ビルドダイバーMMO【完結】   作:ノイラーテム

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カスタム・ミッション

●ドラマチック戦闘

 ミッションには幾つかのタイプがあり、それぞれに特性がある。

 ドロップ品が落ち易い物や新型機に乗れる物、スキルポイントが多い物にスキルの取り直しを行う物など様々。

 今回参加するインドシナ戦線ミッションは大規模戦闘を扱っている物の中でドロップ品系であったが……。飛び交った情報によればド派手なドラマチック・バトル化しているとのことだった。

 

『高台の森に多数。その先の狭い道筋にも何機か同型機』

 V2ガンダムの改造機はホバリングを掛けながら高空から戦場を見渡した。

 ウイーンと音を立てて、メガ・ビームキャノンの代わりに取り付けた望遠レンズが稼働する。

 ヴェスバーの代わりに銀色のスカートスラスターが姿勢を制御して、可能な限りブレの無い補正を行い、予備のサブレンズも動員すり合わせて画像を生み出し始めた。

 

『ジオン系MSに野戦コートを着せた軍人さんって感じ。ミツオ、こいつら何か判る?』

 送られて来た画像は、ザクやギラドーガを寸胴にしてコート状のアーマーをしている機体だ。

 全てがマシンガンと大型シールドで統一され、予備兵器としてシュツルムファストを装備して居る。ただ森に隠れ潜む機体は緑系、道に待ち構える機体はサンド・ブラウンという色彩の差があった。

 

『ゴブリン……かな? ガワだけ似せてあるだけで普通のプラモを使った改造だと思うけど』

『妖精のゴブリン? 言われてみればそんな感じね』

 寸胴に処理された姿は愛らしいと言えなくもない。

 悪戯好きの妖精だと言われればそんな気がしなくもない。

 だが実際にはそんな連中では無く、戦場系マンガが好きな戦闘マニアの集団なのだが。

 

『この場合のゴブリンというのは漫画に出て来るMSだよ。量産・修理・比断面積縮小を目的にした機体で、装備と手足をニコイチ・サンコイチする為に共通化させているんだ』

『あー。量産向きマシンってやつね。……どうする? 共闘を申し出るなり他所に行く?』

 今回の目的は三機一組で多数を相手取るテスト戦闘なのだが、絶好の地形に先客が陣取っている。補修や武装の共通化を行っているということは、量産マシン好きであると共に長期にわたる泥臭い闘いを好むということだ。

 少なくとも明け渡す気は無いだろうし、この後の『本命』を考えれば奪うほどの余裕があるとは思えなかった。

 

『今回はドラマチック・バトル化してるから敵には困らないでしょ。丘の代わりに連中を盾代わりに使わせてもらえばいいさ』

『ズルイ気もするけど……。そんなに敵が出るんだ。一年戦争が舞台じゃないみたい』

 ドラマチック・バトル化というのは、ミッションの内容がありえないレベルで大規模化していることを示す。

 テレビシリーズやOVAで偶に存在する、時代的に合わない機体やありえないほど大量の数が出て来て、後から資料やDVDで補正されてしまうアレである。

 

 基本的にはスタンピードと呼ばれるバケモノ機体が出る場合と、大海嘯と呼ばれる大軍が出てくる二パターン。

 今回は一年戦争のインドシナ戦線なので後者、ジムとザクの大軍が現れる予定である。

 

『それならあの辺が良いんじゃない? 僕のVer.32(トランドゥ)も先輩のV2も能力を活かせるし』

『そうね。入り組んでるからクリスに先行してもらいましょうか』

 配布された簡略地図を拡大して、それを元にV2が撮影した画像を組み合わせる。

 何度も同じMAPに出かけなければ手に入らない様な地図が、瞬時に手元に構成された。

 これが偵察可能な機体を空中に上げる効果であり、火力の低下と危険を考えてもリターンを得られる成果だ。

 

