達の路線とそれほど変わりなく、流用できるモノであれば組み込んでしまうこともある。
「マウンテン・サイクルの一種みたいな? まあ思いつかなければそれもアリかも」
「俺のバエルだと、マクギリスが倒された後で封印されっぱなしだった扱いに成りそうだな。ボロボロになった姿をウヴァルやアスタロトのパーツで補修したというところか」
「良いんじゃないソレ? ラクロアだと私のV2お姫様みたいなイメージだと嬉しいな」
始まりはその程度の認識だったが、一度方向性が決まると自体は加速して行く。
気が付けば地下世界に封印された魔神だとか、発掘された古代の遺跡と言う雰囲気で造ろうということに成ったのである。
●
例え適当な理由であっても、意見が固まれば提案する事も推敲することもできる。
一同の計画は草案どころか、今までの停滞が嘘の様に進んで行った。
「それじゃあまとめるよ? まずは表層。入り口周辺は遺跡風でそれ以上は広げない。裏手は可能な限り広くして演習場にする」
「裏に地底湖ってのは絶対譲れないんだからね!」
「その方が一見何を用意してるか判らないし、問題無いだろうよ」
ロケーションは地底湖に面した丘であり、そこを入り口に地下遺跡といった風情だ。
移動標的などは倒すと同時に湖に沈めるので、客が居てもパっと見るだけでは判らないようにする予定だ。
リアルでそんなことをすれば大変なだけだが、ガンプラなので問題無い。
「大雑把な書く蝶は専門のフォースに依頼するとして、詳細な場所は僕らで時間を掛けてやる」
「隠すべき場所と、新規メンバーの割り当ては地下だったよな。なら当面は上か」
「はいはーい! 私は自分の部屋と客室回りにお花畑を用意するね」
方向性である過去の遺跡をコンセプトに沿って、陰陽をハッキリさせることになっていた。
見せても良い部分は上層に、現在の優先区画として大雑把にではあるが先に片付ける。
見せ無い部分は核心を隠す場所であると同時に、今は無理に手を付けない区画だ。
「まあ当面は依頼料と資材稼ぎにミッション受けなきゃならないし、ゆっくり確実にね。現在のフォース・レベルでは手狭になった辺りで、ランキングを徐々に上げよう」
良くも悪くも今までは拠点が不要で、大会に予選なしで出場しようと言うほどの気が無かったことが大きい。
フォースとしての規模が大きくないので現在の拠点補正は小さいし、だからこそ実績に応じて大きくなっていくだろう。
「ランキングを上げるのは良いが、前にも言った通り気の合わない連中と組んで方向性が変わるのは好きじゃないからな」
「主力の入れ換えをするほど増やす気は無いよ。それなら公式大会に出る方がメリットがあるさ」
フォース・レベルの上げ方は基本的に人数xランクなので方法は二つだ。
一つ目は単純に参加者の実績を増やす事。
徐々にランキングの関わるミッションや大会に出れば、それなりにランクが上がっていく。
二つ目は当然ながら、制限人数まで人数を増やしていく事。
実力のあるメンバーが増えれば増えるほど高くなっていく。
ただし上位ランカーと下位ランカーでは、フォース・レベルの上がり方が異なるので足切りや制限があると言えなくもない。
これを回避するにはタイトルに関わること……、質の高い公式大会や特別ミッションで上げるしかないだろう。
「じゃあどんな資源ミッション受けて行くの? それしながら大会や特別ミッションを見繕うってことよね」
「輸送任務が鉄板だけど……木星行きなんかやってられないから。まずはご当地任務を受けて、そこから派生形を探すかな」
資源ミッションというのは読んで字の如く、資材をゲットできる依頼である。
以前は存在しなかったミッションで、拠点を自在に加工できるパッチが実装されてから加わったモノだ。
自分で掘ったり伐採することもできるし、その場にある交換ミッションで資金や他の資材に変えたり、輸送ミッションに繋げることもできる。
「なるほど、地下で獲れる資材を他所に売るのか。ますますMMOに成って来たな」
「そういうこと。地味に掘り続けるだけなんてつまらないからね。同じ稼ぐなら色々見て回ろうよ」
良いことずくめに見えるが欠点としては非常に地味な作業で、長く続けて居られないタイプになるだろう。
当然ながらマクロ作業も制限されており、木星便や火星便など長期にINできない人向けのミッション以外では使用する事が出来ない。
その後の流用方法がかなり分かれており、資材を自分達が使う為に備蓄するものと、必要とされる場所に売りに行くモノに分かれる。
最初は採掘補助・護衛依頼を出して居る場所から初めて、輸送護衛依頼を受けてついでに売ることもできる場所や他の資材ミッションを選ぶか、ネットで欲しがっているPCを探しても良いだろう。
こうして一同は拠点拡張の為に動き始める。
と言う訳で今回は拠点をゲット、拡張するという話です。
拠点に関しては特に描写がないので、ウルティマ・オンラインなどのホームやギルド・タウンに各種ミッションを合成しています。
今回は地味でMMOポイ話だったので、次回が戦闘回。多分早めの予定になります。
この話が予約投稿、今夜に装備データ例。早ければ水曜日か木曜日くらいに戦闘回と言う感じでしょうか。
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各種サイズの他、入室最大人数や個室の数、ショップの品目や置いておける数などが変わってくる。
基本的にはレベルが高い方が色々と良くなっていくが、特定の項目に特化してカスタムする事も可能なので無理に大きくしないフォースもある。
貨物室を潰して客室にしているようなフォースもあれば、極限まで客室を削って個室やミーティングを広くすることも可能だからである。
よってフォースとしての格付けよりも、拠点としての特性・看板の方が重要とも言える。
隕石や宇宙要塞ならば個室のサイズは小さいが、練習スペースは広く移動し易い傾向にある。地下ならば練習スペースも個室も狭いが、見晴らしを悪くも良くも調整し易い。
もちろん上位ランカーの居るフォースの方が質が高くなる傾向にあるが、どんな拠点なのか判り易い方が同好の士や注目集め易いと言える。
単に広い場所で休んで練習するだけならば戦場ミッションに行けば良く、豪華なスイートよりも天空の城なり巨大戦艦に宿泊する方がロマンがあるようなものである。
●3人の拠点
名称:『封印の地』
人数:正式メンバー3人、フレンド4名~。
友好フォース:2
個室サイズ:1x10 (仮設住宅レベル)
PCブローカー:
ファースト・X・W・ターンAの設計図を限定で、強力だが残り使用回数の低い武装などを販売。
特注品はファンネルの軌道パターンや複座式コックピットなど。
ロケーション:
地底湖に面する丘にある遺跡で、入り口が岩場に成っている。
裏手は花畑の中に仮設住宅が並べられており、湖で泳ぐ事も小舟で遊ぶこともできる。
入り口の岩の中に隠された場所からバエルが出撃したり、湖に面した場所からV2が空を飛んだりする。なおヘビーアームズは普通に入口から大きなトロッコで運ばれてくるとか。
現時点でのメンバーはいつもの3人で、フレンド登録して居るのはバーザム・マークⅡに乗って居た厨二病の二人とラビアン・ローゼスの数名。
キュベレイ姉妹と執事達が入り浸って居るのは単に、ラビアン・ローゼスは欲しいフォース拠点を万年交渉中なので今は定める気が無い為である(だからデンドロビウムが仮説拠点だった)。