ちなみに最初のジム戦の結果はこうです。
リーフィア ◯:× ムクバード
リーフィア ◯:× ナエトル
リーフィア ◯:× ピカチュウ
リーフィアの技を変更しました。
ジムバッジを7個集めたサトシは8個目のバッチを掛けてハクタイシティに来ていた。
「遂にコウヤとのジム戦だ……やるぞピカチュウ!」
『ピッカ!』
コウヤへのリベンジと気合い充分のサトシとピカチュウ。前回ハクタイジムに挑んだ時はコウヤとの圧倒的実力差に敵わず、1体も倒せずにストレート負けてしまった。だがサトシ達は今までの旅で成長し強くなっている、その成果をコウヤに見せる時が来たのだ。
「コウヤとのジム戦頑張ってサトシ」
「コウヤは今まで一番の強敵だ。頑張れよサトシ」
「ああ、コウヤに勝ってバッジゲットだぜ!」
ハクタイジムに入ったサトシの目の前の広がるバトルフィールド。その向かい側にはコウヤが立っている。
「遂に来たねサトシ」
「来たぜ。コウヤ」
サトシとコウヤ……互いに待ち望んでいたバトルが今始まろうとしている。
「二人のバトルの審判は私が行うわ」
ナタネが審判としてバトルの中央に立ちコウヤとサトシに語りかける。
「このバトルにおけるポケモンの交代はチャレンジャーにのみ認められ、使用ポケモンはジムリーダーは3体、チャレンジャーは6体全てとなります!」
「6対3!?」
ナタネの言葉にサトシが目を驚きを隠せずに叫び、聞き間違いではないかとコウヤを見るサトシ。
「サトシの全てが見たいからね。今まで旅の成果を見せてもらうよ!」
「なら見せてやるぜ! 俺達の全てを!」
サトシはコウヤの思いに応えるだけとまっすぐにコウヤを見る。
「両者ポケモンを!」
ナタネの声と同時に両者共にモンスターボールを構える。
「僕の1体目は……ロズレイド! 君だ!」
『ローゼェ』
コウヤの1体目はどく・くさタイプのロズレイド。今までコウヤ幾度となくとバトルしたことがあるサトシだが、ロズレイドと戦うのは今回が初めて対するサトシのポケモンは……
「フカマル! 君に決めた!」
『カフッ!』
コウヤは、サトシの1体目はドラゴン・じめんタイプのフカマル今回が初めてバトルするポケモンにどんなバトルを見せてくれるのかとコウヤは期待する。
「それでは……バトル開始!」
「フカマル! りゅうのはどう!」
「ロズレイド! ベノムショック!」
フカマルのりゅうのはどうとロズレイドのベノムショックがぶつかり合い、その威力を相殺し爆発が起こる。
「ロズレイド! マジカルリーフ!」
『ロゼッ!』
目の前を遮る煙に向けて攻撃範囲の広いマジカルリーフを放つが、フカマルが煙から突き抜けてマジカルリーフを大きく開いた口で食べる。
「食べたっ!?」
『ロゼッ!?』
予想外の出来事にコウヤとロズレイドは驚きを隠せずに動きが止まる。サトシはその隙を逃さない。
「今だ、フカマル! りゅうのはどう!」
動きが止まったロズレイドにフカマルのりゅうのはどうが炸裂し吹き飛ばされる。
「どうだ! コウヤ、俺のフカマルは何でも噛みつく癖があるんだ!」
『カフッ!』
「ふははっ! 本当に面白いよ! サトシ達は!」
フカマルの癖……そして、それを利用するサトシのバトルにコウヤは驚くが思わず笑みがこぼれる。
「ロズレイド! どくどく!」
「フカマル! あなをほるだ!」
フカマルは穴を掘って地面に隠れることでロズレイドのどくどくを回避する。
「今だ! 掘った穴に向けてくさぶえだ!」
「なっ!?」
