ガーベラに寄り添うネリネ   作:勿忘草

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原作でも『終わりだ』からの最後の戦いは短い話数で終わってるんで、かなり駆け足で1話で終わらせました。
次回からは後日談とかを流します。



『幕引き - Close The Cartain -』

辿り着こうとはするがほとんど崩壊した道のり。

跳躍したりなどで時間を食う。

一番気を付けないといけないのはまだ残っている滅却師がユーハバッハ以外に居る事だ。

 

「ここか……」

 

入っていくと闘争の雰囲気がある。

そして上まで行けばもう一つか。

阿散井君や井上さんたちが居なかったのはそう言うわけだ。

 

「数が多いな……」

 

そう言っている茶渡君たちを見つける。

ユーハバッハの兵か。

こっちも帰り道を用意しないとな。

 

「二人とも下がってくれ」

 

俺はその言葉と同時に斬撃を放つ。

何度か振るう内に相手の新手は来なくなっていた。

これで帰りには十分だろう。

 

「黒崎君たちはどっちに?」

 

二人に聞いたところ、上で問題はないがかなり入り組んでいるらしい。

霊圧探知で地道に行くしかないようだ。

 

「あれは……!?」

 

石田君と滅却師が戦っている。

仲間割れのように思えるが動かねばならない。

俺は駆けだして相手の攻撃を防ぐ。

 

「お前は……あの日に歪みを掴んだ男か」

 

相手は俺の事を覚えていた。

俺も声を聴いて分かってしまった。

対峙しようと思い刀を構える。

しかし石田君が俺の背中を叩く。

 

「黒崎たちの方が危ないからそっちに手助けを、さっきも英がそうしようとしたんです」

 

彼も石田君に加勢しようとしていたのか。

ユーハバッハの方が脅威だからそっちを頼んだようだ。

そして上がっていくと今度は藍染と英くんが居た。

 

「足場が崩れすぎて上手く行けないんですよ」

 

頬をかいて藍染が言ってくる。

それに同意するように英くんが頷いた。

これで三人。

問題は無いと思いたいがな。

そんな事を考えていると今度は朽木隊士と阿散井君が居た。

そしてその前には扉。

 

「今着いた所かい?」

 

俺の問いに頷く二人。

俺が一番前に躍り出る。

殿は藍染。

直ぐ撤退できるようにという形だ。

 

「行くぞ、覚悟はできてるよな」

 

無論と返す四名。

ならばもう何も言わない。

開けた瞬間、目の前に会った光景は井上さんは倒れていて刀が折られてしまった黒崎君だった。

そしてそんな黒崎君から力を奪ったのだろう。

一気にユーハバッハの霊圧が上がり、黒い靄の量が増した。

目がぎょろぎょろと動いている。

 

「今更来たのか、手遅れだというのに」

 

手遅れなんてことは無い。

結果としてお前を殺せばいいのだから。

 

「これから全てを蹂躙しよう」

 

空間を繋げたであろう穴。

禍々しさすらも残る。

 

「来るならば来い、そして贅沢な死をくれてやろう」

 

そう言ってユーハバッハは去って行く。

こうなれば行くのは決まっている。

俺達が先に行かないとな。

 

「黒崎君たちは完全に治してから来ればいい」

 

その間の時間なんざ稼いでやるよ。

まずは俺と藍染が行ってそれから一分後に英くんが来る。

『鏡花水月』の術中に嵌まらないようにするためだ。

 

「じゃあ、行くぞ」

 

その言葉に頷く藍染。

霊圧で出来た道を走っていく。

どこに繋げたのかは何となく理解できる。

 

「尸魂界に侵攻してますよね?」

 

藍染の問いに俺は頷いて答える。

あちらに居る奴らでも厳しいだろう。

痣城と言えどもどうしていいか分からないだろう。

 

「お前と俺で勝てればいいが其れより確実にしたいよな」

 

そんな事を言っていると出口が見える。

そこからまずは俺が出ていく。

未来が見えているとしても意味の無いものを見ているのだと思い知らせてやろう。

 

「おらぁ!!」

 

飛びかかって斬撃を放つ。

そう来ることは分かっていたのか受けとめるユーハバッハ。

ほくそ笑んでこっちを見てくる。

 

「まず、お前が来るのは見えていた」

 

そりゃあ、まだ仕込みはやっていないからな。

今、見えている世界はどうなっているのかな?

