文字数少なめでさらっと読めるように第2部は書いていこうと思います。
『虚狩り - Hunter - 』
「……朝か」
俺の名前は
薙刀部に所属する高校生。
「うんとこしょ」
そう言って布団から出る。
そして畳んでから仏壇の前で手を合わせる。
その後はバナナとコーヒーで朝食を済ませて家を出た。
「おはよう」
それだけ言って小島に声をかける。
その後には黒崎と茶渡。
有沢と井上。
そして教室の後ろに薙刀を置く。。
あほみたいに長いから横向きで安定させているのだ。
因みに薙刀部は団体戦に出れる分の人数しかいない。
剣道部には流れるのにな……
「あんた、大丈夫なわけ?」
有沢から声をかけられる。
部活でも薙刀部と空手部はそれなりに仲がいい。
皆の興味がないのが問題だ。
面倒見がいいから気にはなっているんだろう。
「今年の夏のインターハイで暴れたらいいから大丈夫」
頭を掻きながら言ってやる。
薙刀の段位持ちだからな。
ここいらで興味持ってもらえれば万々歳さ。
「織姫が呼んでるから行くわ、また」
こっちも手を上げて応える。
すると頭上から影が覆ってきた。
「茶渡か」
ある冊子を指さしてくる。
ぬいぐるみについて詳しく書かれたものだ。
可愛いものに目がないもんな。
「このタイプのテディベアは大きいからまだ一回り小さいぐらいで良いだろ」
そういうものか。
そう呟いて去っていく。
「お前、なんやかんやで話すよな」
黒崎が声をかけてくる。
こいつから感じるものは『死神』のそれ。
確かクラスにいた朽木も同じような霊圧だったな。
俺が知っている事には気づいていないようだが。
「まあ、皆と話すのは嫌いじゃないんでな」
そう言って先生が来たので席に着く。
授業を受けて放課後。
帰る途中である霊圧を感じる。
「じゃあね、英くん」
井上が声をかけてくれたから親指を上げて応える。
見えていない顔は真剣そのもの。
相手のいる方向へ向かって行く。
「ちっ!!」
公園に虚がいた。
小さな子が狙われていた。
押しのけるのもだめだ。
薙刀を包んでいるのを解いて歯を食いしばる。
霊圧を注ぎ込んで本来の姿を取り戻す。
相手は刀のような腕を振るう。
それを受け止める。
それほど速くもない動きだ。
「えっ?」
女の子が驚いていた。
きっとぼんやりと感じ取っているんだろう。
「速く下がって!!」
そう言うと距離を取っていく。
これで一安心だ。
「カァアアアア!!」
相手が逆の手を振ってくる。
それを避けるが岩を切り裂く。
なかなかの攻撃力だ。
しかし隙だらけ。
「弾けばすぐ懐」
弾いて攻撃を逸らす。
そのまま反転させて石突を天に向ける。
顎に向かって振り上げる事で砕きに行く。
この所作を行うのにかかる時間は速い。
「ウギ!!」
相手が防ぐが次は上下の攻撃。
そのまま脛を切り裂く。
痛みでくの字になった相手に鉄拳を叩き込む。
「ガ……」
息を吐き出した相手への追撃はやまない。
一瞬の動きが止まった隙に上段に振り上げる。
「はぁ!!」
気合一閃。
頭から股間にかけて深い切り傷がついた。
再生していくにもそれより速く斬ればいい。
決着はついた。
「もし、人語を解せるなら一つ聞く」
もう命が尽きそうな虚に問いかける。
相手が冷や汗をかきながら口を開閉する。
「……蟷螂のような虚は居るか?」
首筋に刃を押し当てて問う。
そこに込められた殺意は嘘ではない。
「なんでそいつを追ウ……」
それが分かっているからか反撃がない。
追う理由はたった一つだ。
「父も母も姉もそいつに殺された」
母は俺が腹に居る時に襲われた。
その後遺症で俺を住んですぐに無くなった。
父と姉は俺が八歳の時。
祖父母や大叔父、大叔母は俺が二歳から五歳の時にかけて亡くなった。
叔母も叔父も父母が一人っ子だったため居ない。
かれこれ数年間は天涯孤独である。
「ソウカ、知らナイ……」
血反吐を吐いて崩れ落ちる。
その姿に虚偽はない。
「じゃあ、用無しだな」
そう言って首を切り裂いて終わらせた。
そして気配を感じて後ろを向く。
「覗き見か…石田」
そこには眼鏡をかけた青年。
同じ高校に居るクラスメイト。
よもや気づかれないとでも思っていたのか?
俺は薙刀を振って突きつける。
相手も弓を引くような構えを取る。
じりじりと緊迫感が張り詰めていくのを感じていた。
第2部主人公は『完現術』の持ち主です。
仇を追い続けている単独の存在です。
殆ど問題の無いのですが日常的な意味合いではそこそこ欠点のあるな男をイメージして書くようにしていきます。
指摘などありましたらお願いします。