何でも噛みつくフカマルでも音技のくさぶえは無効化は出来ない。更に穴の中は地上と違い音が響く。つまりはくさぶえの音色からは逃れることは不可能である。
「フカマル! 大丈夫か!?」
サトシがフカマルに呼び掛けるが、何の反応もなくロズレイドのくさぶえによって眠ってしまっているようだ。
「今だ! 穴に向かってマジカルリーフ!」
『ロゼッ!』
コウヤの指示通りにロズレイドがマジカルリーフを放ち、フカマルは穴から上空へと打ち上げられてしまう。
「フカマルッ!!」
『カフッ!?』
マジカルリーフを受けたダメージでフカマルは目を覚ますが、空中に打ち上げられてしまい身動きをとることが出来ない。
「今だ! 止めのベノムショック!」
空中では回避することが出来ずロズレイドのベノムショックが炸裂し、フカマルは力なく地面に落下する。
『カ…フッ……』
「フカマル戦闘不能! ロズレイドの勝ち!」
まずはコウヤの一勝でサトシの残りのポケモンは5体。
「よく頑張ったな、フカマルゆっくり休んでくれ」
フカマルをモンスターボールに戻し、労いの言葉を掛けるサトシ。
「フカマルの癖を利用したバトルは驚いたよ。でもそれだけでは僕のロズレイドは簡単には倒せないよ」
サトシとフカマルの作戦を称賛しながら悠々と語るコウヤ。対してサトシはまっすぐにコウヤとロズレイドを見据える。その目はまだ熱く燃えている。
「まだバトルは始まったばかりだ! ブイゼル君に決めた!」
サトシの2体目はみずタイプのブイゼル。くさタイプのロズレイド相手は不利だ。コウヤはそう考えるが、サトシは落ちついた様子であり気を引き締める。
「ブイゼル! アクアジェット!」
先に動いたのはサトシとブイゼル。目にも止まらぬ速度で動いたブイゼルにロズレイドは呆気に取られアクアジェットの直撃を受けてしまう。
「いいぞ! ブイゼル!」
『ブイブイ!』
「やるね。ロズレイド! マジカルリーフ」
マジカルリーフを避けるブイゼルだが、その葉はそのまま消えることなくブイゼルを追尾する。
「かわせ! ブイゼル!」
ブイゼルは自慢の素早さでマジカルリーフを振り切り回避する。
「ロズレイド! もう一度マジカルリーフ!」
「れいとうパンチで砕くんだ!」
今度は、れいとうパンチでマジカルリーフを凍らせ砕き、一気に距離を詰める。
「ロズレイド! ベノムショック!」
「ブイゼル! ソニックブーム!」
近付かせまいと、コウヤはベノムショックを指示し、サトシはソニックブームで応戦する。2つの技の衝突により爆発が発生し砂塵が舞い視界が塞がれる。
「そのまま突っ込め! アクアジェット!」
『ロゼッ!?』
視界が塞がれた中、砂塵を突き破ってきたブイゼルの攻撃を避けることは出来ずに怯んでしまう。
「ロズレイド!」
「畳み掛けろ! れいとうパンチ!」
ブイゼルの渾身の一撃がロズレイドに命中し、ロズレイドは吹き飛び目を回して倒れた。
「ロズレイド、戦闘不能! ブイゼルの勝ち!」
「やったぜ! ブイゼル!」
『ッ!……ブイブイ!』
ガッツポーズで答えるブイゼルだが、一瞬何かに堪えているような表情を見せる。
ひとまずは一勝のサトシ、残りのポケモンは5体に対してコウヤの残りポケモンは2体だ。
数ではまだサトシが有利だが、コウヤとバトルを何度も経験しているサトシに油断はない。
「ロズレイドお疲れ様。 よく頑張ってくれたね」
ロズレイドをモンスターボールに戻し労いの言葉を掛けて、新たにモンスターボールをフィールドに向けて投げる。
「僕の2体目はリーフィア! 君の出番だ!」