『白い霧』がお前の眼を包んでいたならばどんな景色なのだろうな。

 

「ほんの僅か数秒先で幾重にも連なる未来を見るが良いさ」

 

そんな数秒も徐々に過去を見ていく。

おかしな現象で過去を見つめていく。

改変しようと手を伸ばせばそのまま相殺してやる。

『現在』のみを見るがいい。

そしてそれを改変する権利は如何なるものにも宿る。

 

「これは過去を見せていこうという事か、『視えていた』ぞ」

 

刀の攻撃を受け止めていくユーハバッハ。

ニヤリと笑って切っ先を滑らせていくユーハバッハ。

 

「その刀が壊れるように改変した、既に瞬き程度の未来しか見えていないが可能だ」

 

そう、ユーハバッハが言うと徐々に罅が入っていく刀。

其れで逃れられると思ったのか。

甘すぎて反吐が出る。

こっちの事は調べ尽くしたんじゃないのか?

 

「無意味だぜ」

 

ユーハバッハから見て壊れたはずの刀を振り下ろす俺。

能力の影響が持続したため、その未来の部分が見えていなかったのだろう。

ユーハバッハは回避できずに肩口を切り裂かれた。

 

「何故、解除されない!?」

 

ユーハバッハが驚愕する。

未来の改変を行って刀を折ったはずなのに俺の能力が解除されていない。

その理由は非常に単純だ。

 

「これは違法なものだ、壊れても再構築可能なんだよ」

 

少し長くなった『憧憬遡吟』を構える。

そこに藍染が来る。

既に鏡花水月の術中かつ過去の映像を見てしまうユーハバッハ。

 

「さて、こっちも使おうか」

 

俺は『年輪重歌』を構える。

未来改変は封じたが強さは変化していない。

強いままなのだから調子に乗ってはいけない。

 

「二人とも死をくれてやろう、そうすれば今を脱する事が出来る」

 

全力のユーハバッハの猛攻撃が始まる。

回避しようとするも速度が違う。

暇も与えるつもりはない。

 

「くっ!!」

 

俺の脇腹を狙ってくる。

それを転がって逃れる。

するとその僅かな隙を見つけて足を狙ってきた。

 

「ぐああっ!!」

 

足を握りつぶすような一撃。

嫌な音が響き、折られてしまう。

俺が回復しようとするがそれを許すつもりはなく黒い奔流が迫ってくる。

 

「はあっ!!」

 

藍染が助けてくれてよかった。

油断とかはしていないが地力がある分厄介だ。

 

「二人でも勝てない地獄を見せてくれる」

 

一度、勝利を掴みかけたからか余裕迄出し始めた。

それが毒のように蝕むと好都合だ。

しかし、そんな奴ではないと分かっている。

 

「ならば見せて貰おうか」

 

二本の刀で斬りかかる。

回避こそするが速度は徐々にこっちも上がっていく。

藍染はその隙に乗じて完全詠唱を始める。

 

「私には何の意味もなさぬ」

 

ユーハバッハが笑いながら迎え撃つ。

あの状態なら取り囲んでしまえば無効化できるのだろう。

圧倒的な霊圧で押しつぶすつもりだ。

 

「『五龍天滅』」

 

大地を割ってユーハバッハへ龍が迫る。

それを見てユーハバッハは余裕をもって刀を構えて迎撃に入る。

しかしそれは悪手であった。

あれだけ大きく広げていたがゆえに人数の把握が出来ていない。

 

「刀を構えたら危ないのは見てたはずだぜ」

 

そこには英くんが駆けつけていた。

彼の力によって三分の一にまで下がったユーハバッハ。

無論、藍染の一撃を刀で防ぐには力不足だったようで直撃する。

 

