第1話 鈴木悠という人物
アーケードゲーム、それは随分と前から娯楽として進化し続けてきていた。
アーケードゲームの始まりは1971年のコンピュータースペース、それを改良して作ったアタリから出たポンが火付け役として、発展していった。
有名なもので1978年のスペースインベーダー、1980年のバックマン、1983年ゼビウス、1988年テトリス、1991年ストリートファイターⅡ、1992年ぷよぷよ、1998年beatmaniaなどが有名。
話が逸れたが、僕、鈴木 悠はそんなゲームが大好きだった。ゲームというけども僕が好きなのはテレビゲームとかアーケードゲームとかのコンピューターゲーム系で、トランプとか将棋とかのゲームは...まぁ出来ないことはないけど...得意ではない。
僕は小さい頃から親がゲーム好きということも相まってゲームに囲まれて過ごした。
ちっちゃい時の僕が初めてやったゲームはなんだったけか、確かPS2で出たパラッパラッパーだったと思う。あの時はお母さんがすごくうまくて、尊敬したなぁ。
なんか結局僕の母はネトゲにハマって行ったのだけど、僕にはイマイチその良さがわからずにいた。
そんなゲーム好きな僕は小学生低学年ぐらいの時からゲームセンターが大好きで、毎日通っていた時期あった。
流石に3日前に学生寮に引っ越してからは毎日は通っていないけど、それでも暇になるとよく行く。
んじゃあゲームセンター行って何するの?って話だけど、色々やる。
ただのクレーンゲームとか、ストリートファイターとか、ガンダムとか、あ、戦場の絆もやるかな。
戦場の絆っていうのはドーム型の個室に入って、実際にモビルスーツを操縦してる気分になれるっていうゲーム。もしゲームセンターに行ったらやってみることを強くお勧めする。
さっきから話が逸れまくりだが、とにかく僕が言いたいのは、ゲームセンターとゲームが大好きだってこと。
話を逸らしといてなんだけど、僕が言いたいことは実はこれでなくて別にある。
今なうでゲーセンにいるんだけど、そこで少し奇妙な光景を目にしたのだ。
男やら女やらがゲーセンの角にある扉に入って行くという光景だ。あの角にある部屋はなんの部屋なんだろう。
僕が扉近くまで行っても、大きくて真っ黒な扉には張り紙なんてものは張っていない。つまり、stuff onlyとか、従業員以外立ち入り禁止みたいな張り紙は張っていないってことなる。
これが意味することは何か、きっとこの扉の向こうはファンタジー小説によくあるような街並みが広がっていて、何にかしらのチートを使ってハーレムを作り上げ、僕は可愛い女の子ないしは女性とキャッキャウフフのスローライフを送れるに違いない‼︎‼︎
ふふふ、とうとう僕にもこの瞬間が来たのか…僕にやっぱり素質があるんだろうな、闇の力とか、世界を渡り歩く力とかetc…
落ち着け、落ち着くんだ、僕のような真のクールガイはこんなことでは動じないのさ。
まずはあの扉を開けることができなければ全ては始まらない。このままでは取らぬ 狸の皮算用になってしまうじゃないか。
僕はとりあえず扉の前まで移動。さてと、心の準備おっけい、さぁ行くぞ!
とうとう僕は一歩前に出ると扉は左右へ開き、僕はまばゆい光に包まれ、ファンタジー小説の主人公になるのだった...
まぁそんなことがこの現実世界においてあるわけもなくて…
扉を抜け先に何が広がっていたかといえば、それはゲームである。それも前述したような昔の、いわゆるレトロゲームといわれる類のアーケードゲームだ。
なんでこんなところにこんなレトロゲームがあるんだろうか。もしかしたらみんな知ってて、新米の僕だけが知らないのかもしれないけど。
「ひっ!」
僕は思わず後ずさりした。この部屋にいたホスト風の男がこちらを刺し殺さんかのように睨みつけているのだ。
今思ったけど僕の初ゼリフ奪われたな。なんだよ“ひっ”て。
僕は彼らの視線から逃げるように外周に置いてあるレトロアーケードゲームや、壁に貼ってある古い映画の宣伝ポスターなんかを見ながら壁に沿って歩いた。
ポスターは、スターウォーズエピソード4のポスターや、ターミネーター2、バックトゥザフューチャーのポスターなんかのレトロな映画が張ってある。
僕に向けての視線はどうやらもう無いようだが...なんだろう、この身体の産毛が逆立つような謎の緊迫感は。
この部屋の中には、僕を含めて5人ぐらいの人がいるものの、誰もゲームをしていない。ある者はジュラシックパークの宣伝ポスターを仁王立ちをしながらじって睨みつけていたり。またある者はゲームのプレビュー映像を睨みつたりしてた。
流石にこの空気の中一人でゲームをのうのうとできるほど僕は空気を読めない訳ではない。
また誰か入ってきたので、僕は扉にちらりと目をやった。
なんと入ってきたのは僕が通っている第三北浜高校と同じ制服をきた女の子だ。まぁ僕は名前も顔も知らないので同じ高校の同級生ぐらいしかわからない。
なんで同級生かわかったかというと、僕の通っている学校には左胸辺りにバッチが付いていて、そのの色で判断がつくのだ。僕ら一年生は緑、二年は青、三年生は赤というふうになっている。
ここは一体どうなっているのだろう。何があるというのだ。みんなレトロゲームをやればいいのに、なぜかみんな仁王立ちで何かを見ている。
ズゥゥという音を立て、自動ドアが開く。
その瞬間、空間が揺れた。
揺れたと言っても実際に揺れた訳ではないが、揺れたと勘違いするほど緊迫感が一気に高まったのだ。全身の産毛が逆立つなんてもんじゃない、胸にナイフを突きつけられた時のような恐怖と緊張、そして緊迫感。それらがひしめき合い、空間が揺れると錯覚するほどの効果が現れたのだ。
入ってきたのは妖艶な美女、バッチを見ると第三北浜高校の二年のようだ。彼女は二次元のキャラクターに見えるほど大きな目と、綺麗な髪。ショートヘアーの艶のある髪は頭の上と下で色が違い、上は黒、下は白になっている。
ファンタジーのような髪によって生まれる独特の雰囲気があるが、それがなぜか綺麗に組み合わさって一体感が生まれているのだ。
彼女は少し歩くと僕と同級生の女の子をちらりと見るとほぼ同時にstaff onlyの扉からガタイが良い男が出でくる。
ゲーセンの店員さんと同じ制服を着こなした男は、前にある壁に取り付けるタイプのテーブルに鍵?のようなものを置く。そして、扉に戻っていく。
何がしたかったんだ?あの鍵みたいな奴に何か仕掛けがあるのだろうか。ちょっと見てみよう。
僕は何にも考えずに鍵に近づいていくのだが、それが間違いだったのだ。
一方踏み出した瞬間、僕の身体は地面から引き剥がされ、宙を舞い、床に叩きつけられる。そしてそのまま、僕は意識を手放した。