『了解した。NPCが居れば倒すが、PCの斥候が居たら交渉ってことでいいんだな?』

『それでお願い。もしかしたらさっきの連中の隠し玉が配置されてるかもしれないしね』

『その場合は列車砲かそれとも司令部か。陸戦型のサザビーが居たら司令部で決定な』

 銀色の肩スラスター……V2のスカートと同じモノを付けたバエルが徒歩で地上を移動する。

 その姿は悪目立ちしてマント姿の騎士に見えなくもないが、きっとマクギリスならばOKしてくれそうな雄姿でもあった。

 

『惜しいな。連中の司令部じゃなくて、俺達と同じことを考えてる連中だった。このまま提携して良いんだな?』

『良いんじゃね? 今更移動するのもなんだし、丘の連中みたいに占拠してる訳でもないんだろ』

 バエルの銀色スラスターにはサブカメラと通信機の端末が仕込んであるのか、V2のデータと同機してデータを更新。

 そこに隠れて居たバーザム・ディフェンサーやティターンズ仕様のMK-Ⅱなどが出迎えて、フレンドリーなポーズをして居るのが見えた。

 都合が良い場所と言うのはそれほどある訳でもなく、考える事も似たような物だから仕方無いとも言える。

 

『なあ。この銀色外して良いか? 今日は空飛びそうにないし周囲が『マクギリス閣下にお似合いですね』なんて恥ずかしいんだが』

『それもテスト中だから壊れるか突入するまでは勘弁してくれよ。意味が無いか判るまでが試験ですっていうやつ』

 この効果を補助して居る銀色のスラスターはミツオの考案したギミックだった。

 自分では持ってないシュツルム・ブースターを交換してもらった手前、勝手に外すわけにもいかない。

 それに銀色でド派手な部分にも、一応は意味がある。

 

『EⅢ・ファンネルの調子良さそうだもんね』

『あとはリフレクターとして機能すれば最高かな。まあ無理だったら分割するだけなんだけど……インドシナ戦線で試すのは難しいかな』

『雨が降るし、そもそもビーム兵器が少ないからな。アプサラス相手にはただの姿勢制御だ』

 サブカメラと指向性通信機(指揮官用のブレードアンテナ)を仕込んだスパイ・アイであると同時に、姿勢制御スラスターとリフレクト防御を兼ねて居る。

 空中管制を行う為に飛び続けるV2と、一同の先頭を行くバエルの機動補助を行い、データリンクと対ビームで三人を補助する機構であった。

 

 とはいえ複合機能のある装備を、一度のシチュエーションで試すのには限界がある。

 全ての結果を出し、全てに良好なデータを持ち帰るというには無理があるだろう。

 

『最後に反射射撃用のドローンとして使って見て、意味が無かったらビットとして機能を分ければ良いじゃない』

『先輩の機体なら防御としても、迷彩としても良いんでしょうけどね。こっちとしては恥ずかしさでいっぱいです』

 狙撃用のロングレンジビームライフルのみを武器とし、高空を抑えるV2カスタムにとって銀色のスカートスラスターは丁度良い装備だ。

 下から撃ち上げた時にコックピットよりも先に当たってくれるし、下からならば銀色は光を曲げて見え難くする効果もある。

 逆に地上を練り歩いて友軍(?)に囲まれたバエルカスタムにとっては、悪目立ちする以上に使い道が無い。

 

『まあまあ、そう言うなよ。……んー、今回は連邦軍が大規模化してるみたいだな。喜べ、ビームスプレーガンくらいあるかもしれん』

『コレが役に立つほど囲まれたくはないがな』

 現れた機体は陸戦ジムや陸戦ガンダムを隊長機として、悪夢の様な数で現れたジムの大集団。

 一応はマシンガンやバズーカを主兵装にして居るが、何かの違いでビーム仕様のモブが紛れこんで居ても不思議ではない。

 

 モビルスーツだけで延べ百機以上。

 これだけの数が居ればこの戦線は終わっていると思えるほどの、呆れるほどのモビルスーツがそこに居た。

 

