ハイスクールD×Dエクリプスゼロ   作:ゼロS

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5月9日分の投稿です!✌


第9話人間、やめました。8

一瞬で心まで掴(つか)み取られる感覚に陷(おちい)る。

なんだ、この感じ。圧倒(あっとう)的な実力差のある相手に睨(にら)まれたような………。

彼女は青い双眸(そうぼう)を細め、少しだけ口元を微笑(ほほえ)ませた。

俺に向けたもの?

バカな。俺と彼女の接点(せってん)なんてないじゃないか。

そう思ったとき、俺はふいに夢の出来事を思い出していた。

夢の最後、紅色(べにいろ)の髪をした誰かが俺に話しかける。

やさしく、そして冷酷(れいこく)な存在感を放っていた人影(ひとかげ)。

それと彼女が重なってみえたとき、すでに彼女は視界から消えていた。

「おっぱい揉(も)みてぇなぁ!」

号泣(ごうきゅう)する松田を抱(だ)き寄(よ)せ、俺たちはエッチなDVD鑑賞会最後の作品を視聴(しちょう)していた。

学校から帰宅(きたく)して、無駄(むだ)に高いテンションのままエロDVD鑑賞をはじめたわけだが、枚数(まいすう)を重ねていくうちに興奮(こうふん)が冷めていき、「なぜ俺たちには彼女ごいないのだろうか?」

と真剣(しんけん)に思い出し、逆(ぎゃく)に泣けてきてしまった。

松田なんね三作品前あたりから涙(なみだ)が止まっていない。

元浜に至(いた)ってはクールに装(よそお)ってはいるが、メガネの奥(おく)で涙を溢(あふ)れさせていた。

三十分前に小声で「………俺、 女の子に体育館裏(うら)に呼(よ)ばれたんだ………。生まれて初めてかつあげされたよ………」と呟(つぶや)き、危(あや)うく俺も泣き出すところだった。

エロDVDで鬱(うつ)になる俺ら三人は何なんだろうか。

いや、知れている。

モテない男子高校生三人組だ。

ちくしょう。今頃(いまごろ)、同じ年代の男が女子イチャイチャしていると思うとこの世界を恨(うら)みたくなる。

そんなことを思いながら最後の作品を見終えると、すでに空は暗かった。

時計を見たら、もう夜中の十時だ。親に松田の家で過(す)ごすことを伝えてあるが、これ以上お邪魔(じゃま)しているとマジで心配されるし、明日の通学にも支障(ししょう)をきたす。

「さて、そろそろ帰るか」

俺の言葉を切っ掛(か)けに全員がその場で背伸(せの)びして、別れの準備(じゅんび)を行った。

「じゃあな」

玄関で松田と別れると、俺と元浜は歩き出す。

「いい夜だ。こんなにいい夜だもんな。そりゃ、エロDVDも見たくもなる」

 

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