ガーベラに寄り添うネリネ   作:勿忘草

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主人公の強化と新しいつながりの回です。
ちなみに主人公は藍染からしたら面倒な奴という認識です。
思い通り動きそうで何をしてくるかわからないという意味で。


『重 -OverLaid- 』

『具象化』で出会った自分の斬魄刀。

屈服させるために戦い続けること、実に五年。

卍解の習得に力を注いできた。

鳳橋さん達は卍解を習得できていない。

『具象化』からどうしたらいいのかが掴めていないようだ。

 

「お前に勝てば認めるのだろう?」

 

夜の斬り合いで強くなればなるほどこいつも強くなる。

小太刀同士の斬り合いという地味極まりない戦い。

 

「今宵で何度目になるのだろうな」

 

負けず嫌いな俺の斬魄刀。

俺が勝っているというのに、全然負けを認めない。

もしくは相手と自分の伸び率が拮抗した引き分け。

その結果、未だに教えてくれない頑固な奴。

 

「お前が負けを認めたらいいんじゃねえか」

 

今日はもう負けず嫌いな奴でも、完全敗北となるほどのものを叩きつけてやる。

五年間、明確な勝利をしているのだから、教えてくれるものかと期待したが無駄だった。

 

「だって、まだ白打ができるじゃないか」

 

こいつは……

こうなったら気絶させるか、白打も込みで倒してやる。

絶対今日こそは教えてもらうぞ。

 

「ふっ!!」

 

短く息を吐き出して右に振るう。

『年輪』はそれに反応して、鏡のように左に振るう。

それで火花を散らす。

その直後にこちらが水面蹴りを放つ。

その一撃を『年輪』が跳躍で回避。

 

「貰った」

 

ただその一言で突きを繰り出す。

それを防いでくるりと反転。

地面へ着地をして居合の要領で胴を斬りにくる。

 

「甘い」

 

その腕に乗って振り下ろす。

もう既に懐。

回避不可能の一閃。

 

「ぐっ…」

 

肩口から血を流している。

それを見て距離を取る。

相手の出方を見る。

 

「言っておくが、もう流石になりふり構わんぞ」

 

鬼道も使う。

戦いを楽しむために。

 

「縛道の六十一『六杖光牢』」

 

胴を囲むように光の帯が拘束をする。

そのまま側頭部へ蹴りを見舞う。

体格の違いがある以上、一気に足をふらつかせる。

 

「まだだ」

 

胸倉をつかみ、持ち上げる。

地面に向かって叩きつける。。

頭部から血を流すほどの衝撃。

 

「がっ……」

 

腹部へ前蹴り。

背中を地面に打ち付けて何度も跳ねる。

それを瞬歩で追いかける。

既に『六杖光牢』は消えているが攻撃の衝撃や損傷が動きを鈍らせている。

 

「全てを合わせればこれだけ開く」

 

負けを認めてもらうからな。

喉に刀を突きさす。

それを際の所でかわしている。

だが顔に向かい、手を伸ばせばいい。

 

「破道の六十三『雷吼砲』」

 

その一撃でまた相手が吹き飛ぶ。

裾を踏みつけて逃がさない。

脇腹に刀を振るう。

 

「ぬあっ!!」

 

手応えはあった。

だが緩めるつもりは毛頭ない。

手首を返して追撃で繰り出す。

 

「うおっ!!」

 

回避がもはや間に合っていない。

斬られていく『年輪』。

血を流していて目が霞み始めたのだろう。

 

「認めろよ」

 

もう一度喉を裂きに行く。

それを転がり避けていく。

無駄だ。

それを起き上がらせればいい。

 

「破道の三十一『赤火砲(しゃっかほう)』」

 

地面に打ち込む。

それで浮き上がったのを蹴りあげる。

終わりにしてやる。

 

「目覚めたら教えろよ」

 

肩の方は一つ残っている。

それを切り裂き、足を斬る。

それで完全に動きは止まる。

その後に気絶するまで殴り倒す。

 

「主と認めざるとえないか……」

 

それを最後に『年輪』の意識が途切れる。

そを見届けて刀を鞘に収める。

これで戦いは終わり。

 

.

.

 

卍解の名前を教えてもらう。

しかし極めて珍しいものだと言われた。

その理由は……

 

「解号で本来の力を使う状態になる」

 

卍解するだけならばただただ霊圧の増強。

そのでかい霊圧を凝縮して斬りつける。

つまりは……

 

「能力解放しなかったら、はた目から見たら残念な卍解扱いじゃないか?」

 

そう言うと溜息をつかれる。

能力が強力無比だから封を施しているんだ。

そう言われるが、能力を明かすつもりがない。

 

「迂闊に使うものじゃない」

 

いざという時の切り札。

その事実は変わらない。

さらなる制御をするように。

その言葉を最後に今日は消えていった。

 

「制御をするという事は広範囲に影響を及ぼしかねない」

 

そう推測をする。

能力としては『催眠』や『感覚操作』。

『毒の散布』、『氷結系』及び『炎熱系』とある。

しかし、どれも当てはまりそうにはない。

能力の方向性が著しく変わっているからだ。

 

