ハイスクールD×Dエクリプスゼロ   作:ゼロS

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5月10分の投稿です


第10話人間、やめました。9

夜空を見上げながらわけのわからないこと言う元浜だが、ため息は大きい。

テンション下がりすぎだろう。

まあ、明日になればいつもの元浜、松田に(もど)っているはずだ。

「じゃあ、また明日な」

「ああ、いい(ゆめ)見ろよ」

と、元浜と帰り道の途中(とちゅう)で別れたが、(やつ)の手を振る仕草もどことなく元気がない。

あとで激励(げきれい)のメールでも送るか。

元浜と別れて、数分。

帰り道を歩くイッセーだが、先ほどから体の内側から溢れてくる力の(うず)きが(ひど)かった。

例の「夜になると力が溢れ出す」ってやつだ。

やっぱり、俺の体、おかしすぎだろ。

どう考えてもまともな現象(げんしょう)じゃない。目が()えて、五感が(するど)くなる。

聴覚(ちょうかく)、視覚が尋常(じんじょう)じゃないぐらいによく動く。周囲の家の中から会話が聞こえてくるし、暗闇(くらやみ)の道でも夜目が()きすぎている。

街灯(がいとう)などの光が(とど)いていない場所まで鮮明(せんめい)に見えるのはおかしいだろう!

日に日にこの現象が強くなっている気がする。

いや、これは気のせいじゃないだろう。

だってこの体中を走る悪寒(おかん)は本物だから!

さっきから感じる他者の視線。そして、イッセーへ向けられる冷たいもの。

眼前(がんぜん)、道の先から俺へ向けて得体の知れない空気が(ただよ)ってくる。

(ふる)えが(すさ)まじい。体が小刻(こきざ)みに震えを発していた。

男だ。スーツを着た男がイッセーを(にら)んでいる。

とんでもない睨みようだ。

視線が合うだけで体の(しん)まで(こお)ってしまいそうになる。

これ、殺意とかいうやつじゃないのか?

敵意(てきい)確実(かくじつ)に感じる。だが、それ以上に危険(きけん)な感じだ。やっぱ、これ殺意だろう!

男が静かに歩み寄ってくる。俺に向かってきているし!やっぱ俺ですか!

変質者(へんしつしゃ)!? (あぶ)ない人!? ヤバイのか!?か?

ヤバイよな! だってさ、さっきから震えが止まらない!

帰り道に危ない人と遭遇(そうぐう)かよ俺!」

「これは数奇なものだ。こんな都市部でもない地方の市街で貴様(きさま)のような存在(そんざい)に会うのだものな」

……………?

「何を言っている?

いやいや、頭のイッちゃってる人はこの手のことを口走るんだろう。

やっぱり、危ない人か!

うわ! 刃物(はもの)とか出されたらどうする!

護身用(ごしんよう)格闘技(かくとうぎ)なんて俺は習っていないし、そもそもケンカなんてしたことないぞ!

そ、そうだ

夜中にパワーアップしてる俺の力! これだ! これで()げるしかない!」

後ずさりしつつ、距離(きより)を取った。

変質者の空気全開な男性(だんせい)はスタスタとこちらへ向かって歩いてきている。

「逃げ(ごし)か? (あるじ)(だれ)だ? こんな都市部から(はな)れた場所を縄張(なわば)りにしている(やから)だ、階級の低い者か、物好きのどちらかだろう。おまえの主は誰なんだ?」

イッセーが「わけわからないっつーの!」

バッ!

俺は()り向き様、一気に来た道を(もど)った。全速力だ。

速い。(ちょう)速い。俺が言うのもなんだが、やっぱり夜の足はおかしいぐらいの速力を出している。

夜の(やみ)()き分けて、俺はひたすら逃げた。

途中(とちゅう)で道を曲がったりしながら、見知らぬ街道(かいどう)を走る。

息は上がってない。まだ走れる。こうなったら、絶対(ぜったい)()いてこられないであろう距離を(かせ)いでやるさ!

十五分ぐらい走ったところで、開けた場所に出た。

公園だ。

足を一旦(いったん)止め、歩みに変える。

少しだけ息を整えながら、噴水(ふんすい)の辺りまで歩を進めた。

公園の街灯下で周囲を()回す。俺は不可思議(ふかしぎ)なものに(とら)われていた。

知っている。

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