コウヤの2体目は、イーブイの進化系のしんりょくポケモンのリーフィアだ。リーフィアは前回のジム戦でサトシのポケモン達を1体で倒した実力の持ち主だ。
「リーフィアか……前回は歯が立たなかったが、リベンジだ!」
「リーフィアと僕の力見せてあげるよ!」
前回のバトルでの破れたリーフィアへのリベンジに燃えるサトシ。
「リーフィア! にほんばれだ!」
「させるか! アクアジェットだ!」
『ブ…ブイッ……』
リーフィアのにほんばれを阻止するため先手を打とうとするが、苦しみだし動きが止まるブイゼル。
それにより、リーフィアのにほんばれが成功し効果でフィールドの真上の太陽の日差しが強くなってしまう。
「どく状態!? いったい何時の間に!?」
「僕のロズレイドの特性は、どくのとげ。ブイゼルがれいとうパンチを決めたときどく状態になったんだよ」
コウヤが答えた通りブイゼルはロズレイドに最後に触れた時にどくのトゲの効果により、どく状態になってしまっていたのだ。
「悪いけど、決めさせて貰うよ! ソーラービーム!」
『リーフィッ!』
リーフィアは光を吸収し、光の束を毒で動けないブイゼルに向けて発射する。
「ブイゼル!?」
『ブ……ブイ……』
効果抜群のソーラービームの直撃にブイゼルは目を回し倒れた。
「ブイゼル、戦闘不能! リーフィアの勝ち!」
ブイゼルはロズレイドを倒すことが出来たが、特性のどくのトゲにより勝負は既に決まっていた。
「ブイゼル、ゆっくり休んでくれ」
ブイゼルをモンスターボールに戻すと、隣に立つ相棒に目線を送る。
「ピカチュウ! 君に決めた!」
『ピッカァ!』
サトシの3体目は一番の相棒ピカチュウ。くさタイプのリーフィアには、でんきタイプの技はいまひとつだ。
「ピカチュウか……」
「ピカチュウ! 前回のリベンジだ!」
『ピッカチュウー!』
前回のバトルで惜しくもリーフィアに破れたピカチュウ。リベンジに一段と気合いが入っている。
「ピカチュウ! でんこうせっか!」
『ピッカ!』
「かわして、すてみタックル!」
『リッフィ!』
ピカチュウのでんこうせっかを、素早く避けてピカチュウにタックルを決める。
『ピッ、ピーカ……』
「大丈夫か、ピカチュウ!?」
リーフィアのすてみタックルのダメージでふらつくが、立つピカチュウ
「前のバトルより早い!?」
前回のバトルではリーフィアの素早さに追い付いていた筈のピカチュウが負けていることに驚愕するサトシ
「僕のリーフィアの特性はようりょくそ。ひざしが強いと素早さが上がるのさ」
「何だって!?」
「僕はサトシの全力が見たいって言ったよね? だから僕も全力を出す!」
コウヤはこの場でジムリーダーとしてだけではなく、一人のライバルとしてサトシに負けられない。
「リーフィア! リーフブレード!」
「ピカチュウ! アイアンテールだ!」
『リーフィ!』
『ピーカッ!』
リーフィアの翠色に輝くリーフブレードとピカチュウのアイアンテールによる衝突は、スピードによる勢いがあるリーフィアに分が上がり、ピカチュウは宙に吹き飛ばされてしまう。
「10まんボルト!」
「ソーラービーム!」
ソーラービームと10まんボルトの衝突で爆煙が両者を遮る。
「今だ! ボルテッカー!」
ピカチュウは凄まじい稲妻を纏い、爆煙の中を突っ切ってリーフィアに向かう。
『ピッカァ!』
「リーフブレードで防御だ!」
『リッフィ!』
ギリギリの所で防御が間に合ったが、くさタイプのリーフィアにはでんきタイプの技はいまひとつと言えど、ボルテッカーを受けたダメージは少なくない。