「いずれにせよ軽々と使わないようにしないとな」

 

能力を確かめて、本当に危険なものだったら禁止する。

敵味方問わずに巻き込むものなら嫌だし。

 

能力の解明はすぐに終わった。

ただ『年輪』が言っていた通りだった。

強力無比。

ただその一言に尽きる卍解。

 

「この能力は現在の護廷十三隊にはいない」

 

唯一無二。

それが一番心地よい。

誰にも理解されない、秘密そのもの。

 

「しかし、使えない」

 

結局、封印の結論。

仲間内でやり合えるものですらない。

仮に使う事があるとすれば、とんでもない巨悪との戦い。

もしくはかつてない強敵。

 

「その時までは解放しない」

 

そう言って鞘に収める。

しかし、これをはたから見たらただ大きくなっただけだな。

一尺五寸ほどから三尺ほどに。

まあ、一気に間合いも伸びて面白い。

 

「隊長格への試験の時は見せないといけないのか」

 

重要な事を失念していた。

だがこれを制御できるようにしないと。

見てもらえる人が口の堅い人だったらいいのに。

確実に四楓院隊長は駄目だ。

 

「選べるわけじゃないからなあ」

 

出来れば浮竹隊長と卯ノ花隊長。

自分が受けるころには曳舟副隊長が隊長になっているかもしれない。

その三名と総隊長なら安心して卍解できる。

 

「副隊長、警報です!!」

 

またこの流れか。

前回も始解ができるようになった途端、呼ばれたからな。

今回の規模は幾らか聞いてみた。

 

最上級大虚(ヴァストローデ)級の反応がありました!!」

 

試し切りには十分だ。

誰が来るのかも聞いておかないと。

 

「七代目剣八以来の討伐になるのか」

 

そう言って首をこきりと鳴らして、現世へ降り立つ。

気合十分というように敵のいる方向へ向かう。

血の臭い、もしくは鉄の臭いがある。

 

「こいつはすごいもんだ……」

 

相手がいる場所は倉庫だった。

子供を誘拐していた大人たちの首がねじ切られていた。

というよりも罪人たちだけが全てその対象になっている。

せめて子供の目に見えないようにしておけ。

心的外傷を負ったらどうするんだ。

 

「死神か、喰らわせてくれ」

 

相手がこちらを向く。

熊のような体躯。

前傾姿勢となる。

倉庫から子供たちが逃げ切った瞬間。

 

俺は抜刀していた。

相手は突撃で体ごとぶつかってくる。

質量を受け流すが霊圧が倉庫に穴をあけていく。

 

「俺の力を受け止めろ」

 

拳を振るってくる。

風が切り裂いてくる。

直撃すれば骨を圧し折る事は確実。

 

「縛道の六十一『六杖光牢』」

 

それは面倒だと思い、動きを止める。

そして相手に向かい、最大出力の破道を『ある技術』を用いて放つ。

息を吸い込んで集中する。

 

千手(せんじゅ)(はて)

届かざる闇の御手(みて) 映らざる天の射手(いて)

光を落とす道 火種を(あお)る風 集いて惑うな我が指を見よ

光弾・八身(はっしん)九条(くじょう)天経(てんけい)疾宝(しっぽう)大輪(たいりん)・灰色の砲塔

弓引く彼方 皎皎(こうこう)として消ゆ」

 

背後から長細めの三角形の光の矢が無数に出現する。

相手に狙いは定まった。

手を下げて最後の一文を紡ぐ。

 

「破道の九十一『千手皎天汰炮(せんじゅこうてんたいほう)』」

 

相手に無数に降り注ぐ。

しかしこれで終わりではない。

『ある技術』を用いたことによる効果が出てくる。

 

「六度、その身を晒せ」

 

一度終わったはずの鬼道が再度発動する。

縛道が解けた相手が前に進めないほどの連続攻撃。

これこそが俺が手に入れた新しい技術。

『疑似重唱』と言い、都合六度の詠唱と同じ効果を発動させる。

 

「くあああああっ!!」

 

腕を交差して何とか耐えようとする。

その間に両手で持った刀。

それを頭に突き刺すために跳躍する。

 

「それで終わりじゃないけどな」

 

自らの体に縛道を行う。

『曲光』で体を認識できないように隠れる。

相手が見失っている瞬間に頭部の中心。

急所に一撃を叩き込む。

 

「ぐがあああ!!」

 

気づいたがもう遅い。

このまま振り下ろしていき、攻撃の範囲から逃れる。

 

「狡猾な男め……」

 

相手は深々と顔を切り裂かれていた。

仮面に罅が入っている。

速く勝負を決めるか。

 

「生死がかかった場面で狡猾も何もありはしない」

 

その前に狡猾という言葉に苦言を呈する。

そんな事を言われても戦いなのだ。

死ねばお終いな世界。

全ての策と技と力を用いる。

誹りを受けるようなことはしていないと自負している

 

「正々堂々がお好みならば果し合いでも仲間内でしていろ」

 

そう言って脇腹を切り裂く。

足を切り裂き、機動力を奪う。

すると相手が驚きの行動に出始めた。

 