●激闘のインドシナ戦線

 あまりの数にプレイヤー達は即座に共闘を試みた。

 最初はしない予定だった連絡網が一気に構築されていく。

 

『画像の転送に感謝する。以下、敵軍団の分析成り』

『参謀を持たない初期の三機編成。四個小隊十二機で中隊。中隊長機はRGM-79【G】と見ゆ』

 連邦軍は初期と後期で編成を変えており、初期はジオン軍を真似て三機編成だ。

 これに偵察車両や指揮車両、あるいは砲撃可能な車両に支援させて形成して居る。後期はジムキャノンなどを加えた四機で三機を圧倒し、かつMS参謀・航空参謀などを別に付ける編成になるらしい。

 

『RX-79【G】は数が少ない。大隊長機と目されるが……コジマ大隊を確認したか?』

『後方に動いて無い連中が居るけど……。陸戦ガンダムの事で良いのよね? うん、居る居る』

 形式番号で呼ばれても判らないが、部隊名くらいは流石に判る。

 陸戦ガンダムと陸戦ジム(と支援車両)だけで構成された、08小隊に登場する強襲部隊が後方に控えて居た。

 

『なあ、今回フラッグとかあったか? それとも重要拠点』

『特にはなかったと想うぞ。……となると温存してるのは遊撃用だろうな』

『狙って潰さなくて良いのは助かるけどな。……何処かにおびき寄せるか?』

 プレイヤー達の間で情報と推測が飛び交い、たちどころにNPCの戦術が判明した。

 百機弱のモビルスーツと爆撃機で押し潰し、それでも倒せなかったら精鋭部隊を集中投入する気なのだろう。

 

『守り易い所を意図的に薄く見せて、おびき寄せるしかないな』

『でも五倍か……意図的に戦うにゃちょっとキツイな』

 こちらは丘を占拠している大規模フォースが十機、クリス達を合わせて小規模フォースが十名ちょっと。

 ガンプラバトル上では能力値と火力は同レベルなので、数だけなら実に五倍以上の戦力が相手である。

 

『とはいえ向こうは通常設定だろ? ヤバイ武装は無いからやれるさ』

『空飛ばないしビームスマートガンとかないもんね。私たちが隊長機を落として行こっか?』

『いや、できれば君たちのフォースはデプロッグに専念してくれ。モビルスーツの弱点は頭ってのは変わりない』

 能力値が同レベルであっても、装備は普通にマシンガンと盾である。

 重装甲の機体はこの時代には居ないし、ジム・スナイパーを除けば長距離ビーム砲も無い。

 陸戦ガンダムの180mmカノン砲にさえ気を付ければ、空を飛ぶ機体や長距離射撃機は落とし難いのだ。

 

『頭を気にしなくて良いなら凄い助かるな。目の前の雑魚を狩る練習に成るし任せるわ』

『ちょっと、勝手に決めないでよ!』

『……上の数が多い時は援護に行くよ。俺のバエルは白兵用だし、地上をメインにさせてもらうけど』

 そんなこんなで簡単な作戦が決まり、簡易的な陣形も決まった。

 細かい所に文句は出るが、完全な作戦を決める時間も決定する権利も無いので、それなりのところで妥協案が取られる。

 

 一同は丘上の森と、対岸とも言える崖部分を中心に戦線を構築。

 その間にある道は途中からワザと防御を薄くして、敵の精鋭を呼び込むという作戦になったのだ。

 

『でもさ、なんであそこに08小隊が行くって判るの?』

『遊撃隊ってのはさ、要するに困った時に使う戦力なんだよ。今に使えば戦闘に決着が付くとか、逆に作戦は順調なのに強力な敵が出てきたら足止めに使う』

『なるほど。放置したら回り込んで来かねないから、予め全力が出せない所に誘導するのか』

 08小隊ほかコジマ大隊二十余機は精鋭部隊なので、数多くの武装と高いスキルを組み込まれているはずだ。

 戦線が膠着して居れば回り込んで挟撃を行うだろうし、こちらにチャンピオン級が居れば武装レンジを合わせて一斉砲撃で仕留めるだろう。

 だが予め狭い道に呼び込めば、豊富な武装ゆえに普通に戦うだろう全ての力を出せないだろうと判断したのだ。

 

