ポケットモンスターもう一つのサン&ムーン   作:パラドファン

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久々の投稿になりましたが、ここから盛り上げていきます。

ちょっと短めです。


四十一話 ジュニアカップ開幕! 

 ジュニアカップの開会式を終え、出場選手は控え室に集まっていた。

 

「第一試合はカキとコウヤかぁ……」

 

 コウヤとカキは既に控え室を出て、バトルフィールドに向かっており、控え室のモニターにはそのフィールドの様子が写されている。

 

「公式戦……次期チャンピオンとして絶対に負けられない……」

 

観客からの期待はコウヤにとってプレッシャーとなって重くのし掛かり、その顔からは普段の明るくバトルを楽しみに待つ笑顔は消えていた。

 

 

 

 

 

 

『これより1回戦第一試合コウヤ選手対カキ選手のバトルを行います。両選手バトルフィールドへ!』

 

注目の1回戦第一試合。シンオウ地方次期チャンピオンであるコウヤのバトルが見れるという注目から、観客席は大盛り上がりだ。

 

「凄い熱気ですね……」 

 

「それだけ、注目度が高いって訳だろう」

 

「カキ、大丈夫かな?」

 

 観客はコウヤの勝利を期待をする人だらけで、カキにとってはアウェーで戦いづらい雰囲気だ。

 

「コウヤ~! 頑張れ~!」

 

「マオちゃん……カキも応援してあげてよ……」

 

 バトルフィールドに登場し対面するカキとコウヤ。

 

「コウヤ! お前との初めてのバトルがこんな大舞台になるとはな」

 

「……ああ、絶対負けない」

 

 カキは、コウヤとの初バトルに熱く燃えている。しかし、コウヤは笑顔をこそ浮かべてはいるが、そこにいつもの明るさはない。

 

そんなコウヤの異変に、観客席にいるマオだけが気付いていた。

 

「これより、ジュニアカップ一回戦第一試合。コウヤ選手対カキ選手のバトルを開始します。両者ポケモンを!」

 

「出てこい! バクガメス!」

 

「ドダイドス! 君の出番だ!」

 

 コウヤが出したのは、最初のパートナーであるドダイドス。対してカキはバクガメスと、互いに弱点を突く五分五分の対面となった。

 

「バトル、始め!」

 

「バクガメス! かえんほうしゃ!」

 

「ドダイドス!」

 

 ドダイドスはコウヤの声を聞くと、前足を振り上げ、凄まじい力で地面を踏み込む。そこから発生した衝撃波で、バクガメスのかえんほうしゃを打ち消された。

 

「なっ! 今のは!?」

 

 以前スクールで行ったサトシとのバトルで見せた、ドダイドスの桁外れのパワー。それによる技の無効化にカキは動揺する。

 

「今度はこっちの番だ! ストーンエッジ!」

 

『ドォダッ!』

 

 前足を力強く踏み込み、青く光る鋭い岩を出現させ、一気に射出する。バクガメスは必死によけようとするが、間に合わずにそのままストーンエッジが突き刺さる。

 

『ガメッ!』

 

「バクガメス!?」

 

 ほのおタイプを持つバクガメスには、いわタイプのストーンエッジは効果抜群。そのダメージで大きく体がふらついている。

 

「畳み掛けろ! ウッドハンマー!」

 

「バクガメス! トラップシェルだ!」

 

 バクガメスは背の甲羅をドダイドスに向けて、防御の体勢に。ドダイドスが放ったウッドハンマーは甲羅の棘に接触し、トラップシェルの効果で爆発が発生する。

 

『ドォダッ……』

 

 爆発の衝撃により押し戻され、怯むドダイドス。

 

「かえんほうしゃ!」

 

 怯んだドダイドスに向けて、カキは追撃をかける。怯んだドダイトスは避けることはできずに真正面からかえんほうしゃを受けてしまう。

 

「畳み掛けろ! ドラゴンテール!」

 

「ウッドハンマーで向かい打て!」

 

 続けての攻防は純粋な力のぶつけ合い。流石にドダイドスに軍配が上がり、バクガメスを一気に押し返す。

 

「バクガメス! からをやぶる!」

 

そして純粋な力勝負では勝ち目がないと判断したカキは、『からをやぶる』でバクガメスの防御を犠牲に攻撃と素早さを上昇させる。

 

 からをやぶるにより上昇したスピードで、バクガメスは一気にドダイトスの懐まで迫る。

 

「ドラゴンテールだ!」

 

 パワーの上がったバクガメスの怒涛の攻撃がドダイドスに炸裂し、その衝撃で周囲に砂塵が舞いバトルフィールドの視認ができなくなる。

 

――たとえ次期チャンピオンのパートナーと言えど、これだけの攻撃を受けては無事ではない。会場にいる殆どの人は思っただろう。

 

 砂塵が晴れ、フィールドの様子が露わになる。観客たち――並びに審判は、倒れたであろうドダイトスの様子を窺うために目を走らせる。しかし、ドダイドスは倒れていなかった。バクガメスの攻撃を受け、傷だらけになりながらもドダイトスは膝を付いておらず、その圧倒的なタフさにスタジアムは騒然となる。