「うがああああ!!」

 

仮面を無理やりに剥がしていく。

これは止めなくてはいけない。

しかし……

 

「があああっ!!」

 

咆哮で吹き飛ばされる。

倉庫が完全に崩壊していく。

相手が仮面をはぎ取り終わると無造作に放り投げる。

そして……

 

「最高の気分だぜ……」

 

霊圧が跳ね上がる。

恐怖はない。

しかし口角を上げて呟いていた。

 

「じゃあ、心おきなく使わせてもらおうか」

 

鞘に一度収める。

そして再度引き抜く時に言葉を放つ。

 

「『卍解』!!」

 

鞘の色も刀の色も変わる。

そして長さも変わった。

 

「『年輪(ねんりん)(かさね)(うた)』」

 

俺の刀が変わり目つきも変わったのを感じ取った相手が微笑む。

おおよそ戦いへの顔になったと思っているはずだ。

しかし。その笑みもすぐに塗り替わるだろう。

 

「面白いなぁ!!」

 

吹き飛ばしていい気になっていたのだろう。

もしくは俺の霊圧の上がり方が緩やかだったからか?

その鈍い腕に向かって刀を振り下ろす。

『それ』は無造作に地面に転がっていく。

 

「なっ……」

 

腕を斬り落とされて驚いている相手。

これほどまでに差があるとは予想外だったのだろう。

内心溜息を出していた。

 

「せいぜい、覚醒直後のお前の霊圧の上昇具合は二倍ほどだ」

 

それにその姿にはまだまだ先がある。

そう考えればこの差も許容するべきかと思えた。

 

「卍解した場合、その霊圧は五倍から十倍になる」

 

その言葉に青ざめる。

元よりこちらが上だった。

それがさらに広がったのだ。

無理もないだろう。

 

「つまりお前が勝てる道理は微塵も有りはしない」

 

その言葉を最後に頭から真っ二つに切り裂く。

そして死を見届けた後に鞘に刀を収める。

 

「……で、いつまで出歯亀な真似しているんだ?」

 

あの欠片を奪った日から五年間の間、欠片を埋め込んだ手袋をどんな時でもつけている。

警鐘がまだ止まないのだ。

この男の心を知ればこれは終わるのだろうか?

 

「藍染八席」

 

暖簾をめくるように空間に手をかけて露わにする。

頭を掻きながら弁解を始める。

 

「いや、私が出すぎた真似をしてはいけないと思って」

 

じゃあなぜ隠れる必要がある。

遠く離れたところに居てくれる方がまだましだ。

疑惑の目を向けてしまう。

 

「まあ、それはいいんだが……」

 

話を打ち切って藍染に別の話をする。

黒い噂というわけではない。

しかし五番隊は精鋭揃い。

だからこそ、それほど暇がないはず。

それゆえに気になっている。

 

「最近、流魂街でよくお前を見かけるという噂があるが真偽はいかほどかな?」

 

そう言うと少し心がざわついた。

この後の答えが嘘ではないかという予感がした。

本当は目に見えないところでとてつもない行為に身を染めようとしているのではないかと。

 

「他の平隊士の方と仕事柄の徘徊ですよ」

 

はぐらかすように当たり障りのない答え。

嘘だと見抜かせたいというのが見える。

それに乗ってもいいが、ここで推理をする。

人数が必要なことで悪事につながる。

それはあくまで推測だが魂魄に関しての事案がおおよそだ。

しかし流魂街の魂魄を消し去っているのならば、即時に連絡が入る。

そうではないのなら……

 

「まあ、それならとやかくは言わないよ」

 

そう言って尸魂界に帰っていく。

奴からすれば何か仕掛けておきたいのだろう。

しかし、何も起こさないところを見ると、あの話を餌にしている。

調査をしに来たところを悪事だったならば擦り付けて『蛆虫の巣』にでも入れる腹積もりか?

いずれにせよ引き続き警戒しておくに越したことはない。

 

「そう言えば新しい隊士が入ってくるみたいだが聞いているか、藍染?」

 

聞くと頷き返してくる。

こういった形でこいつに意識を向けておかないと。

いつ寝首を書かれるやら。

 

「ええ、面白そうな人材は見つかっては居ませんがね」

 

お前の基準だからな。

俺も最近は食指が動くやつは見てはいないけど。

『蛆虫の巣』に不法に入って涅と話すほうが楽しいし。

 

「まあ、俺も会ってはみようかな」

 

そう言うと降り立って自分の隊舎に戻っていく。

そんな時に一つの影が見える。

彼に対して声をかけるのであった。

これが自分の初めての愛弟子になるとは露一つも思わずに。




主人公の卍解はギンと同じように本当の能力は解号で発動する奴です。

今回の相手は最上級大虚でもそれほど強くない個体だったという事で一つ。
グリムジョーたちが成長した方が明らかに今回の相手より強いです。
卍解を使ってはいますが、あのまま始解を使っていても勝てた可能性は十分にあります。
主人公の卍解の能力は一体何なのか……。
そして、入隊してきたやつとは誰なのか?

指摘などありましたらお願いします。

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