 そうこうする内に戦線が開かれ、丘を守る大規模フォース『近藤一家』と先行ジムの集団が砲火を交える。

 あっと言う間に中隊長を示す陸戦ジム他が吹っ飛び、穴を埋めるように代わりのジムが出撃して来た。

 

『無造作に撃ってるのに良く当てるわね。私は苦労して制御してるってのに』

『予め陣地を占拠してたでしょ? きっとA地点ならパターンA、B地点ならパターンBって決めてるんだと思う』

 ビッチ先輩とミツオは軽口を叩きながら、次々にやって来るデプロッグを落として行った。

 姿勢制御されたV2がロングレンジ・ビームライフルで落とし、足のアイゼンや肩のカウンターウエイトで重身を保ったヘビーアームズが的確な射撃を加えて行く。

 下面の装甲は厚いと言う設定ではあるが、水平射撃のビームや無数に射ち込まれるガトリングは防げない。面白い様に撃ち落とされて行くのだが、これまた数にキリが無いかのようである。

 

『こっちはライフルしか武装無いから良いけど、ミツオの方は?』

『いやー大規模戦闘だと聞いてたから準備はしてるよ。でもまあ、ミサイルの方は心もとないからコジマ大隊までは使えないけどね』

 V2は狙撃用のBライフルだけなので、Eパックを大量に込んでるからそれで済む。

 これに対しヘビーアームズはいつも所持して居るE装備の実砲弾ではなく、アニメ版のビームガトリングガンを改装してチャージ式にして居た。

 これを盾付きコンテナに入れて三つ以上用意して順繰りに使う、オペレーション・ナガシノと呼ぶ補給作戦を立てて居たのだ。

 

 とはいえミサイルの方はそうもいかないし、コジマ大隊が来たら飽和攻撃をする為に使う必要があるだろう。

 それこそがヘビーアームズの真骨頂であり、使い切ったらまた白兵戦に参加する予定だった。

 

『でも今更、どうしたの?』

 何をいまさら。

 そう尋ねたミツオに対し、予想を越えた恐るべき回答が返ってくる。

 

『んとね。相手の機動戦艦が突っ込んで来るみたいなの。上にスナイパー何機かのっけて』

『ライアー大佐旗下の小隊か。そういや狙撃機が居たけど……』

 それは冗談のような光景だった。

 ホバー戦艦であるビックトレーを足場代わりに、先行生産型のジムスナイパーが数機砲台の補強として載せられていたのだ。

 

『ここで司令部ごと玉砕させるかよ……古代の戦車じゃねーんだぞ』

『原作知識に引きずられたわね。……これってどうすんのよ。温存してる攻撃を叩き込む?』

 プレイヤー知識で編成と作戦を見抜いた物の、プログラムだということを失念して居た。

 コジマ大隊が切り札として遊撃任務に着いているのは確かだが、切り札がもう一枚あって悪いということはない。

 同時に勝利条件が設定されていない以上は、司令部というモノは存在して居ないのだ。ビックトレーと言えどただの戦力に過ぎない。

 

『俺が行く。最低限スナイパーと砲を潰せば大丈夫だろう』

『クリス、あんた……』

 紛れも無い危険に対し、クリスが志願した。

 対策は思いつくが後に残す為のリソースを削るものであり、確かに白兵戦機体が単騎で止めに行くのが正解ではある。

 だからこそ止めるのも躊躇われるし、大丈夫だと言い切るには不安が残るのも確かだ。

 

『ビッチ先輩、誘導を頼む。ただ飛び込めば良いってもんじゃないんだろ?』

『……指定エリアのデプロッグを潰しながら行って。そうすれば気が付いて無い様に見えるから』

 掛けられた言葉は大丈夫だと言いきる物ではなく、役割を果たしてくれと告げるものだ。

 少なくともビックトレーはなんとかするという男に、女が出来るのは最も確実な方法を教えることだけだった。

 