「リーフィア、大丈夫!?」
『リッフィ!』
受けたダメージでふらつくが首を振って持ち直し、大きな声で応えるリーフィア。
「10まんボルトで畳み掛けろ!」
「避けろ! リーフィア!」
飛び上がり、空中からリーフィア目掛けて10まんボルトをバトルフィールドに落とす。
「走れリーフィア!」
走り、10まんボルトを避けながらピカチュウへ近づくリーフィア。
「リーフィア! リーフブレード!」
『リッフィ!』
『ピィカ!?』
特性ようりょくそにより、上昇した素早さを利用したジャンプですれ違い様の一閃を決める。
「ピカチュウ!!」
『ピ、ピーカ……』
リーフィアのリーフブレードも一閃を受けたピカチュウは地面に落ち目を回して倒れた。
「ピカチュウ戦闘不能! リーフィアの勝ち!」
『ピ、ピィカ』
「心配するな、後は任せてくれ」
倒れたピカチュウに駆け寄り抱えて隣に寝かせ、次のポケモンの入ったモンスターボールを構える。
「ドダイドス! 君に決めた!」
「ドダイドスできたか……」
サトシの4体目はドダイドス。コウヤのパートナーポケモンでもあり、シンオウ地方の初心者トレーナー渡されるさ最初の一体。ナエトルの最終進化系だ。
「ドダイドスか……スピードではリーフィアが上だけど、どう出るかな?」
サトシのドダイドスはナエトルの頃は驚くべきスピードがあったが、進化して体重が増えたことにそのスピードは失われている。
「ドダイドス! エナジーボール!」
「リーフィア! リーフブレード!」
向かってくるエナジーボールを真っ二つに両断し、ドダイドスに近づくリーフィア。
「すてみタックル!」
「ロッククライムで迎い撃て!」
細身のリーフィアではドダイドスの体格には敵わず、押し負けて吹き飛ばされる。
「リーフストームで畳み掛けろ!」
「かわして、リーフブレード!」
鋭い葉の嵐を、凄まじいスピードで回避しドダイドスに一閃を打ち込むリーフィア。
「一気に決めるよ! 連続でリーフブレード!」
連続で目にも止まらぬ一閃を叩き込むリーフィア。このまま決着かと思われたが──
「ドダイドス! こうごうせいだ!」
『ドォッダァ!』
こうごうせいは日差しの強さで回復できる体力の量が変わる技。この日差しの強くなっている影響下では回復できる量は多くドダイドスは元気を取り戻す。
「しまった! これじゃ……」
日差しの強さを利用され、焦るコウヤ。
「連続でリーフブレード!」
「堪えろドダイドス! こうごうせい!」
走り回りながら攻撃を続けて来たリーフィアにスタミナの限界が近く、息が上がり始めている。
「これ以上は、リーフィアのスタミナが持たない……」
『リ、リフィッ……』
「この一撃で決める! ソーラービーム!」
リーフィアの最大威力の技で勝負を決めようと判断し、ソーラービームを指示する。
「今だ! ソーラービームを飲み込め!」
「えッ!?」
『リフィッ!?』
目の前で起きたあり得ない出来事に、動きが止まったリーフィア。
「ロッククライム!」
『リフィッ!?』
「リーフィア!?」
ソーラービーム飲み込んだことでパワーとスピードが上がったロッククライム、それを避けることは敵わず、ドダイドスの巨体によりリーフィアは壁に打ち付けられ、目を回して倒れた。
「リーフィア戦闘不能! ドダイドスの勝ち!」
「リーフィアお疲れ様。 よく頑張ったね」
コウヤはサトシのドダイドスが、ハヤシガメの時のフロンティアブレーンクロツグのドサイドンとのバトルの時に発射しようとしたエナジーボールを、偶然飲み込んでしまった時のロッククライムの事を知らなかった。
