ネギまの世界に転生!? 作:俺だ
あれは蒸し暑い夏の夜だった。深夜に腹が減ってきた俺は夜食を買いにコンビニへ行くことにした。お目当てのカップ麺チーズヨーグルト味を買い帰り道を歩き出した。
信号は青で人通りも少ないのでアズールレーンをぽちぽちしながら横断歩道を渡っていた。すると突然とんでもない衝撃が体をかけ走った。あれ、と思ったときには俺は倒れていて何が何だかわからないままだった。
「お主は死んだ」
「えっ?」
「脳内にその時の映像を流したろう。思い出せぬか?」
死んだのか……? この俺が……?!
「儂の手違いで死なせてしまったようだな。本来お主は死ぬ運命ではなかったのだがな」
「ッ! ふざけんなよ! 間違って殺しちゃいましたー☆ミ で済むと思ってんのかテメェェェッ!!!!」
「ままあることだ」
灼熱の如き怒りが沸々と湧いてくるのを感じた。無意識のうちに目の前のジジイに殴りかかっていた。
「な、なんだこれ!?!?!」
腕がなかった。いやそうじゃない。腕だけではない……!!
身体自体がこの空間には存在しないことに気づいてしまった。
「さて。お主にはいくつか道がある。一つはこのまま輪廻転生の輪に乗ること。二つ目は転生することだ」
「その二つになにか違いがあるのか?」
俺は咄嗟の質問にも冷静に答えた。両者になんの違いがあるのか。それがわからない。
「前者は魂の洗浄をする。後者は今現在の魂をそのまま使う」
なるほどな。俺はすべて理解した。
「じゃあネギまの世界へ転生させてくれ!!!!」
「特典とかもらえんのか? もらえるなら何かすごい力くれ!!」
俺は自分の願いがあまりにも謙虚すぎたか? と一瞬疑問に思った。
「よかろう」
ジジイが杖でトンと床を叩くと俺の真下に真っ黒な穴が空いた。なんだ、と思う間もなく吸い込まれてしまった。
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俺は現在小学五年生だ。前世の記憶を持っている。そのせいもあり周囲からは天才児だともてはやされていた。
やれやれ、ただ普通にやってるだけなのに困るぜ。
「鈴木くん! このあと暇ー?」
鈴木とは俺のことだ。新たな名を鈴木洋介という。なんというか転生感のない普通の名前だ。
「ああ。もちろん暇だよ」
元気よく声をかけてきたのは、佐々木まき絵。そう、原作Aクラスに所属するネギのヒロイン候補だ。
「私もいいっすかー」
春日美空。ヒロイン候補二人目。この二人は同じクラスメイトだった。
ネギまファンとしては原作ヒロインと仲良くするしかないのは言うまでもない。二人共明るい性格ですぐに仲良くなることができた。
「で、ナニすんの?」
「いつもの公園行こー」
「なんでもいいっすよ」
走り出したまき絵を追い俺も軽く駆け足になった。
一番最後に走り出したにもかかわらず最初についたのは美空だった。原作ではたしか陸上部だったか。この頃からかなり足が速いんだな。
「また速くなったんじゃないか」
息切れを必死に隠し余裕を見せつつ、美空の頭をぽんぽんとする。美空は一瞬びくっとして顔を真っ赤にした。恥ずかしがってるのか? 彼女たちは俺から見ると妹のような存在だ。小学生だからといって気安く触るのは問題あっただろうか。そういえば高学年になると男女を意識してくる年頃かもしれんな。
「そ、そうかな~?」
照れくさそうに俺を見つめる美空はかわいかった。ジュニアアイドルになれば一躍人気者だろうと思ったが口にだすことは控えた。やはり原作キャラは他のクラスメイトと比べ見た目が圧倒的に良い。これも原作の力か……。
「二人共早すぎだよ~」
振り返るとぜはぜはと息切れしながら、膝に手をついたまき絵がいた。体力がないわけではない。俺と美空が学年ではかなり速い方に入るからだ。とはいえこの頃からぶっとんで速い奴らもいる。まだ電車と並走し始める頭おかしいやつはいないが、それでも小学生の枠を超えているやつがいるのは確かだ。
「まき絵もおつかれ」
同じく頭をぽんぽんとすると、にかっと笑顔を見せた。かわいい。
俺がロリコンなら確実に手を出していただろう。
「命拾いしたな」
俺はキメ顔で言った。
いかがでしたでしょうか??
もしよかったら感想くだちい。
でわでわまた次回までお待ちを!