『バエル・ザ・ブラックナイト。クリス・マモル、出るぞ!』

 黒地に臙脂色で染められたバエルが天を切り裂く。

 漆黒の矢と化して、指定されたエリアに居る爆撃機を次々と落として行く。

 厚い下面を越えられた機体は面白い様に落ちて行き、護衛の戦闘機が群がることで地上から見れば、小さな混戦が起きて居る様に見えたかもしれない。

 

『あれか。ホバー戦車に……スナイパーはロングレンジビームライフルか。丁度いい』

 流石にビックトレーを砲台扱いして、その護衛に盾持ちが居るならクリスとしても考慮したかもしれない。

 だがビーム仕様の射撃機であれば、今回の装備を実験するのに丁度良いとすら思えた。

 

『バエルだ! バエルが空を行くぞ』

『まるで閣下の様だ。歓呼三唱!』

『LA~LA~♪』

『ウラー!』

 黒騎士がデプロッグを置き去りにして、ビックトレー目指して急降下を掛けた。

 着地のついでにジムスナイパーに一撃、盾を持たぬがゆえに防ぎようが無く一刀で両断された。

 

『やっと一撃で倒せる様になったか。これを射撃機以外にもできるようになれば良いんだが……マクギリスじゃなくて、アグニカに例えてくれよ』

 クリスは体勢を立て直すと、もう一度袈裟斬りの体勢に持って行く。

 ただしタイミングを緩めにして、『その次』の攻撃を見極めてから飛び込んだ。

 

 あえて遅らせた為にライフルを犠牲に防がれてしまったが、パワーが足りないのでそのまま頭を潰す。

 脇から放たれるビームを肩のリフレクターで防ぎつつ、蹴りを加えてビックトレーから突き落とした。

 これで残るは二機。味方を巻き込む様な砲撃にさえ気を付ければものの数では無いだろう。

 

 役目を果たした。一騎駆けとはいかないがアニメの様に戦艦を潰せると想った……時の事だ。

 怒号の様な通信と、ホバーを吹かせて三機のゴブリンが飛び込んで来るのが見えた。

 

『そのまま走らせたら防壁に使われちまう。絶対にその場で落とせ!』

『ちっ! コジマ大隊が出て来たか』

 敵の作戦は最初から二枚看板だったのかもしれない。

 先行するビックトレーを追い掛けて、陸戦ガンダム達が進軍を開始した。

 このまま放置すれば射線を遮る壁と成り、丘を攻略する手助けになってしまうといいうことだろう。

 

 唸り声を上げるMMP-80マシンガンが落下したジムスナイパーを蜂の巣に変え、シュツルムファウトがビックトレーに突きささる。

 バエルは自分に向いているジムスナイパーを狙うのではなく、下にライフルを向けた敵に切り掛った。

 

『そのままジェットストリームアタックを掛けろ! こっちは援護する』

『手柄を横取りしてしてすまんな!』

 袈裟斬りを浴びせてライフルごと両断し、自分に向けられたビームを肩で受けれる軌道で一気に飛ぶ。

 狙うはビックトレーの銃座で地上から向かって来るジム達、エンジンに向かうゴブリンを迎撃する為のシステムそのものだ。

 ヒートホークがエンジンに叩きつけられている間、クリスは戦艦を落とすよりも、味方の作戦を守るべく獅子奮迅の戦いを繰り広げた。

 

『三方から叩きこめる位置まで引きずり込め!』

『時間が来たら全力射撃だ! 各機、遠慮するなよ。ネオ・テキサスまで吹っ飛ばしてやれ』

 ホバー戦艦が止まり、群がってくる先行ジムをあらかた片付けた頃。

 精鋭であるコジマ大隊が戦線に加わったのである。それを各フォースが迎撃し、なんとか予定の形にそれぞれの陣形を動かしつつある。

 

