今際の国のアリス ANOTHER 作:魔鬼靐ユリア@仇助に命捧ぐ闘鬼神
第3試合、ヒカゲVSケーマ戦は、ケーマが優勢だった。
ヒカゲ
「クッ・・・」
ケーマ
「2勝取って優位に立ったつもりだったのかも知れないけど、甘いよ。将棋の世界は何が起こるか分からない・・・だからこそ将棋は面白いんだ!!」
バチッ!!
ヒカゲ
「ダ・・・ダメだ・・・フリーで慣らした程度じゃまるで歯が立たねぇ・・・」
ケーマ
「投了するかい?」
マシロ
「ヒカゲ、無理しないで。まだ1人残ってるんだから。」
ヒカゲ
「あ、あぁ・・・ここで投了しとくよ・・・」
ケーマ
「賢明な判断だね。」
ユウナ
「第3試合、ケーマ君の勝利。行きなさい、チマリ。」
チマリ
「はい。」
アン
「マシロ、頼むわよ。」
マシロ
「はい!!」
第4試合、マシロVSチマリの囲碁での試合が開始される。
マシロ
「囲碁には結構自信がある方だけれど・・・この子、打ち方がヤバい・・・」
チマリ
「さっきの子よりは筋が良いんじゃない?」
アン
「後1勝されればアウトなのに・・・この余裕はどこから来るの?」
ユウナ
「2勝したぐらいで勝った気になられては困るわ。このぐらいの修羅場・・・アタシ達は何度も体験してきたの。(そう・・・あの日から・・・)」
ユウナ
「はい、今日の授業はここまで。分からなかった所は、次回までに復習しておいてね。」
「は~い!!」
十二町遊凪、西城菜摘、将内桂馬、逆緑黒白、千鞠磊
『今際の国』入国前
ユウナは大きな学習塾の塾講師、ナツミ達はそこに通う塾生だった。
ユウナは才色兼備で気立てが良く、塾生のみならず塾講師達の間でも評判が良かった。
「なぁ、十二町先生って本当欠点って欠点がないよなぁ・・・」
「あぁ、しかもあの美人さで未だに浮いたウワサもないんだってよ。」
「十二町先生とつき合えねぇかなぁ・・・」
「無理無理!今迄どれだけの塾生や塾講師が玉砕したと思ってんだよ!!」
「高嶺の花だっての!!」
ユウナ
「(丸聞こえよ・・・全く・・・男ってのはどうしてこうも欲望に忠実なのかしらね・・・)」
チマリ
「十二町先生!」
ユウナ
「どうしたの、千鞠さん?」
チマリ
「実は・・・私と将内君と逆緑さんと西城さん、イジメを受けてて・・・」
ユウナ
「例の連中ね・・・全く、何度言っても聞かないんだから・・・次の授業の後、集会を開くわね。」
この学習塾では、塾生同士の間で派閥が出来ていた。
チマリ、ナツミ、ケーマ、クシロの4人はある派閥のグループだったのだが、グループの1つとは折り合いが悪く、幾度となくイジメのターゲットにされていたのだ。
ユウナはそれをチマリ達から聞く度に注意喚起をしていたが、問題の塾生達は全く聞く耳を持たなかった。
そこでユウナは、次の授業の後に集会を開こうと決意したのだ。
ユウナ
「はい、今日の授業はここまで。さて、ここで皆さんに伝えなければいけない事があります。今この学習塾では、派閥同士の間で度々イジメが起きています。」
ザワザワ・・・
ユウナ
「学習塾側としても、学業を疎かにするだけでなく他の塾生の集中力を欠くような行為を繰り返す事には頭を悩ませています。イジメを積極的に起こしている子は、名乗り出て下さい。」
当然ながら、誰も名乗り出ない。
ユウナ
「名乗り出ないのですね。では、被害者自身に聞くとしましょう。主にイジメを行っているのは、誰ですか?」
チマリ達は、数人の塾生を挙げた。
ユウナ
「今挙がった名前の塾生達は、塾講師達の間で会議にかけます。結果は、翌日に発表致します。」
塾講師同士で会議をした結果、問題の塾生達は1週間の通所停止処分を受けた。
これで反省すれば良かったのだが、その矢先に悲劇が起きてしまった・・・
1週間が経過する、前日の事・・・
ユウナは、イジメをした塾生のリーダー格の家に呼び出された。
そこで、ユウナが目にしたのは・・・
ユウナ
「どうして・・・」
ユウナの目の前には、血塗れになった塾生達と、呆然と立ち尽くすチマリ達の姿であった。
ユウナ
「あ・・・あなた達・・・何をしてるの!?」
チマリ
「じゅ・・・十二町先生ぇ・・・」
クシロ
「だって・・・この子達が・・・」
ケーマ
「十二町先生を襲うなんて言うから・・・」
ユウナ
「どういう事?」
ナツミ
「実は・・・」
ユウナが呼び出される、1時間程前・・・
「オマエら、どういうつもりだよ!!教師にチクりやがって!!」
チマリ
「当然でしょう!!」
ケーマ
「塾の風紀を乱しているのは君達じゃないか!!」
「うるせぇ!!」
「教師なんか味方に付けやがって!!」
「あーあ、この鬱憤晴らせねぇもんかなぁ・・・」
「あ、そうだ。オマエら十二町と仲良いだろ?」
「あの女を上手い事、ここに呼び出せ。」
ナツミ
「え・・・」
クシロ
「呼び出してどうするつもりよ!!」
「そうだなぁー、あの先生結構美人だしよぉ・・・」
「欲情した誰かに襲われても、おかしかねぇよなぁ?」
ケーマ
「コイツら・・・」
ナツミ
「自分達の先生を強姦する気なの!?」
「別に良いだろうが。ストレスはどっかに逃がさねぇとなぁ。」
クシロ
「そんな事・・・させない!!」
クシロ
「・・・こんな事があって・・・」
チマリ
「私達・・・先生を守ろうと必死で・・・」
ケーマ
「気がついたら、こんな事に・・・」
ユウナ
「・・・みんな。この子達を袋に詰めて、私の車に乗りなさい。」
チマリ・クシロ・ケーマ・ナツミ
「え!?」
ユウナ
「早くしなさい!!この時間帯なら、人目につかないわ!!」
チマリ・クシロ・ケーマ・ナツミ
「は、はい!!」
バッ!!
バシャーン!!
チマリ・クシロ・ケーマ・ナツミ
「せ・・・先生・・・」
ユウナ
「良かったのよ・・・これで・・・あんな子達の為に、あなた達の人生を棒に振る事はないわ・・・さぁ、早く帰るわよ。」
チマリ・クシロ・ケーマ・ナツミ
「は、はい!!」
その帰り道・・・
ドォン、ドォン!!
そして・・・
ミーン、ミーン・・・
ユウナ・チマリ・クシロ・ケーマ・ナツミ
『今際の国』滞在1日目
ユウナ
「あの日から、私はこの子達を必死に守ってきた・・・負けるワケにはいかないのよ。」
チマリ
「それは、アタシ達だって同じだ!!」
バチッ!!
マシロ
「もうダメだわ・・・投了します。」
ユウナ
「これで、2勝2敗のイーブン・・・最後の相手は・・・アン、あなたよ。」
アン
「・・・」
ユウナを守る為にその身を汚したチマリ達と、そのチマリ達を守る為に遺体を隠蔽したユウナ・・・
恐ろしいまでの情愛が、アン達を襲う・・・
次回、大将戦。
だいやのくいいん、第3回です。
今回は国民側の過去回想をメインにしてみました。
次回はいよいよ、再びアンの出番です。