そしてドダイドスが飲み込んだのはリーフィアのソーラービームだ。クロツグの時とは違い敵の技を飲み込ませるなんて自爆行為に等しい。しかしそれをやってのけリーフィアを倒したのだ。
そして、素早さに特化したリーフィアでは、ドダイドスに対して決定打となる一撃が無かったのが敗因だ。
「ハハハッ! 面白いよ! サトシ」
驚きもしたが予想だにしない行動に大きく笑うコウヤ
「まさか、リーフィアのソーラービームを飲み込ませるなんて思いもしなかったよ。それに君のドダイドスは凄いよ!」
意外な発想力そして、それをやってのけるサトシとポケモン達の信頼関係の強さに負けられないと闘志が燃え上がるコウヤ
「僕達も負けてられない! 行くよドダイドス!」
『ドッダァァ!!』
笑みを浮かべながらモンスターボールに向けて問い掛ける。コウヤの最後のポケモンは最強のパートナー、ドダイドスだ。
「コウヤの最後のポケモンは、ドダイドスか……」
「今までのバトルで、サトシが敵わなかった強敵ね……」
ヒカリが言ったように、サトシはコウヤのドダイドスをて勝利したことはなく、このジム戦において最大の難関だ。
「さぁ、このバトルで僕達を越えて見せてよ! サトシ!」
『ドォッダァァ!』
「ドダイドス! こうごうせいだ!」
リーフィアとのバトルで消耗を引きずった状態では絶対に勝てないひとまず回復を指示するが、それは大きな間違いだった。
「ストーンエッジ!」
ドダイドス目掛けいて地面から鋭い岩が出現し、ドダイドスを打ち上げる。
「ドダイドス!?」
一瞬の出来事に呆気を取られたサトシ。そしてコウヤはその隙を見逃さない。
「ハードプラント!」
くさタイプの最強の技が、宙に浮いたサトシのドダイドスに決まり目を回し倒れた。
『ドォ…ダァ……』
「ドダイドス!?」
「チャレンジャーサトシのドダイドス戦闘不能! ジムリーダー代理コウヤのドダイドスの勝ち!」
あっという間の決着、同じポケモン同士のバトルは実力より経験の差が物を言う。サトシとコウヤの差よりも、ドダイドスの戦闘経験が勝敗を分けたのだ。
「つ、強い……」
「僕とドダイドスの強さは、まだまだこんなものじゃないよ」
ドダイドスは、コウヤの最初のパートナーだ。今まで幾つもの困難を、共に乗り越えてきた最大の相棒。この2人を越えるのは容易ではない。
「ムクホーク! 君に決めた!」
『ムーク!』
サトシの5体目はノーマル・ひこうタイプのムクホーク。くさ・じめんタイプのドダイドス相手にタイプでは圧倒的有利なポケモンだ。
「ムクホーク! でんこうせっか!」
「受け止めろ!」
ムクホークの攻撃を軽々と受け止め、弾き返すドダイドス。
「効いてないのか!?」
コウヤのドダイドスの規格外のタフさに驚愕するサトシ。
「その程度の技、僕のドダイドスに通用しないよ!」
「それなら、ブレイブバード!」
空高くへ飛び上がり、そこから急降下で加速を行い低空飛行でドダイドスへと突撃する。
「ストーンエッジ!」
地面から鋭い岩を出現させ、ムクホークは避けることが出来ず突き上げられる。
「ムクホーク!?」
効果抜群のいわタイプの技を受けたムクホークは、苦しそうに立ち上がる。
「ムクホーク……まだ戦えるか」
『ムクォー!」
もう力の限界が近いムクホークだが、翼を広げ叫び応える。
「よし! インファイトだ!」
「ハードプラント!」
力を振り絞ったムクホークのインファイトは、くさタイプ最強の技ハードプラントの前には敵わずドダイドスに近寄ることも出来ずに弾き返され倒れた。