『勝ったか?』

『敵の半数以上が残っていて勝ったと言えるならな。……動けるか?』

『問題無い』

 おそらくは戦線が完全に膠着した扱いに成り、撃破数に応じた勝利が判定される筈だ。

 それに向けて少しでもジムを狩ろうと、倒れたゴブリンに肩を貸し、三機のパーツを融通しあって戦えるようにするのを助けた。

 

 こうしてインドシナ戦線を扱ったドラマチック・バトルは、プレイヤー側の勝利に終わったのである。




 と言う訳で、今回は大規模戦闘の練習シナリオをこなした形になります。
黒騎士バエルがほぼ完成系、V2の装備の一つを試験、ヘビーアームズは武装を試験と言う感じで、三機一組の戦術を試した感じ。

●バエル・ザ・ブラックナイト
 肩と足をウヴァルの物に変え(アスタロトでも可)、肩に追加装備を設置可能にして、ふくらはぎにスラスター。
基本的に強烈な斬撃を浴びせる為の機体で、武装は真バエルソード一本。籠手のナックルと後腰の稼働スラスターは未完成。
今回はV2の装備を肩に設置し、ビーム防御と探知補助を行っています。

●V2カスタム。EWSパーツ
 武装はロングレンジ・ビームライフルのみ(銃剣ビームサーベルで槍にはなります)、狙撃しながら空域管制する為の機体です。
肩に望遠カメラとサブカメラ、腰にスラスターとリフレクターを兼ねたEⅢ・ファンネルを装備。
EⅢは攻撃力は無い代わりに、サブカメラと圧縮通信機が付いており仲間も装備できることから、三機にデータを送信できるスパイ・アイです。
 大口径のビームスマートガンではなくロングレンジ・ビームライフルなのは、リフレクター・ドローンとして使う為に威力よりも精度を取った感じ。
もしリフレクター・ドローンが上手く機能しない場合は、スラスター機能は諦めて普通にリフレクター・ビットになる予定。
(なおEモードが戦闘力の低い空域管制機としての姿なので、もう一つのモードは戦闘を重視する予定)

●ヘビーアームズver.32(トランドゥ)
 この機体は足を止めて高い命中率で射撃することを前提に、武装と戦術を切り替えます。
今回はチャージ式のビームガトリング砲を複数用意し、コンテナに入れてそれごと盾で守りながら持ち運ぶ。
あとは次々に持ち替えて射撃する……というオペレーション・ナガシノなのですが、継続戦闘するなら電池式のバスターガンダムの方が向いているので御蔵入りの予定。

●近藤一家とゴブリンもどき
 近藤和久先生の漫画に出て来る、ザクとかギラドーガを足して寸胴にした様な機体をイメージしている。
外見はコート状の装甲で隠す為に中身は一致せず、ガレージキットと言う訳ではない。とはいえ共通化したパーツを取り変えることで二個一・三個一の補修が可能。
彼らは泥臭い戦闘を好み一致団結する体育会系。戦闘好きなので偶に出張して、海賊勢力などに名前を隠して参加して居る。

●ティターンズ・エウーゴ連合と、バーザム色違い。ほか
 MKーⅡの後継機というコンセプトで、Gディフェンサーを装備したり色違いで塗装して居る。
他にもエウーゴ・カラーのマラサイとか、ティターンズ・カラーのMk-Ⅱやバイアラン・カスタムとか居たかもしれない。


●ドラマチック・バトル化
 様々なミッションの派生形で、敵勢力が大規模戦闘化または化け物マシン化する。最初はマンネリ打破であったが、途中からネタと化して居る。
ドロスからゲルググとザクが百機くらい出撃したり、ジャブローにドムやグフが何機も降下して来るなど一回限りのネタならあり得るよね……というレベルで総数や強さが強化される。
ここでの注意事項は二つで、構成はまったく変わって無いので想ったよりも対処が可能なことと、ルーチンが変更されるので原作通りにはならないことである。
ついでに報酬が増えることと、こっそり参加して実験し易いので参加する者は意外と多い。
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