「がはっ……」

 

落ちてくるユーハバッハ。

更に黒崎君や阿散井君も来た事で一気に優勢になった。

 

「舐めるでない!!」

 

まずは阿散井君を一蹴する。

とは言ってもすでに卍解もやられ気味だったのも相まって無理もない結果だった。

治療こそしたがこの戦いにおいての戦線復帰は難しい。

各個撃破になると標的になった直後に庇おうにも、範囲が広すぎてどこから来るかこちらも分からない。

 

「次は貴様だ、一度負けたのに蚯蚓の様に這い出てきた者よ」

 

そう言ってユーハバッハが駆けていく。

速度も三分の一になっている。

だと言っても元が強すぎる。

実質不意打ちでさっきも一撃加えたのだから。

 

「来いよ!!」

 

そう言って英くんが構える。

未来改変の力は誤作動を起こす。

本人は気づいていないみたいだが。

 

「散るがいい!!」

 

刀と黒い奔流が英くんへ襲っていく。

それに対してぐるぐると薙刀を回して突進する。

黒い奔流が拡散されているが余裕綽々でじろりと見ているユーハバッハ。

 

「全ての行動が『視えている』」

 

ユーハバッハがそう言って一瞥すると決着がついていた。

黒い奔流と斬撃を放ったのだろう。

崩れ落ちていく英くん。

 

「ここに来る事自体が過ちである」

 

襤褸雑巾のようになって頭から血を流している。

足も折れているので曲がり方がおかしなものになっている。

 

「これで分かったか、自分の存在が場違いであったという事に」

 

贅沢な死を今くれてやる。

そう、ユーハバッハが言って頭を持ち上げた瞬間だった。

 

「がっ……!?」

 

薙刀がユーハバッハに突き刺さる。

それは貫通しており、ユーハバッハも血を吐いて英くんを取り落とした。

 

「あんたにとっちゃ蚯蚓って事だろうが、誰にでも意地は有るんだぜ……」

 

折れたはずの足で立っている。

激痛に耐えながら薙刀を振り上げた。

体勢を立て直してユーハバッハも構える。

 

「不意打ちする度胸は認めてやろう、だが私の怒りを買っただけにすぎん!!」

 

怒りから放たれる一撃。

それは奴が初めに言っていた贅沢な死とはかけ離れたものであった。

奴の力はすさまじく一撃で吹き飛ばしていく。

地面を何度も跳ねて血を吐いて英くんは気絶した。

 

「これであとはお前たちと黒崎一護だけだ」

 

そう言ってユーハバッハは俺に向かってくる。

藍染と黒崎君の加勢を手で制する。

自分達の役目を考えろ。

怒りで強くなれるのならばその分ユーハバッハにぶつけろ。

 

「刀を持ったらお前は弱いぞ」

 

俺に英くんのような力はない。

だが俺にはこの名前がある。

刀を振れば流派がそこにある。

 

「俺の手の中にこの世界全ての流派があるのだから」

 

だから弓を使え。

その姿で成せる最大の力を用いろ。

それを言葉に込めて言い放つ。

 

「傲慢な男よ、前回あれほど惨めに敗北したというのに」

 

そう言って刀を振ってくるユーハバッハ。

前回というのはあの痩せてぼろぼろだった俺だろ?

しかも心を弄んだ状態だった。

今の俺がそれと同じな訳が無い。

 

「やってみれば全て分かるさ」

 

俺がそう言うとユーハバッハが刀を振る。

弱いといった意味を分からせてやる。

刀の点を見て振り上げる。

襲い掛かる刀を上から振り下ろして迎撃。

 

「ぬっ!?」

 

刀を力も入れず両断する。

無論、真っ二つにする軌道。

後ろに踏み込んで回避するユーハバッハ。

 

「はっ!!」

 

俺は横薙ぎの斬撃を放つ。

ユーハバッハが防御をするが切り裂く。

外部に血の覆いを張れば良かっただろうに。

油断かあるいはあの状態ではそれが出来ないのか。

 

「まだ逃さないぞ」

 