「ムクホーク戦闘不能! ドダイドスの勝ち!」
タイプの有利なムクホークですら、全くコウヤのドダイドスの相手にならず一方的なバトルだ。
「コウヤ! やっぱりお前は強い、だからこそ越えてみせる!」
「超えてみせなよ! 僕達を!」
サトシはまだ勝つことを諦めていない。そしてモンスターボールを握り最後の1体を繰り出す。
「ゴウカザル! 君に決めた!」
『ウーキャァァ!!』
サトシの最後のポケモンはほのお・かくとうタイプのゴウカザル。タイプの相性はくさ・じめんタイプのドダイドスとは五分五分。
「さぁ……最後のバトルだ! 掛かってきなよ!」
「ああ! 行くぞ!」
互いに気合いを入れ戦う意思をみせ会う両者。
「ゴウカザル! かえんほうしゃ!」
「ドダイドス!」
ドダイドスはコウヤの声を聞くと、前足を振り上げ凄まじい力で地面を踏み込み衝撃波を生み出し、ゴウカザルのかえんほうしゃを打ち消す。
「なっ!?」
『ウキャッ!?』
コウヤのドダイドスの桁外れの凄まじいパワーに驚愕の表情を浮かべるサトシとゴウカザル。
「あのドダイドスがこんな力を持っていたなんて……」
今までバトルでドダイドスの力を見てきたサトシだが、桁外れのパワーを目の当たりにし呆然とする。
「向かってこないなら、こっちからいくよ! ストーンエッジ!」
「かわして、マッハパンチ!」
ゴウカザルは素早い動きと反射神経で、地面から盛り上がってくる鋭い岩を回避しながらドダイドスの頭に鋭い一撃をいれる。
『ドッアァ』
『ウキャ!?』
決まったかと思った一撃は、ドダイドスには全く効いておらず微動だにもしていない。
「お返しだ! ウッドハンマー!」
「まずいッ! かえんぐるまで受け止めろ!」
ゴウカザルは回転しながら炎を纏い立ち向かうが、ドダイドスの巨体によるパワーには敵わず弾かれ後退する。
『ウキャァ……』
ウッドハンマーは強力な反面、攻撃の反動でダメージを受けてしまう技だが、コウヤのドダイドスの規格外のタフさは、反動をものともせず平然としている。
「ゴウカザル! 大丈夫か!?」
『ウキャ!!』
ウッドハンマーによるダメージを軽減は成功し、腕を突き上げ応えるゴウカザル。
「ドダイドス! ハードプラント!」
サトシのドダイドスとムクホークを倒したくさタイプ最強の技ハードプラントが、ゴウカザルに迫る。
「かえんほうしゃで向かい打て!」
ゴウカザルはかえんほうしゃで迎え撃つが、地面から出現した巨大な蔦はかえんほうしゃをなぎ払いゴウカザルへ向かっていく。
「あなをほるで、地面に逃げろ!」
「逃がさない! じしん!」
攻撃を受けては不味いと間一髪の所で、地面に逃げるように指示するサトシだが、その判断は間違いだった。
ドダイドスの巨体から産み出された強烈な揺れは、地中からゴウカザルを打ち上げる。
「ゴウカザルッ!?」
「ウッドハンマー!」
『ドッアァァ!』
ドダイドスの巨体に叩き付けれたゴウカザルは、フィールドの壁に激突し崩れ落ちる。
「ゴウカザルッ!?」
ゴウカザルは、コウヤのドダイドスに為す術もなく倒れたかと誰もが思ったが、最後の力を振り絞り立ち上がる。
「ゴウカザル、まだ戦えるよな!」
ゴウカザルは叫ぶ。呼応するように赤色のオーラを身体中に纏わせ炎が激しく燃え上がる。
『ウキャァァァ!!』
ギリギリまで追い詰められたゴウカザルが、サトシに応えるように叫ぶ。
「これが、サトシのゴウカザルのもうか……」