 

「あれだけの攻撃を、耐えるのか……」

 

『ドォダァァ!!』

 

 ドダイドスは叫ぶ。呼応するように翠色のオーラを身体中に纏わせる。

 

「あれは、ドダイドスの特性――しんりょくだ」

 

「しんりょく?」

 

「私、本で読んだことがあります。ポケモンの体力が減ったときに発動する特性で、くさタイプの技が上がるんです」

 

「まさか、ドダイドスが攻撃を受け続けいたのって……」

 

 マーマネが気付いた通り、コウヤはわざとバクガメスの攻撃をギリギリまで受け続け、ドダイドスが最大限の力を発揮できる瞬間を待っていたのだ

 

「さぁ、ここからが勝負だ」

 

「バクガメス! 一気に決めるぞ!」

 

 Zリングに嵌められたホノオZが輝き、燃え上がるようなポーズを決めるカキ。

 

「俺の全身!全霊!全力! 全てのZよ! アーカラの山の如く、暑き炎となって燃えよ!」

 

 初めてZ技を見る観客は、その凄まじい威圧感に視線をカキとバクガメスに集中させる。

 

「喰らえ!ダイナミックフルフレイム!」

 

 カキとバクガメス二人の全力! ダイナミックフルフレイムがドダイドスを向けられるが二人に焦りはなく、ただ前を見据えている。

 

「ハードプラントで向かい打て!」

 

 ドダイドスは地面を踏み込み、巨大な蔦を出現させダイナミックフルフレイムを向かい打つべく撃ち放つ。

 しんりょくにより強化されたハードプラントはカキとバクガメスのZ技を真正面から、打ち消す。

 

「俺とバクガメスのZ技が……」

 

 ダイナミックフルフレイムが打ち消された衝撃で呆然と立ち尽くすカキ。そして観客も初めて見たZ技が正面から打ち消されたという事実に誰もが声を発せずにいた。

 

「ドダイドス!」

 

コウヤは腕を交差させ、くさのZ技に対応するポーズを取る。光がコウヤとドダイドスを包んだ。

 

「僕達の限界を超えていく全力! 行くぞ!」

 

『ドダッァ!』

 

「ブルームシャインエクストラ!」

 

ドダイドスを中心に花畑が広がり、バクガメスのいる地面の下から巨大なエネルギーの奔流が放たれ、バクガメスを襲う。爆煙が舞い、衝撃がフィールドを包み込む。

 

爆煙が晴れると、フィールドには目を回して倒れたバクガメスの姿があった。

 

『バクガメス、戦闘不能! ドダイドスの勝ち! よってこのバトル、コウヤ選手の勝ち!』

 

 カキとコウヤの間には、圧倒的な実力差があった。それはコウヤとドダイドスが2人で今までの冒険の中で積み上げてきたバトルの経験と信頼だ。

 くさ・じめんタイプという弱点が多いポケモンであるドダイドスで、どのように戦うのか、それを繰り返し考え、ついに二人はここまで来たのだ。

 

 その差は、けっして簡単には埋まるものではなく追い付くことすらも難しいものだった。

 

 コウヤとドダイドスと互角に戦えるトレーナーは数少ない。サトシとゲッコウガを入れてもそう多くはいないだろう。

 

「最初はカキが押していたのに……」

 

「だがそれも、コウヤの策だったわけだ」

 

コウヤはドダイドスの特性を最大限に活かして、タイプ相性をものともしない力を発揮させることで実力の違いを見せつけたのだ。

 

「コウヤとカキでは、バトルの経験の差が勝敗を分けたんだ」

 

コウヤはこれまでドダイドスと共に3つの地方で旅を続け、バトルの経験を積んできていた。その経験の差により勝敗は決したのだ。

 

 

「ドダイドス、お疲れ様」

 

『ドォダァ』

 

勝ったとは言えど、流石のドダイドスも今回のバトルでは倒れる寸前まで攻撃を受けた上で全力を出した。その疲労は生半可なものではない。

 

「バクガメス、よく頑張ったな」

 

『ガメェス……』

 

カキはバクガメスを労いモンスターボールへ戻すと、立ち上がりコウヤの元へと向かう。

 

「カキ……」

 

「コウヤ……次バトルするときは必ず勝つ! だからジュニアカップ優勝しろよ!」

 

「うん……勿論そのつもりだよ」

 

バトルを終え、互いの手を取る2人に会場から拍手が送られ、1回戦第一試合は終わった。

 

そして、1回戦全ての試合が終了し、続けて2回戦の試合もコウヤ達は勝ち進んだ。ジュニアカップ初日の全ての試合が終了し、明日の3回戦の対戦カードが発表された。コウヤ達の組み合わせは――

 

 

 

第2試合コウヤvsジュン

 

第7試合セレナvsアイリス

 

 

 

ジュニアカップ2日目も激戦は続く。




次は2人のバトルなのでこれより長く書くつもりです。
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