そう言って俺は指を鳴らした。

藍染の力を借りてここで致命傷を与える。

あえて黒崎君を狙えるように誘導する。

 

「気を抜いたか!?」

 

そう言ってユーハバッハが黒崎君へと向かって行く。

堂々とした罠に突っ込むのは『鏡花水月』のなせる技か。

それとも目の前に標的が現れたが故の高揚によるものか。

いずれにせよその軌道に俺が立ちはだかる。

 

「終りだ、一護」

 

腹部を貫いて喜色満面の顔になるユーハバッハ。

確かにこれは致命傷と言っても差し支えない。

だがそれはあくまで『黒崎君』だった場合だ。

一体いつから……

 

「随分とご満悦だが……」

 

声が変わったのを知ってユーハバッハが目を見開く。

ようやく気付いたのか。

『鏡花水月』の術中に嵌まっていたことに。

 

「黒崎一護を倒したと『錯覚』していた?」

 

俺はそう言って刀を振り上げる。

俺の攻撃は貫いた激痛程度では止まらない。

そして俺に黒崎君の技が出来ないという事はない。

既に藍染も振り上げている。

 

「「「『月牙天衝』!!!」」」

 

三人の攻撃がユーハバッハを切り裂く。

致命傷とも取れる一撃。

それによって輪郭が徐々になくなる。

黒い布に包まれたかのような見た目になる。

 

「がっ!?」

 

一気に広がって攻撃を仕掛けるユーハバッハ。

黒い奔流が呑み込む。

両足の骨が折られる。

片腕にも罅が入っている。

更には肋骨もいくらかやられているだろう。

 

「黒崎君は大丈夫だが藍染は狙われたか」

 

片腕と片足が折れている藍染。

肋骨はどうか分からないが。

血を流すほどの重傷をもれなく俺達は負っている。

手負いになればその分死に物狂いとなる。

厄介な相手だな。

 

「貴様においては贅沢も何も無い死を与えよう、斑鳩八千流」

 

止めを刺そうとユーハバッハが迫ってくる。

その姿が滑稽に映って笑いがこみ上げる。

 

「俺に構ったら無防備になるんだな」

 

だから気づかない。

後ろで矢を番える石田君に。

完全詠唱を終えた藍染に。

再度、振り上げている黒崎君に。

 

「どんな未来が今見えているのかな?」

 

その言葉が届いたのか。

ユーハバッハが振り返って後ろを見る。

見つけたがもう遅い。

鏃が体に刺さるとユーハバッハは絶対的な力を一瞬失う。

 

「終わりだよ」

 

黒崎君の月牙天衝がユーハバッハへ炸裂する。

さらに追い打ちの藍染からの『五龍天滅』。

それらに呑み込まれていきユーハバッハが崩れていく。

 

「念入りにやらせてもらうぞ」

 

これまでやって死なない可能性も十分にあり得る。

そう思った俺は崩れ落ちるユーハバッハに対して全力の斬撃を放つ。

一筋の光が通り過ぎていく。

其れから一拍置いて亡骸が転がった。

 

「これで奴の願いも朽ちたか……」

 

五体満足ではあるが満身創痍。

藍染も慢心か重体になるほどの損傷を受けた。

それ以外には阿散井君と英くんも重傷。

無事なのは黒崎君だけという状況だった。

 

「生も死もない未来は行きつく先は精神の停滞である」

 

今、限りある命を燃やして成し遂げようとする力。

死の恐怖を乗り越えて前へ進む力。

それがあるから今日までの発展があった。

それらを否定してはいけない。

 

「さあ、帰ろう」

 

俺達の尸魂界へ。

後に『霊王護神大戦』と言われる戦いは幕を閉じる。

そしてこれからは復興やありとあらゆる未来の構築を想い、下へと降りていくのであった。




最後の戦いは重傷者多数で居ても居なくても感ありますが、そこは負けた相手へのお礼参りという事で一つ。
この後は小説編に繋がるような感じでエピローグを書いていこうと思います。
ご指摘などありましたらお願いします。
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