話には聞いていたが、実際に見るのは初めてでこうして対面してみるゴウカザルのもうかは、凄まじい圧を感じ蹴落とされそうになるコウヤ。
「ここから、本当の勝負だぜ! コウヤ!」
「受けて立つよ! サトシ!」
サトシとコウヤ、互いにここからが、全身全霊で全力出すバトルの始まりだと感じとる。
「ストーンエッジ!」
「かえんほうしゃ!」
ゴウカザルの業炎とも言えるかえんほうしゃは岩を砕きドダイドスへと直撃する。
『ドォッダァ!?』
流石のドダイドスも、強烈なかえんほうしゃにダメージを受け後退する。
「ドダイドスッ!?」
もうかにより威力の増したかえんほうしゃに、驚愕の表情を浮かべるコウヤ。
「マッハパンチ!」
「ハードプラントで動きを止めるんだ!」
迫り来る巨大な蔦を回避するゴウカザル。ゴウカザルのもうかはほのお技だけではなく、火事場の馬鹿力のように身体能力も増しており、今まで微動だにしなかったドダイドスの巨体が後退する。
「かえんぐるま!」
「ウッドハンマー!」
ドダイドスは崩れた体勢から切り返し、ウッドハンマーでゴウカザルの追撃を受け止める。
技のぶつかり合いから、後退し距離を取るゴウカザルとドダイドス。
「「次で決めるぞ!」」
次の一撃で決まるサトシとコウヤは直感し、最大の技を指示する。
「かえんほうしゃ!」
「ハードプラント!」
互いに力のぶつけ合いに、とてつもない衝撃波と轟音がジム内に響き渡る。ハードプラントはかえんほうしゃに押し負けドダイドスへ直撃し爆煙が発生する。
爆煙が晴れると、ダメージを受けドながらもボロボロになりながら立つダイドスの姿が見え耐え抜いたかと思われたが、ドダイドスは崩れ落ちた。
「ドダイドス戦闘不能! ゴウカザルの勝ち! よって勝者チャレンジャーサトシ!」
「勝ったのか……やったぞ! ゴウカザル!」
『ピカピ!』
『ウキャ!ウキャァー!』
勝利出来たことに喜びゴウカザルに駆け寄るサトシとピカチュウ。
コウヤもドダイドスのもとへ向かう。
「お疲れ、ドダイドス」
『ドダァ……』
バトルに負けてしまったことによる悔しさで俯くドダイドス。
「うん、久しぶり負け悔しいよね。でもそれ以上に楽しかっただろ」
コウヤの言葉に顔を上げ頷くドダイドス。
「久しぶりに本気でバトルして、僕達は負けたんだ。 もっと強くなって次は絶対に勝とう!」
『ドォッダ!』
コウヤはドダイドスと誓いモンスターボールへと戻し休ませる。そして、コウヤはサトシのもとへ向かう。
「おめでとう。サトシこれがハクタイジムの勝利の証フォレストバッジだ」
「ありがとう。コウヤ……ん? このバッジ少し色が……」
サトシの受け取ったバッジは、少し錆びれており光沢が鈍くなっている。
「そのバッジは僕が、ハクタイジムに勝った時に受け取ったバッジだよ」
「ってことはコウヤのバッジなのか!? 何でこれを俺に!?」
「僕に勝ったサトシに、このバッジを受け取って欲しいんだ」
「そしたら、コウヤはシンオウリーグへの参加出来なくなる……」
「僕は、今回のシンオウリーグには参加することができない。だから僕の思いをサトシに託したいんだ」
「シンオウリーグに出れないだって!? じゃあコウヤとは戦えないのか!?」
シンオウリーグに出れないと聞き、驚くサトシ。
「ごめん、今は説明は出来ないけどいつか必ず話す。だから、僕の思いを持っていって欲しいんだ!」
「コウヤ……」
「シンオウリーグ必ず優勝してよ!」
「ああ! 絶対優勝してみせるぜ!」
約束し握手をかわすサトシとコウヤ
こうして、サトシとコウヤのハクタイジムの決戦は幕を閉じた。